増山実のレビュー一覧

  • 今夜、喫茶マチカネで

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    ネタバレ

    お初の作家さんです。

    大阪大近くの待兼山駅にある「喫茶マチカネ」
    駅名変更のタイミングで閉店するということをきき、長年の常連沖口さんがこの街で起きる不思議な話を語る会『待兼山奇談倶楽部』を提案する。
    そして月一回開催され、語られた話は本にして残すことになる。

    カレー屋のマスターが長年応援していた競走馬「ロッキーラクーン」の話
    銭湯でピアノを弾いていた学生の話
    戦後の貧しい生活の中 あんかけうどんを在日の子供に食べさせていた話などなど
    どれも 切なくて、優しくて暖かい。

    1つ1つが不思議で、でもその人の人生が詰まってて、聞きたくなってしまう
    (読みたくなってしまう?!)

    超感動!!とかいう 心の動かされ方ではないけど ほっこりとして優しい本でした。

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    2025年11月21日
  • 今夜、喫茶マチカネで

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    ネタバレ

    優しく、心温まる話。
    待兼山ヘンジの日、夕日に照らされると、並行世界が繋がる。
    石橋駅のある世界から、並行世界に落ちた人が、その世界で暖かな人達に囲まれて、待兼山奇譚倶楽部を発足し、不思議な話を月に一回する。
    応援してた馬らしき青年がお礼を言いに来る話。
    ピアニストとストリッパーが一度夢を諦めても再度夢に向かって歩き出す時の、不思議な邂逅。
    戦争から帰ってこない息子を待つ父親の元にフィリピン人の友人の子供として戻ってきた息子。
    マチカネワニの二体目の化石を探す少年達。
    戦後の高度成長期に、朝鮮戦争に反対した青年達が喫茶マチカネのオーナーの父だった事。
    そして、待兼山奇譚倶楽部の発起人が石橋駅のある並行世界が来た話と、元の世界の妻に本を届ける話。
    誰かが誰かを思い、大切にした事がわかる、優しい話。
    「自分ができることで、少しは人に喜ばれるようなことを、それぞれが突き詰めていくしかない。そうしたら、その先の未来が、今より悪うなるはずない」
    は、心に刻みたい名言。

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    2025年10月17日
  • われらみな、星の子どもたち

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    もともと能登の話を書くつもりだったのか、
    震災があったから書こうと思ったのか。

    いずれにせよ、自分と連なる人の
    生き様を知るということは、
    自分を知ることにもなるんだと思った、

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    2025年10月04日
  • あの夏のクライフ同盟

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    ほろっとした。誰にでもあった純朴な時代ー子供を脱して、いよいよ大人への階段を上り始める中学生の頃を思い出した。好きなことをひたすら頑張って、ちょっと気になる子が居て、頭の中は妄想の嵐。。世の中の中学生を全員応援したくなる!

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    2025年09月17日
  • われらみな、星の子どもたち

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    父と母の歩んできた人生、自分が生まれる前のこと、もっと聞いても良いような気がしてきた。

    小説では、クリーニング屋を営んでいた両親が、亡くなる直前に、若い頃のことや親戚の話を沢山してくれる。どんな人でも大なり小なり山もあれば谷もあるわけで、人生色々だなと思いながら読んだ。この両親は裕福ではなかっただろうが、最後までお互いのことを大事に思えていて、とても幸せだったと思う。

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    2025年09月13日
  • 今夜、喫茶マチカネで

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    ネタバレ

    何を隠そう私も阪急電車ユーザーなので、本書の舞台となっている駅を何度も利用したことがありますし、駅前の街並みや商店街の雰囲気もよく知っています。

    ふむふむ、作中では「待兼山駅」と言い換えているんだな。
    商店街を抜けた先にある橋は赤色だったはずだけど、作中では青色という設定なんだな。
    そんなことを考えながら読み進めていきましたが、最後の章に差し掛かったときに全ての謎が解けました。
    どの奇談も引き込まれましたし、本当にこんな出来事もあったりするのかも…と思わされました。

    本書の内容を覚えているうちに、「石橋阪大前」駅をまたぜひ街ブラしたいですね。
    阪大の豊中キャンパスにあるというマチカネワニの化石を見てみたいですし、夕日が落ちる瞬間を狙って待兼山ヘンジを体感したい!
    もしかしたら願いごとが叶っちゃうかも…?!ですね。

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    2025年08月28日
  • われらみな、星の子どもたち

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    面白かった。ノンフィクションかと思うくらいのリアルな語りで引き込まれた。
    星にまつわる苗字の一族のはなし。
    どの一族にも破天荒な伯父さんがいたり、どうしようもなく苦労した叔母さんがいたりするような普通の市井の人の話だけど、どれも波瀾万丈でドラマがある。自分もおじいちゃんの話を聞いてみたい気持ちになった。
    そして、能登の人間の辛抱強さと優しさ、賢さが胸を打った。

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    2025年08月10日
  • われらみな、星の子どもたち

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    家族の物語。
    能登半島地震をきっかけに,主人公・星場恵介が,両親の故郷である能登へ出向き,そこで両親や両親に繋がる人々の過去の記憶をたどりながら,自分の中にある命のつながりに気づいていく。
    興味深いのは,本書タイトルにも主人公の名字にもある「星」にまつわる話題だ。
    主人公は,2度にわたって,柳田植物公園内にある満天星を訪れ,プラネタリウムを鑑賞している。最初の日なんて,1日,すべての上映を見るという嵌まりようなのだ。このとき,星空について解説してくれるのは,宇佐美さん。この宇佐美さんのことも,かなり正確に書かれていて,こんなに暴露していいんかい!本書巻末には,もちろん,「本書はフィクションです。登場する人物,組織,および団体は,実在するものといっさい関係ありません。」とは書かれているけれどもね(^^;)

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    2025年08月05日
  • あの夏のクライフ同盟

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    物語の主人公達と同世代で、懐かしい言葉がたくさんありました。
    私は、大阪で過ごしていましたが、九州の中学生とまったく同じ事をしていました。

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    2025年07月24日
  • 今夜、喫茶マチカネで

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    ・不思議な街を行ったり来たりした人たちの不思議な物語。
    ・時代や場所についてよく調べられていて、光景がくっきりと浮かぶよう。優しい文章で丁寧に描かれているので読みやすい。
    ・出てくる登場人物も皆魅力的!
    ・妙子さんが来年、愛する人に会えますように。

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    2025年06月18日
  • 今夜、喫茶マチカネで

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    不思議なお話だった。いや、最初は、待兼商店街にある喫茶マチカネのお話だった。お店を閉める決意をした店主。1Fの書店はお兄さんが経営。もともと両親が1Fの書店と2Fの喫茶店を開いた。

    閉店になる前に、この街の不思議な話をするお話会を月に1度開くことになった。
    それが各章のお話。たくさんではないけれど多少不思議な、温かい話ばかりだった。
    最終章でまさかあんな風につながっていたとは。連作集とはまたちょっと違ったかかわり方。苦手な○○○○ワールドの話だったが、ちょっといい感じがした。

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    2025年06月11日
  • 波の上のキネマ

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    尼崎の小さなキネマから壮大な展開へ…。重目の話だったけど、最後にチルーが「なんくるないさ。」って言ってたからちょっと救われた。

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    2025年06月05日
  • 今夜、喫茶マチカネで

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    昭和レトロ感溢れるカバーの雰囲気が気になって手に取ってみた。

    長年にわたり営業してきた喫茶マチカネが閉店を迎える。残された数ヶ月間で、喫茶店の営業後に街にゆかりのある人達が不思議な体験談を語る夜会『待兼山奇談倶楽部』を発足する。
    そこで語られるちょっと不思議な7編の連作短編集。

    移ろいゆく季節を感じながら、月毎で語り手が代わるけど、どのお話もとても心温まる話で胸が熱くなった。なんと言っても語り口が皆さん穏やかで、ホント癒される。人生経験が豊富な方達ばかりだからか、話の内容にも深みがあったり、気付きがあったりで興味深かった。
    人生は『もしも』の繰り返し、というくだりにハッとさせられる。あの時ああしていたら、こうしていたら、と思うことばかりだけど、後悔したことも含めてそれが人生なのかな。

    ただ夜会でお話を聞くだけのストーリーでは終わらず、ラストちょっとしたファンタジー要素も入り、自分自身が不思議体験をしたような読後感もあって最後まで楽しめた。

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    2025年03月19日
  • あの夏のクライフ同盟

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    良くあるロードムービーだが、この手の筋立は必ず感動する。
    程度の差はあっても誰もが持っている「あのころあのときの、懐かしさと純粋さに」

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    2025年03月09日
  • あの夏のクライフ同盟

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    なかなかクラアフ同盟の活動が始まらないから、
    読み進めるのに苦労したが、
    途中からはするすると読めた。

    日本版スタンドバイミーだな。

    今みたいに簡単に情報が手に入らないから、
    本当に知りたいことを知るためには
    体張るしかないんだよ。

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    2025年01月24日
  • 波の上のキネマ

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    映画や音楽が好きな方にはオススメしたい作品。

    最初は主人公の物語かと思いきや、
    フォーカスが少しづつ変わっていく。
    色んな視点から物語が見れるのが私は好きだった。


    章のタイトルもリンクしてる部分があるので
    読み進めてからなるほどと思ったりした。

    1人1人の人生は語られないが
    本当に色んな事が起こっている。
    そんなことを感じれる。
    自分のルーツはどこからどう向かっているのか、
    そんなことを考えながら読み進められる。

    臨場感がひしひしと感じる作品でした。

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    2024年04月15日
  • 甘夏とオリオン

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    落語家の師匠が突然失踪する話。落語を生で聴いてみたい、まだ出来ていないまま。いくつも心に残る言葉があった。

    一人でできる、思いっきりアホがやれる。それが噺家。
    描写が迫る、感動的な場面、『宿替え』。

    この世界も、捨てたもんやない。ワットアワンダフルワールド。byルイ・アームストロング。

    オリオン座を知らない甘夏。人間にとって、無知は罪やで、の言葉。

    本来は見えへんもんを、見えるようにする。それが文化とか芸能である。

    見えへんもんを見えるようにする。それが、落語家の仕事やで。

    人を笑う噺が落語。だがそれは否定ではなく、『存在』の肯定。
    『代書』、朝鮮人が出てくる噺。

    みんな、何かを待っている、というミヤコさん。泣きそうや。深夜の銭湯での落語会。
    待つって簡単じゃないし、受け身じゃない。勇気がないと、人は待てない。

    見えないものを見えるようにする、そんな落語家が増えていく、のかな。

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    2023年09月09日
  • 甘夏とオリオン

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    (ネタバレあり)

    落語家の師匠・桂夏之助がある日、いなくなった。

    心置きなくバカを演じられる面白さに魅了されて、弟子入りした甘夏を軸に、同じ一門の小夏、若夏の3人の成長物語を描く。

    師匠はラストまで戻らぬままのストーリー展開だったり、若夏の家族が水俣出身であることの葛藤が加わったりだが、落語の修行世界を明るく描いているので、読みやすかった。

    落語好きにもオススメの1冊。

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    2022年04月07日
  • 波の上のキネマ

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    散髪屋の兄さんに「街の映画館が好きなら」って事で借りた。
    子供の頃から通った塚口サンサン劇場も本作で出てきたし、隣町であった尼崎の歴史が知れて興味深かった。
    ある映画館の設立背景を紐解く本作を読んで、事業を興していた僕の両祖父の、設立にあたっての思いや背景を知らなければならないなと感じた。たった2世代しか離れていないけど、爺さん達の思いみたいなものを知らないのは、寂しいな。

    自分では手を伸ばすタイプの本では無かったんだけど、こういう新たな出会いもええもんや

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    2021年05月12日
  • 波の上のキネマ

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    ネタバレ

    西表島のジャングルの中にある映画館。
    なぜそんなところに映画館があったのか。


    尼崎にある映画館『波の上のキネマ』。
    今は亡き祖父が開いたこの映画館を俊介は畳もうかと考えていた。時代の波に飲まれ経営難に悩まされていたのだ。しかし、店を畳む前に、どうしてこの映画館が出来たのかを調べようと思い立つ。

    視点は、祖父・俊英に移る。
    俊英は、尼崎で生活を営んでいたが、両親が亡くなり、『運命』の下、西表島の炭鉱で働くことになる。その移動途中に立ち寄った遊郭で出会った一人の幼き少女・チルーが、俊英の記憶に強烈に刻まれることとなる。

    炭鉱での生活は厳しく耐え難いものであった。しかし、ハーモニカを吹く坑夫が現れ、炭坑で生活しているものたちに歌うことの楽しさを思い出させた。この坑夫は映画の作中音楽を奏でるとともに、映画の内容を話した。そして映画は俊英の心を奪った。映画を見たいと切望した。俊英はジャングルの中に映画館を作るよう炭鉱の管理者にかけあい、石垣島からフィルムを運んできてもらうことで、映画の上映が実現された。
    映画の中にはチルーが映っていた。この映画は俊英の彼女への想いを溢れさせた。俊英はもう彼女に会うために脱走を試みる。一度は失敗しつつも、脱走を成功させ、『運命』のもと、チルーと巡り会う。

    そして視点は俊介に戻る。
    俊介は西表島に訪れ、かつて映画館があったであろう場所へたどりつく。祖母・チルーを連れて。

    全てを知った俊介は、『波の上のキネマ』を閉めることにした。
    そして開いたのである、『ジャングルキネマ』を。

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    2021年01月25日