スズキナオのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトル「家から5分の旅館に泊まる」がこの本の内容を簡潔に言い当てすぎててお見事であった。
私がこの本を読みたかったのも、「あ〜家からそう遠くない場所で非日常味わいてえ〜」という気持ちが常にあった中で、この本のタイトルがかなりブッ刺さったからだ。
中身はほんとに家から5分の旅館に泊まった話や、電車で2時間ほどの場所に出かけた話とか、よし、ヨーロッパ行くぞ!!!みたいな気合いのいらない旅の話でほんとによかった。
自分も旅行で体験する非日常は好きなのだが、遠すぎると行くだけで疲れてしまうので。
こういう旅の仕方に心底憧れる。
それにしても関西付近はすぐ行ける観光地が多くていいなぁ。
関東も自分が知らないだけであるのだろうか。
探していきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいつまでも読みたいと思わせるスズキナオさんの文章。
今までの街ブラ系とは違い、家族のことを語るエッセイ。読むのをたのしみにしていた。
家族のことを本にする、というのはとてもパワーや神経をつかうものだろうなと思うのだけど、スズキナオさんのご家族のことを知れてとても良かった。
良い部分だけでなく、そうでない部分だったりも書いてくれているので、共感できる箇所も多々あった。
自分と違うのは、ナオさんには家族や親戚がたくさんいること。集まってお酒を飲んだりしていること。わいわいしていて楽しそうでいいな。こういうのって理想だよなーと思ったりした。でも自分はきっとこういう感じの繋がりはできないかな、と切なく思ったりした。シンプルにうらやましかった。でも家族が多い分、その先の悲しみも多くなるのかもしれないし(ネガティブすぎ?)どっちがいいとも限らない。けど、ほんとうらやましく思ったな。
私のお母さんやおばあちゃんは、ついてる職だとか世間体をとても気にしていたけれど、ナオさんのおばあちゃんはそういうのを気にしない人でうらやましかった。私もそう育てられたかったな・・と思った。
その箇所を抜粋↓
私が大学を卒業してずっと定職につかず、バイトをやったりやめたりしているだけだった頃、山形に行っても、かあちゃんはいつも「体は大丈夫か?」としか聞かなかった。「大丈夫だよ」と答えると「ならいいんだぁ。風邪ひかねぇようになぁ」と言う。「仕事は?」とか「結婚は?」とか、そういうことを聞かれたことは一度もなかった。その頃の私は今よりずっと適当に生きていたけど、自分の人生がどうなっていくのかという不安がまったくなかったわけではない。だから祖母に会いさえすれば「元気ならそれでいいんだぁ」と人生を肯定してもらえるのがすごくありがたかった。「かあちゃんが元気でいてくれさえしたらそれでいいのに、それだけでいいのに」と、まさか自分が祈ることになるとは思わなかった。
ナオさんのご両親の出会いから結婚までの話も興味深かった。こんな風に結婚する事もあるのか・・ と。昔と今って全然違うな。私だったらこういう風には無理だ。逆に完璧主義すぎるんか?と思ったりした。 -
Posted by ブクログ
デイリーポータルZは愛読しているので、この本に入っている話は9割以上読んでいます。しかし面白さを減じるどころか、知っているだけに仲間入りしているような気持で読んでいます。そもそもデイリーポータルZ自体が、規制の価値観だけではなく、色々な事を面白がれる感性を育ててくれる優良サイトなので非常に楽しいのですが、この2人はその中でも最も僕の感性にフィットします。
酒を軸に色々な街や場所をうろついているのですが、いわゆる名酒場がどうとかではなくて、街、人、場所を愛してその生活を愛おしむ感じなんですよね。
だから大阪から南極、練馬から北極を5時間だけ目指してみたり。ご自由にお持ちくださいを探してひたすらさまよったりするんですが、普通に考えたらやらなそうなことなんですが、近い事って子供の頃やったような気がします。自分ルールで生きる、遊ぶっていつの頃からかしなくなりますが、こうやって自分で勝手にルールを作ってその中で楽しむってとても高等な遊びではないかと思います。自分ももっと自分ルールで自由に生きたいと思います。 -
Posted by ブクログ
本書は前作『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』に続く、超ゆる〜い体験型考現学ルポ第2弾。今回は〈近所〉〈旅〉〈調査〉〈人〉の4章立て。
今作でも、小耳に挟んだ街ネタ、ふとひらめいたアイデアに飛びつくようにして、『あえて』『わざわざ』行動に移す。良い意味での『悪ノリ』。ただし、やる以上は真面目に。そのスピリットはきちんと受け継がれるどころか、バージョンアップしている印象すら受けた。
本書の白眉は…表題にもあるように朝寝を貪り、寝癖がついた頭をポリポリしながら、『今日はとにかく大量の水が見たい!』気分に代表される発作的かつ無企画な〈ひとり遊び〉。電車乗り継ぐこと40分。JR須磨駅に到着。駅改札口前のコンビニで発泡酒を、向かいの水野屋でコロッケを、改札出て3分でひとり飲みセットをゲット!海辺の売店では須磨海苔も購入。眼前に広がる須磨の海を独占しカンパ〜イ!時間はまだ3時、須磨浦山上遊園へGo!
こんな調子で、『六甲山の湧き水で焼酎飲めば美味いのでは⁈』『コロナ禍で行けないから両親の里 山形県の味を行った気分で味わえないか?』、表題にある『今日は「じゃないほう」ばかりを選ぶ!』企画では、いつものなら東梅田方面行き電車を大日方面行き電車に乗ることから始まる、ひとりアンチテーゼを敢行!
コロナ禍の行動制限を逆手に取るかのように『ささやかだけど、感慨深い冒険』に、ひょいひょいと出かけ、ゴキゲンに過ごす様子についついニンマリ。
ページを繰りながら、『わざわざこんなことして楽しい?』という声が著者の中に渦巻かないかな?と訝しむ僕は太宰治の『トカトントン』を想起。何かに熱中している時に、きまって『トカトントン』という金槌の様な音がどこからか聞こえてくる。その音色を聞いた途端、熱中していたことがどうでもよくなり、投げ出してしまう…。
そんな邪念をあとがきの一文が一掃する。
〈知らない場所を訪ねて誰かの話を聞かせていただくとき、親しい友人と一緒に些細なことで笑い合うとき、出会った人々から分け与えてもらった時間を私は本当に大切にできているだろうか、と思う。いつも軽く受け流してしまっているだけなのではないか、大抵の場合、後悔の念を抱く。まぁ、後悔の念と言いつつ、結局はそれを忘れてまた呑気に出かけていくわけだが…
大概において日常は『なんでもない日々』の積み重ね。ハライチ岩井くんの著作『僕の人生には事件は起きない』を借りれば、ありふれた人生も視点を変えれば、面白さに溢れる。ゆえに人には自然に鼻歌のひとつも出るスパイスが必要。本書は安価で手に入るスパイスのあれこれ教えてくれる。今回もオススメです! -
Posted by ブクログ
他で読んだ本で紹介されていたので興味を持って読んでみたのだが、予想外に面白かった。
特別、文が上手い!とか内容が物凄く面白い!というわけでもないが、何となくヘェ〜と読み進めていってスルスル読んでしまった。発想というか物事の捉え方がすごく面白い人だと感じました。
自分も四つ手網の小屋に行ってみようかなぁと思ったり、実家や自宅周辺の通り過ぎていた店に入ってみようかなと思った。何より筆者のように、日常の何気ない思いつきをトライしてみたり、何気ない事に楽しみを見出せる暮らし方をしてみたいなと思えた。人生の楽しみ方のヒントをもらえるような本でした。