【感想・ネタバレ】家から5分の旅館に泊まるのレビュー

あらすじ

行き先は何も遠い地に限らない。近所の旅館やビジネスホテルにも、知らない世界が広がっている。


執着を解き放ち、自分の輪郭を失くしながら歩く知らない町。人に出会い、話を聞く。言葉に出会い、考える。それでもこの世界をもう少し見てみたいと思う小さな旅の記録。
話題作『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』でデビューし、今「最も注目すべき」書き手であるスズキナオ、初の旅エッセイ集。前向きな言葉、大きな声に疲れているすべての人へ。


今の疲れ果てた自分でも読めるような、むしろ、こんなときだから読みたくなるような本はないものだろうか……書棚をもっとよく探せば見つかったのだろうけど、そのときは体力もなく、まばゆく見える本ばかりが並ぶ書店をよろよろと出ての帰り道、暗くて静かな旅行記を書こう、と心に決めたのだった。大好きな『つげ義春日記』の、あの雰囲気が念頭にあった。(中略)旅先で出会う何かに心が癒されるとか、元気になるとか、そんな自分勝手なことを期待しているわけではなく、知らない土地を歩くことで、そのあいだだけは、自分自身のことを考えずに済むのかもしれない。ただ、見ているだけ、聞いているだけ、歩いているだけの存在になれるような気がするのだ。そしてその行き先は何も遠い地に限らない。近所の旅館やビジネスホテルにも、知らない世界が広がっている。(「まえがき」より)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ


エッセイでこんなにもスラスラ読めたの久しぶり。気軽に読めるけど、自分も旅をしたような気分になれる。やはり旅は人の視野を広げてくれるものなんだなと感じた

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

読んでると旅情が押し寄せてくる お粥みたいな旅行(?)記
こういう所に、行きたい❗️

「どこに行って何をしても、同時に、行けなかった場所、できなかったことがその背後に残る。」(「あとがき」p.336)

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2025年05月08日

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旅は根源に寂しさのようなものを抱えていると思う。
スズキナオさんの著作をいくつか読んだけれど、一番その余韻を感じた。
近場でも、遠くでも、一回きりのその時の旅、時間をとどう過ごすか。一回きりの生をどう過ごすか。その一回しか体験できない、というあたりに寂しさがあるのかもしれない。
とても好きなエッセイ

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

素敵な旅エッセイだった。とくに、場所が有名な観光地などではなく、著者が気になったところや思い出の地へ行き、何をするでもなく街を散策する様子は、改めて色々と調べてスタンプラリーのように忙しない旅行ばかりしている自分をもったいなく思った。どの旅行も、出会いを大事にしているし、自分なりの見る目や基準も少しずつ形作られていって、場所ではなく人や雰囲気を楽しんでいるので、わざわざ遠くに行かなくても日常をこうやって楽しめば良いのかと、自分の住んでる街も愛おしくなった。

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2025年04月13日

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自分が関東に住んでいるため、関西に生活拠点を置く人の旅エッセイは新鮮で面白かった。
調子が良くないときに、すがるように、逃げるように(でもそんなに切実ではない感じで)ふらりとひとり旅をしてきた記憶が思い出されて、すっと読めた。またどこかに行ってみようかな。

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2024年09月03日

Posted by ブクログ

ずっと気だるげな旅行エッセイ
旅行だからって肩肘張らずに旅程、旅先すらも適当に決めて、そこで出会ったものや思い出したことを淡々と記録している。

僕も何処かにビューンとかで適当に旅行したい

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2025年08月18日

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表題通り、家から5分の旅館に泊まったりのんびりとした旅行エッセイ。関東圏の私にはちょっと行き先の距離感がわからなかったが、酒好きとしては常に美味しいそうな匂いと開放感を感じる。
これを読んでゆっくり温泉と酒と本を楽しみたくなり、近所の旅館宿を予約した。

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

最近1.2を争うくらい好きなエッセイストです。題名からして最高ですが、日常に喜びと遊びを見出す心はとても余裕を感じます。遊びが無い硬直した心では生きていくの辛いですから。彼の本読むと心が柔らかくなった気がします。

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2025年03月10日

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本書の
「同行二人を思いながら野川を歩く」
たまらない。

急に友人を亡くした思いについて書かれている。故人と近しい人と比べた時の悲しみに自信が持てなさ、素直に言葉にすることができなさ。
街ブラ同行二人で見えてきたものは。

ぽっかり空いた心には、
ふらっと散歩に出ることが効く。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

ちょっとした旅にただただ憧れと羨ましさを感じた。
日常から旅としての非日常へ、その非日常を通じてそこにある日常を感じる。
時間の使い方、楽しみの見つけ方、どれも素敵で今すぐ電車に乗って出かけたくなる。

特別な旅でなくていい、行動することでしか味わえない幸福感がそこにある。
小さな目的だけ持って出かけてみよう。

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

タイトル「家から5分の旅館に泊まる」がこの本の内容を簡潔に言い当てすぎててお見事であった。
私がこの本を読みたかったのも、「あ〜家からそう遠くない場所で非日常味わいてえ〜」という気持ちが常にあった中で、この本のタイトルがかなりブッ刺さったからだ。
中身はほんとに家から5分の旅館に泊まった話や、電車で2時間ほどの場所に出かけた話とか、よし、ヨーロッパ行くぞ!!!みたいな気合いのいらない旅の話でほんとによかった。
自分も旅行で体験する非日常は好きなのだが、遠すぎると行くだけで疲れてしまうので。
こういう旅の仕方に心底憧れる。
それにしても関西付近はすぐ行ける観光地が多くていいなぁ。
関東も自分が知らないだけであるのだろうか。
探していきたい。

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2024年11月20日

Posted by ブクログ

どれもなんとも羨ましい旅
お風呂やお酒は飲めないので共通項は少ないんだけど、でもこんな緩ーい旅は理想的。

サイコロきっぷ、興味があったんだけど、今年はもう終わったみたいなので、来年は是非応募しよう。

淡路島を船で渡る、魚屋さんはなくなったのは残念だけど、旅の候補の一つに追加!

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2024年10月15日

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ネタバレ

タイトルが面白そうなので読んでみると、全然近場ではないところまで行っている旅&酒&美味しい物エッセイ。といっても蘊蓄云々ではなく、ただその場所に行って食べた物を思い出と共に『そういやこんなん食べたな』くらいの書き方で書いてくる。それが読む側も身構えなくて良い。こういうのでいいんだよ、とか井之頭五郎が言いそうな感じの本だった。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

スズキナオさんの肝臓が弱くなってきたことに、年の流れを感じました笑 「サイコロきっぷ」一度買ってみたいです!

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2025年06月24日

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行き先は何も遠い地に限らない。近所の旅館やビジネスホテルにも、知らない世界が広がっている-。元気がないときこそどこかへ行きたくなる著者の旅の歩みを綴る。『OHTABOOKSTAND』連載を大幅に加筆修正。

そんな旅は自分にはできない。けど、憧れる。

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2025年03月11日

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