家から5分の旅館に泊まる

家から5分の旅館に泊まる

2,090円 (税込)

10pt

行き先は何も遠い地に限らない。近所の旅館やビジネスホテルにも、知らない世界が広がっている。


執着を解き放ち、自分の輪郭を失くしながら歩く知らない町。人に出会い、話を聞く。言葉に出会い、考える。それでもこの世界をもう少し見てみたいと思う小さな旅の記録。
話題作『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』でデビューし、今「最も注目すべき」書き手であるスズキナオ、初の旅エッセイ集。前向きな言葉、大きな声に疲れているすべての人へ。


今の疲れ果てた自分でも読めるような、むしろ、こんなときだから読みたくなるような本はないものだろうか……書棚をもっとよく探せば見つかったのだろうけど、そのときは体力もなく、まばゆく見える本ばかりが並ぶ書店をよろよろと出ての帰り道、暗くて静かな旅行記を書こう、と心に決めたのだった。大好きな『つげ義春日記』の、あの雰囲気が念頭にあった。(中略)旅先で出会う何かに心が癒されるとか、元気になるとか、そんな自分勝手なことを期待しているわけではなく、知らない土地を歩くことで、そのあいだだけは、自分自身のことを考えずに済むのかもしれない。ただ、見ているだけ、聞いているだけ、歩いているだけの存在になれるような気がするのだ。そしてその行き先は何も遠い地に限らない。近所の旅館やビジネスホテルにも、知らない世界が広がっている。(「まえがき」より)

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家から5分の旅館に泊まる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ


    エッセイでこんなにもスラスラ読めたの久しぶり。気軽に読めるけど、自分も旅をしたような気分になれる。やはり旅は人の視野を広げてくれるものなんだなと感じた

    0
    2025年07月03日

    Posted by ブクログ

    読んでると旅情が押し寄せてくる お粥みたいな旅行(?)記
    こういう所に、行きたい❗️

    「どこに行って何をしても、同時に、行けなかった場所、できなかったことがその背後に残る。」(「あとがき」p.336)

    0
    2025年05月08日

    Posted by ブクログ

    旅は根源に寂しさのようなものを抱えていると思う。
    スズキナオさんの著作をいくつか読んだけれど、一番その余韻を感じた。
    近場でも、遠くでも、一回きりのその時の旅、時間をとどう過ごすか。一回きりの生をどう過ごすか。その一回しか体験できない、というあたりに寂しさがあるのかもしれない。
    とても好きなエッセイ

    0
    2025年04月24日

    Posted by ブクログ

    素敵な旅エッセイだった。とくに、場所が有名な観光地などではなく、著者が気になったところや思い出の地へ行き、何をするでもなく街を散策する様子は、改めて色々と調べてスタンプラリーのように忙しない旅行ばかりしている自分をもったいなく思った。どの旅行も、出会いを大事にしているし、自分なりの見る目や基準も少し

    0
    2025年04月13日

    Posted by ブクログ

    自分が関東に住んでいるため、関西に生活拠点を置く人の旅エッセイは新鮮で面白かった。
    調子が良くないときに、すがるように、逃げるように(でもそんなに切実ではない感じで)ふらりとひとり旅をしてきた記憶が思い出されて、すっと読めた。またどこかに行ってみようかな。

    0
    2024年09月03日

    Posted by ブクログ

    ずっと気だるげな旅行エッセイ
    旅行だからって肩肘張らずに旅程、旅先すらも適当に決めて、そこで出会ったものや思い出したことを淡々と記録している。

    僕も何処かにビューンとかで適当に旅行したい

    0
    2025年08月18日

    Posted by ブクログ

    表題通り、家から5分の旅館に泊まったりのんびりとした旅行エッセイ。関東圏の私にはちょっと行き先の距離感がわからなかったが、酒好きとしては常に美味しいそうな匂いと開放感を感じる。
    これを読んでゆっくり温泉と酒と本を楽しみたくなり、近所の旅館宿を予約した。

    0
    2025年06月10日

    Posted by ブクログ

    最近1.2を争うくらい好きなエッセイストです。題名からして最高ですが、日常に喜びと遊びを見出す心はとても余裕を感じます。遊びが無い硬直した心では生きていくの辛いですから。彼の本読むと心が柔らかくなった気がします。

    0
    2025年03月10日

    Posted by ブクログ

    本書の
    「同行二人を思いながら野川を歩く」
    たまらない。

    急に友人を亡くした思いについて書かれている。故人と近しい人と比べた時の悲しみに自信が持てなさ、素直に言葉にすることができなさ。
    街ブラ同行二人で見えてきたものは。

    ぽっかり空いた心には、
    ふらっと散歩に出ることが効く。

    0
    2025年01月05日

    Posted by ブクログ

    ちょっとした旅にただただ憧れと羨ましさを感じた。
    日常から旅としての非日常へ、その非日常を通じてそこにある日常を感じる。
    時間の使い方、楽しみの見つけ方、どれも素敵で今すぐ電車に乗って出かけたくなる。

    特別な旅でなくていい、行動することでしか味わえない幸福感がそこにある。
    小さな目的だけ持って出か

    0
    2024年12月01日

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