スズキナオのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書はコロナ禍ゆえ『密』になれない大阪の街を、そこで根を張り働いている人たちを、訪ねて見聞きした14章から成る1年2ヶ月のルポルタージュ。
ケンミンショー的アイコンとしての大阪、大デフォルメされた大阪ではなく、東京から移住した人だから見える感じる『平熱の大阪』を写し取る。
まぁ、平熱は大阪に限ったことではなく、中国から飛来したウイルスはたちまちにして日本列島全土を覆い、低体温に陥った。
前年秋のラグビーワールドカップ日本大会の熱狂と興奮を蹴散らし、オリンピックイヤーは暗雲が立ち込め、志村けんの急死は全国民にヤバいと思わせ、それがトリガーになったか緊急事態宣言が発令、未だ経験したことのない -
Posted by ブクログ
日常の些末なことを楽しむ。
特別なことはせずとも日々は楽しい。
みたいなエッセイ。
コロナ禍だからこそ、この世界とのかかわり方に共感する人は多そう。
途中
「この人は「楽しまなくっちゃ!」と思っているのか
それとも本当に素でワクワクしているのか・・・測りかねる・・・」
と思うところもあったけれど
体験した其分間のワクワクを紙の上に落とし込むのは難しいものね、日常ならなおのこと。
小説のような描写をすればまた違うけれど。。。
個人的に1番ワクワクしたのは7月20日のお話。
私はその日見に行った映画が良くてまっすぐ家に帰るのが勿体なくなって
個室の居酒屋で映画の感想を語り合っていました。ふふ -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに惹かれて読んだ。タイトル以外の情報を調べないまま手にとったので
深夜高速バスについての色々が書いてあると期待していた手前
エッセイ集だった点はちょっとがっかりしてしまった。
もう少しバスについてのあれこれも読みたかった。
お風呂の鏡広告で、パソコンを孫に教えてもらって使いこなせるおじいちゃんが
手書きの方がいいと言われて、わからんもんやな、長生きしてみるもんやなと言っているのが
なんだかとても良かった。
確かに、パソコンを使えば見やすいし垢抜けるかもしれないが、味はない。
神戸のくだりで、古いお店がなくなって
どこにでもある地方都市のひとつになるのは寂しいけど
行政の人が考えるこ -
Posted by ブクログ
もともとネット上のcakesで連載していたパリッコさんとスズキナオさんのリレー形式のお酒を巡るエッセイ。
多く飲めればいいとか、失敗談を自慢のように語るとか、はたまたスノッブにどのウイスキーがうまいとかいう旧来の酒飲みの話ではなく、いかに居心地よく、気持ちよく、美味しくお酒を飲むかという令和のお酒との付き合い方を示す一冊となっている。
例えば、
・終電を逃したときにどうするか
・おつまみは粒子状のものがいいのではないか、しらたきがいいのではないか
・フェリーの移動時間や、池袋などの都会の隙間で飲むのがいい
・粋な飲み方とは、節酒にいい飲み物とは
など、あれ?わりとどうでもいい話題ばっかりだな。