鈴木一人のレビュー一覧
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半導体は世界的な分業、水平統合の極みになっている。かつて日本が席巻した日も今は昔。
台湾では国家プロジェクトのごとく「護国神山」としてTSMCを育てた。
資源の乏しい国がいかに世界と伍していくかのモデルと言える。
更に、創業者の精神も素晴らしく効率を求める一方、人間的な働き方と文化を確立している。
脈々と価値観が継承され「やるべきこと」と「やってはいけないこと」が明確で軸がブレない。
加えてチャレンジや学びの機会があり楽しさもある職場環境、利益還元の制度と社内のモチベーションはいかほどか。
そして、半導体製造に欠かせない電力や水の確保のためインフラにも投資を欠かさず、持続可能性を高めている。
こんな好循環なTSMCにライバルと言える存在はいるのだろうか。
世界各地にTSMCの工場が建ち半導体サプライチェーンが再構築されているが最先端は常に台湾にある。
国レベルでやるべきことがはっきりしている。 -
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何年か前の本とは思うが勉強になる。最近の米露の関係性とトランプ大統領のウクライナに対する決断の意図がなんとなく想像できた気がした。ロシアは歴史的にアメリカに対する劣等感や敵対感が国全体にわたって刷り込まれていて、ウクライナ侵攻とその結果も今後の米露の関係に多大な影響を与える。アメリカ側としてはロシアとの溝を深めることは不本意で、今ここでウクライナという”小国”を見捨ててでもアメリカ国内の今後の平和のため、ウクライナに降伏を進めているのではないか。自分の認識している道理だけだと、ウクライナは侵攻されている側なので、静止するのであればロシア側だろと思うので。またロシアのウクライナ侵攻を中国は今後の台湾併合の参考として見ているという話にゾッとした…。
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ロシアによるウクライナ侵攻、また今後起こりうるといわれる台湾有事の予測など、昨今の国際情勢について、著者が複数名の専門家と対談する。本書は主にアメリカとロシア、中国の関係を中心に語っており、それによると、ロシアと中国は日本を半植民地と見なす、つまりアメリカと同盟国を結んでいることは完全な主権を確立していないと考えている。また日本のロシアに対する性善説は江戸時代末期からあり、実際に日露戦争の直前、桂太郎が英国と同盟を結ぶことに対し、伊藤博文は日露協商を唱えるという事例があった。さらに2022年のウクライナ侵攻時に、ロシアに経済制裁を実行したが、これは短期的に見ると効果は現れないが、相手のコストを上げるという利点があるので、制裁期間が長引くほど、ロシア側は戦争の継続が厳しくなり、そこから停戦交渉が行われると指摘する。
一方で台湾有事での中国の動向についてだが、これは明確な時期は不明であるが、中国人は周年を大事にする文化をふまえると、人民解放軍100年でかつ習近平国家主席3期目の終わりである2027年に注意すべきだという。また米ソの冷戦と異なり、アメリカと中国間には安定した対話の枠組みがないことが懸念される。それに加えて、もし台湾有事が起きた場合、日本はウクライナ侵攻におけるポーランドと同じ立ち位置になること、同時にロシアと北朝鮮の動向に注意すべきなど、他人事でないことがわかる。このように、今後の世界情勢はアメリカ一強の時代ではなく、18、19世紀のような帝国主義、多極的な世界へと変貌する。 -
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ウクライナ戦争についてのジャーナリスト的な本はたくさんでていて、どれも役にたつものだが、これは一味違った視点を与えてくれるものであった。
東京大学出版会からの本で、主として東大の教授などが中心となって執筆した論文集。
ロシアの侵攻に対する国よって異なる考えがあることがさまざまな地域の専門家が冷静に分析してある。
複数の視点をもつこと、価値観を共有することが難しい多極的な世界をどう理解するか、どう捉えるか。
と言っても、価値ニュートラルな相対主義的な世界にとどまることは、今回の戦争は倫理的に許されないという感覚がある。
そのあたりをしっかり考えるのに役にたつ。 -
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日本が置かれている経済安全保障の概要を知っておくために読み始めた。ESと経済安全保障についての考え方を知るためにはタイパの良い本。経済を用いた戦いの具体例は2章と3章に集約されている。
2章の中東に関しては予備知識がほぼ無かったので最初は難しかったが、エネルギーを欲しい日本と日本の貿易相手のアメリカと板挟みにされてるという話に終着している。ただ、サハリン2も継続するらしいので、なんだかんだアメリカも許してくれそう。
3章については半導体について。こちらは結構予備知識があったので理解しやすかった。簡単に言えば半導体画ある限りアメリカは台湾も日本も守るしかないし、チャイナは技術で世界一を獲れない。
オランダのASMLという会社は恥ずかしながら本書で初めて知った。調べてみるとこの会社の技術にも日本の技術が必要不可欠らしい。半導体の生産量が少なくなって覇権を南朝鮮に取られたと悲観する人間を多く見るが、そういった方々は思考が短絡的すぎる。半導体の唯一無二のスキルは日本が握っている。
本の結論としては、「大国は力を持っているが秩序を守る責任を果たしていない、日本は国際秩序守るために努力し続けよ。」と言っている。だがそれは力あるものだけが可能な生き方ではないかと思う。力がない我々が鍛えるべきは筋肉よりも技術力、強い者とのコミュニケーション能力ではないかな。 -
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財務真理教と同じぐらい罪深いのが、この、経団連です。彼らの会議において、シンクタンクに所属する人はいかなる価値観を持つのか。試しに読んでみたいと思い立ち、読んでみた次第です。
結果、「やっぱりな」と苦笑いすることもありましたが、ネイサンロスチャイルドと情報獲得の優位性を伝える歴史(ナポレオン戦争の戦費について)を例に挙げていたり、納得できる言い分もあり、大変面白かったです。
グローバリストへの警戒を確信した人にこそ、経団連はどう主張しているのか。その一端を知ってもらうための良い一冊であるとお薦めいたします。
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以下、ネタバレを含みます。
印象深い場所を箇条書きにまとめました。
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半導体製造機の技術において日本は世界の気象重要であり、地経学的にも強い武器を持つことになる
表現の自由を守るため、誤情報や陰謀論はどこまで許されるのか。ワクチンになんらかの陰謀があることを政治的立場に就いた人物が強く主張する時代になった
宇宙のゴミ・デブリが衛星に衝突することや、海底ケーブルの破損など、事故に見せかけた挑発行為は判断が難しい。事実上、国連の制裁は機能していない
海底ケーブルは、アメリカ、フランス、日本が大きく3分して受け持ってきた。ここに参入しようと言うのが中国である
信頼するが、検証せよ
Truth but verify
とはロシアの諺に由来する
イラク戦争の経済制裁において犠牲になったのは、フセインではなく、イラクの国民である。国民の自由と権利を脅かすことなく、いかにして、独裁者へ制裁を成すのか。未だに明らかな有効打はない
いやはや面白かったです。
陰謀論をどこまで許すのか、の例で、トランプさんやイーロンさんの主張をあげていましたが、ワクチンが話題に上がることもある…との紹介については、「だからワクチン懐疑説は誤情報だ」とは言い切っていないのです。令和7年11月現在において、厚生大臣が、mRNAワクチンの効果は承知してございません(効きません)とはっきり明言したことや、ファウチを追求するRKJの政策に共感する人が増え、さすがに医療利権の忖度よりも、事実を元にした議論をせざる得ないと、経団連も少しずつ変わっていっているのかもしれません。
ビルゲイツ氏もグリーンエネルギーから撤退する兆しがあり、そうすると、シュワブやファウチ、ソロスを事実上の後ろ盾とする日本の環境ビジネス屋も、口を閉ざすほか無いのでしょう。むしろ、彼らは、あまり環境政策と地経学の実態を知らないのでは無いでしょうか。
その点、本書の筆者は、ロシアへの経済制裁を肯定したり、ロシアの海底ケーブルの陰謀であったり、ロシアの宇宙衛星破壊工作であったり、ロシア憎しのような主張を繰り返すのは、ヴィクトリアヌーランドのような、オリガルヒ関係者への忖度があるのかなと苦笑いはするものの、そうはいっても、ロシアからの安価なガス無くして、安定した経済活動は見込めないと、当たり前の事実をしっかり認めているあたりは素晴らしいと評価出来ます。
国家の関係とは、安全保障の是非で問うなら必要なことですが、有力者の私怨に国民を巻き込むが如きは、大変に勘違い甚だしい過ちだと言わざる得ません。それこそ、軍国主義を批判する左傾の人たちには、企業や株主、政治的権力者に流されるまま、国民の利益が損なわれている今こそ、国民の立場に立ち、人権を主張して見てほしいものです。それでこそ一貫性でしょう。それなくしては、美辞麗句で人を騙す、二重基準・ダブルスタンダードの謗りを免はしませんもの。
みなさんは如何でしたでしょう。本書を読んで納得できるところとそうでないところ、様々にあろうかと私は察しております。ぜひとも、みなさんの感想も読んでみたいです。いろいろ思うところを書いて見てくださいませ。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
あなたのこれからの日々が、
明るく、やさしく、おだやかなものになりますように——— -
Posted by ブクログ
脅しというか、戦争の道具だな。
ただ経済力というより、インターネットなどの情報が集中するハブになっており、それを極めて有効に利用できることに気がついた。
ネットは、政府や既存の規制からの独立を期待していたのだが、結局のところ、さまざまな効率、費用、利益の点から結局一極集中になり、一旦集中すると動かすことが物理的に困難になり、結局、首根っこを、米国という既存の権力に握られてしまった。
ところがこれが狙ってやったわけでなく、個別対応でこれいいじゃん、が積み重なって来たところもあって色々な思惑、力学が錯綜している。
その舞台には、国家と同じレベルで企業が対等して来たりしたんだが、結局「権力」「規制」からは逃れられない。
その一方で、Chinaという、米国に取ってかわろうというか、多分、取って代わるのではなく、本来天下の正当な支配者である自我の果てしない拡大を目指している異形の文明があって、まあ、大変なんですわ。
それにしても、なんでこう、世の中の誰かのために働くのではなく、いかに金を儲けるか、権力を手に入れるかという動機が赤裸々な行動原理になるのかが、根本のところで理解できないのも、またボク自身の事実。