鈴木一人のレビュー一覧

  • 資源と経済の世界地図

    Posted by ブクログ

    現在の経済安全保障課題が忖度無く分かり易い言葉で説明されている。読みやすい。旧ソ連崩壊以降、「市場経済が民主化を招く」という思い込みが間違いの始まり。リーマン以降、中国の「国家資本主義」も頼もしく感じたものだが、、、。資源のない貿易立国日本、今となっては仕方がない。米中両国への依存は解消不可能。どちらからも儲けさせていただきましょう。まいど!

    0
    2024年08月20日
  • 武器化する経済 アメリカはいかにして世界経済を脅しの道具にしたのか

    Posted by ブクログ

    中国やロシア等に対し米国が繰り出す経済的制裁の、力の力の源について大変理解できた。チョークポイントを押さえる手段をここまで見事に活用していた事に驚かされる。
    とはいえ、大国となった中国とロシアが結託している現状では、その威力は大きく削がれている。このままいけば、隙間をついて自力での技術開発等で制裁の効果が更に効かなくなるが懸念される。

    0
    2024年07月31日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

    Posted by ブクログ

    断片的に捉えていたウクライナ問題を体系的に理解するに有益な本だった。また、ロシア関係だけではなく、最も意識すべき中国に繋げて議論される。個人的には台湾有事とウクライナ戦争がストレートには繋がらない。その視点でも読んでみた。

    2003年のイラク戦争はアメリカが全くロシアの言うことを聞かずに開戦した。それまではロシアもG8に参加し、西側との全面戦争は無いのだからと徴兵制を廃止しろと言う主張をしていた。それと前後して2003年にジョージアでバラ革命、2004年にはウクライナのオレンジ革命。そこでウクライナがNATOに加盟すると言い出した。2005年にはキルギスでチューリップ革命。この一連のカラー革

    0
    2023年08月13日
  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

    Posted by ブクログ

    各分野の碩学による評論集。

    ロシア−ウクライナ関係そのものではなく、今般のロシアの暴発を受けて欧州、米国、中国、中央アジア、中東等の対外政策がどうなるのかを考察する。

    紛争地である欧州にどうしても一つ目が向く中、周辺地域の動きが俯瞰できて興味深い。

    共通して言えるのは、今般の紛争が世界の変化を方向付けるのではなく、すでに多く起きつつあった変化を加速するということだろう。

    0
    2023年04月12日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

    Posted by ブクログ

    従前から意識されていた米・中ロの対立構造がウクライナ戦争で先鋭化。

    民主国家対専制国家の構図は必ずしも前者に有利ではない。
    以前は全世界の7割を超えたG7のGDPは4割程まで低下し、グローバルサウスと呼ばれる発展途上国はむしろ後者との関係を深めている。

    アジア随一の民主国家である我が国がかかる状況に目覚め、自国防衛力を確保するとともにグローバルサウスなどとの橋渡しをすべき、との論考。

    個人的には小泉悠氏があまり他では語らない逸話を披露しているのも面白かった。

    0
    2023年03月31日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

    Posted by ブクログ

    とても面白く読めました。
    米中露の関係性の中にいずれも関わる日本の立場とこれからの在り方について、現実的な状況分析からのアプローチをしている。
    現実を見てしまうとこういった理論展開しかないよなと思わざるを得ないのですが、一方で理想論左派的な立場を塗り潰すのは違憲のコントロールという面でリスクが高すぎるとも感じる昨今です。
    普通にぶつかれば理論が勝ってしまうように見えるのですが、両方飼っていて良いのではないかと。
    ともあれ、現実的な検討をする上での論点について、さらには各国の文脈について多くを知れる本でした。

    0
    2023年01月26日
  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

    Posted by ブクログ

    ウクライナ戦争について、各地域の国々の考えとそこにいたる歴史や背景(特にロシア及びアメリカとの関係)の考察が興味深かった。日本の報道だと、欧米各国の反応はよく報じられるが、中央アジアや中東等はあまり触れられないので、勉強になった。
    (誤字脱字等が多かったが、急ぎ出版したので仕方ないのかなと思う)

    0
    2023年01月25日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

    Posted by ブクログ

    時間かかっちゃったけど、専門家によって書かれた本で深く考えさせられる。ウクライナはまさに対岸の火事ではなく、台湾問題に飛び火しかねず、中国も虎視眈々とそれを見据える以上、日本人もいままさに防衛について、国際貢献についてアメリカ頼みでなく、主体的に考えなくてはいけない。

    0
    2023年01月18日
  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

    Posted by ブクログ

    ウクライナ戦争についてのジャーナリスト的な本はたくさんでていて、どれも役にたつものだが、これは一味違った視点を与えてくれるものであった。

    東京大学出版会からの本で、主として東大の教授などが中心となって執筆した論文集。

    ロシアの侵攻に対する国よって異なる考えがあることがさまざまな地域の専門家が冷静に分析してある。

    複数の視点をもつこと、価値観を共有することが難しい多極的な世界をどう理解するか、どう捉えるか。

    と言っても、価値ニュートラルな相対主義的な世界にとどまることは、今回の戦争は倫理的に許されないという感覚がある。

    そのあたりをしっかり考えるのに役にたつ。

    0
    2023年01月16日
  • 資源と経済の世界地図

    Posted by ブクログ

     日本が置かれている経済安全保障の概要を知っておくために読み始めた。ESと経済安全保障についての考え方を知るためにはタイパの良い本。経済を用いた戦いの具体例は2章と3章に集約されている。
     2章の中東に関しては予備知識がほぼ無かったので最初は難しかったが、エネルギーを欲しい日本と日本の貿易相手のアメリカと板挟みにされてるという話に終着している。ただ、サハリン2も継続するらしいので、なんだかんだアメリカも許してくれそう。

     3章については半導体について。こちらは結構予備知識があったので理解しやすかった。簡単に言えば半導体画ある限りアメリカは台湾も日本も守るしかないし、チャイナは技術で世界一を獲

    0
    2025年11月14日
  • 地経学とは何か―経済が武器化する時代の戦略思考―(新潮選書)

    Posted by ブクログ

     財務真理教と同じぐらい罪深いのが、この、経団連です。彼らの会議において、シンクタンクに所属する人はいかなる価値観を持つのか。試しに読んでみたいと思い立ち、読んでみた次第です。
     結果、「やっぱりな」と苦笑いすることもありましたが、ネイサンロスチャイルドと情報獲得の優位性を伝える歴史(ナポレオン戦争の戦費について)を例に挙げていたり、納得できる言い分もあり、大変面白かったです。
     グローバリストへの警戒を確信した人にこそ、経団連はどう主張しているのか。その一端を知ってもらうための良い一冊であるとお薦めいたします。




     ※
     以下、ネタバレを含みます。
     印象深い場所を箇条書きにまとめまし

    0
    2025年11月02日
  • 武器化する経済 アメリカはいかにして世界経済を脅しの道具にしたのか

    Posted by ブクログ

    地経学パワーとして、
     金融
     クラウド(通信網、データ)
     知財
    があり、これらから締め出すことで
    他国に対して、自国に従わせる。

    今のアメリカは、同盟国にさえ、この力を使ってくる。

    0
    2025年07月18日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

    Posted by ブクログ

    audible 。小泉悠が出てくるのでちょっと期待していたが、軍事オタク、戦争で飯を食う戦争屋のゲームブックだった。
    私はこんなゲームの登場キャラになることは断じて断わる。9条の精神は捨てない。

    0
    2025年05月22日
  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

    Posted by ブクログ

    世界情勢などについて知識が浅い自分にとっては、こちらを読むのにかなりの時間を要した。
    この戦争に際しての各国の動きについて、ニュースを見ているだけでは知ることの出来ない部分を広く知ることが出来たように思う。
    どの章も客観的に冷静に話が進められており、特に偏った思考はなかったので、読んでいて感情的になることはなく、淡々と情報を得ていく感覚だった。
    読み解くのは大変であったし、内容が頭に入り切ったとは言えないけれど…。
    それでも読む前よりは視野が広がった気がするので、読んで良かったです。

    0
    2024年10月05日
  • 武器化する経済 アメリカはいかにして世界経済を脅しの道具にしたのか

    Posted by ブクログ

    脅しというか、戦争の道具だな。

    ただ経済力というより、インターネットなどの情報が集中するハブになっており、それを極めて有効に利用できることに気がついた。
    ネットは、政府や既存の規制からの独立を期待していたのだが、結局のところ、さまざまな効率、費用、利益の点から結局一極集中になり、一旦集中すると動かすことが物理的に困難になり、結局、首根っこを、米国という既存の権力に握られてしまった。

    ところがこれが狙ってやったわけでなく、個別対応でこれいいじゃん、が積み重なって来たところもあって色々な思惑、力学が錯綜している。

    その舞台には、国家と同じレベルで企業が対等して来たりしたんだが、結局「権力」「

    0
    2024年10月03日
  • 資源と経済の世界地図

    Posted by ブクログ

    読みやすくわかりやすい地経学。
    ES(economic state craft)に基づき、だろう、はずだという思い込みではなくどういうロジックが各国家の行動背景にあるのかを読み解くことが重要。

    0
    2024年09月30日
  • 武器化する経済 アメリカはいかにして世界経済を脅しの道具にしたのか

    Posted by ブクログ

    そもそもの成り立ちからアメリカは争いの国。
    逆に言えば競争や駆け引きが上手な国。
    台湾企業を買収し、中国との対立を深めるやり方。
    日本ではできないですね。

    0
    2024年05月05日
  • 半導体ビジネスの覇者 TSMCはなぜ世界一になれたのか?

    Posted by ブクログ

    熊本の工場は、平面ではなく、ビル。近くで見ると、巨大で圧巻。組み立て工程が、立体的に行われる。凄い。この本を読むと、この地域の発展が、急速に進むと思われる。第二工場も建設し、更なる効率化を図るのか。

    0
    2024年03月13日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

    Posted by ブクログ

    現在のウクライナ戦争、最近の米中対立と中国の台湾侵攻のリスクを中心に、国際政治的、軍事的、地政学的な観点で分析されている本

    中長期的な課題として、プーチンロシアとウクライナ戦争の影響は大きいものの、日本•世界にとっての最大の脅威は中国だと指摘する。
    中国は情報公開が不十分で得られるものは限られているとは言え、近年の軍拡は明らかで、台湾侵攻に関して説得力のある蓋然性が高いリスク分析がされている。
    (なお、個人的にはウクライナ戦争はそのリスクを増大させるのではないかと思っていたが、ほとんどの中国政府や軍関係者は「ウクライナと台湾は別問題」と考えているとのことであった。)
    また中国や欧米の強かさに

    0
    2023年01月23日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

    Posted by ブクログ

    対談形式で読みやすく、ロシア、米国、政治、軍事など異なる専門性を備えた6人の見解、知識が一冊にまとまっている。コスタがよい本。歴史、国際秩序という点から、ロシアによるウクライナ戦争を日本人がどう捉えるべきか論じる鈴木氏との対談が、私には一番の学びでした。

    0
    2022年12月26日