午鳥志季のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
単なるタイプリープものかと思いきや、途中からガラリと空気感が変わったり、医療の裏側の部分を扱ったりと一言では語りきれない内容に意外で面白かったです。
主人公は、研修医の志葉。最初は過酷な医療現場に辟易していたが、その状況下で、ある患者を担当している。湊遥。高校生で難病を抱えていて、近日中に手術を控えている。主治医は名医で、難なく成功するかと思いきや、手術は失敗し、亡くなることに。その直後、志葉は激しい頭痛に襲われ、目覚めてみると手術日の前日に。わけも分からないまま、その後は死亡しては戻り、死亡しては戻りの繰り返し。果たしてこのタイムリープから脱出できるのか?
作者は現役の医師ということで、医療に関する言葉や現場での臨場感が経験者だからこそ描ける雰囲気を醸し出していました。
ストーリーとしては、今後原因を見つけて、ハイ救えました!と単純な想像で読んでいたのですが、原因が分かった瞬間、急にSFからミステリーに変わったので、自分の中の雰囲気がガラリと変わりました。油断していました。
他にも医療が抱える問題や世間と現場との思想の違いなど社会問題にも扱っていて、グッと奥行き感が増していました。
また、主人公の心理描写も楽しめました。最初嫌々だった医者の仕事が、段々とタイムリープを重ねるごとに患者を救いたい思いが強くなります。連鎖を脱出したいだけでなく、それ以上に遥を何が何でも救いたい思いが伝わってきて、心が揺れました。それを通り越してのラストは、感動を誘いました。医療現場での「現実」は変わらないけれども、医者として頑張る姿に応援したくなりました。 -
Posted by ブクログ
戸島光一は医学部に入学したものの、血が怖いため実習に参加できず留年の危機を迎えていた。医学部長による救済措置として、アレルギー・膠原病内科の外来医長・漆原光莉のもとで手伝いをすることに。言動で患者と揉めることもあるが、些細な症状も見逃さない。漆原のもとで戸島は様々な患者と出会う…。
母の死から医師を目指す反面、血が怖いというトラウマから逃れられずにいる主人公が医師として必要なものを見つけていく。
「……医者にいちばん必要なもの、は」
「自分は患者を殺しうるーー殺せてしまう、という自覚だと、思います。」
医師である作家さんの作品らしく、医師の友人が読んだらどんな感想を持つのか少し気になった。2巻も出ているようなので読んでみたいと思った。