森山光太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
壮大なフィクションだと思うが、今の時代の我々へのメッセージが詰まっている。
戦争の悲惨さ、一度起きた戦争は中々終わらない、
泰平を求めるために、戦争を起こさないために徹底的に戦うことを描き切っている。
そして、人間の愚かさ、歴史を忘れてしまうことや、衆愚に陥りやすい人の心も抉りだす。
無知を排し、分かりやすさに流されずに如何に情勢を現実を見るのが大切というのは、SPY×FAMILYの15巻のメッセージにもつながる。
そして、お役目に徹する覚悟を兼久から学び、狂歌の本で江戸時代が役割に基づいて人のアイデンティティがあったという話と自分の中で一致して、そういう生き方もあるのかと思う。
立場の異 -
Posted by ブクログ
文句なく面白く、一巻よりも断然引き込まれた。ゆっくり読むつもりだったが、ついつい一息に読んでしまった。
指揮官としての手腕を遺憾なく発揮するカイエン、それを支える魅力的なキャラクターの存在によって、軍記ものとしての面白さが大きく引き上げられていたように思う。また戦線も大きく拡大し、幾つかの視点から物語が描かれることで、その感は一層強まった。絶えず戦い続けていたが、ダレることなく、展開に驚かされることも少なくなかった。広げた風呂敷の大きさから、本当に次で完結するのか不安に思っていたものの、本書では少しずつ道筋も見えて来て、単に目の前の敵を倒すだけでなく、大きな物語も同時に進行していることが、 -
ネタバレ 購入済み
主人公の魅力に惹かれました
悲劇から始まる物語にあたって、どの様に立ち上がっていくかは、物語の数ほどバリエーションがあると実感することができました。自分は表装に引かれて電子書籍を購入させて頂きましたが、3巻をしっかり集める事が確定したほどのめり込む事が出来ました。是非カイエンとマイの悲願が叶う様に、応援します。またフランなどの重要なキャラクターの行く先を見届けのが楽しみです。
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Posted by ブクログ
豊後大友宗麟に仕え、「義心鉄のごとし」と言われた筑後柳川の武将蒲池宗雪の嫡男十郎鎮漣の生涯。
九州の戦国武将で黒田親子、島津家以外に小説の題材となるのは珍しい。
陰謀渦巻き、合従連衡の激しい戦国の世なので合戦の場面は多いが、主人公の性格を反映してか、本書では主人公の内面の描写が多く、全体を通しても叙情的な雰囲気が漂う。
義父龍造寺隆信の策略に遭い非業の最期を遂げる折にも、義父の企みを疑いながらも信頼回復を望み、半ば覚悟を決めて死地に赴いているのも、信に篤い鎮漣らしい。
鎮漣は幼少期「姫若」と呼ばれ、優れた戦略眼を持ちながらも過大な野心のない、徹底した民思いの武将として描かれているが、隆 -
Posted by ブクログ
とっても面白かった。
ただ、コンパクトにまとまっているため、この世界の壮大さのわりにあっさり感がある。全5巻、全7巻とかでこの世界を描いてくれればたくさん出てくる登場人物への深堀エピソードができて、物語にもっと厚みが出たんじゃないかなあと思う(エルジャムカやカイクバードのここに至るまでの過去エピソードもみたいし、作中時間でのいろんなキャラクターの絡みもみたかった!)。1巻から裏表紙のあらすじに「全3巻」と書かれていたので初めからきまっていたのだろうなぁ…残念。語るべきことを書いていないかというとそういうわけではなく、この物語に必要なことをわき道にそれず突っ走って行ったという感じなので、一読の価 -
Posted by ブクログ
面白かったです。
中東や中央アジア?を模した世界観は個人的には魅力に感じていないため、作品に入り込んでいくのに時間がかかりましたが、一度入り込んだらあっという間に読み切っちゃいました。
振り返ってみると、やや描写が薄いのかなと思いました。
人物も淡々としたものになっており感情移入があまりできてなかったです。
また、町やその地域の服装、気候や合戦の推移などもやはり描写が薄く、知らない世界と接するワクワク感、ストーリが展開するハラハラドキドキ感が物足りなかったです。
それでも面白いと感じているのは、世界観の広さを感じたからかもしれません。
中東、中央アジア?に加えてヨーロッパを模した?地域も作