マヒトゥ・ザ・ピーポーのレビュー一覧

  • 銀河で一番静かな革命

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    「地図にないまちをつくったの、遊ぼうよ。」
    この一節は、この本の作者であるマヒトゥ・ザ・ピーポーの書いた歌「さよならグレーゴル」からのそれである。僕はそれをはじめて読んだ(正確には、聞いた)日からこの詞がたまらなく好きだ。こんなにもやさしくて、こんなにも切実な言葉ってそうそう書けないと思う。こんな言葉を書ける人になりたいと強く思ったしいまも思っている。「言葉」を扱う(という表現はしっくりこない)者としてマヒトゥ・ザ・ピーポーのことを僕は心から尊敬している。彼のように僕はなりたい。

    そんな彼は「目」を落としてしまったと小説内で語る。そんなことはないだろう。むしろ、彼は達観しすぎている。俗にいう「第六感」というやつを持っているはずだ。この話もそんなもうひとつの感覚で見た地球の話なのだろうと僕は思う。でもそれも生まれもった天性のそれではないだろう。

    「『長くつかったから満喫するとかそういうことじゃないんだけもなあ〜。』」
    彼は知りすぎている。それは彼の決死の努力のおかげである。努力なんて言葉はクソくらえと思うが、ここであえて使わせてほしい。特に理由はないけど。グロテスクな世界から、人間が犯した数々の罪から目を背けず、自分の目で見て自分の言葉で話す彼。そのおかげで彼は人一倍こころを悩ませている。彼はやさしいのだ。少なくとも僕から見れば。やさしい彼は誰よりも心を悩ませている。だからこそ、こうもあたたかく鋭い言葉が書けるのだ。

    「わたしは考えているようでいつも何も考えていない。強すぎるものからも目を背けて生きている。」
    これは自分のことかと思ってどきりとした。思い切り鳩尾を殴られた気がした。くらくらとした。僕は「強い言葉」がキラいで、いつも回りくどくしか話せない。たくさん頭を使ってそうでない言葉を選んでいるつもりで、結局は「言葉」の力に怯えて諦めているだけかもしれない。だから、どきりとした。

    「いろはね、こういう時に言うべき英語を知ってるんだ。」

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    2025年08月18日
  • コロナ禍日記

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    ネタバレ

    半分くらい読んだか。ちょっと読んで読めそうなのだけ読む。しんどいのはパスする。これがちゃんと読めるようになるにはやはり10年くらいはかかるのだろう。最近ようやく東日本大震災のものが読めるようになったのだから。

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    2023年01月17日
  • コロナ禍日記

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    ただただ日々の集積のみがここにある。
    自分の中で空白の期間になっていたものが、他人の日記を通して少しずつ埋められていく。
    この暮らしを無かったことにしてはならないと感じた。それぞれがそれぞれのやり方で戦い抜いた日々を忘れてはいけないと思った。

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    2022年10月08日
  • コロナ禍日記

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    コロナ禍をどうやって過ごしたのか。日記にすることで、日常の変化やそれに対する筆者や世間の反応の変遷が見えて面白かった。国や仕事によっての違いも興味深くて、その辺もっと幅広く知りたいと思った。

    苦しかった頃のことをいろいろと思い出して憂鬱な気持ちにもなったけれど、記録として大事な一冊になるでしょう。

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    2021年12月07日
  • コロナ禍日記

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    2020年8月に出されたものなんだけど、あの時、皆どんなことを思って生活していたのかが急に気になって、読んだ。(強いて言うなら、目当てはニコ•ニコルソンさんかな……)

    円城塔さんの日記では、高確率で同じ本を読んでいて、なんとなく辿っていっている思考のようなものにまで触れられた気がした。
    定期的に来る、母親からの父親一周忌お知らせメールは、笑っていいのかいけないやつなのか、ちょっと難しい。

    アメリカやヨーロッパに住んでいる日本人筆者の日記では、自分たちが急に差別の対象となったことへの気持ち悪い違和感が書かれていた。
    同時に、星野源のMVに対する怒りのコメントもかなりの割合で入っていることに、驚いた。
    私には、どこからどこまでが呑気の範囲で括られるのか、よく分かっていない。

    さらに自分に想像力がないなと思ったのは、ワンオペ育児と書いている人の日記だった。
    この時期に、新生児を抱えて日々過ごすことの不安や神経質な思いの一端を知った。

    振り返ると、マスク不足で不安に思っていたことは、随分前のことのようにも思う。
    検温とアルコール消毒はもはや日常で、目の前に立てられたアクリル板のせいで、向かいの人が何を話しているかも、もう聞こえなくなった。

    そんな世界でも、相変わらず私は、誰かから見ると呑気な生活を送っていて。
    そしてその誰かは、世間を社会を恨んで絶望して、今にも生きることを諦めかけているかもしれない。

    見えないことを推量することの意味は、結局、見えることには敵わないのだろうか。
    無力にも、ただ問うことを繰り返している。

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    2021年04月25日
  • コロナ禍日記

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    緊急事態宣言真っ只中の日記なので、仕方ないけれど、先の見えない日々を辛い辛いと書いている日記が多くて、読んでるうちに苦しい気持ちに。
    職業や住んでいる場所も偏りがあるように感じて、コロナ禍の日記集としては、「仕事本」の方が私には面白く感じました。

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    2020年11月24日