鈴木宏昭のレビュー一覧
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学ぶという行為を「練習による上達」や「発達」「ひらめき」というキーワードで解説。身体化、という言葉も分かりやすい。英語やゴルフなど、反復学習により、身体が馴染む。しかし、言葉で理解するのではなく、身体で理解する事が効果が高い。例えば、日本で学ぶ英語は身体化されていない。英語圏で学ぶ子供の英語は自分の経験を構成する様々な感覚と結びつき、身体化されている。従い、修得が早い。
繰り返しにより脳内回路を強化し、型を修正しながら身につけていく。マルコム・グラッドウェルの1万時間の法則は、やはりある意味では正しい。それは反復により身体化すると言うことで、ある意味では人間がロボットのように自己プログラミン -
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なぜ、そのような学校教育が行われてきたのか、というところまで踏み込まないと現場は改善されない。ここで書かれていることは、実は教師は経験的に知っている。それを変えられないところが本当の問題なのだ。
「能力は安定性を持っており、基本的にはいつでも同じように働くというイメージが強いと思うが、ここで見てきたように、人間に関して言えばそうしたことは期待できない。それはブンミャクに応じて働いたり、働かなかったりするものなのだ。これが私が人の知性を『能力』、『力』というメタファーで捉えることが危険だという理由の一つだ。」(p32)
「コトバは、全体性を持つような場面や対象、また直感的な理解を表現するには適 -
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ネタバレ人や自分のバイアスに興味が出て、たまたま見つけた本書。
具体例や様々な文献を元に書かれたもの。各章ごとに参考文献が載せられている。今後、気になる文献を読み進めて、自分の理解を深めていきたい。
最も恐ろしいと感じたのは共同におけるバイアス。
多様性が謳われる現代。個人的には、集団における個々のバイアスが面倒で疎ましい。そういった部分について語られているのかと思えば、そうではなかった。共同体としてのバイアスがメイン。他者は人をおかしな方向へ導く。不合理、非道徳的な集団意思決定を生み出す。
以下、「」本書p.218より
「人の知覚はとても限定的だし、記憶も儚く脆い。知性の根幹をなす概念も時にわず -
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ネタバレ表象と計算という伝統的な認知のフレームワークを見直し、「生物学的シフト」つまり知性を生物学的な特質をもつものとみなす考え方にもとづき、多様なリソースの中で絶えずゆらぎながら生成と変化を繰り返すという、知性の姿にせまる本。
認知科学は学際的である。心理学、哲学、言語学、教育学、人類学、生理学、神経科学、動物行動学、生態学、人工知能研究、ユーザインタフェース研究などが集まってできあがってきた。その共通の基盤が「情報」という考え方である。
大きな潮流としては「生物学的シフト」つまり知性を生物学的な特質をもつものとみなす考え方を基盤にしている。つまり、生成的であるという知性の特徴と変化、成長、発達 -
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人間の「物事に対する認知」におけるプロセスや、それによって生まれる「思考のクセ」を様々な学問から科学的に証明している本。
【学び】
・物事に対する認知
-表情フィードバック
└ある感情状態になると表情や身振りに出ると言われるが、これは逆だという主張
◎セルフマネジメントには理想的な感情により生まれるアウトプットを意識することが大事なのでは?
例)疲れていてしんどい→笑顔でせっせとこなしていく
-記憶定着
└接触回数の多さと意図的な記憶想起の連続
◎意識の連続は無意識を生むが科学的に証明された
-記憶保持
└情報にどのような操作、処理を行ったか
…精緻化(せいち