鈴木宏昭のレビュー一覧

  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    学びとは、ただ与えられたものをこなせば良いということではない。

    与えられたものが、有識者にとって練り上げられたものであっても、それは単なる立方体の一側面を見たにしかすぎない。

    一側面しか見ていないのだから、そこから多面を推測することが容易ではないことがわかる。

    そして、この立方体を伝達する術はない(いまのところ)。

    つまり、本書でいっていることは、そういうことだと思う。

    結局、私たちに必要なのは探求心や知識欲だし、そういった欲望に向かわせる動機である。
    そして、学校とはそういった動機付けを促す場であってほしいし、教師自身も常に探求の人であってほしい。
    人は、欲望に向かって勝手に学ぶも

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    2025年11月08日
  • 教養としての認知科学

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    人はどう事物を見て(認識)、どういうふうに覚え(記憶)、どう考えるのか(思考)といったところ軸に、人間の認知の仕方をつぶさにながめ、解き明かしていくのが認知科学です。認知科学は学際的な学問で、多領域を横断して作られていく学問と言うことです。認知心理学、発達心理学、社会心理学、哲学、言語学、社会学、教育学、神経科学、動物心理学、生態学、コンピューターサイエンスなどが、認知科学で使われたり参照されたりしています。本書では、認識、記憶、思考についてのとらえ方、現在わかっている知見を読んでいくのもかなりエキサイティングなのですが、ここでは僕が特に気になったトピックをまとめる記事とします。



    サバン

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    2025年08月17日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    自己啓発本には分類されないと思いますが、すんごい啓発されました。人的資本や人材育成が注目される昨今、リスキリングという御旗の元に、媒体問わずでいろんなコンテンツがありますが、虚しく思えてきました。あれらは情報であり、記憶しただけでは知識ではないわけで、と。スキルにまで高めるには実践して色々とやっていかないといけないわけで、と。日々の仕事の中に取り込んで活用しないと実践とはならないと思うわけで、従ってリスキリングとは、人だけではなく仕事の方も対象にして、変える前提で、一緒にやらないとね!

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    2024年09月22日
  • 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

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    認知バイアスについて理解が深まる

    初めての認知バイアスに関する書籍であったが、理解しやすく、認知バイアスについての知識、考え方、用語を体系的に学べた。認知バイアスについて深く知らない方々にオススメです。

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    2024年03月08日
  • 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

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    認知機能の不思議な世界に招待してくれる一冊です。心の働き偏りや歪みをさまざまな視点から浮き彫りにし、心の働きを探求していきます。とても興味深く、ページを捲る手が止まらなくなります。各章の末尾にさらに学ぶためのブックガイドも掲載されており、認知を探究する旅はこれで終わりません。本書を旅のしおりとして、奥深い人間の心理という謎を冒険してみてはいかがでしょう?

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    2024年02月17日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    人生の停滞感(漠然)にあおられて手にとってみました。
    「人間はどうやって学んでいるのか」。
    結局、できるようになるには、やってみようと頭をひねってもできない時間が必要なんだな、と客観的に思えてよかったです。
    それが当たり前なことにもあたらめて気づけて、よかった。

    あることができたりできなかったりしたとき、私はいま成長曲線の揺らぎの中にいるんだなぁ~と思えると、できない自分を責めることが少なくなった。
    揺らぎは次の段階への準備期間!

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    2023年10月24日
  • 教養としての認知科学

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    「教養としての」という枕詞がついた本は、大体、難しい内容をわかりやすく噛み砕いてくれた本が多いと思っているが、本書はなかなか、そうはいきません。
    私なりの解釈を言えば、本書は、人間がハマってしまう「思い込み」についての本だという風にざっくり理解しています。しかし、それなりに難解。
    「アハ体験」という、静止画を注意深く観察していても気が付かない、画の変化に気がついた時に愕然とするあの感覚の理屈を科学的に説明してくれる本とでも言うのか。
    (実際、上記の事象を「チェンジブラインドネス」として本書でも紹介され、You Tubeで検索すれば沢山ヒットする)

    知的好奇心を刺激される、様々な人の認知に関す

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    2023年09月25日
  • 五感を探るオノマトペ 「ふわふわ」と「もふもふ」の違いは数値化できる

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    ネタバレ

    オノマトペの意味や印象がシステム的に推定できる!というのだが、ほんまかいな。オノマトペが認知のかなり基層に近いところに紐づいているというのは納得。他感覚相互作用にするっと入り込むのがすごい。
    痛みの表現とか、比喩とオノマトペの結びつく強さとか、読めてしまうが結構わからない。
    触感の見本、触ってみたいかも。

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    2023年05月06日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    自分自身の仕事をする立場としての学習や学び
    子供を持つ身としての子ども自身が今後学校で進めて行く学び

    いずれについて考えるにあたっての、学ぶとはどういうことなのか?を整理できる良い本でした。
    人は単純に「暗記だけの学習が良くない」とだけ認知しているケースが多いけれど、なぜダメなのか?何がダメなのか?では、学びとは何なのか?という問いに降りていって思考を深める良い機会になりました。

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    2023年04月08日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    ネタバレ

    私が衝撃を受けた本だと言っていいと思う。人間が学ぶこと言うことは、どんなことが起こっているのかを明らかにしようとしている本だ。
    冒頭の1章にある「能力という虚構」で私は衝撃を受ける。
    ここから抜粋
    〜最初にこの章の主張を述べることにする。〜中略〜
    能力というのはアブダクションから生まれた仮説である。そこに不適切なメタファーが加わることで、誤った能力観が広がっている。それは能力の安定性、内在性という見方である。なぜこれらが誤っているかと言えば、人の認知にほぼ普遍的に見られる文脈依存性を説明できないからである。よって認知的変化を考えるときに、能力という仮説は不要である。〜
    ここまで
    能力というのは

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    2023年02月06日
  • 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

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    認知バイアスに関してイチから丁寧にまとめられた本。読みやすかった。
    最終的に認知バイアスバイアスに陥らないことにも触れていて、人間における認知を俯瞰的に見ていて面白かった。

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    2023年02月03日
  • 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

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    具体的な例や問題をあげて説明しているので、なるほどと思うことが多く、面白かった。
    私がなんとなく思っていたような、認知バイアスを人間の欠点としてとらえているような話ではなかった。手持ちのものを使って変化の激しい環境に適応してきた人間というものが、素晴らしいものだと思えた。
    それぞれの章にブックガイドがついているので、さらに詳しく知りたい人には便利。

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    2023年01月12日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    筆者が言いたいことについては「確かにそうだな」と思うことがたくさんあった。教育に関しては、社会が積極的に関わるような関係性を作っていくことが非常に大切になるのではないかと思う。子どもが色々な大人と出会い、それぞれの生き方を知ることで創発の可能性は伸びるのではないか。そんなことを思った。
    あとは、内発的な動機付けをどのように行っていくか、が自分にとっての課題であると思う。

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    2023年01月03日
  • 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

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    久しぶりにちゃんとした本を読んだ気がしました。最近はあまり勉強してないのに専門家のような顔をして本を書く人と書かせる出版社が増えました。本当に残念なことです。この本は違います。しっかりと勉強されてます。おすすめ書籍の紹介も豊富なので、入口として最高だと思います。

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    2022年12月07日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    学習と知識の転移について、たまたま同じタイミングで読んだマンガ「アオアシ」29巻がまさにこの回とリンクした。
    知識は簡単に転移しない。意識的に考えることはもちろんだが、無意識が勝手に蓄え続けた他の知識や意識が棄却したさまざまなパターンとの結びつきも存在する。だから認知パターンを増やすことはとても重要。揺らぎが創発を誘発する。
    何度も例題を解けば転移の可能性は高まるが、限定的。望ましい状態と現状を一致させるため、原因系を探り、自ら問題自体を創発していく。こうすることで知識が得られる。
    アオアシ29巻。ただ先輩の意見を聞くだけでも、質問をするだけでも真の成長にはつながらない。ひよっ子でも自分の意見

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    2022年10月10日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    平易な言葉で、人間の学びの仕組みを教えてくれる良書でした。この本を読んだ事は、今後何かを習熟する際に役に立つと感じた。テーマ毎の末尾に、より深く知りたい場合の図書が紹介されているのも親切。

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    2022年08月30日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    知識の獲得、上達、発達、ひらめきのメカニズムやプロセスが語られ、教育や教師の役割について論じられている。人が成長する仕組みに興味があったため、こういうことだったのかとたくさんの発見があった。が、まだ「身体化」されるほどには「認知の変化」が起こっていない。再読し、他の角度からも理解を深めたい。

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    2022年08月11日
  • 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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    とても面白かったです。要素還元的で固定的な学びの概念を覆し、還元不能かつ流動的な創発のメカニズムやダイナミズムを、平易な言葉でコンパクトに解説しています。各章にある参考文献も充実しているのも良いですね。

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    2022年08月01日
  • 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

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    9章の【「認知バイアス」というバイアス】が素晴らしい。
    心理学の実験が被験者を間違えさせるような出題の仕方をしていたかもしれないことが紹介されている。

    他の本の引用が結構多くまとめ本みたいなところもある。
    心理学は「再現性の危機」で過去の実験が再現できないということが多々あったため、ここで紹介されている実験が本当に有効なのか、また有効であったとしても9章のように「間違えるように誘導していたのでは」という疑問も残る。

    「第6章 言語がもたらすバイアス 」が9章の次に面白かった。

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    2022年06月01日
  • 認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

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    読んでいると人間の脳なんていい加減だなと悲しくなりますが、最終章で救われました。
    自分の考え方の癖に気付かせてくれる良書でした。

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    2022年02月23日