竹内要江のレビュー一覧

  • 何もしない

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    "取り残されることへの恐怖"を常に感じながら生きている現代社会。自分の思考や心の拠り所を守るためには"取り残されることの必要性"を考えてみるのもいいかもしれない。

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    2025年10月26日
  • 何もしない

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    何も言わせずにすます権利

    アテンションエコノミーへの対抗

    "公共空間もどき"
    "理想的な公共空間では、私たちは行為主体性を持った市民としてみなされる。それが公共空間もどきだと、消費者か、その場のデザインを脅かす存在のどちらかにしかならない"

    ただほど高いものはない

    非商業的な空間が失われていくのと同じように、自分の時間と行動が全て商業的なものになりうると私たちは気づいている

    エピクロスの庭園、20世紀アメリカのコミューン運動
    →駆られる生活からの逃避

    ウォールデン2
    BFスキナー

    ディオゲネス→パフォーマンスアーティスト
    行動を通じた暗

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    2024年07月07日
  • 何もしない

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    何回も読み直したい。
    抵抗することとはどう言うことか。
    それは体を休めることでも運動することでもない。

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    2024年05月06日
  • 何もしない

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    ネタバレ

    単なる革命論、コミュニズムにとどまらない、極めて論理的な内省の末に書き上げられた傑作。

    何もしないこと、外界との関わりを断つことに持続性がないこと、外界と交わりながら拒絶する構造、I-itからI-you(attention、描出)、空間を作ること

    この論理構造を内面化していくことが、自分の精神の王国を築くことなのだろう。再読必至。

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    2024年03月17日
  • 逃げ道

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    現実と空想の世界が入り混じる不思議な世界へ読者を誘い込む。ひとつの作品が終わるごとに、ほ〜と息を吐きたくなるような余韻を残されます。子どもの頃に旅していた空想の世界に再び旅できるような、不思議で、心地の良い読書体験でした。

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    2023年11月06日
  • レバノンから来た能楽師の妻

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    能楽師の妻兼マネージャーとして能の魅力を国内外に発信し続ける著者の生い立ちや子育て、能を通じての異文化交流、母の介護について書かれた本。

    本書は、著者のマドレーヌさんが伝統ある能楽師に嫁ぎ、文化や価値観の違いに戸惑いながら、夫の梅若猶彦さんと共に能楽を国内外に発信する姿が書かれています。その中で、能についてわかりやすく説明されています。

    また、子育てを通して見えてきた日本や海外の教育の違いも書かれています。今後は、多様性を知る教育も大事であることが、本書を読むとよくわかります。

    日本の古典芸能の一つである能楽。日本文化であるにもかかわらず、能楽のことを知っている日本人はそんなに多くないと

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    2021年07月11日
  • 果てしなき輝きの果てに

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    ネタバレ

    麻薬ビジネスの横行するペンシルベニア州ケンジントン地区では、クスリを手にする金を求めて路上で身売りする女も数多。
    この地区のパトロール警官ミカエラは妹のキャシーをこの界隈でよく見かけときには連行する場に居合わせることも。
    そんな日常の中、商売女ばかりを狙った連続殺人事件が発生し、ミカエラは次は妹の番なのではと身を案じる。

    幼少期に育まれた姉妹の絆の消失と再生、幼い息子トーマスとミカエラで奮闘する母子家庭の苦悩と希望。
    犯人を突き止めるミステリというよりは、家族の物語の色が強い。

    姉と妹の気持ちが次第に離れていく様、純粋無垢な少年の素直さと大人の勝手な都合が招く不条理なシチュエーションがたま

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    2020年12月09日
  • 果てしなき輝きの果てに

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    ドラッグ、セックス、腐敗警察という語りつくされた感のあるミステリの題材ではある。けれども、古都フィラデルフィアの荒凉たる街をパトロールする毎日を過ごし、自身の苦悩を抱え込みながらシングルマザーとして幼い息子を育てている主人公の懸命な努力がつぶさに描かれている。過保護なまでの育児の裏の真実が徐々に明かされていく過程は痛々しくもあるが、やがて静かな感動を呼ぶ。

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    2020年10月13日
  • 果てしなき輝きの果てに

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     暗い話は苦手だという方にとっては、本書は忍耐を強いられる物語である。そもそもこの作家にとってはミステリーが初チャレンジだそうだ。これまで数作の私小説的な、あるいは社会問題をテーマにしたヒューマンな作品で評価されているようだし、ミュージシャンであり、大学の先生でもあるらしい。多くの顔を持つ作家の初のミステリー・デビューということである。

     ヒロインのミカエラはフィラデルフィア市警24分署のパトロール警官である。ある日、通報によりリ、連続殺人事件の被害者である若い娼婦の遺体に遭遇する。パトロール警官の身には、捜査権限という点で相当のハンディを抱えているばかりか、捜査状況の進捗すらまともに読み取

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    2020年07月13日
  • 果てしなき輝きの果てに

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    妹を探すパトロール警官のミッキー。薬物、売春が当たり前のようにあるなかで小さな手がかりから追う。そのなかで見えてくる問題。薬物、貧困、犯罪。そこで生活すること、子供を持つこと。社会問題を見せつつ物語は進む。姉妹の関係性や複雑な感情、子育てや家族のこと。生きていかなきゃいけない孤独とともにあるわずかなでも確かな幸福。とても印象的な作品。

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    2020年06月25日
  • レバノンから来た能楽師の妻

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    【何はともあれ、わたしがこれまで目指してきたのは、「能の愛好家を増やすこと」でした】(文中より引用)

    内戦の続くレバノンを離れて訪日し、能楽師と結婚することとなった著者の梅若マドレーヌ。彼女が経験した能の世界、そして日本での異文化体験や生活について語り尽くした作品です。訳者は、翻訳家として活躍する竹内要江。

    稀有な人生を歩んできた一人の証言として興味深いことはもちろんのこと、能についての一風変わった手引書となっている点も高く評価できる一冊。「このような人がいたのか!」という純粋な驚きに胸打たれる読書経験でした。

    能の舞台にも足を運んでみたい☆5つ

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    2020年02月12日
  • 何もしない

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    逃避するのではなく、その場に留まるというのがミソだなと思いました。その感覚はなんとなくわかる。大企業に属しながら、資本主義に違和感を持ち続けて小さな抵抗を続けるとか。
    文章自体もロジカルというより、散文的な印象で読みづらい部分もあるが、その文章自体が彼女を表している感じ。SNSに違和感あるけど、完全に離れる仙人的な生活は違うよなって思う人には特におすすめ

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    2025年11月15日
  • 何もしない

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    注意経済にからめとられないための指南書ではあるがハウツー本でない本書。一度読んだだけでも自分の思考や行動に影響を与える力を秘めているが、自分自身の立場や居住地が変わったタイミングで再読すれば、また新たな知見を得られそうで楽しみです。

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    2025年07月18日
  • 逃げ道

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    <翻訳文学試食会>課題の『ネズミ捕り』収録短編集。
    作者のナオミ・イシグロの父はカズオ・イシグロ。
    題名の「逃げ道」は、逃げ道のない人たちの話というイメージかなあ。逃げ道を見つけた人もいるし、逃げなくても良いと思った人もいるし、逃げたんだか何なんだか分からん人も…(・・;

    『ネズミ捕りⅠ』
    重厚なファンタジーっぽい?

    ネズミ捕りの男が、新しい王に呼ばれる。この国は経済が衰退している上に、国中にネズミによる疫病が蔓延している。そのためか全体の雰囲気も重苦しいし、人間同士は猜疑心を持ち合っている。

    ネズミ捕りが訪れた王宮には王はいなかった。ここには大きなネズミ以外に生き物の気配なんかしない。

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    2025年05月08日
  • 彼が残した最後の言葉

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    いくつか他の感想でも言われているように、ドラマや映画向けの作品だと感じた。
    ストーリーは主人公の夫であるオーウェンの謎を中心に展開されていくが、そこに娘のベイリーとの微妙な関係性が絡んでくる。それら二つの要素がうまく合わさることによって、物語に深みが生まれている。

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    2024年12月06日
  • 階上の妻

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    ネタバレ

    レイチェル・ホーキンズの本邦初訳。
    本国ではヤングアダルトの作品が多いらしい。

    高級住宅街で犬の散歩のアルバイトをするジェーンは、ひょんなことからエディという青年と知り合う。エディ自身と、エディの持つ財力に惹かれていくジェーンはどうにかして取り入ろうとするが。。。

    古典名作「ジェーン・エア」のオマージュらしい。
    主人公が危なっかしくて、どう転んでも苦い展開かと思いきや、意外に読後感の良い作品だった。ミステリ的には見え見えで弱いのだけど。たまーに読みたくなる昼ドラミステリ笑
    あと、題名があんまりにもそのまんまで爆笑した。

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    2024年02月11日
  • 逃げ道

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    おとぎ話を思わせるような幻想的な世界観が描かれるかと思えば、次の話は現代のロンドンが舞台であったりするのだが、どの話も主人公は様々な孤独を感じながら不器用に生きている。そこからもがいて何とか前に進もうとする姿がタイトルの『逃げ道』なのだろうか。

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    2023年10月12日
  • 彼が残した最後の言葉

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    ネタバレ

    珍しく一気読み
    ドラマか映画ぽい…!
    でたな、証人保護プログラム!
    ハラハラドキドキの展開
    そして意外な結末
    満足の読み応えでした

    役者あとがきで母性については
    いろいろな読み方ができるよねとありました
    わたしは、「そしてバトンは渡された」
    を思い出しました
    ハンナもオーウェンも、そしてニコラスもベイリーを想っている…
    とにかくベイリーに幸あれ。ですね

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    2023年08月17日
  • 果てしなき輝きの果てに

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    全米の平均数値以上の犯罪率を持つフィラデルフィア。婦人警官ミッキーの語りで広がって行く家族絵図・・とりわけ実妹ケイシーとの軋轢~生い立ちから現在までの語りと状況が軸となり7割ほどが進んでいく。
    酷似の内容の繰り返しは過去と現在をない交ぜにしており、泡立ち、潰れて又 泡がというエピソードは正直倦んでくる。

    後半の100頁、それまでの経緯をなぞるかのような出来事があたかも追認作業の様に雪崩の様にどっどっと。そこからは面白みが高まり、もの悲しい地域性が背景となった薄暗さにほのかな光が点滅、そして肝心のサスペンスの部分が解決へと運ばれる。

    薬物依存、廃屋が立ち並ぶ風景と薬を買うお金欲しさからたむろ

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    2021年12月20日
  • 階上の妻

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    ネタバレ

    『ジェーン・エア』へのオマージュ作品とのこと。
    かの本は読んだことないが、wikipediaで見たところ、人物名や地名、設定などかなり原作の要素を取り入れていることが窺え、『ジェーン・エア』とミステリが好きな人にはぐっとくるのではなかろうか。

    何かから逃れるようにやってきた土地の近隣高級住宅街で”ドッグウォーカー”として働くジェーン。
    ある日、エディの乗る車と衝突しかけたことをきっかけに彼との付き合いが始まる。
    エディと次第に親密になると共に、彼が最近湖での水難事故で妻のビーを亡くしたことや、その時一緒に不幸にあった亡くなった妻の親友との噂があったことが耳に入ってくる。
    その上、妻の親友は他

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    2021年12月12日