あらすじ
効率性や日々のSNS通知に追われ続ける現代人にできる最大の抵抗は「何もしない」ことだ。自らの思考と創造性を取り戻す術とは
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Posted by ブクログ
"取り残されることへの恐怖"を常に感じながら生きている現代社会。自分の思考や心の拠り所を守るためには"取り残されることの必要性"を考えてみるのもいいかもしれない。
Posted by ブクログ
何も言わせずにすます権利
アテンションエコノミーへの対抗
"公共空間もどき"
"理想的な公共空間では、私たちは行為主体性を持った市民としてみなされる。それが公共空間もどきだと、消費者か、その場のデザインを脅かす存在のどちらかにしかならない"
ただほど高いものはない
非商業的な空間が失われていくのと同じように、自分の時間と行動が全て商業的なものになりうると私たちは気づいている
エピクロスの庭園、20世紀アメリカのコミューン運動
→駆られる生活からの逃避
ウォールデン2
BFスキナー
ディオゲネス→パフォーマンスアーティスト
行動を通じた暗黙の慣習の拒絶、撹乱、皮肉混じりの同一化→相対化
→社会への同化はしないが完全な脱出もしない
ソロー
"制度の内側に身を置く政治家や議員は、制度そのものをはっきりとありのままに眺めることができない"
→ゲーデルの不完全性定理みたい。
(アテンションエコノミーの)拒絶を選択できるのは、十分なソーシャルキャピタルを持ち合わせている人に限られるかもしれない
真の拒絶とは質問の前提条件そのものの拒絶
注意を妨げるもの→観察は終了した、あらゆるものを見尽くしたと宣言したくなる傾向
"注意が新しいものに引き寄せられる性質を持つのなら、注意を持続するには対象の中につねに新しい視点を見出さなければならない"
→意思は"精一杯注意を向続けさせるもの"
"注意の再配置"
最初の注意は努力がいる。でも一度築いた視点や解像度は失われない、注意による世界の描出における非対称性
Snsのフィード
→コンテキストの欠如、悪用、扇動
私たちのまともな思考を阻む
何もしない、は注意経済から離れることであり別のフレームワークでほかの活動に従事するということ
"何もしない"は時は金なりな資本主義、注意経済の枠組みに自分を取り戻す政治的抵抗行為
物質的経済→注意経済
曖昧さや非効率性の受用
Posted by ブクログ
単なる革命論、コミュニズムにとどまらない、極めて論理的な内省の末に書き上げられた傑作。
何もしないこと、外界との関わりを断つことに持続性がないこと、外界と交わりながら拒絶する構造、I-itからI-you(attention、描出)、空間を作ること
この論理構造を内面化していくことが、自分の精神の王国を築くことなのだろう。再読必至。
Posted by ブクログ
逃避するのではなく、その場に留まるというのがミソだなと思いました。その感覚はなんとなくわかる。大企業に属しながら、資本主義に違和感を持ち続けて小さな抵抗を続けるとか。
文章自体もロジカルというより、散文的な印象で読みづらい部分もあるが、その文章自体が彼女を表している感じ。SNSに違和感あるけど、完全に離れる仙人的な生活は違うよなって思う人には特におすすめ
Posted by ブクログ
注意経済にからめとられないための指南書ではあるがハウツー本でない本書。一度読んだだけでも自分の思考や行動に影響を与える力を秘めているが、自分自身の立場や居住地が変わったタイミングで再読すれば、また新たな知見を得られそうで楽しみです。