諸富祥彦のレビュー一覧
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公共の場でキレ出す高齢者は、何度も見たことがある。日本のサラリーマンの幸福度は年齢を重ねるごとに下がるという話を聞いたこともあるが、長年の会社勤めで日々抑圧された環境で、ストレスが蓄積して心の余裕が無くなっているのだろう。自分の会社の50代と60代を見渡しても、我慢できない短気な方が本当に多く、若者はこういった人たちに配慮しながら業務を進めることに相当なエネルギーを費やしている。こういう「ジャマオジさん」って、会社の役職を失ったら特段価値が無くなってしまうのではないかとさえ思えてくる。他人のために貢献できる人生のミッションを、中高年になるまでに見つけておきたいと改めて思い知らされた。
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タイトルや導入部分はただネガティブで辛くなりそうですw ですが読み進めるに、人間は本来ネガティブであり、社会もネガティブにならざるを得ない状況で、以前のようにポジティブ礼賛では生きにくくなっていることが説明されます。
そのような時代にどう生きるの?一つの指針として「上手にあきらめる」ことが書かれています。
個人的には苦しみを脇に置いて客観視する「脱同一化」というワードが参考になりました。人間は一日に六万回もの自動試思考が頭に浮かび、ネガティブな内容が多いそうです。そのときに脱同一化を習慣づけておけば、日々落ち着いた心で過ごせるのではと思いました。 -
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■「人生はあきらめであり、あきらめこそが人生である」■
なるほど。シンプルだが噛むほどに味わい深い。この言葉、オリジナルはエリザベス・キューブラー・ロスのもので、著者が「喪失」を「あきらめ」に置き換えたものだ。
本書はいくつかの代表的なシチュエーションを例示する中で、がんばりすぎることの害悪、あきらめることの有用性、その考え方や方法論を説いたもので、その趣旨にとても共感できる。人生うまくいかなくてもう疲れたわ〜とか、自己啓発本はもうお腹いっぱいって人に読んでみてほしい。
ただ前半、「ふつう」に囚われることについて次のように説かれており、違和感を覚えた。
現代日本人は「ふつう教」の信者。 -
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ネタバレ中高年期における内面的な、人格的成長・成熟について説かれた本。
自分のように、中高年で人生について悩むとこういう本を手に取るのかもなあと思った。ユングやアドラー、マズロー、フランクル、クランボルツも出てきて面白い。実践してみたいことも多数あり。
・今の日本人の多くは40代から50代に内的な「人生の正午」を迎えて人生の後半に向かっていくのではないか
・努力至上主義の人は、心ここにあらず状態で今を生き流している
・この人に相談したいなとふと思える人にあなたはなることができているかどうか
・濃密な生を送るための心得として、「これはしないことリスト」を作ること -
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これからの学校現場で求められる教師像とは?スクールカウンセラーを長く務めてきた著者による、教育現場で働く人も保護者も必読の一冊。
コロナの影響をはじめ、いじめ問題、新学力観の授業の在り方など、最新の教育現場の実情が述べられていました。
その中で教員がいかに大変な職業であるか、そしていかにやりがいのある仕事なのかが現場の実情をもとに述べられており、とても説得力を感じました。
また、学校側の面だけでなく、保護者側の視点も大切にとらえており、双方の連携・協力がいかに重要であるかも伝わってきました。
これからの教育が大きく変わっていかなければならないことを私たちはしっかりと受け止めて -
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ネタバレ<目次>
第1章 教師の何が大変なのか?
第2章 学校空間の悩ましい「人間関係」~神戸市東須磨小学校の教員間いじめ・暴行事件をもとに考える
第3章 追いつめられる子どもたち~いじめと不登校に立ち向かうには
第4章 保護者と学校のより良い関係
第5章 「できる教師」に必要な6つの資質
<内容>
さすが長くスクールカウンセラーをされている諸富先生、学校のことが、教師のことが、よくわかっていらっしゃる。しかし、その提言はなかなか難しい。タイトルの「いい教師」とは…①リレーションづくりの能力 ②人間関係のプロ ③対話型の授業ができること ④少数派の子どもに徹底的に寄り添うことができる ⑤教