大橋歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
結局最新刊まで怒涛の勢いで読んでしまった村上春樹エッセイ。
自由で軽やかで、大袈裟でなく本当に心が楽になりますわ。
”今週の村上”とかいうエッセイの最後に添えられてる一文、しょうもなくてすっとぼけで愛おしすぎる…。
ほんのわずか恐妻家?と思わせる文があったりするのもくすっと笑わせてくれます。
そしてなんといっても「私が死んだときには」がもうめちゃめちゃ良かった。
私も外国の墓石に刻んである墓碑銘を読んでまわりたい。
墓碑銘って、美して潔くてきっと不思議な魅力がある。
「何ひとつ思うな。ただ風を思え」って私も刻みたい。
カポーティ読もう。 -
Posted by ブクログ
村上春樹のエッセイ。私は、村上春樹は小説よりもエッセイの方が好きだ。飄々とした感じの文体で、真面目なのだかふざけているのだか分からないようなことを書いているのが面白い。
特に、小説では絶対に使わないような、見方によってはくだらない「比喩」を多用するとことも好きだ。
■(海外旅行中にホテルから空港に向かう途中、ホテルにパスポートやフライトチケットを忘れたことを、ホテルから250km地点で奥様から指摘されるのだが)隣に座っていた連れが、現実という見過ごすことのできないずた袋の底から、洗い忘れていた二週間前のテニス用靴下を引っぱり出すみたいに、陰惨な疑問をひとつ持ち出してきた。
■しかし災難は、ま -
Posted by ブクログ
村上春樹の世界観がとても好きだ。
アメリカの少し古い感じ、ゆったりしている感じ、気ままな感じ。
忙しくて明日のこと未来のことを考えすぎてる時に読むと、今を丁寧に大切に楽しんで生きようと思える本。
結局のところ自分の身の丈にあったものしか、見に纏うことができない。合わないものを押し付けられても、そのうちに自然に剥がれ落ちてしまう。だから合わないものを押し付けられるのも、一つの立派な教育と言えるのかもしれない。
村上さんのなんというか気を張らない流れに身を任せるような考え方がとても好きだ。私に合うものや人は考えてできるものではなくて、自然に身についてくるんだろうなあ。