大橋歩のレビュー一覧
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「村上ラヂオ」のシリーズは3冊出ている。
2「おおきなかぶ、むずかしいアボカド」
3「サラダ好きのライオン」
なんと、2と3は9年ほど前に読んでいる。しかもこれが初・村上エッセイで、その発想力にいたく感動していた。
「村上春樹って、超ベストセラー作家だけど、私には理解できないかもしれないな」と、ずっと思い続けて何年だろう、「サラダ好きのライオン」を読んで、あら?面白い発想の人なんだ?!
と、村上エッセイのファンになったのである。
その後買っておいた本書を今読む。
2000年頃にアンアンに連載されていたものらしい。
アンアンの読者が、このエッセイを毎回どんなふうに読んでいたのかに興味はある。
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「人はときとして、抱え込んだ悲しみやつらさを音楽に付着させ、自分自身がその重みでばらばらになってしまうのを防ごうとする。音楽にはそういう実用の機能がそなわっている。」
I really resonate with this part. I believe music, memory, and emotions are deeply connected. To keep my mental health in check, I sometimes listen to songs I used to play during better times. -
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今回も著者が体験したことや思ったことを書いていく。日本のみでなく、いくつかの国々で生活したこともあってか、日本国内外の話についていくつか言及している。ワシントンDCに住んでいたころ、ホテルのシャワーを利用しようと並んでとき、右派ロビイストから横から割り込んで色々と言われたが、自分の後ろにいた白人男性が抗議するという経験をした。著者はアメリカ人について考えるとき、常にその二人を思い出し、力と金がすべて、あるいは公正を信じる人という図式は、どこの国にも当てはまるのだろうという。この経験から、日本にいる外国人がもしなにか困っているときは、助けるようにしている。本書はほかにも、複数の国で過ごした著者
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村上ラヂオシリーズの第2弾。前回と同様、著者が体験したこと、思ったことを書き綴る。オリンピックの開催地は、発祥の地アテネにするべきといい、その理由として広告代理店、土木工事など費用が無駄にかかるからだという。また日本のメディアは、選手がメダルをとれるかとれないかということに関心を持ちすぎだと批判する。このような理由からオリンピックはあまり好きではないらしい。
著者は健康的な生活を送っていることで有名であるが、この習慣をつけるようになったのは、作家としてデビューした30歳ごろで、それ以前はたばこを吸う、夜更かしを
するなど、現在とは真逆の生活習慣を送っていた。
ほかにもアイスランドの旅行で見 -
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著者が日常で体験したことをまとめたエッセイ本。酒のつまみとして最適な柿ピーの柿とピーナッツのバランス具合が絶妙であること、イタリア本場のパスタがおいしい反面、イタリア国境のパスタはまずい、うなぎやすき焼きがおいしい、ちらし寿司が関東と関西では別物であるなど、食に関するエッセイは割と多い。また著者のデビュー作『風の歌を聴け』が群像新人賞をとった当時について言及している。授賞式のために用意したスーツは、青山のVANのショップに行き、バーゲンで買ったという。受賞が決まり、出版社に向かって担当の編集者と会うが、そのとき編集者から「君の小説にはかなり問題があるが、まあ、がんばりなさい」と直接言われた。
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一遍の量がとってもちょうどいい。
家事の合間、お風呂入る前、職場での昼休憩、、
どんな場面でもすぐにふっと別の場所に連れて行ってくれる。
そして何よりくどくない。
ユーモアを2.3滴混ぜながら彼の追体験をさせてくれるんだけど、押し付けがましくないというか、
距離感がちょうどいいというか。
時々憑依の如く文章に引き摺り込まれて
胸焼けする、、という作品もあるじゃないですか。
彼の作品にはそれがない。
彼のこの魅力的なスタンスこそが
小説に見え隠れする美しさなのかな〜とも思ったり。
あんなに苦手意識があったはるきの文章なのに
エッセイにまで手を出しているという。。苦笑
彼の作品について -
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重い小説、難解な小説の後は村上春樹さんの脱力エッセイがおすすめ。中でも、村上ラヂオ2.3はかなり面白い。
・オムレツを作ろう
・献欲手帳
・死ぬほど退屈な会話
・とんでもない距離、ひどい道
・いちばんおいしいトマト
がお気に入り!
特に、村上春樹さんが学生時代、北陸を徒歩旅行した時に、農家の方がトマトをくれた話が心に残る。
能登半島の善意が沁みてくる。
太田幸司さんが決勝戦で18回を一人で投げきり、それでも0対0で決着がつかなかったあの夏の出来事だ。
春樹さんの話を読んでいると、走りたくなる。
そして
シューベルトの「アルペジオール・ソナタ」を聴きながらオムレツつくりたくなる。 -
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小説の村上春樹もいいけどエッセイの村上春樹はさらにいい。
クスッと笑えるエッセイに、今週の村上というおまけ付き。
今週の疲れがどどっと出て、テレビの画面を見て思い切り受け身で過ごそうと思ったけど、この本読んでたら疲れが抜けていった!
あまりにも可笑しくて、ばかばかしくて、脱力感。
本人曰く、ビール会社が作るウーロン茶。
これがまた味わい深い。
実際のオリンピック、ドイツとパキスタンのホッケーの試合を観て純粋にスポーツの醍醐味を味わったり、メジャーリーグの試合を観戦し、Aロッドの一挙手一投足を観察したり、毎度のことながら視点が面白い。ヒノマルの数とか結果とかに無縁な観戦姿勢が村上流。
最後は真面