アントワーヌ・ローランのレビュー一覧
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ネタバレ内面から相手を好きになる恋は綺麗で美しく感じる。
「人はどうしたら他人の人生からいとも簡単に姿を消すことができるのだろう。それはたぶん他人の人生に入り込むのと同じくらい簡単なことなのだ。偶然に交わされた言葉、それが関係の始まり。偶然に交わされた言葉、それが関係の終わり。」
ローランとロールが実際に出会わず悲恋に終わる結末を無意識に望んでしまった。全てがお洒落だし、ハッピーエンドだし、少し捻くれ者私には物足りなかったのかも…笑
ロールの箇条書きの手帳、愛おしく感じたし、新しいノートを取り出して日記を書きたくなった
面白かったので他の作品も読んでみたい -
Posted by ブクログ
パリ発、大人のおとぎ話第三弾。
弁護士ショーモンは、古いものが好きで趣味の骨董収集のコレクションも少しずつリビングへと侵入して妻に呆れられていた。
ある日オークションで見つけた自分とそっくりの肖像画を手に入れるが、妻も知り合いも全く似ていないと言う。
これが誰なのか調べるうちに…。
誰しも別の人生を生きられるなら、そうするのだろうか。
けっして騙すつもりではなくても、自然なかたちでそうなり、それで後悔がなければ別の人生を歩むのか…。
もし、妻が肖像画を見て似ていると言えば違っていたのか…。
ほんのちょっとのすれ違いですべてがひっくり返ることもある。
ただ今がしあわせだと感じるなら結果的に -
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著者の作品は「ミッテランの帽子」に続いて2作目。
最初はバッグを拾ったローランという男性の行動にちょっと抵抗があり、戸惑いながら読み進めていました。
赤いモレスキンに綴られている内容からどんな持ち主なのかを想像してみる。わずかな手掛かりから持ち主を突き止めてしまうなんて…。
少しずつ読んでたせいか中盤まではなかなかストーリーに入り込めずにいましたが、そこからの展開は一気読み。
こちら、本で読むより映像で見た方がより世界に浸れる気がする。
作中の“赤いモレスキン”の存在感がすごい。
前作は帽子が幸運をもたらす物語。
本作は赤いモレスキンから始まる大人の恋物語。
個人的には「ミッテランの帽子」 -
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持ち主を次々と変えた帽子が運んでくる幸運。
こういう設定好きです。
帽子の最初の持ち主は会計士・ダニエル。次は、止めたいのに不倫を続ける女性・ファニー。ファニーから、長らくスランプ中の調香師・ピエールへ。そして名家の資産家ベルナールへと持ち主は変わっていく。
何だか不思議な展開。
大きな変化のきっかけ・幸運の種は、実はほんの小さな偶然の出来事。そしてそれがもたらした気持ちの変化だったりする。
本来知るはずのない舞台の裏側を覗いてしまった気分で楽しい。
夢中…とまではいかなかったけど、ワクワクしながら読みました。
「大人のおとぎ話」という表現がしっくり。
個人的な感想ですが、「持ち主が変わ -
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フランス大統領のミッテランとブラッスリーで隣の席になった男は、ミッテランが忘れていった帽子を持ち帰ってしまう。その日から男の運が変わり、ヘッドハンティングされた。しかし幸運を運んできたミッテランの帽子を列車に忘れてしまう。次にその帽子を手にしたのは、恋人との密会に行く作家志望の女性だった。こうして、ミッテランの帽子は次々と人の手に渡っていくのだが、どの人にも新しい人生を開くきっかけを与えていく。
最後は、最初に帽子を持ち帰った男がミッテランの帽子を探し出すが、結局ミッテランに帽子を返しに行く。
帽子が繋ぐ人生の転機を迎えた人々。最後のオチもしゃれていてフランス文学らしさを感じる。