【感想・ネタバレ】ミッテランの帽子のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月06日

「その帽子を手にした日から、冴えない人生は美しく輝きはじめる。」

元フランス大統領フランソワ・ミッテランが置き忘れた帽子をきっかけに、くすぶっていた4人の人生が大きく変化していきます。

1人1人にどのように帽子が渡っていくのか、そして何をきっかけに離れてしまうのかもこの本の見どころの一つです!
...続きを読む
あまりフランス文学は読んできていませんが、この本はトップクラスに気に入りました。

本編を読んだなら、是非訳者あとがきのところまで読んでほしいです!

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Posted by ブクログ 2024年02月27日

1980年代パリ。冴えない会計士ダニエルは、予約なしで訪れたブラッスリーで大統領フランソワ・ミッテランの隣の席に案内される。
ミッテランが置き忘れた帽子から始まる四つの物語。

一人目のダニエルはちょいとどうなの?的な行動が目に余るけど(リアルな人間らしさはある)二人目以降はフィクション感があって楽...続きを読むしい。私は三人目の調香師の話が好き。四人目になると一気に政治色が出るけど、それもまた良し。
何より、実在する大統領がこんなかたちでフィクションに登場するのが→

楽しい。日本にはない感覚な気がする(日本の大臣を物語に脇役としておしゃれに登場させる国内作品、私は読んだことないけどあるのかな?)
政治が日常にある好例ではないかと。
それにしても、著者はミッテラン大統領が好きなんだろうなぁ。良き。

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Posted by ブクログ 2022年11月03日

面白くて一気に読んでしまった。物語としては、赤いモレスキンの女の方が好きだけど。
1986年から1988年の物語。ミッテラン大統領は名前しか知らなかった。テロが多かったことも初めて知った。興味はどんどんと広がっていった。

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Posted by ブクログ 2022年11月02日

1980年代フランス、時の大統領ミッテランの帽子を巡る物語。

15区の高層マンションに住むダニエル、バティニョール地区で密会を重ねるファニー、モンソー公園を散歩するピエール、パッシー通りのベルナール…
昨日すれ違ったあの人かもしれない!と思わせる、登場人物たちの息づかいが感じられるような一冊。

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Posted by ブクログ 2022年06月24日

お洒落な大人のおとぎ話と紹介されているように、読み進めてほっこりと優しい気持ちになりました。

物語は、ミッテラン大統領がブラッスリーで帽子を置き忘れたところから始まります。
新たに帽子の持ち主になった人たちは、それをきっかけに人生を好転させていきます。
能力の低い同僚に出世をこされた男、不倫を切れ...続きを読むない小説家志望作家、スランプ中の天才調香師、固定概念に囚われたブルジョワ男、そして最後に手にするのは…?


舞台は1980年代のフランス。
今でいうハイテク機器がない時代の、帽子を介した不思議な巡り合わせが素敵な設定です。

読みながら当時のフランスの政治的背景や生活を知ることができてとても興味深かったです。
フランス小説は初めてだったけど、温かみのある文章でまた他の本も読みたくなります!

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Posted by ブクログ 2022年06月09日

「洒脱な大人のおとぎ話」と表現されているけれど、本当にそのとおりだった。
オシャレで不思議で、でも少し無理がないかなぁ?と思うような「おとぎ話」で、とても楽しかった。

一つの物が人の運命を変えるなんてことがあるのなら、私も1度くらい経験してみたいなぁと思う。

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Posted by ブクログ 2022年05月10日

史実に基づき、教養を得られる刺激があります。そして、 生き方が変わるような、素晴らしいファンタジーでもありました。この作者がとても好きです。

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Posted by ブクログ 2022年02月10日

『赤いモレスキンの女』以来、久々に戻ってきた。
心が浮き立つような大人のおとぎ話。店先から漂う料理のいい匂い同様、表紙の装丁から既にいい出会いの予感がする……





「(一部を除き)みんな盗癖ありすぎ笑」
小説は好きだし読後感に浸ることもザラにあるけれど、「いやちょっと待て」とツッコミを入れるこ...続きを読むとも多い。今回はまさかの初っ端からツッコミを入れるハメになったものの、物語が進展するにつれ、そうも言ってられなくなった。

帽子の渡り方(?)が毎回違っており、「次は誰がどうやって?」と前の人のエピソードが終わる前から予測していた。会話の鉤括弧が(敢えて)抜かれているせいで誰の発言か分からなくなることもあれば、無理やり運命を動かそうとして失敗しないかと心配をしたりと思考を巡らすのに忙しい。
でも帽子を手にした彼らはもはや無敵。こちらのハラハラを尻目に「心配ご無用」と軽快に切り抜けて見せる。

「運命と言う偉大なGPSが決めてくれた経路をたどらない時、帰還不能を示す標識も見当たらない」

帽子を手にした人々の運命を(その人達にとって)プラスの方向へと導く帽子。
単なる偶然なのか。吉田氏(翻訳者)が仰るように「謎めいた力が宿っている」のか。そして何故ミッテラン大統領の帽子という設定にしたのか。帽子の持ち主はミッテランじゃなきゃ駄目だったのか。

小説好きの人が聞いたら呆れるであろう、つまらない疑問の山をこしらえてもいた。これらの疑問はエピローグ・あとがきで明らかになるのだが、そこで語られるエピソードを知ってしまえば「タネを明かせ!」と躍起になっていたことが恥ずかしくなる。

タネも仕掛けもない作用。一杯食わされた感じだけど、麗しの都って作用も働いているからか何だか悪い気がしない笑

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Posted by ブクログ 2022年02月01日

転がっていく帽子を追いかけていく感じがとても楽しかった!しかもたどり着いた先は、まさかのあの人❗自分の人生にもミッテランの帽子みたいなきっかけがあるかも。その時慌てないように、この小説が教えてくれたのかもね。

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Posted by ブクログ 2023年08月27日

ミッテラン大統領の帽子を手に入れたとたん、つまらない人生が輝き始める。手違いからいろんな人の手に渡り、それぞれに変化を起こし…意外なラストへ。
なんでこれ映画になってないの? 『ミセス・ハリス』みたいな良い映画にすべきよ。
いわゆる「大人の童話」だけれど、「帽子」という小道具がなくても、ものの見方と...続きを読む自分の意識を変えれば人生動き出すよな、と、元気がもらえました

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Posted by ブクログ 2023年04月01日

80年代後半から90年代前半にフランス語やフランス文化を学んだ自分としては、物語が醸し出す雰囲気がそこはかとなく懐かしく、それでいて、ストーリー展開がミステリーチックで面白い。
フランス語でも読んでみたいと思った1冊。

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Posted by ブクログ 2022年11月18日

1986年のパリ。
仕事場で自分の意見を上司の顔色を伺うことでなかなか言えず、やや鬱屈とした気持ちを払拭しようとたまの贅沢のために高級レストランにやってきた、会計士のダニエル。
運良くたまたまキャンセルが入り、予約なしで案内してもらえることになった。
そして新しく入ってきて、彼の席の隣に座った客人は...続きを読む、なんと時のフランス大統領、フランソワ・ミッテランであった。
ドギマギしながらミッテランたちの会話に聞き耳を立てつつ、ゆっくりゆっくりと食事をするダニエル…
ここから紆余曲折あって、ミッテランの帽子の旅と、ダニエルを始めとしたミッテランの帽子を受け取った大人たちの、幸福へと導かれる物語がバトンのように引き継がれていく。
帽子がどのように次は引き継がれていくのか、次はどのような人の元に辿り着くのかが気になりつつ楽しむ。
この調子でミッテランの帽子はいったいどこへ行ってしまうのか…?
1980年代のフランスの、行ったこともない地の情景を味わいながら、ついわくわくして読み進める。
帽子はまさかの軌道を辿って物語は終わる!
終盤に行くにつれて盛り上がるワクワクドキドキ。
とても面白かった。
エピローグとても好き。
そして帽子に出会った人々の物語やその後の話も、愛着が湧く。
さまざまな登場人物に幸福をもたらしていった帽子。
本書背表紙に、大貫妙子さんの書評があり、引用させていただくと、「帽子が幸運をもたらしたとしても、それは本当は、それぞれの人に眠っていた力なのだ」。
たしかに、きっと帽子がもたらしたのは、登場人物たちが自信をつけたり決断をしたりするキッカケだった。そしてそのキッカケをかれらはモノにした。
なんだか素敵な愛用の帽子を一つ、買いに街へ出たくなるお話でした。
あと牡蠣、今まで食あたりが怖くてなんとなく避けて食べたことなかったけど、本書を読んでいたら(そんなに美味しいのか…?)と少し食べたくなりました。
さすが美食の国…

あと訳者あとがきも、ミッテランや当時のフランス情勢について軽く解説してくれていて読むとお得だ。
しかしそのあとがきの中で一番驚いたのは、他ならぬ本書の原作者、アントワーヌ・ローランとミッテランの帽子との出会いについてなのだ!
その出会いを通じて、単行本のカバーには本物のミッテランの帽子が使われることになったとのこと…ロマンだ。
そうだ、この物語すべてが、ロマンに溢れている。 

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Posted by ブクログ 2022年11月16日

フランスのミッテラン大統領が無くした帽子が持ち主を替えながらその人たちの人生を動かしていく。最後の持ち主からの流れは意外な展開で楽しめた。
同じ著者の赤いモレスキンの女を先に読んだが、個人的にはこちらの方が好きだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月23日

フランス大統領、フランソワ・ミッテランの帽子を手に入れた人たちに起こる人生の転機。
一つの帽子が人から人の手へと渡って物語を動かしていく。
わたしもミッテランの帽子を手に入れたいな。笑
普段、帽子はあまり被らないけど、読んでたらほしくなってしまいました。

エピローグ、ミッテラン視点が入ってることが...続きを読む、この物語をさらに私好みにしてくれました。

訳者あとがきもよく、この訳者さんの他の本も読みたいですし、アントワーヌ・ローランの他の作品も読みたいです。




帽子の愛好家がメモを帽子に挟む、というアイディアは帽子好きかつ、いい帽子ならではだな、と。

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Posted by ブクログ 2021年11月22日

一つの黒い帽子の周りで起こる小さな奇跡の連続の物語。

クスッと笑えたり登場人物の発言や環境から「フランス」を感じたりと軽く楽しくサクッと読めてよかった〜

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Posted by ブクログ 2021年04月17日

ミッテランの置き忘れた帽子を盗んだ会計士はそれ以来勇気を得て人生が変わる。そしてまた帽子は不倫している女性、才能の枯渇した調香師、旧態然とした落ちぶれ貴族と持ち主を変え、また彼らの運命も良き方へ導く。最後の納まり具合も納得の物語。この時代のパリの雰囲気もありありと伝わって来た。

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Posted by ブクログ 2021年04月16日


始まりはかなり身勝手ではあるものの
一つの帽子が数人の人生に関わり、
運命を劇的に変えていく…、
実に美しく、シックな物語だった。

読み始めは、カタカナ名や単語が
多く現れる度に混乱しそうだったが
読み進めていくと、重要な人物は
自然と名前と共に印象が残っているし
そうでないものは今留めなくても...続きを読む良い、と
軽い気持ちでストーリーを楽しむことが出来た。

背景となる地や風景への描写が多彩なため
映像化されたらより美しいだろうな、とも。

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Posted by ブクログ 2021年02月20日

ミッテラン大統領(今では「元大統領」だけれど)の帽子が不思議な力を持つラッキーアイテムとなり、手にした人々の人生を少しずつ変えていく物語。

お伽話ではあるのだけど、おそらく、それだけでないなにかがあるのだろうと思う。

私は、過去にも散々書いているが、世界に関してとことん無知なので、この時代のフラ...続きを読むンスがどんな国だったかについてはもちろんのこと、ミッテラン大統領についても何となく顔と名前が一致する程度にしか知識がない。

それでもきっと、ミッテラン大統領が愛されていた存在ー少なくとも作者にはーであるのだろうと思えるような物語であった。

帽子ひとつをめぐってこんな出来事が起こるという物語は、フランスという国をとても上手に表現しているようにも思える。

作者のアントワーヌローランの逸話も洒落がきいていてとても面白い。

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Posted by ブクログ 2021年02月12日

フランスの大統領ミッテランの帽子がめぐる物語。些細なことから巻き起こる人々の交流と、80年代のパリが作者の温かい眼差しで描かれる。これはファンタジーであり、歴史の1ページでもある。

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Posted by ブクログ 2024年01月09日

帽子という魔法をいい意味で言い訳にして、登場人物たちが一歩踏み出してゆく。でも、帽子は意思を持たないため、変わるきっかけは誰にでも眠っていることを教えてくれる。

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Posted by ブクログ 2023年06月16日

何も特別な事件は起こらない。
でも、読ませる、止まらない面白さ。
小説はこうでないと!
ただ、個人的にはエピローグはなくても良かったな

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Posted by ブクログ 2023年01月04日

フランス人にとって、ミッテラン大統領は特別な存在なのでしょうか。
帽子が去ったあとの人々の人生も描かれていて、帽子により人生が変わった人々のその後も興味深いです。
今は上手に感想を言えませんが、何年後かに再読し、未来の自分がどう感じるのかが気になる後味でした。

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Posted by ブクログ 2022年12月12日

こんな“最強”の帽子があったら俺も欲しいよな。ミッテランも物語の背景のフランスも全然知らないから、随所に描かれる背景は退屈だし、ストーリーもまぁ何というか、格段におもしろいというわけでもない。だけど、TVでヨーロッパの石畳の広場を囲む歴史的な建造物のある風景を見る度に、なんだか知らないが憧れのような...続きを読むものがあって、死ぬ前に一度実際にあの場所に立ってみたいなという思いがあるせいなのか、最後まで読んでしまった。

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Posted by ブクログ 2022年10月01日

持ち主を次々と変えた帽子が運んでくる幸運。
こういう設定好きです。

帽子の最初の持ち主は会計士・ダニエル。次は、止めたいのに不倫を続ける女性・ファニー。ファニーから、長らくスランプ中の調香師・ピエールへ。そして名家の資産家ベルナールへと持ち主は変わっていく。

何だか不思議な展開。
大きな変化のき...続きを読むっかけ・幸運の種は、実はほんの小さな偶然の出来事。そしてそれがもたらした気持ちの変化だったりする。
本来知るはずのない舞台の裏側を覗いてしまった気分で楽しい。
夢中…とまではいかなかったけど、ワクワクしながら読みました。
「大人のおとぎ話」という表現がしっくり。

個人的な感想ですが、「持ち主が変わる」で近藤史恵さんの旅小説「スーツケースの半分は 」が思い浮かびました。
お気に入りの1冊です♪

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Posted by ブクログ 2022年08月07日

お洒落なパリで暮らす夢のようなひとときを疑似体験。
訳者あとがきが読み応えあった。日本語の文章も、しばしば入れられている注釈も、とても良かったと思う。ほかの翻訳本も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2021年09月29日

1980年代のパリ。ミッテランが置き忘れた帽子…次々と持ち主が代わっていく。
その度に彼らの人生が変わるほど不思議な力を持っている。
生きている中でそれと意識することのない度重なる偶然が人生を大きく変えるなんて…
まさしく大人のおとぎ話。

現実、自分なら拾わないだろうけど(苦笑)

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Posted by ブクログ 2021年09月07日

こんな事が起きれば良いのに、と思わせるファンタジー。しっかりとした現実の生き苦しさが描かれててるから単なる絵空事に終わってない。しばし心を遊ばせるのに最適。

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Posted by ブクログ 2021年08月16日

ミッテランがブラッスリーに置き忘れた黒いフェルト帽を
偶然隣席に座っていたダニエルが持ち帰るところから始まるオムニバス形式の4つの物語。

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Posted by ブクログ 2021年06月08日

(あらすじ)
冴えない会計士のダニエルは妻子が帰省している間ちょっと贅沢なレストランで夕食を取っていた。隣のテーブルに後から来た客を見て驚愕した。その中の1人は事もあろうにミッテラン!

ミッテランが帰ったあと椅子の上の忘れていった帽子をダニエルはこっそり拝借してしまった。すると、何故か自信が出てき...続きを読むてこれまで逆らった事のない上司に自分の意見をはっきり言い切った。それがきっかけになって出世の道が開けた。

この帽子が人から人へ渡るたびに、それを手にした人の生活に変化が起こる。不倫関係から抜けられなかった若い女性、スランプの陥ってる調香師、古い慣習に縛られてる上流階級の男。
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コメディー映画のようの帽子が人から人へ思いもしない形で渡っていく。最初のダニエル以外はその帽子がミッテランのものだとは知らないのだが、それを手にした事で運が開け、いわゆるラッキーアイテムとして扱う。

最後の章はちょっと…どうかな…?と思うけど、ま、いいかな。

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Posted by ブクログ 2023年05月14日

フランス大統領のミッテランとブラッスリーで隣の席になった男は、ミッテランが忘れていった帽子を持ち帰ってしまう。その日から男の運が変わり、ヘッドハンティングされた。しかし幸運を運んできたミッテランの帽子を列車に忘れてしまう。次にその帽子を手にしたのは、恋人との密会に行く作家志望の女性だった。こうして、...続きを読むミッテランの帽子は次々と人の手に渡っていくのだが、どの人にも新しい人生を開くきっかけを与えていく。
最後は、最初に帽子を持ち帰った男がミッテランの帽子を探し出すが、結局ミッテランに帽子を返しに行く。

帽子が繋ぐ人生の転機を迎えた人々。最後のオチもしゃれていてフランス文学らしさを感じる。

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