アントワーヌ・ローランのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『ミッテランの帽子』を読んで、ローランの作品のファンになった。
この物語は、見方を変えるとすごく怖いのだけど、とてもロマンチックに描かれていて好きだ。
パリの文化、暮らし、ローランとロールの心の機微に触れて、人生の趣を感じた。
文章も好きだし、物語の展開もすごくおもしろかった。
同じ状況になった時に、私ならカバンの中は見ない。
けれど、ローランはカバンを見つけた時に、手にした時に何かを感じたのだろう。
〝持ち主はどんな人だろう〟と一歩踏み出したことで、どんどんカバンの持ち主に惹かれていく様子を自分のことのように感じて読んだ。
『可能性のノスタルジー』
そういうものが人生を彩るのだと思った。
『パトリック・モディアノ 』ノーベル文学賞作家。
この人の作品とそのテーマにも興味をもった。
『夜半の事故』読んでみたい。
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Posted by ブクログ
ダニエルは妻と子が不在の時に、自炊ではなくレストランで牡蠣を食べようと思い立ち、予約はなかったがレストランに行く。と、隣の席はミッテラン大統領だった。ミッテラン大統領は帽子を忘れて帰ってしまった。ダニエルは出来心で帽子を手に入れる。
仕事場で彼は上司と対決した。財務部の状況をダニエルより上手に分析した人はいなかった。財務部最高責任者に朝食に誘われて、コーヒーまで注いでもらった。彼はルーアンの財務部長に任命された。しかし彼はルーアン行きの電車の中にミッテランの帽子を忘れてきてしまった。
小説家のファニーは、既婚者のエドワールと不倫の恋に落ちていた。彼女はいつも次に会うのを最後にしようと思っていたが、その勇気がなかった。たまたま電車で帽子を見つけた。似合っていた。エドワールは誰か他の男からもらったプレゼントの帽子だと勘違いした。エドワールとは別れた。それをファニーは作品に書いた。
調香師のピエールは最近新しい香水を作れていなかった。精神科医に通っていたが、はかばかしくない。ピエールは帽子を手に入れた。帽子と髭が合わないと妻に言われて、髭を剃った。彼は奇跡の復活を遂げた。帽子はレストランで取り違えられ手を離れていった。
書簡が数通。登場人物たち同士のもの。
ベルナールはレストランで帽子が替わったことに気がつかなかった。ベルナールな家にある時計や絵画を売り、ジャン・バスキアの絵を飾った。そして帽子を盗まれた。
ダニエルは帽子のすり替えられたレストランを探し出し、ボーイを買収して帽子の持ち主を探った。帽子を売った店に電話して住所を聞き出す。帽子を取り返したのだ!帽子を取り返したらヴェネチアに行こうと決めていた。
ヴェネチアでダニエルは帽子を石の上に置いた。その隙に帽子ご持って行かれるが取り返す。その時に帽子にメッセージが挟まれていることを指摘された。
ダニエルはエリゼ宮に電話して、ミッテラン大統領と会う約束を取り付けた。 -
Posted by ブクログ
強盗に遭った女性。彼女が奪われたバッグを見つけた書店主・ローランが持ち主を探すという物語。
著者の作品は『ミッテランの帽子』が有名だそうですが私は本作が初めてでした。
大人のおとぎ話という触れ込み通り、「こうだったらいいのに」が展開され、ハッピーエンドになるくだりは心温まり、読後感もとても良かった作品です。
反面、おとぎ話と言われるのは「現実はこうはならないよな」という部分から来るものなんでしょう。
たとえば
持ち主不明のハンドバッグを書店主が偶然見つけること、
その広い主が善良な人間であること、
バッグの持ち主に辿りつくこと、
それぞれが現代社会においては「奇跡的」とも言えるもので、だからこそ「おとぎ話」なのでしょう。
とはいえ、出来過ぎた話だと批判したい訳ではなく、現実もこうであったらいいのに……とため息をついた私。
そして本書の内容から派生して、
一時期流行した「バッグの中身紹介動画」から財布を抜き取ったら、果たして持主に辿りつくだろうか? と考えたりしました。
きっと不可能に近いですよね……。 -
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1980年代パリ。冴えない会計士ダニエルは、予約なしで訪れたブラッスリーで大統領フランソワ・ミッテランの隣の席に案内される。
ミッテランが置き忘れた帽子から始まる四つの物語。
一人目のダニエルはちょいとどうなの?的な行動が目に余るけど(リアルな人間らしさはある)二人目以降はフィクション感があって楽しい。私は三人目の調香師の話が好き。四人目になると一気に政治色が出るけど、それもまた良し。
何より、実在する大統領がこんなかたちでフィクションに登場するのが→
楽しい。日本にはない感覚な気がする(日本の大臣を物語に脇役としておしゃれに登場させる国内作品、私は読んだことないけどあるのかな?)
政治が日常にある好例ではないかと。
それにしても、著者はミッテラン大統領が好きなんだろうなぁ。良き。 -
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ネタバレパリの書店主ローランは、ごみ箱の上に置かれていた女物のハンドバッグを拾う。中身はパトリック・モディアノのサイン本と香水瓶、クリーニング屋の伝票と、そして文章が綴られた赤いモレスキンの手帳――そのわずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始めるが…。
とてもロマンチックな話でした!
ハンドバッグを強盗された女性は意識不明、それを知らないローランは拾ったバッグの中身のわずかな手がかりを元に、顔も名前も知らない持ち主を探し始める…という話。そして同時に会ってもいない持ち主の女性にどんどん惹かれていくという(笑)
わずかな手がかりからちょっとずつ持ち主に近づいていって、ついにおうちまで行ったときにはドキドキして先を読む手を止められませんでした。
しかも、もうすぐ会えるかも!? というところで、ローランが去ってしまうすれ違いっぷりがもう…!
持ち主のロールが目覚めてからは、今度はバッグを届けてくれた人(ローラン)を探すターン。くるっと立場が逆転してしまうのが面白いです。しかもローランはあんまり手がかりを残してくれてないし(笑)
何とかローランが勤めている書店を見つけ出して、声を掛けたときのやり取りが最高にロマンチックで好きです。書店ならではの出会いですね(笑)
しかも顔を合わせるのは初めてなのに、すでにお互いのことは知っているという…これを運命と言わずして何というか…!
拾ったバッグを届ける話なのに、持ち主を探すところはミステリー、出会うところはラブロマンス、と1冊で2度おいしい物語でした。
表紙も素敵なので、ぜひ部屋に飾っておきたい本ですね。 -
Posted by ブクログ
お洒落な大人のおとぎ話と紹介されているように、読み進めてほっこりと優しい気持ちになりました。
物語は、ミッテラン大統領がブラッスリーで帽子を置き忘れたところから始まります。
新たに帽子の持ち主になった人たちは、それをきっかけに人生を好転させていきます。
能力の低い同僚に出世をこされた男、不倫を切れない小説家志望作家、スランプ中の天才調香師、固定概念に囚われたブルジョワ男、そして最後に手にするのは…?
舞台は1980年代のフランス。
今でいうハイテク機器がない時代の、帽子を介した不思議な巡り合わせが素敵な設定です。
読みながら当時のフランスの政治的背景や生活を知ることができてとても興味深かったです。
フランス小説は初めてだったけど、温かみのある文章でまた他の本も読みたくなります!
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Posted by ブクログ
おしゃれなパリのミステリ要素ありの恋愛小説かな。
読書好きの方に教えてもらった本。海外小説はほとんど読まない…というか詳しくないので、面白い本に出会うと嬉しい。
なんだかいちいちおしゃれだった。
ひったくりにハンドバッグを盗まれた女性ロール。ホテルに泊まるものの頭を打っていたので、そのまま昏睡状態になってしまう。
捨てられているハンドバッグを拾った男性ローラン。警察に届けるものの混んでいて出直すように言われ持ち帰る。ハンドバッグの中に気難しくサイン会をしない作家のサイン本が入っていた。興味を持ち調べるうちに家を突き止め訪ねるが、猫の世話をしに来ていたロールの友達に彼氏と勘違いされて自分の出張中の猫の世話を頼まれる。まだ本人と出会ってもないのに家に出入りするローラン。ロールが意識を取り戻したと聞き、ハンドバッグをロールの部屋に置き、身を引く。
今度はロールがローランを探す番。
あらすじを書いてしまうと陳腐な話のようだが、文が不思議な魅力を持ち引き込まれた。
服装の描写もおしゃれ。海外小説では必ず目の色を描写される。これは日本人にはない感覚だなぁ。どんな目の色かなと思わないもん。橋本環奈ちゃんみたいに薄い色素の瞳の人なんてほとんどいないし、そういう人のみが説明の対象になる感じだろう。
鉤括弧なしで会話が次々と書かれていく感じも初めは戸惑ったが新鮮だった。
のんびりした作風に少しテンポを与える感じがする。