安野玲のレビュー一覧
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シリーズ2作目。前作を読んでること前提の作品。
『掠奪都市の黄金』というタイトルから、金塊的なものを探す系アドベンチャーかな?と思ってしまうが、全く違う。
黄金とは、他の移動都市を喰らう掠奪都市が、「獲物の情報くれたら莫大な報酬を出すよ」というその報酬のこと。
シリーズ1作目と4作目は賞を取っているらしく、2作目と3作目は賞を取っていない、という前提知識があったが、意外や意外、前作と同様に面白い。
面白さの感覚も前作と全く同様で、「いきなり別ベクトル行っちゃいました」という、シリーズものにありがちの「やっちまった感」が全くない。
①氷上移動都市アンカレジ
②巨大掠奪都市アルハンゲリスク
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ネタバレ都市が都市を食らうという、衝撃的な設定のSF。移動都市ロンドンが獲物を捕らえるシーンは、まるでスペクタクル映画を見ているかのようだった。
主人公のトムは、史学ギルドの見習い。しかし、ある出来事がきっかけで、都市の最下層部であるガットへと送られてしまう。ガット、捕獲された都市が解体される場所。暗く、暑く、悪臭が漂うその環境は、まさに地獄絵図だ。
ガットでトムは、憧れのギルド長、サディアス・ヴァレンタインと出会う。なぜかトムの家族を知っているというヴァレンタイン。トムにとってヴァレンタインとの出会いは、運命を大きく変えるものだった。中盤以降はトムと彼の仲間である少女ヘクターの友情を中心に進む。 -
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ヘスターがまたトムと一緒になれて良かった。いろんなことがあって、ヘスターはひどいことをしたけど、でもトムのことがずっと好きだった。ヘスターは、強くて、勇敢で、美しい。トムは、優しすぎるし、無茶なこともするけれども、二人がこういうふうな終わりを迎えたことは良かったと思う。
時代は変わっても、人々の暮らしは、その時々に合わせて、続いていく。トムとヘスターの体は土にかえり、レンとセオの子供は成長して、そしてその子供も死んでゆき、移動都市時代の記憶が失われても、命はめぐり、世界はあり続ける。
人間のあやまちは何度でも繰り返され、その度は世界はボロボロになり、いつか人間が住めない世界になるかもしれない。 -
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ネタバレあとがきで、作者が愛する中篇小説は「どこをとっても必要不可欠、いっさいの無駄がない。」と書かれてましたが、正に、これに納められている4つの中篇がそうだと思いました。全てがテイストの異なる、怪奇幻想の要素もあるのですが、人間ドラマとして、考えさせられつつ、楽しく読ませていただきました。
「スナップショット」は、不思議なカメラの登場でホラーに展開するかと思いきや、主人公とシェリーのやりとりが、悲しく展開されるのが切なかったです。
「こめられた銃弾」。久々に、結末を読者の想像に委ねる小説を読みましたが、この終わりかたが、ものすごく怖い、が、絶品だと思いました。二つの異なる恐怖が同時に迫りく -
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ネタバレトムは優しすぎる。
それに対してヘスターは、ヴァレンタインの娘であることに囚われ、過去の裏切りもトムに言えず、自分の冷酷さを持て余しているようにも見える。
トムはすべてを受け入れてヘスターを選ぶのかどうか。ヘスターとレンの関係も修復できるのかどうか。
トムとレンとぺニーロイヤル、ヘスターとシュライク、フィッシュケーキとファン、ゼロとグリーンストームたち。それぞれがバラバラになって、これからどう展開していくのか。
ヘスターには幸せになってもらいたいけれど、トムにはヘスターを選ぶだけの明確な理由が必要なのだろうな、と思う。子はかすがいと言うけれど、この場合、むしろレンがいない方が話は簡単だった気が -
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ネタバレヘスターの嫉妬から、トムとヘスターそれぞれが問題に巻き込まれて、でも、別々の出来事が絡み合った末に大団円。トムが撃たれた時は、どうなることかと冷や冷やした。
トムとヘスターは全然違う。性格も、容姿の美醜も、行動力も。でも違うからこそ、二人は二人でいられるのだろう。いやむしろ、そうであってほしいと思う。トムが結局はヘスターを選んだように、これからもそうであってほしい。
ヴァレンタインの娘であることを受け入れた、ヘスターの強さ。トムを手に入れるために、無茶なこともしてしまう一途さ。ヘスターの性格は、決して良くはないけれど、そういう駄目さに惹かれる。 -
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ネタバレ面白かった。登場人物の名前とか固有名詞とか、覚えにくかったけれど。
人間は裏切る。良い人そうに見えても、良い人ってわけじゃない。それぞれがそれぞれの考えのもとに行動している、と言えばそれまでだけれども。それでも信じて、裏切られて。トム自身も、たくさんの人を殺す結果になり、英雄ではない。それでもヘスターの言葉が救いになる。あんたは英雄じゃないし、あたしは美少女じゃない、でも一緒にいる。
人間である限り、すべての者が悪なのだろう。メドゥーサを生み出した古代人も、それを使って攻撃しようとするクロームも、ヴァレンタインを殺そうとするヘスターも、結局何も出来ずにヘスターを助けるキャサリンも。すべては繋が -
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ネタバレ先に上巻に書いちゃったのでコピペ。
待ちに待った新作!
待ちすぎて、これまでのお話し忘れちゃったよ……。
ということで読み始めたのだけど、物語としては間違いなく面白い!
ただ、やっぱり経緯が記憶から薄れていて、読んでいてもどかしい気持ちになること多々。
やっぱり前作から読み返してから読むべきだったか……。
とにかく、このシリーズはヘスターに尽きるわけです。
「移動都市」を読んだ時に、そのキャラクターに撃ち抜かれて、大好きなのです。
物語史上で、最高のヤンデレだと思います。
なので、なんかとても納得感のある終わりでした。
呆気ない感じもしたけど、まあ、海外作品ってそういう終わり方多いし。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ待ちに待った新作!
待ちすぎて、これまでのお話し忘れちゃったよ……。
ということで読み始めたのだけど、物語としては間違いなく面白い!
ただ、やっぱり経緯が記憶から薄れていて、読んでいてもどかしい気持ちになること多々。
やっぱり前作から読み返してから読むべきだったか……。
とにかく、このシリーズはヘスターに尽きるわけです。
「移動都市」を読んだ時に、そのキャラクターに撃ち抜かれて、大好きなのです。
物語史上で、最高のヤンデレだと思います。
なので、なんかとても納得感のある終わりでした。
呆気ない感じもしたけど、まあ、海外作品ってそういう終わり方多いし。
未訳のシリーズも沢山あるみたいだけ -
Posted by ブクログ
『SFが読みたい!2007年版』の書評の中に、「宮崎アニメを感じさせるような作品」といったようなコピーがあったので読んでみたのですが、実際におもしろいです!
確かに雰囲気は、宮崎駿の世界に通じるものがあります。なかでも「天空の城ラピュタ」に近いと思います。
でも、宮崎駿よりももうちょっと硬質でバイオレンスアクションもあるので、そういう意味では大友克洋の作品、とりわけ「スチームボーイ」あたりにも似ています。
ロンドンという名の移動都市、蒸気機関?による動力、飛行船、階級社会とそれが如実に表れた都市構造、といった舞台設定はどことなく19世紀のイギリス風です。
背景の異なる少年と少女が出会い、そ