安野玲のレビュー一覧
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あの傑作「スタンド・バイ・ミー」を含む4篇が収録された『恐怖の四季』。過去に同じ系統の中篇小説集は3冊刊行されているが、本書はそれに続く4作目となる。2分冊で、最初に刊行された本書に収録されているのは「ハリガンさんの電話」と「チャックの数奇な人生」の2篇だ。
「ハリガンさん〜」は、途中までなんの変哲もない文学作品のように進む。が、あることをきっかけに方向性が変わる。どのように変わるかはお楽しみに。
「チャック〜」は、第三幕からカウントダウンする構成だ。どうやら世界は滅亡の危機に瀕しているようだ。そこに登場するチャックなる人物とは?
もはや職人技ともいうべき完成度で愉しめた。 -
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表題作の長編「もし血が流れれば」と中編「ラット」の二編を収めた分厚い一冊。もちろん、読み応えたっぷり。
まずは、中編の「ラット」から。短編小説では評価されたが、作家としては鳴かず飛ばずの大学教授ドリュー。ある日降ってわいた長編小説を書きあげるべく、父の遺した山奥の別荘へ自らカンヅメになりに行く。キングお馴染み、作家の夢断てぬ教員、山奥の別荘、不吉な大嵐、不運な体調不良のフルコンボ。タイトルのラット(ネズミ)が現れるのは後半、しかも意外な展開。「キングあるある」の予想を覆す(というか、我々読者が先を読めるわけがないのだが)筋書と結末に「参りました~」とひれ伏すしかないのでした。
表題作の「もし血が流れれば」、『ミスター・メルセデス』で登場以来読者ばかりか作者本人をも魅了してやまない名キャラクター、ホリー・ギブニーが、『アウトサイダー』に続きーーといか、『アウトサイダー』の続編--、人間の恐怖心、悲しみ、苦しみを糧に生きる邪悪なものと対決する物語。今度はだめかもしれない…、とホリーは何度も思う。しかも、大切な人たちを巻き込みたくないと思うあまり、彼女は単独で「あやつ」と対峙しますが、かえってそれが仇に…、とネタバレはここまで。含みのあるようなラストが気になりすぎます。
4000円近いお値段なので、じっくり味わいながら読もうと決意するも、その試みは困難を極めました。ホリーが主役の新作の邦訳が、年内に予定されてるそうです。絶対買います。 -
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ネタバレ【ハリガンさんの電話】
ハリガンさん、iPhoneをもらって、初めは懐疑的だったのに、うっきうきで使うようになっていたの可愛いかった。
クレイグがハリガンさんの墓前でハリガンさんのiPhoneを鳴らして、土の下からハリガンさんのiPhoneの着信音のメロディが流れ(る気がし)て、クレイグのiPhoneからハリガンさんの保留メッセージが聞こえるのが、最初は切なかった。
けど、その後クレイグや周りの人が悪い目に遭った時、ハリガンさんのiPhoneに留守電メッセージを残すと奇怪な状況が起きるのはちょっと怖かった。
これどう収束するのかなって思いながら読んでたけど、結果的に物語のオチは完璧だと思いました。
【チャックの数奇な人生】
第三幕から第一幕へと、時系列は逆順に物語は進んでいく。
最後まで読んでも、チャックがなぜあんなに街中で称えられてたのかはわからず…。あれは何だったんだろう。なぜ世界は終末を迎えてしまったんだろう。
若い頃のチャックはかなり人生苦労している。けど、若い頃のチャックがダンスするシーンはこちらも思わず高揚してしまった。丸屋根の部屋も不思議だった。
映画は未見なんだけど、これ映画化したらどんな風になるのか想像もつかない。早くどこかで配信してほしいな。 -
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恐怖との距離が近い… 背中にゾワゾワ感が押し寄せてくるスティーヴン・キングのモダンホラー最新作
●もし血が流れれば
■あらすじ
学校で爆弾事件が発生、被害者がでた痛ましい事件をレポーターが報道している。そのニュースを見ていた探偵ホリー・ギブニーはある疑念をもつ。このレポーターが犯人ではないか? ホリーは調査を進めるも、監視カメラに写っていた怪しい人物とレポーターは全く容姿が違っていた…
■きっと読みたくなるレビュー
本作のイチオシは、なんと言っても主人公のホリーですよね。不器用ながらも一生懸命に前を向いて頑張っている姿が、とにかく健気でキュートなんです!
親との関係があまり良くないせいで、他者とのコミュニケーションに強い苦手意識を抱えているのですが、そんな彼女の心の葛藤を知るからこそ、読者としてはなおさら頑張れって応援したくなっちゃいます。
物語の軸となるのは、彼女が正体不明の邪悪な異形」とどう向き合っていくかを描いた冒険譚。ただ、事件が次から次へと目まぐるしく展開していくタイプではありません。ホリーが様々な人と出会い、関わり合いながら、どこかまったりと進行していく独特の空気感がなんとも心地いいんですよね~
ジャンルとしては紛れもなくミステリー&ホラーなので、要所要所でハラハラさせられる緊迫感もしっかり味わえます。それなのに、読み終わったあとには不思議と心がじんわりと解きほぐされる。どこか温かくて優しい気持ちに満たされる作品でした。
●ラット
■あらすじ
短編小説しか書けなかった大学教授ドリュー、一念発起して長編小説を書くことを決めた。彼は父が残した山荘に籠り、小説の執筆を始める。しかし外は嵐になり、さらには体調も崩してしまう。意識が薄れるなか、誰かが彼に話しかけ…
■きっと読みたくなるレビュー
スランプに陥った作家が山荘に籠って執筆を進めるものの、そこで奇妙な怪異に遭遇していくホラー。
ひたすら主人公の一人称視点で語り続けられるのですが、筆力に圧倒されてついつい読まされちゃうんですよね。ぐいぐいと読者を惹きつけるあたりは、さすがスティーヴン・キング、一級品を生み出す手腕が凄すぎ。
風邪をひいて意識が朦朧としていく、あの混沌とした心理描写の生々しさもリアルに伝わってきますよね。じわじわと怪奇現象めいた展開へとシフトしていくのですが、中盤からが一気に面白い。
書けない作家が主人公の物語となると、やっぱり破滅へのルートはこうなるかーと納得。そしてその代償と不気味な恐ろしさが、ダイレクトに内臓へ響いてくるのです。
短編だけど読み終えて少し引いた目で見つめ直してみると、なんだか極上の落語を一席聞いたかのような妙な満足感。奇妙な教訓めいたものまでじわりと感じ取れる、味わい深い一編でした。 -
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ネタバレ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
クリスマス間近、ある中学校に届けられた小包み。姉妹校からのクリスマスプレゼントかと思われたそれは爆弾だった。多数の子どもたちが死傷したという臨時ニュースを、私立探偵のホリー・ギブ二ーは事務所のテレビで目にする。どの局よりも早く爆発現場からレポートするTVキャスター。ホリーはこのTVキャスターに違和感をおぼえる…。
「あの怪物に、はたしてひとりで立ちむかえるだろうか-?」
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声を大にして言いたいのは前作の「アウトサイダー」を読んでからがいいよ! ほんのり(ほんのりかな?けっこうガッツリ?)前作のネタバレがあります。
そして小声でこっそり言っちゃおう。いや、全員気づいている。私が前作など読んではいないと。
そう!これは「アウトサイダー」の後日譚。しかも主人公のホリーは、「ビル・ホッジズ三部作」の名脇役らしい。キングのお気に入りで主人公まで登りつめたホリー。
もうもう!!前作と言わず、三部作から読んでやる!!
とはいえ、この本だけでも十分 楽しめます!!
「もし血が流れれば」とはアメリカのニュース業界での格言らしく、「流血を伴うような悲惨な事件や大惨事ほど、トップを飾れる」というマスコミの闇を言い表したものだそうです。(そういう大惨事はみんなが観たがるものよねという社会の闇?)
ホリーは、爆弾事件の現場からリポートしていたTVキャスターに違和感をもったことから、「このキャスターは事件が起こることを事前に知っていたのでは?」と キャスターを調べ始めます。
このキャスターが爆弾犯?いやいや、防犯カメラに映った爆弾犯とは似ても似つかない。 ならば共犯?
これだけでも面白そうなミステリー!
ですが、
このキャスターに もっと以前から目をつけていたという人物とホリーがコンタクトを取ったことから話は一気にホラーへと!
え?!そういうこと?!
ヤバすぎん?!
ホリー 絶体絶命??
ここからは映画のようなスリリングな展開で心臓バクバクしながらラストまで一気読み!
もしも「悪」という概念にかたちがあって目に見えるとしたら どんなかたちに見えると思いますか?
それは人間そっくりのかたちをして あなたのそばで息をひそめているかもしれませんね…
Ψ( `▽´ )Ψヒヒヒ
この本、
「もし血が流れれば」と「ラット」の中編集でした。
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「ラット」は、長編小説の書けない小説家が主人公のお話。 何度か長編小説にチャレンジするも全く書けず、それどころか精神を病んでしまう主人公。そんな彼に ある日 突然 長編のアイディアが降って湧いてくる。亡き父の残した山荘でカンヅメになり小説を書き上げようとするも、風邪により体調は悪化し、さらに大型台風直撃も…。 朦朧とする意識の中、嵐の夜 死にそうな鼠を助けたことから 奇妙な体験をする…。
小説家って 文字を1文字 綴る毎に命を1秒削られてるんじゃないか? :( ;´⌓`;):
どこまでが現実?それとも全て夢?
これは怪異か、それとも小説家の狂気か-。
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しんさん。今年中にホリーの名前がタイトルになった新作が日本で発売されるらしいよー。それまでにこのシリーズ追いつけるかなー早よ読もっと٩( 'ω' )و
#ホリー・ギブ二ー
#STR病本 -
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映画『サンキュー、チャック』がとても良かったので、原作も。
ずーっと読んでみたいと思っていたのですが、何から手をつけていいか分からず、初のスティーブン・キングです。
『サンキュー、チャック』の原作「チャックの数奇な人生」とは別に「イフ・イット・ブリーズ」という短編の2篇から書籍化されていて、物語としてはイフ〜の方が引き込まれました。
これもNetflixで映画化されてるようなので観なければ。
チャック〜の方は映画がかなり小説を補完していて、どちらかというと映画の方が見応えがあったと思いました。
小説をほぼそのまま映画化されていたのですが、地球が破滅していく様子や、ダンスシーンなど、映像としての方が説得力があったと思います。
逆に小説として素晴らしかったのはイフ〜の方で、序盤は割と淡々と進んでいく人生の物語の中で、終盤でミステリー要素が一気に押し寄せるので、読む手が止まらなかった。
映画を観てまた印象が変わると思うのでその心情の変化もとても楽しみ。 -
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キアヌ・リーヴスが原作者であるコミックス「BRZRKR」の世界観をもとに、SF作家チャイナ・ミエヴィルが自由に書き上げたという本作。
わりとキアヌガチ勢なので、内容がどうであれ最後まで読もう、という完全にファンムーブな気持ちで手にとった。
8万年生きる不死の男、B。
脳内では終始キアヌの姿で再生され、個人的にはそれだけでもかなりテンションが上がる。
キアヌを抜きにしても、スケールの大きな神話のような物語に心を掴まれた。
本作は、過去と現在を行き来し、章ごとに時代や場所が飛び回る。加えて、語りの人称も次々に切り替わるため、一気に読まないと、細部を忘れてわけが分からなくなりそう、ではある。
文体にも統一感のない印象があったが、あとがきで過去と現在のパートごとに翻訳者が異なると知って納得。読みにくさも小説の醍醐味、とのことだった。
不死の男Bの謎と、気の遠くなるような長い苦悩の旅。彼を狙う者、利用しようとする者、寄り添おうとする者。
さまざまな思惑が絡み合い、物語が収束していく後半の展開にはワクワクさせられた。
アニメ化・実写化の話も進んでいるそうなので、今後の展開も楽しみ。
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シリーズ4作目。最終巻の上巻。
やはり、めちゃくちゃ面白い。
とりあえず上巻を読み終えた時点で言えることは、シリーズ1作目から4作目まで、なるべく一気に読んだ方が良い、ということ。
シリーズ第1作『移動都市』からシリーズ第3作『氷上都市の秘宝』までに登場した人物、都市、飛行船、世界情勢などが全て引き継がれ、シリーズ第1作から第3作までのことを覚えていればいるほど面白くなる。
文章からその時の情景が浮かび、それがそのまま面白さとなる。
これだけ多様な人物や都市や飛行船が登場し、それぞれが多様な動きを見せ、多様な人間関係が描かれ、それぞれの思惑や気持ちが描かれるのに、グチャグチャにならないどころか非常に読みやすい、というのが凄い。
下巻も面白いこと間違いなし、というのが上巻を読み終えた直後の今からでもわかる。
願わくは、美しい終わり方であらんことを。