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【『モータル・エンジン/移動都市』映画原作】トムは移動都市ロンドンに住む、ギルド見習いの孤児。久々にロンドンが獲物を追って疾走中だというのに、博物館で陳列品のほこり払いだ。我慢できずに仕事を放りだし、けんか騒ぎまでおこした罰に、最下層での作業に追いやられてしまう。そこで出会ったあこがれの史学ギルド長は、親しく声をかけてくれたばかりか、捕獲した町の解体作業の監視に同行させてくれた。天にものぼる心地のトム。だが、ギルド長の命を狙う謎の少女ヘスターを助けたことで、彼の運命は一変する。大きな都市が小さな都市をむさぼり、大都市同士が共食いする奇怪な世界を舞台に、たくましく生きるトムとヘスターの冒険を描いた、傑作シリーズ第1弾。
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Posted by ブクログ
児童、若者向けの小説であったというものの、
登場人物たちの退場=死というものが容赦なく描かれ
弱肉強食、共食い、食うか食われるかという
無慈悲な無常な世界・舞台を鮮やかに描きだす。
さらにわかりやすく、ド汚い裏切り、欲望をむき出し
の(ラスボスではなく脇役な)悪役も
物語の彩りとして、主役二人の命と人生・価値観を
掛けた復讐劇、大冒険を飾っている。
児童、若者向けのわかりやすいメロドラマ的
エンターテインメントな死、物語の味付け、
期待を裏切るサプライズな仕掛けかもしれないが、
きれいごと、のぞむとおりには終わらせない
ハードで、ヘヴィーな面を持つ
優しさだけではないエンターテインメント。
当然続きが読みたくなる。
Posted by ブクログ
60分戦争により荒廃した近未来。
キャタピラつけた都市が移動して都市を喰らうという設定が奇抜。
文章としては視点が変わる部分に少し違和感を感じるけれど、
全体的に絵をイメージしやすく読みやすかったです。
(この作家はイラストレーターでもあるらしい)
ストーリーはテンポ良く場面が進み、
キャラクターもよく立っている。
顔に酷い傷のあるヒロイン。
剣術に長けた女船長。
総じて女性が魅力的。
SFかというと科学的根拠はあまり薄そうなので
冒険小説だと思った方が間口も広いかもしれない。
良質なジュブナイルを久々に堪能した(・∀・)
「移動都市」といういまいち冴えないタイトルと、
アラビアン風味の表紙がいまひとつ日本では
流行らない(購買意欲をそそられない)感じはある。
勿体ない。
全四部で三部までは翻訳されている模様です。
この第一部でうまく完結している感じもあるので迷いますが、
これは要チェックですね。
Posted by ブクログ
『SFが読みたい!2007年版』の書評の中に、「宮崎アニメを感じさせるような作品」といったようなコピーがあったので読んでみたのですが、実際におもしろいです!
確かに雰囲気は、宮崎駿の世界に通じるものがあります。なかでも「天空の城ラピュタ」に近いと思います。
でも、宮崎駿よりももうちょっと硬質でバイオレンスアクションもあるので、そういう意味では大友克洋の作品、とりわけ「スチームボーイ」あたりにも似ています。
ロンドンという名の移動都市、蒸気機関?による動力、飛行船、階級社会とそれが如実に表れた都市構造、といった舞台設定はどことなく19世紀のイギリス風です。
背景の異なる少年と少女が出会い、そして互いにひかれあいながら、世界を支配するために大人(権力者)が手にしようとする兵器を破壊する、そんな二人を心やさしき大人やいわゆる「野蛮」と見なされているような大人たちが支えていく、こういった展開はまさに宮崎ワールド。
いったん文明が崩壊したことからオールドテクがハイテクとなっている辺りも何となく「ナウシカ」や「ラピュタ」風です。ただ、あとがきを読む限りでは、作者本人は、宮崎・大友アニメからの影響については語っていないようですが。
それと、登場してくるメカが凝ってます。そりゃ、そうでしょう、作者はもともとイラストレーターなのですから。背景世界やキャラクターをイラストで描いてから、それを小説化したのではないでしょうか。
そういうわけで、「未来少年コナン」や「天空の城ラピュタ」の頃の宮崎アニメ、あるいは大友アニメが好きなら読んでみる価値はあります。
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