エラ・フランシス・サンダースのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『翻訳できない世界のことば』に続き…
著者が暮らした様々な国の、計51点のことわざが彼女の愛らしいイラストと共に綴られている。
「あなたは、私のオレンジの片割れ」(スペイン語)
「オレンジの片割れ」とは自分の魂のパートナーで生涯愛する人のことを指す。イメージ的には半分に割ったオレンジの片方。
いきなり情熱的なのが来ました笑 古今東西様々なパートナーの呼び方があるけど、これは特にオリジナリティがあって好き。
オレンジの木が街路樹として何本も植えられている現地の写真を見たことがある。日常的な風景で彼ららしい表現だし、「1+1」のカウントじゃないのもなかなかにロマンチックでは?そんなふうに夢見ちゃって脳がとろけていく中、著者のコメントにトドメを刺された…!
「ある日はハチミツ、ある日はタマネギ」(アラビア語)
「上手くいく時もあれば失敗する日もある」。
食べ物に例えてしまえば、少しは肩の力が抜けるのかも。(人前で緊張したら彼らをカボチャと思い込む的な…)
どちらも好きな食材だし笑、生タマネギになる前に美味しい煮込み料理にしてやろうという心意気さえ湧いてきそう。
「私の別荘は、ずっと外れにある」(ウクライナ語)
「今話題に上がっていることは自分はよく知らないし関係ない」。
自分にとっては痛いほど共感したくなることわざだ。ウクライナでも、自分とは関与していない事象に対して首を突っ込むことは良しとされていないらしい。
しかし巻き込みたがる人間はどこにでもいるもので、今の戦争では関係ないはずの人々の別荘にまでそれが押し寄せている。心に暗い影を落とすことわざでもあった。
「水が半分しか入っていない壺の方が水がよくはねる」(ヒンディー語)
「本当の知識が入っていない人に限って、大げさな解説や動作をする」。
「弱い犬ほどよく吠える」にも意味は近いのかな。どちらにしろこれは自戒の言葉としたい(((^^;;
知っている風を装おうとして、却って大げさになってしまった苦い思い出がありまして汗 まさにことわざを体現していたわけです…
「海の水は、ただ眺めるためだけのもの」(スワヒリ語)
「長く苦しい旅のあとでも、海の水は渇きを癒やしてくれるものではない」。
さらに「海の水」は「裕福な人達の富」を表し、彼らにとって富は眺めるものでしかない。
「海の恵み」というけど、海水は飲み水にできないし貧しい人々を救うはずの富はいつまで経っても減らない。本質を突いているが、ことわざとして「こういうものだ」と定まっているのが悔しい。
ことわざは日常から生まれ出る生活の知恵のようなもの。
その国特有のことわざが存在するかと思いきや、案外他の国でも類似した言い回しのものが見られたりする。幸せな人生を送るために人が導き出した結論は、どこの国も大差ない。
だから以上のように心打たれるものが、皆さまにもきっと出てくるはず。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの絵本。印象的なことばがたくさんあったが、中でもお気に入りのものを3つメモしておきたい。
・カレル/トゥル語/名詞
肌についた、締めつけるもののあと(pp.42–43)。
「これに名前あったんだ!」感が何気に1番あった。できた直後こそ気になるが、いつもいつの間にか消えている。
・トレップヴェルテル/イディッシュ語/名詞
直訳すると『言葉の階段』。あとになって思いうかんだ、当意即妙な言葉の返し方(pp.52–3)。
あるあるで共感。ちなみにイディッシュ語は、一部のユダヤ人によって話されるらしい。
・ヴァルムドゥーシャー/ドイツ語/名詞
冷たい、または熱いシャワーをさけて、ぬるいシャワーを浴びる人。『少々弱虫で、自分の領域から決して出ようとしない人』を言う(pp.70–1)。
自分の性格を言い当てられたショックと、ぴったりの意味を持つことばに出会えた喜びとの間で心が揺れた笑 また、そもそも自分のシャワーの温度が、このことばの通りぬるいことを思い出した。
-
Posted by ブクログ
「Man'yo Luster」の「霜の降りた落ち葉」の写真を見て、この絵本で見たある単語を思い出しました。
「FEUILLEMORTE」枯葉のように色が薄れていく
フランス語で「Feuille 葉」と「Morte 死」を組み合わせた言葉。思わずシャンソンの「枯れ葉よ〜」を歌いたくなる、ものすごくフランス感のある言葉だなというのが印象的でした。
世界の、ひとことでは説明できないいろんな言葉と、線と色彩が綺麗なイラストたち。
感情を喚起する言葉と絵を受けとめて、自分なりのイメージを拡げたり、自分で訳すならどうしようかな〜なんて考えるのがたのしい絵本。
エモでロマンティックなのも素敵だけど、個人的には暮らしのふとした隙間にはまってクスッと笑えて、同時に異国を感じる言葉が好き。
「GURFA」片手の手のひらに乗せられるだけの水の量
「WALDEINSAMKEIT」森の中にいるときのゆったりとした孤独感
「PORONKUSEMA」トナカイが疲れずに一日で移動できる距離
「IKTSUARPOK」だれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること
「PALEGG」パンに乗せて食べるものぜんぶ
日本語からは「木漏れ日」「侘び寂び」「ぼけっと」「積ん読」がエントリー。
シリーズの「誰も知らない世界のことわざ」も持ってます♪ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「水を持ってきてくれる人は、そのいれものをこわす人でもある」のコメントが心に沁みた。助言したり手伝う気がないなら批判をするな、というニュアンスらしい。そーだそーだ!ただの外野がやいのやいの言うな!
「pとqに気をつけて」なんかもよかった。初期の活版技術でpとqが見分けにくい、というところから。
ことわざになるくらいだから、それぞれに背景があって興味深い。また、日本のことわざで言うならこれだな、というものもあって、これまた面白い。
■ロバにスポンジケーキ(ポルトガル語)⇒豚に真珠
■テーブルクロスには小さすぎ、ナプキンには大きすぎる(オランダ語)⇒帯に短し襷に長し。
などなど。
-
Posted by ブクログ
・エビサンドにのってすべっていく。
・猫のように熱いおかゆのまわりをあるく。
・頭の中にコオロギがいっぱい
・あなたは私のオレンジの片割れ。
・私にむかって、ヤカンをたたかないで!
・ピラニアがいっぱいの川で、ワニは背泳ぎする。
ガレージにいるタコのような気分。
、、、、いやセンス、ユーモア、遊び心ありすぎでしょ...。一回聞いたら忘れないもん。そんな言葉たちだから、何世紀も渡って育まれて、世代から世代へ受け継がれたんだろうなぁ。ことわざって綺麗な言葉よりも記憶に残っていざという時に助けてくれる。生活の一コマ一コマを描写してくれるからなのかな。
この本読んでておばあちゃんと小学生の頃、毎日ことわざ辞典を見て問題の出し合いをしてたのを思い出した。