輿水泰弘ほかのレビュー一覧
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ネタバレギリシャハネムーン中に読書。
「アゲハ蝶」
これはテレビ再放送で最後のほうだけ見たことがあった。
環境問題と標本コレクターのマニアックさが出ていてよかった。
「天才の系譜」
杉下右京の姪が出てくる。
姪の写真はまだまだだと言っていた右京だが、
角田に姪のカメラの才能をダメだしされると、
(以下、抜粋)
「いまいちじゃありませんよ。奇をてらわないシンプルな構図こそ、実はもっとも難しいんです。一見なにげなく撮っているように見えますが、これは実にバランスよく被写体を切り取ってあり…」
ここで右京は薫がにやにやと笑っていることに気づいた。咳払いをひとつすると、
「とまあ好意的な見方もできなくはあり -
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ネタバレseason9のうちの5話が収録されている。
初期のノベライズは1シーズンに付き上下巻で
しかも放送2話分を(無理矢理)1話にまとめたりしてたけど
現在の1シーズン3冊、1話分1章の方が読みやすいと思う。
厚さもちょうどいいし。
season9上巻を読んだときに感じた、テーマの重さや救いのなさは健在なのだが
この巻では、重いテーマが潜んでても話の運び方が軽いという印象を受けた。
season8ではかなりぎこちなかった右京さんと神戸くんの掛け合いも
この本ではだいぶこなれてきた感じが見て取れる。
『招かれざる客』でのやさぐれ右京と似非逮捕状(爆)のくだりは
ドラマが放送されたときから大好きだっ -
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ネタバレ読み終えるのに3日以上かかってしまった。
ドラマ放映の時点で強烈な印象の話が多かったが故
視聴後にどんよりしちゃった記憶が重かったのかもしれない。
とはいえ、内容と受ける印象はものすごく幅広いseasonではある。
本格推理といってもいい内容の『寝台特急カシオペア殺人事件』、
ノアールなんだけどちょっとだけコミカルな味もある『ついている女』
(操一トリオと春麗パパの遣り取りとか、幸子さんと田村の遣り取りとか)、
話の進み方自体がトリッキーな『新・Wの悲喜劇』。
そして最後に、孕んだ問題の深刻さと遣り切れなさが読後に来る
『白い声』と『黙示録』が並ぶ、という展開は
相棒というドラマの懐の深さを -
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ネタバレ読み返してみると隠れた名作が多い巻だったなと。
『複眼の法廷』『編集された殺人』など
テーマや問題提起が壮大で誰が見ても名作だといえる話がある一方で
事件の被害者や関係者の想いや行動という観点から見て
『蟷螂たちの幸福』『この胸の高鳴りを』『空中の楼閣』の3編がお気に入り。
悲しい結末なんだけど、悲しいだけで終わらない感じが共通しているように思う。
そしてやっぱりバンドものには弱いというところが露呈されたのであった(笑)。
ドラマ本編では出てこなかった(と記憶している)『この胸の高鳴りを』の歌詞が
個人的には最大のボーナストラックだった。
『剥がれ落ちてく皮膚のように 君のぬくもり 確かめ -
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ネタバレ特命係の紆余曲折という意味では
やっぱりseason3がいちばん楽しめるんだろうと思う。
ふたりの異動やらなにやらは上巻で決着がついたと思われるので
残るは美和子さんの去就だけなんだけど。
右京さんの天才ぶりが違う方面で発揮されていた、ということで
個人的に出色だったと思うのは『殺しのピアノ』だった。
ペダルの踏み込み具合とか、ほんのちょっとの音程の誤差に気付くとか。
あーやっぱり羨ましい。絶対音感欲しかった。
とはいえ、耳鳴りのキーまで当てられちゃたまったもんじゃないよな、と
ちょっとだけ犯人に同情してしまったのであった(爆)。
何はともあれ、season3上下巻に共通して読みどころだと -
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ネタバレseason3はあんまり見た記憶のない話が多かった。
長い話が多いからか、本数は少ない。
薫ちゃんが所轄に異動になったり、美和子さんと別れたり
右京さんが免職になったり、ふたりが特命係に復帰したり
ある意味忙しいシーズンだったんだなと。
『双頭の悪魔』での片山雛子さんの登場はこんなに早かったんだなーってのと
『第三の男』での陣川くんの登場が思ってたよりも遅かったってことが発見だった。
この2つの話はなんとなく見た覚えがある。
一方で全く記憶になかったのが『潜入捜査』だった。
巻末のキャスト一覧と突き合わせると違和感があって逆に面白い。
温水さんが公安の捜査員とは…吃驚。
動機が薄ら寒い印 -
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ネタバレお正月特番の分が真ん中に入ってるからか
他の巻より若干話数が少ないかも。
この辺はリアルタイムで見てたので、それもあってか感慨深い。
特に『願い』と『SPY』は初見から好きな話だったので読めてよかった。
この巻はいろいろ冒険してるな、という話が多い。『消えた乗客』などは特に。
下世話な言い方で申し訳ないが
百合を正面から扱ったドラマというのもなかなかないのではないか。
とはいえその設定が唐突に出てきた感じは否めなかったのが残念だが。
素直に読んでいて面白かったのはやはり『特命係、西へ!』だった。
利休七哲とか、戦国鍋TVを見てた身としてはニヤリとするしかなかった(笑)。
話自体は決して後味 -
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ネタバレうっかり中巻すっ飛ばして下巻読んじゃったという。
最近再放送してた分がけっこういっぱい入ってます。
『怪しい隣人』や『右京、風邪をひく』などの軽い印象の話はもちろん
『堕ちた偶像』『狙われた刑事』『神の憂鬱』のようなシリアスな話でも
右京さんと神戸くんの遣り取り、特命係とトリオ・ザ・捜一との遣り取りが
コミカルで弛緩できる感じが好きなシーズンだったなぁと
ノベライズを読んでいて改めて思いました。
どちらかというと薫ちゃんより神戸くん派だった理由は
似たように優秀な人同士のシニカル且つコミカルな掛け合いだったんだなーと
相棒が変わった今にして気づきました。
でもって神戸くん登場以降のノベライズ -
Posted by ブクログ
ネタバレ亀山薫特命係を去る、の巻。
その旅立ちは記憶にあるよりもあっさりしてた。
サルウィンの平和、失った家族の名誉、子供、DJとしての『声』、
棋士のプライド、仲間意識…といった
譲れない何かを守るために動く人たちの物語、という気がした。
そして、何とも遣り切れない結末を迎える話が多かったように思う。
特に『沈黙のカナリア』と『希望の終盤』は
掛け違いの末の誤解が生んだ結末が居たたまれなかった。
譲れない何か、に関しては薫ちゃんが特命を去る原因ともなった。
『還流』と『レベル4』に挟まれた5話にまったく予兆を見い出せなかったので
唐突な感じが拭えなかったのだが
後々考えると薫ちゃんらしいと言われ