幡野広志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
写真家の幡野広志さんの写真付きエッセイ。幡野さんの本を読むのは4冊目。
病気の方の心理、余命を意識している人が、自分がいなくなった後にも息子にどんなふうに生きてほしいか色々と考えて、日常から丁寧に接している様子、そして、病気とは関係のない旅先での出来事など、色々とカジュアルに書かれています。
文章と関係のある写真が載っているのですが…(大変申し訳ないことに、)
載っている写真の中で一番いいなぁとしげしげ見つめてしまった唯一の写真が、まさかの、著者の小さな息子さんが撮ったものだったんです。自分でもびっくりです。
そして、一番心を鷲掴みにされたのが、巻末の、古賀史健さんとの対談でした。
最近『さみしい夜にはペンを持て』で話題の古賀さんですが、幡野さんの本を読んでいるときの気持ちよさが、松尾芭蕉の『おくのほそ道』を読んでいる時のものに似ていると発言したのです。それがものすごく納得できて、この本の良さが一気に滲み出てきた感じがしました。その話と関連して、一般に、写真集には「ことば」が足りない。「ことば」あると、写真が自由になるという幡野さんの言葉も響きました。
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Posted by ブクログ
北海道の岩田書店、ご店主が『一万円選書』候補に入れていらした本。難しいがんと向き合っていらっしゃるカメラマン、幡野広志さんのご著書だ。闘病の中で見つめた、ご自身の気持ちや死生観を、率直に綴っておられる。気軽な内容の本ではないが、不思議とその語り口に暗さはなく、率直だ。
私達が選べなかったものは、きっとたくさんある。まだ間に合うもの、もう間に合わないもの。昨年来、悩んでは失敗ばかりだったのが、そろそろきつくなり、このままの生き方でいいのか、思い切って全く違う方に舵を切ろうか、一言で言えない気持ちだったので、タイトルに惹かれて読んでみたのだ。
この本で幡野さんの述べていらっしゃることは、とてもよくわかる。概ね私も彼と似たことを考えてきた。選び直したかったものとは、ご家族や世間との関係だったり、ご自身の命の終わり方なのだが…。決定的に『それは違うんじゃないかな?』と思うことがあって、この本をきっかけに、そうだそうだ、と一緒に頷けなくなってしまった。
むしろ、こういう考えに至るまでを思うと、自分も含めて、本当にいろいろあるよなあ…と思うのだけれども。
今まで、私に親しい友人やパートナーが、言葉を尽くし思いを尽くしてくれたあと、
「そんなふうに思わないで」「一緒にいようよ」
と、ただ静かに言って、そばに居続けてくれた思いが、やっとわかった。
病気を肩代わりも、誰も出来ないだろう。どうしても合わない親族とは、緩やかに距離を空けることも、確かに必要な時はある。まして難治性のがんなら、ご自身の心の安定を一番に大事にするべきだ。揉める相手とゆらゆら振れ合って、互いに苦しくなっている時間と余裕はないからである。
言いにくいことを、誰も責めずに、ただ刻々と書いてくださった幡野さんの眼には、尊敬もするし、感服もする。君はどう?って問を、たくさん投げてくださっている。一日でも多く、良い時間を過ごして頂きたい。
ただ…自分個人の意見を言えば、「家族は自分が悲しみたくないだけ」とは、どうしても思えない。無論そういう応対しか出来ない者も、身内にいることだってあるだろう。この『家族』を『友人』『恋人』『仕事仲間』あるいは『他人』と置き換えても、成立する文脈だ。しかし、これを自分が、自分が告げた言葉ではなく、第三者から差し出された言葉として読んだ時、
反射的に数人の顔が浮かんで、理屈も何もなく、物理的に胸が傷んだ。本当に電気が走ったようにだ。ただ、違う、と思った。すごく大好きなひとたち。ただそれだけが浮かんだ。もし、私や親しい誰彼が、どういう立場であれ当事者だったら。
間違ったことはおっしゃっていないのに、強烈な違和感があったのだ。言葉にすればこれほど難しいものもない。
私自身も、二度と、親族や病気のことで、失ったものやすでに過ぎた時間の出来事を思い煩うのはやめようと決めた。人生の失敗は、成功している人と自分を比べれば悔しい。もう取り返せることでもない。それでも。その後悔は今日、どこかの視えない遠くに、置いてきた。もう口に出さない。
自分の生き方、死に方を真摯に考えるのは、誰だって必要だ。がんでも、そうでなくても。私達は、一人でそこに向かうのだから。どんな人生の仕舞い方をするにしろ、二度と親しい人に、それについては言わない。粛々と考えて、そっと意思表示を出来るようにして。専門家には話すけど、他の人には胸にしまっておく。
無論言葉にしてはいけないとかじゃない。私はそういうの、下手そうだから。万端自分なりに出来るまで、ナイショが良さそうだ。それよりも。
今日からできるだけ明るくいよう。そう決めた。
時に、自分のことは自分が責任をとっているつもりで、相手にてひどい事を言っていたかも、と、他人の傷の痛みに鈍い自分を、揺すぶって、目を覚ましてくれた一冊かもしれない。今日から、素直に生きよう。きっといい日々が待っている。 -
Posted by ブクログ
余命3年と診断された写真家が、2歳の息子に残すために書いた本。シンプルで本質的な考え方、端的な言葉で読みやすい。2022年現在も存命とのことで安心した。
・優しい子に育てるには、優しい親でいなくちゃいけない
・学校は、理不尽さを学ぶ場所
・人の目を気にせず、自分の経験を。それが自信につながる。
・夢は職業の先にあるもの。職業を夢にしても意味がない。夢を叶えるためにお金と仕事というツールがある。
・子供が何を選ぼうと、その答えを受け入れて、ずっと背中を押してあげる
・親は灯台のような存在。明るい時は見えなくても、暗い海で不安になった時に遠くでぼんやり光り安心感を与える。 -
Posted by ブクログ
2020.11.16
前作の「なんで僕に聞くんだろう」で深く考えさせられたので、久しぶりに新刊を単行本で、メルカリではなく新品で発売日に本屋で買った。それほど楽しみで読みたい!と思った本だった。
発売直前の、DVの被害を受けてる相談者さんの件は残念だったけど謝罪してその後もwebで載せてるのであとは相談者と幡野さんの問題だと思う。幡野さんだって人間で、相談内容によってはこういうこともあるのは仕方のないこと。
『人生相談ほど人柄をあぶり出すものはない』と幡野さんは一貫して言っていて、特に人生相談の回答に対するコメントに人柄が表れると書いてありドキッとした。(良い悪いではないと思うけど自分に自信がないから)
相談は、けっこうcakesで読んだものも多かった。
辛口の回答を少し和らげてるんだろうけど、冗談みたいな言い回しややたらひらがなが多いのが少し気になった。
webで読んでるせいか前作よりうーんと考えさせられるような回答は少なめの印象だった。とはいえ第三弾が出たらまた買います。