ゲイル・キャリガーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アレクシア女史の英国パラソル奇譚4作目。
おなかの子を守るためと、女王の暗殺計画を阻止するため、にぎやかな大騒動が展開します。
人狼、吸血鬼、ゴーストという異界族が、人間と共存するロンドン。
ただ一人の反異界族ソウルレスであるアレクシアは、人狼団のボス、マコン伯爵の夫人となった。
誤解も解けてラブラブに戻り、妊娠8ヶ月になる身重の妻に、マコン卿はすっかり過保護に。
人狼とソウルレスの女性との間に子供が生まれた例はなく、恐ろしい能力を持った存在になる可能性もある。
警戒を強める吸血鬼に狙われ続けるアレクシア。
吸血鬼をなだめるために取った秘策とは?
最長老の吸血鬼アケルダマ卿の力を借りることになる。
一方、消滅しかけているゴーストが必死で伝えてきた警告は、女王が暗殺されそうだという内容。
女王陛下を支える陰の議会は(アレクシアも含めて)バッキンガム宮殿に集い、事態を憂慮する。
捜査を始めたアレクシアは、夫が前にいた人狼団による事件との関連に気づく。
男装の発明家マダム・ルフォーもまた、何か悩みを抱えている様子。
絡み合った事件の真相は?
アレクシアは大きなおなかを抱えてロンドン中を移動し、引越しの指揮を執り、破壊力の強いオクトマトン(オクトパス型のロボット兵器)の狙う宿敵を救うべく大立ち回り!
マコン卿が、有能な妻の判断に頼り始めているのもほほえましい。
人狼団の副官ライオール教授の存在が光ります。
きちんとしているがわざと目立たないようにしている、リーダー格の狼の中では一回り小柄な彼。怜悧なライオールの過去が、明らかに! アレクシアの父と、実は?
具体的な描写はないのですが、おおっと、これは‥
3番手の人狼チャニングも出番は少ないけど、やたら見た目がいいのでちょっと楽しい役。
アケルダマ卿が可愛がっていた若者ビフィは、やむをえない事情で人狼になり、不本意な変身を半年たっても受け入れられずに苦しんでいます。その試行錯誤と落ち着く先も興味深いところ。
アレクシアの困った妹フェリシティもまた違う方面でやらかしてくれます。
親友アイヴィは意外な形でだんだん役に立つように。親友だけのことはありますね。
チビ迷惑はすごい状況で生まれ、その可愛さもさることながら、その能力は?!
満足な読み応えでした! -
Posted by ブクログ
元気のいいヒロイン、登場です。
歴史ミステリの雰囲気もありますが~歴史改変ファンタジーみたいでもあり。
ジャンルとしては、パラノーマル・ロマンスかも?
19世紀末、ヴィクトリア女王の治世。
吸血鬼や人狼が組織化され、一般人には手を出さないことで認められている世界という設定。
満月の夜にだけ変身し野獣化する人狼は、自ら自邸の牢獄に閉じこもることになっていた。
アレクシア・タラボッティは、頭がよく気丈だが、婚期を逃している26歳の令嬢。
亡き父親がイタリア人だったため、ロンドン社交界ではいささか浮いてしまう濃い色の肌に大きめの鼻。
じつはロンドンでただ一人の<魂なき者>(ソウルレス)反異界族。これも父の血を引いている。
母と再婚相手との間に二人の妹があり、俗物揃いの家庭ではみ出し者扱いのアレクシアは半ばシンデレラのよう?
ソウルレスであることも隠しているため、気が強い割には自己卑下の習慣もついていた。
ウールジー城人狼団のアルファ(組織のトップ)であるマコン伯爵は人の姿でも大柄で、誰との決闘にも勝ち続けている。
アレクシアとは、社交の席で顔を合わせては口げんかになる間柄。
アレクシアがソウルレスであることはもちろん、人狼や吸血鬼には知られていた。アレクシアが触れると、そのときだけ彼らは無力化してただの人間の姿に戻るのだ。
ところが、そういった事情を何も知らない吸血鬼に襲われ、乱闘の末にパラソルでやっつけてしまう。
か弱いふりで気絶して見せたアレクシアだが?
地域では、はぐれ吸血鬼が増えているという奇怪な現象が起きていた。
アレクシアは何者かに付けねらわれ、マコン伯爵はそれを守ろうとするうちに、気持ちを抑えられなくなり‥?
出会うたびにキスを繰り返しながら、アレクシアの思い込みと、人狼の風習との違いで、恋愛模様は大混戦?
情報通でおしゃれな最長老の吸血鬼アケルダマ卿や、マコン伯爵の副官で冷静なライオール、気弱なアメリカ人科学者、アレクシアの家の有能な執事など、脇もいい味出しています。
吸血鬼を撲滅しようとしている組織に、研究材料として囚われたアレクシアは‥?!
当時の雰囲気と架空の設定を上手く織り交ぜて~面白い読み物に仕上がっています。
楽しめました☆
著者はカリフォルニア生まれ。母は英国人。
厳格な家庭から逃げ出すため英国で考古学、カリフォルニア大学で人類学を学んだという。
2009年本書でデビュー。
評判を呼び、ローカス賞などいくつかの賞にノミネートされる。
ベストセラーリストにも。 -
Posted by ブクログ
最終巻が一番おもしろかった。
ライオール教授が好きだからかな?
ナダスディ伯爵夫人に呼び出され、エジプトからの招待状を受けて船旅に出ることになった我らがアレクシア女史。
暴れ盛りの愛娘プルーデンスと、人狼アルファの夫マコン卿、不可思議な帽子が欠かせない親友アイヴィ、そして思惑の見えないマダム・ルフォーら一行が揃えばゆっくりもできない道中である。
そんなドタバタのエジプト紀行と、ロンドンにて調査を進める優秀なベータ・ライオールと新米人狼ビフィの間に起こる意外な展開が同時進行する怒涛の巻。
前巻にて凄惨な過去を明かされたライオール教授ですが、今巻では現在と未来の展望が希望的でほっとしました。チャニング少佐(私は彼も好きです!)はビフィを認めるのに時間がかかるかもしれないけれど、ライオールに新しい支えを、と望んでいたからそのことについては歓迎なのではないでしょうか。
伏線は前々からありましたし、互いの精神状態の安定と傷の回復のためにも、おさまる所におさまったという感じです。
30年後とか、アルファになったビフィに仕えるようになったライオールの様子も含めてスピンオフを書いてほしい!というかライオール教授メインで……どうか……ロマンス入れたら間違いなくBLになるけど(笑)。
また、今巻では、今までの気丈で現実主義者なアレクシアを大いに動揺させる出来事が起きる。投げやりになってしまったアレクシアの姿はあまりに痛々しい。
いつか晩年を穏やかに迎える日まで、夫妻には仲良く喧嘩していてほしいです。
命にかぎりある人間も不死者にも、あらゆる意味で『死』というものを考える時が来る。
愛する人達の死をたくさん眺めて、眺め続けて生きること、それは必ずしも最大の幸せでないかもしれない。不死者はいつ死を迎えるかを自分で決めなければならない。死を不意に与えられることと、自分で決めること、それはどちらがいいかなんて分からない。
マタカラ女王の話を聞いてみたかったな。なんだか大事なところが中途半端だった気がして、それが残念でした。
プルーデンスを主役に据えた、何年後かの話の構想があるそうで、刊行されたらぜひに日本語訳していただいて、またこの世界を見てみたいです。
今年出会った小説の中では上位につけたい、お気に入りのシリーズになりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ英国パラソル奇譚、最終話。
予約していたのでさっそく購入しました。浮気疑惑も晴れて再びらぶらぶ夫婦に戻ったアレクシアとマコン卿、アンンド二人の娘プルーデンス。
以下、感想。
前作から2年後のお話で、生まれたばかりだったプルーデンスが元気いっぱいの2歳児になっていて笑えました。
反異界族と人狼との子ということで警戒心を持っている吸血鬼たちの気持ちを和らげるために、表向きは知り合いで影の議会の宰相でありアレクシアの大親友のアケルダマ卿の養女として育つことになるのですが、実は彼の巨大なクローゼットの奥を改造して夫婦で隠れ住んでいるという(笑)
本当のおうちは前回の騒動で手に入れた隣の屋敷なのですが、こっそり娘と同居してるんです。
ママ、ダダ、と甘えるプルーデンスが可愛い。
アレクシア自身が反異界族というせいなのか、あんまり子供のころから母に好意を持っていなさそうだったし、彼女の母も娘への愛情が見られなかったのに、プルーデンスはママ大好きなのが判って微笑ましい限り。
可愛い幼児の仕草に飽きるほど長く生きてきたアケルダマ卿と彼の取り巻きたち、そして人狼パパのマコン卿と他の人狼はメロメロ。みんな可愛く仕方ないよう。
そんな楽しくも騒々しいながらも平和に過ごしていたアレクシアに届いたエジプトの最高齢の吸血鬼女王から招待状。
娘とともにエジプトに来られたし、という命令に近いそれに、謎を残したまま亡くなった父の足跡を辿る意味も込めて夫と親友その他を引き連れてエジプトに向かう・・・というのが今回のストーリー。
楽しかったです(笑)
いや、毎回毎回マコン卿とアレクシアの仲良さが凄くて(笑) 結婚して2年経過するというのに変わらないいちゃいちゃぶり(笑) 周りも慣れたのか放ってますね。ま、アレクシアが傍にいればアルファであるマコン卿は機嫌良いので、団員にとっても都合は良いんだろうけど。
それでも少しずつ謎が解けて、前回発覚した衝撃の事実がマコン卿にばれて、再び夫婦の危機!となるのですが、いろいろあって落ち着いてらぶらぶに戻るの笑っちゃいました。アレクシアも可愛くなったなあ。マコン卿に嫌われるってわんわん泣きますしね。彼が死んだと思った時にはなにも考えられずに後を追うことを考えてしまうほどマコン卿が大好きなようで(笑)
そしてどんなに怒っても、マコン卿もアレクシアが好きなんだなと。
すべてが終わって、彼が決断した将来の展望が素敵でした。反異界族という特殊な種族であっても寿命は人間と同じアレクシアとこの先どう過ごすのか。
最強の人狼である彼がやがて自分に訪れるだろう事態への対処に選択した内容が良くて、この続きを読んでみたいです(笑)
アレクシアの話はこれで終わりですが、プルーデンスを主人公にしたお話があるそうなのでそれが見たいかな。彼女が大きくなってる頃には両親はきっとエジプトにいるんだと思うから、その時の二人の様子など。
お勧めの一品。
ご興味がありましたら、お試しあれ。 -
Posted by ブクログ
シリーズ4作目です。
1作目からどんどんスピード感が増して、
読みやすく作品世界に入り込みやすくなりました。
出産間近のアレクシアですがまだまだ奮闘しています。
前作ではお腹の子が原因で吸血鬼たちに命を狙われていましたが、
この件に関しては冒頭でひとまず休戦の策が講じられます。
これでほっと一息つくかと思われましたが、
あのアレクシアの周りがそんなに穏やかな訳ありません。
これぞ吸血鬼や人狼、ゴーストの入り乱れる世界ならでは!
アレクシアに対する感情が好意・悪意にかかわらず、
その生態だか事情だかによっててんでばらばらに問題が起こります。
反異界族特有の実用主義で収拾しようと、
アレクシアが大きなお腹でよたつき、
ときには人狼やクラヴィジャー(世話人)たちに抱えられて、
陣痛で悪態や悲鳴をあげながら駆け回っています。
世の貴婦人の規格からはずいぶん外れる女主人に呼びつけられ、
無様な格好を見せられる羽目になっても、
温かい目で(見て見ぬ振りをしつつ)働く有能な使用人たち。
微笑ましいやら笑えるやらで本当に楽しいです。
最後の数ページでようやく新しい家族が生まれ出るに至り、
安堵する間もあればこそ。
これが驚きの(いや予想通りか)性質であることが発覚して、
次作で台風の目になること必至です。
全5部作のシリーズらしいので次作が最終巻ですね。
どんな結末が待っているのか楽しみです。
訳者あとがきに気になることが書かれていたし・・・。 -
Posted by ブクログ
アレクシア女史の英国パラソル奇譚第四作。次で最終巻だそうです。
臨月を迎えたアレクシア、ゴーストの不穏な忠告を受け、チビ迷惑を抱えて走る走る落ちる(!?)運ばれる走る!!
……怒濤でした。
本屋で四巻の表紙と三巻のあらすじを読んで、シリーズに興味を持ったのですが、そのときは、アレクシア女史というのは潜入捜査をする鉄の女かと……。まさか出産間近でアクションをするような淑女とは思いもよらなかった。
終盤、満月の人狼団がアルファ雌を守るために戦う描写にはとてもわくわくした。ここはぜひ絵で見たい……っ。漫画版が気になるところ。
アレクシアの父親の過去とライオール教授の秘密が暴かれるが、なんといってもライオール教授!そうだったのあなた!先代アルファに何をされていたかも推して知るべしと描写は少ないが、あえて語らないせいで逆に悲惨な想像をしてしまいそうだ。……教授には幸せになってほしい。チャニングがその心配をしているのはなんだか微笑ましい。
ぶっちゃけ、ルフォーを見逃してナダスディとフェリシティが死んだほうがアレクシアにとってはよかったんじゃ、と思った。 -
Posted by ブクログ
戦う!フルーテ!(笑)
日本の漫画で執事といえば戦闘能力があって当たり前なのだが(…)この控えめな老執事もそうだったようだ。
前回、不貞の疑惑をかけられ、身重の体でウールジー城を追い出されたアレクシアは、親友のアケルダマ卿のもとに身を寄せようとするが、当のアケルダマ卿が姿を消し、自分も吸血鬼に狙われている状態を悟る。フルーテとマダム・ルフォーと共に、アレクシアのヨーロッパ縦断逃亡劇がはじまる。
一方、ウールジー団では、腑抜けたマコン卿のかわりにβのライオール教授の受難がはじまる……。
アレクシアとは折り合いが悪いが、チャニング少佐が好き。青い目の白狼で人型の時は長身で金色の長髪なんて絵にしてしまえば最強の外見である…。
そもそもは本書の粗筋を見てアレクシア女史の奇譚を手に取ったのだった。日本のオタクが好きそうな要素がぎゅぎゅっと詰まったシリーズだが、なぜ私はこの存在を知らなかったのだろう…。 -
Posted by ブクログ
人狼と吸血鬼ら異界族が、“人間化”する現象が起き、夫のマコン卿はアレクシアになにも告げずに故郷のスコットランドに発つ。
陰の議会の議長であるアレクシアは、謎を解明するため飛行船でスコットランドに赴く。
アレクシア女史の夫は狼で父親はホモで新しくできた友達は男装家でメイドはレズ……。あらゆる可能性があって非常によいと思う。
マダム・ルフォーはそこはかとなくかっこいいですね。
男も女もマコン卿の裸体をありがたがるのがなんだか笑える。見てみたいじゃないかー。
チャニング少佐が白狼とのことで、これは米国で出版されているマンガ版にめちゃくちゃ興味が湧く。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ19世紀ヴィクトリア朝イギリスも舞台としてはとても魅力的ですが、その舞台を、吸血鬼や人狼、ゴーストといった影の住人が活躍するというのだから、わたしとしては美味しすぎます。
「吸血群」や「BUR」「影の議会」などの組織によってみずからを統率し、文明化によって人類と共存するという設定は、当時の時代背景などに明るくないとなかなか書けないなと思います。
また、作中で豊富なのが衣装の描写。想像していてとても楽しめます。
で、肝心のストーリーですが、ミステリー色がなかなか強いです。ダークミステリーとでも言いましょうか。
アレクシアが不審なはぐれ吸血鬼と遭遇することから始まり、人狼の集団失踪などを探っていくうちに発覚する恐ろしい陰謀。
勇敢さと聡明さを併せ持ったアレクシアが、危険に巻き込まれつつも、好奇心によって次々と危ない橋を渡っては謎に迫っていきます。
ミステリーの女性主人公の典型ですが、それがまた良し。
そしてさらに強いのが恋愛色。女性が主人公なのだから恋愛も当然展開の中に組み込まれているだろうとは思っていましたが、予想をはるかに超えて濃厚でした(笑)
癖の強いキャラクターの多い中で、わたしが一番惚れたのはライオール教授でした。
脳筋上司を小馬鹿にしつつも忠実に補佐する頭脳派。ついでに時折ボケをかますところが素敵すぎやしませんか。
吸血鬼や人狼の力を打ち消す「ソウルレス」について、まだよく分からずにもやもやした感はありますが、産業革命の時代、人類と人外の共存というテーマは、とても想像力を喚起されて楽しく読むことができます。 -
Posted by ブクログ
ゲイル・キャリガーの2つ目のシリーズ、2作目。
アレクシア女史のシリーズの25年前という設定です。
こちらはヤングアダルトというジャンルだそうで、やや若向きの展開。
19世紀半ばの英国、女性は膨らんだロングスカートのドレスを着ている時代。
おてんばなソフロニアは全寮制の花嫁学校に放り込まれますが、なんとそこはレディとして活躍できるスパイを養成するのが影の役割。
ソフロニアは才能を発揮することになります。
試験で高得点を取りますが、級友たちから浮いて距離を置かれる羽目に。
親友のディミティには謎めいたラブレターが届き、罠ではとソフロニアは気を揉んでいるのに‥
友情や張り合い、試験の緊張など、学園生活のわかりやすい要素も入れつつ、事細かに描かれるファンタジー要素はけっこうコテコテ。
人狼や吸血鬼がいる設定ですが、19世紀的な暗さが何となくマッチしてます。
煤っ子の少年ソープと、ソフロニアに近付こうとする他校の男子など、ほのかな恋の鞘当ても。
最後はドラマが深刻になっていくのか、若い子たちの話だから、そうでもないのかな?
アレクシア女史のシリーズに出てきた登場人物との絡みが楽しい☆