老川慶喜のレビュー一覧

  • 日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで

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    幕末から明治(正確には1906年の鉄道国有法の公布まで)の日本の鉄道の歴史を扱う。鉄道一本に絞っており、これまでの政治経済通史的な理解では得られなかったニッチな分野に光を当てている。

    鉄道をもたらしたのも実はペリーで蒸気機関車の模型を持ってきた。これを佐賀藩や薩摩藩が作り直すところから歴史は始まる。

    そこから有名な新橋〜横浜間の列車に繋がっていくが、この時点では、路線計画、敷設、車両など技術は西洋頼り(お雇い外国人)。そんな状況を鉄道局長たる井上勝が変えていく。具体的には教育機関を作って教えて現場に出すことを繰り返して日本人の手だけで作ることができるようになった。

    その後、官と民が併存し

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    2025年07月30日
  • 堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業

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    西武グループ創始者の評伝。西武沿線居住者として楽しく読むことができた。
    滋賀県出身、箱根、軽井沢などリゾート地と大泉、小平、国立など学園都市の開発。その他東京の都市の歴史にこの方の存在は大きかった。
    その後の堤家の凋落こそあるが、やはり立志伝中の人物であったと思う。

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    2024年08月12日
  • 堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業

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    堤康次郎の人となりの印象はどうしても「父の肖像」を始めとした、辻井喬の著作群での描かれ方に大きな影響を受ける。

    家族としての視点に加え、後継した経営者としての分析(しかもどちらも卓越した経営能力を持ち)、その上辻井の文才まで含めると著作群以上の評伝は生まれるべくもないとは思うのだが、そこで本書である。

    本書は著者が「はじめに」で断っている通り、(経営に関わる閨閥形成を除いた)家族関係には言及していない。終章で後継者に触れているが、家産と事業の分離とそれぞれの後継という視点は本書の締めくくりに必須だと思う。

    論点を本来の実業家としての堤康次郎に絞り込む事により論点となるのは、結局は「土地の

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    2024年06月15日
  • 堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業

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    今の鉄道網を築いた背景が把握できた。
    本音と建前、どこまでが公共性だったんだろう。
    次は、息子たちのことも勉強したい。

    東京の鉄道史がまとまっている本を読みたい。

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    2024年04月20日
  • 堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業

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    西部グループを一代で築いた堤康次郎の、実業家としての側面に焦点を充てた伝記。

    堤氏は、滋賀県出身かつ滋賀県の発展にも貢献した人なので、『成瀬は天下を取りに行く』などの成瀬本の舞台の基盤を作った人だとも言えると思う。その意味で成瀬本ファンは本書の一読をオススメする(かなりマニアックな読み方)。

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    2024年03月28日
  • 日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで

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    本書は、1854年二度目の来航を果たしたペリーが蒸気車模型を幕府に献上してから、1906年鉄道国有化法が通るまでの日本の鉄道史を書いた本です。私は鉄道よりも明治時代の産業発展に興味があったのですが、まさに鉄道の目線を通じた産業発展および社会の変化が、当時の新聞記事の紹介など、わかりやすい形で示されていました。
     特に鉄道が地域にもたらした影響が極めてリアルに書かれていて興味深かったです。村の産業全体が壊滅状態になるところもあれば、日光のように観光客数は増えたものの(鉄道によって日帰りできるようになって)宿泊客が減少すると言ったように、当時の日本人に与える影響が全国津々浦々いかに大きかったか、と

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    2023年04月27日
  • 日本鉄道史 大正・昭和戦前篇 日露戦争後から敗戦まで

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     「幕末・明治篇」に続く老川日本鉄道史の第2弾。鉄道国有化から敗戦までを描く。本書においても,近代日本経済史を,鉄道を中心に見ることで,従来の通史とは異なる新たな解釈が思い浮かばれる。
     とりわけ興味深かったのは,日本経済ないしは北東アジア経済におけるウラジオストックの位置づけだろう。従来の植民地史研究や帝国日本研究サイドに立脚すると,日満間の結びつきは朝鮮半島を軸にしてしまうが,ロシアを視野に入れることで,東京―米原―敦賀―ウラジオストック―満蒙というルートが日本の鉄道史に与えた影響力の大きさに,改めて目を奪われよう。
     「キセル乗車」(174頁)のエピソードは微笑ましく感じられたし,敗戦翌

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    2017年03月19日
  • 日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで

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     近代日本の交通・流通史の第一人者である著者によって語られた鉄道を軸とした日本経済の通史。それだけに,単なる鉄道の経営・技術開発史ではなく,外交や出資,社会生活との関係性をも記している点で,鉄道ファンでなくとも親しみやすい。
     従来,明治日本経済史における鉄道の役割は,新橋―横浜間の開通に始まり,殖産興業期における「開港場路線」としての限界,松方デフレを経て企業勃興期における鉄道建設ブーム,明治23年恐慌によるその終焉,日露戦後経営期の鉄道国有化と,主に明治政府による経済政策の変遷にあわせて段階的に描かれてきた。しかし,本書ではその間隙を縫うかの如く,東と西をつなぐ幹線鉄道としての「中山道鉄道

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    2017年03月12日
  • 日本鉄道史 大正・昭和戦前篇 日露戦争後から敗戦まで

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    時に「少し意外!?」と思ったり、「何十年も前じゃないか?!」と驚くような発想が登場していたりと、興味深く読んだと同時に、色々と考えた…
    前作を読んだ際にも、所謂“温故知新”というようなことを思ったが、本書もそうした想いが沸き起こる…
    お薦め!!

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    2017年02月08日
  • 日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで

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    文字通りに「蒸気車模型から鉄道国有化まで」の状況が綴られている。非常に興味深い。
    この「明治時代の話し」で少し驚くのは、“鉄道”に対して“海運”が「競争相手」的な位置に在ったことや、現在では想像し悪い程に大きかった鉄道の“存在感”だ。そして「分単位の運行」が行われる列車の故に、「日本人の時間感覚」が変わって行ったという事実である。
    本書は文字通りに“温故知新”という感じがする。なかなかにお薦めだ!!

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    2017年02月07日
  • 堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業

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    飾りのない文章ゆえ読みやすさは人によって分かれるところだろう。
    ただ堤康次郎という人を知るには十分な内容。
    大正時代から昭和期へ、また戦争前後にかけての時台(人口動態、ライフスタイル)の変わり目を捉えて、感謝と奉仕の精神から事業を発展させる目は、時代を築いた事業家ならではだと感じられた。
    首都圏、西武沿線に住む人には、駅や施設の開発経緯がわかるためとても興味深い内容となっている。

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    2024年09月10日
  • 日本鉄道史 昭和戦後・平成篇 国鉄の誕生からJR7社体制へ

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    前2作未読のままこちらから読んでみた。戦後から現在に至る鉄道史の概説としてコンパクトにまとまっている。表やグラフの説明もあって当時の経営環境も分かりやすい。
    戦後復興期から苦難に喘いでいた国鉄の歴史も概略がわかる。民営化に至るまでの労使関係にはあまり触れられていないのは少しもの足りないが、それは別の書籍でカバーかな。

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    2019年07月08日
  • 日本鉄道史 昭和戦後・平成篇 国鉄の誕生からJR7社体制へ

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    3部作の完成ですね。昭和戦後と平成を分割して4部作くらいかなと思っていたのですが... 日本の鉄道の歴史を学ぶことができる良シリーズです。これまでの巻が割と時系列で記述がすすんでいたような気がするのですが、この巻はトピックごとに多少の時空の乱れ(笑)があります。また、この巻の取り扱う内容でもう少し知りたかった労働組合問題は割とさらっとなので、もう少し記述があるとうれしかったかな。とはいえ、新書3巻で日本の鉄道の歴史をおおよそおさえることができるのはすごいです。こういうことに興味がある人には是非おすすめの書籍です。

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    2019年03月02日
  • 日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで

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    ペリー来航から日露戦争後に鉄道が国有化されるまでの
    鉄道史をわかりやすく描く。
    井上勝の献身や、明治初期のビジョン。
    鉄道開通による庶民の暮らしぶりの変化など
    興味深い内容が多いが、
    軍事的な記述は意図的に省略している雰囲気を感じた。

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    2014年10月01日
  • 日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで

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    概説書ながら中身は濃く、国有化までのおよそ50年余りの間の政治・経済・軍事、様々な側面からの鉄道敷設構想への言及もコンパクトにまとまっていて勉強になった。地方への鉄道敷設によって生じる「経済効果」については種々議論があるわけだが、それに関しても正負両側面から叙述されている。

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    2014年07月01日
  • 堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業

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    堤康次郎の生い立ちから、事業の立ち上げ、その拡大と現在の西武グループの構成までがよくまとまっている。
    利益に向かって貪欲に突き進んでいたのは間違いないが、堤康次郎にも彼なりのこの国や市民生活をどのようにしていくかという理想があり、それに突き進んでいたように感じた。
    それは形を変えながらもセゾン文化、プリンスホテルというブランドにも引き継がれていたともいえないだろうか。
    それにしても、この世代の政治、経済での大物といわれている人物のエネルギーはどこから来ているのか。その力は単純に肯定出来るものではないし、それが今の時代にもマッチするとは思えないが、今の日本に足りないものなのかもしれない。

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    2025年01月14日
  • 堤康次郎 西武グループと20世紀日本の開発事業

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    早稲田大学在学中に起業、卒業するや別荘地や住宅地を精力的に開発した堤康次郎。軽井沢や箱根では別荘地や自動車道を、東京では目白文化村や大泉、国立など学園都市を開発。西武コンツェルンを一代で築くが、事業の本分はまぎれもなく「土地」にあった。

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    2024年08月30日
  • JR高崎線・宇都宮線沿線の不思議と謎

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    ネタバレ

    謎とふしぎかどうかは別として。色々楽しい。ハクレンの話とか、そうだったよねえが出てきて。他もそれなりなんだろう。

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    2023年06月10日
  • JR高崎線・宇都宮線沿線の不思議と謎

    Key

    購入済み

    少し古いがnot so bad

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    2023年02月27日
  • 日本鉄道史 大正・昭和戦前篇 日露戦争後から敗戦まで

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    広軌改築計画の挫折、軽便鉄道の普及、阪急、東急、西武、東武、小田急などの私鉄と沿線の開発、弾丸列車の計画と関門海底トンネルの開通などが取り上げられる。

    1908年に八王子と東神奈川を結ぶ横浜鉄道が開通し、その後1917年に国有化された。
    1926年に二俣川・厚木間に神中鉄道が開業。同年に相模鉄道が茅ヶ崎から厚木に達し、31年に橋本まで延伸した。神中鉄道は、33年に横浜まで延伸した。41年に東京横浜電気鉄道が相模鉄道の筆頭株主となって傘下に収め、43年には神中鉄道を合併した。
    1927年に小田急小田原線、29年に江ノ島線が開通。

    1937年に、手狭になった市ヶ谷の陸軍士官学校が新磯村と麻溝村

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    2020年11月14日