ニール スティーヴンスンのレビュー一覧

  • 七人のイヴ 上

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    ネタバレ

    「月が割れる」こんなぶっ飛んだ現象から物語がスタートする。
    破片が自らの重力でひと塊になり自転していることから「再び一つになることはないにしろ変わりはないのか?重力の釣り合いが変わってラグランジュ点が変わる?」などと(序盤の登場人物達と同じく)軽く思いながら読み進めた。

    物語出だしの設定は突飛だが、中身は完全なるハードSFだった。
    ハード・レインに向けて月の破片が分裂していく様子や月の核であった鉄を多く含む部分だけが割れにくいというような細かな部分までリアリティを持って考えられた設定や、現実には存在しない小惑星アマルテアを用意し、宇宙ステーションにドッキングしておくという、方舟がなんとか生き

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    2024年08月26日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    上巻の最後の方から、話題が古代文明(シュメール)に及びます(ネタバレになりますので深くは書きません)。そして世界を揺るがす大きな謀略が進みつつあることを主人公が知り、他の登場人物と助け合いながらエンディングを迎える、というあらすじですが、実は本書のキートピックの一つが「ウイルス」であるということに深い感銘を受けました。

    本書は「メタヴァース」ばかりが脚光を浴びますが、実はウイルスには生物学的なもの(新型コロナなど)、コンピュータプログラムに影響を及ぼすもの、そして言語的・思想的なものがある、ということが語られているわけです。その意味ではコロナ禍の今、カミュの「ペスト」に並ぶウイルス本という位

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    2023年05月08日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    2021年フェイスブックが社名をメタに変更し、世界的に「メタヴァース」という言葉の関心が広まるなか、メタヴァースという言葉が作られた伝説的SF作品を読んでみました。下巻まで読んでからの感想になりますが、理屈抜きで面白かったです。最初の方は本書の世界観になじむのに時間がかかりましたが、上巻の真ん中位からはすらすらと読めるようになります。

    ネタバレになりますのであまり書きませんが、本書の舞台は未来の米国で、そこでは連邦政府の力が完全に弱体化し、かわりに「フランチャイズ疑似国家」が乱立しています。そこでの主人公、ヒロ・プロタゴニスト(まさに主人公!)はメタヴァースを作ったハッカーの1人であり日本刀

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    2023年05月08日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    まさに今話題になっているテックが満載。
    GPT3もいるじゃない!!
    この想像力。
    それに増して、クライマックスの大活劇!
    そりゃみんな読むよね。

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    2023年02月22日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    ネタバレ

    メタヴァースの概念を生み出したとも言われる作品。サイバーパンクの世界で連邦として崩壊したアメリカ、その残り少ない最先端は高速ピザ配達、なんて言うつかみから始まり、現在と遜色ないメタヴァースの描写に加えバベルやシュメール文明まで出てきて興奮が止まりませんでした。ひとまず今日は30分以内で届くピザを探してネットの海を泳ごうと思います。

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    2023年04月01日
  • 七人のイヴ 下

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    長い! とにかく長い! やっと読み終わった! で、これは面白い!
    上巻で月が突如7つに分裂し、人類は宇宙ステーションを避難場所に選び、そこに1500人を送るものの、2派に分裂し、、、というところまでが語られる。
    下巻では、2派に分裂した人類のその後が語られ、時間は一気に5000年後に!
    5000年って、、、と思ったけど、エジプトは紀元前数千年、中国4000年、平安京も1000年、と考えると、人類が次のステップに進むには5000年はそれなりの長さなのかなと思う。
    実に壮大な叙事詩。

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    2021年03月07日
  • クリプトノミコン1 チューリング

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    オタクと天才と脳筋マッチョの大冒険。
    こんなにわくわくする冒険譚はひさしぶり、いや初めてかも。
    4巻まで一気読みでした。

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    2009年10月04日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    本書では言語がそのツールとして重きを置かれておりましたが、世界はいかにしてハック可能か、またいかにしてハックされていくのか、ということを四六時中考えさせられるようになる作品でした。
    そして今現在覇権を握っているテック企業のリーダーたちの多くが本書や著者からの影響を公言しているのを見るに、SF小説というものも言語として世界をハックするに足る情報を内包していることの証明でもあるかと思います。
    ストーリーがカタルシスに欠ける感が否めなかったため、星5ならず。

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    2025年05月04日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    SFを初めて読むなら絶対オススメしない!(たぶん挫折しちゃう)それくらいゴリゴリのSF作品です。
    用語も単語も今の時代でも少し難しく感じる。

    でもこれが1992年に書かれてるのは本当に驚きでしかない。SF作品書く人は何故こうも想像力が豊かで、その中身を的確なんだろうか。感心する。

    最初はとっつきにくかった内容でしたが後半非常に自分にささる展開になってきて、後編が楽しみすぎます。

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    2024年11月20日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    ネタバレ

    連邦政府が機能不全に陥り、巨大企業が支配する近未来。主人公であるハッカーのヒロは、仮想空間「メタバース」を舞台に、謎のドラッグ「スノウ・クラッシュ」を追う。

    本作のポイントは、仮想空間と現実世界の境目が曖昧になった世界観だ。 ヒロがメタバースを駆け巡る姿は、まるで私たち自身がその世界に足を踏み入れたかのような臨場感がある。

    一方で、物語は多岐にわたる要素を盛り込み過ぎており、散漫な印象を受けた。 さらに中盤以降はさまざまな事件が同時進行し、どう収束に向かうのか、読んでいて物語に始終振り回された感もあった。

    また、終盤の宗教に関するテーマは、少し重苦しい感じもあった。しかし、このテーマが物

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    2024年10月29日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    VRを体験してから読むとそれほど面白くないかも...半分以上言語ウイルスの話だし...。これが1990年代に書かれているのはすごいが、それを勘案しながら読まなければならないので素直に楽しむのは難しいだろう。スノウ・クラッシュが言語ウイルスだと言っているが、この本自体ががハッカーにだけ感染する書物であることを感知するには基本情報技術者試験程度の知識が最低限必要と思われる。そこがわかれば面白いと言えるがメタ的すぎる

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    2024年10月28日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    上下巻読み終えました。
    メタヴァースという言葉を生み出したという、すごい
    影響力のある本という認識で興味が湧いて。

    まず、全体の疾走感はすごいです。
    ビュンビュン走る感じ。
    メタヴァースがほんとに今ほど認知されてなかったの?
    って思うくらい、今としてはリアリティありです
    逆に、SFの世界に現実が
    近づいていることに驚きます。

    次に、言葉、ウイルス
    その捉え方に
    メタヴァースより、それのほうが衝撃というか。
    そうかもな、いやきっとそうかもと思わせられる。

    ただし、、、
    その部分に関しては、結構理解しづらく、
    正直100%わかってません。
    が、だいたいの流れがわかる、
    (新訳で読み、旧訳は読

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    2024年04月21日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    古代シュメール人は、ミーと呼ばれる神経言語学的なプログラムによってパンを焼き家を建てていた。それは、脳のうち現在の言語を理解する部分のさらに深層の基盤に作用する人間の脳のためのプログラムであり、要するにそれがスノウクラッシュであった。
    古代に、エンキという初めて意識を持つ人間が現れ、ミーではなく自由意思と理性を実装させる新たな神経言語を開発し、人間達は共通のプログラムではなく意思を持った宗教をいただくようになった。
    しかし、人間の脳の構造が変わったわけではなく、古代のミーは密かに語り継がれ、そしてヒロの時代に、これを拡散させて人類を支配しようと考えた者が現れた。L•ボブ•ライフである。その一味

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    2023年08月30日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    本書は1992年に書かれたもので、舞台となる時代設定ははっきりわからないが、主人公の親父が第二次大戦帰りであることや、マフィアのドンがベトナム戦争経験者であることなどから、だいたい2000年代くらいのイメージか。
    アメリカは国家としての力をなくし、無数のフランチャイズと呼ばれる勢力がそれぞれ独立して地域を自治している。主人公のヒロはマフィアの経営するピザ屋の配達人で、配達が遅れれば実質的に死が待っている状況で配達していたが、ヒロインのY•Tという特急便屋にプーン(特急便屋はスケートボードに乗って移動体にワイヤーをくっつけて移動する)されてミスをし、配達人をやめる(ピザは気まぐれなY•Tが配達し

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    2023年08月30日
  • 七人のイヴ 上

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    大作の上巻。突然、月が分裂、あと2年で人類滅亡。こんな危機に対して人類はどうする!
    テクノロジー、コミュニティ、そして政治、様々な事柄が交錯する。
    次々に起こる問題に対する人々を描く作品、さぁ下巻を読もう!

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    2023年04月14日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    メタヴァースという言葉が最初に使われた作品らしい。
    現実世界と仮想空間共に同じような臨場感で物語が進む。段々どっちなのかわからなくなり、既にどっちでも良くなってきた。
    さぁ、下巻に進もう!

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    2023年02月15日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    上巻冒頭の「高速ピザ配達」という心湧き踊らない設定から一転、話は”スノウ・クラッシュ”からシュメール文明の”メ”というある種のウイルス、第二次世界大戦末期の歴史的経緯、それらがリアルとメタヴァーズを相互に行き来しながら壮大に展開していく。Y.Tとレイヴンの性的かつ野性的なやり取りも艶っぽくて妙に哲学っぽく面白い。
    Meta社の”メタヴァーズ”から再脚光を浴びた作品であるが、新型コロナを経て一気に進展したデジタル時代と新権威主義の台頭の今だからこそ興味深く読める。ネオサイバーパンクの古典的名作としてSF好きの方はぜひ一度読んでみてもらいたい。

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    2022年12月31日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    ゲーム「ボーダーランズ」がプレイしたくなった。ヒャッハー!な感じ。
    「権力は衰退する(国家が実権を失い、企業やマフィアが治外法権を得る)」「進化論(不完全だからこそ変化し生き延びる)」「デジタル社会の行く末」など、勉強になるものも多い。
    15歳の少女でも「自分の力で生きる」とこれくらいたくましくなるのかな。

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    2022年08月13日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    序盤、エンジンがかかるまでに時間がかかった。英語の略称が読みづらい。1992年のSF作品だが、この描かれた未来に今も向かっている感じから描写はイメージしやすい。映像化は噂はあるけどまだかな?
    レイヴンのぶっ飛び方が好き。”パワー”ですべてを凌駕する感じ。

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    2022年07月30日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    1992年に書かれたにもかかわらず、今読んでも色褪せないSF。メタバースと現実世界の行き来や、国家ではなくフランチャイズが影響を持つ世界観、コードで動く世界、ウイルスとそれらがコントロールするレイヤーの設計などが秀逸。

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    2022年07月15日