木村裕美のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
「忘れられた本の墓場」シリーズ第2弾。
1917年、スペイン。時代は前作より遡り、主人公も作家ダビッド・マルティンへと変更。
作家ダビッドは謎の人物アンドレアス・コレッリから宗教のような寓話をつくるように依頼される。次第に書くことに取り憑かれ、狂気に呑まれてゆくダビッド。
ダビッドの生い立ちは悲惨だし、死人は続出、愛する人との突然の別れもあり、前作よりもダーク感が増している。「センペーレとその息子」書店の温かさは変わらず、気持ちがほっこり。ダヴィッドの住む曰く付きの「塔の館」もアンティーク感があって素敵。アシスタントのイサベッラとの共同生活と軽快な会話が救い。
後半はファンタジーな展開とな -
-
-
Posted by ブクログ
前作の風の影と比べるとよりダークで暴力的だけど幻想的かつ複雑で特に下巻に入って以降のたたみかける展開は読ませる。正直なところ全てが理解できているとは思えないけど外縁をなぞっているだけでも物語に引き込まれてて翻弄される。本を巡る物語ではあるけどもっと人間の奥底にある何かを信じる気持ちを揺さぶるような、そしてそんな世界を作る側の立場からの物語を作るような壮大さを感じる。とはいえ深く考えることをしなくてもエンターテイメントとしても完全に楽しめる。序盤は風の影もそうだったけどスローなスタートなのでそこを越えるまでは我慢。登場人物や道具立てなど村上春樹の作品に似てるなあと感じるところもあったけど多少の影