木村裕美のレビュー一覧

  • 天国の囚人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    全部で四部作であると言う三作目。
    一部と二部はほんの少し繋がりがあるか、と言う具合だったけど、三部になってから一気にそれぞれの登場人物が出て来て、どう繋がって行くのが興味深い。

    話しはそれぞれの部で完結しているとのことだが、これは四部がすごく気になる。二部のどんでん返しに疑問が出て来るし、どの見方をするかで話の内容が変わってしまいそうなくらい。

    舞台はスペインで、小説はスペインの内戦とフランコ独裁を通り抜けている。この時代の背景がスペイン人の人達の心にどう落とし込まれたか、主人公や登場人物の心や人生にも大きく関わっているのがよくわかる。

    作品の中のスペイン人達の会話が面白い。とってもまわ

    0
    2016年03月09日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『風の影』と同じシリーズで、「忘れられた本の墓場」が登場する本。読みだすと何故か止まらなくなる本です。

    『天使のゲーム』は『風の影』とはまったく趣が違う。『天使のゲーム』を読んでいると、上巻から下巻の最初までは、全体を把握できていたつもりだったのに、突然、なんだかまったくわからなくなると言うことになる。

    そして、最後まで読むと、さらに何が起きたのかがまったく不透明になると言う、普通のミステリー小説ではあり得ない感じ。このシリーズは第4弾まであるらしいので、その中で少し関わってくるのかな?

    スペインの街並みの話しや、スペイン人の人柄にも触れる事が出来るので、その辺りも楽しい本。

    『風の影

    0
    2016年02月03日
  • 天国の囚人

    Posted by ブクログ

    前作と違って、暗くどんよりした色が薄く、読みやすい。
    このシリーズは映画を見たような読後感があると思う。スペイン、行ったことないくせに笑

    0
    2016年01月05日
  • 天国の囚人

    Posted by ブクログ

    内戦終了後間もない1957年のクリスマスを目前に控えたバルセロナ、旧市街にある「センベーレと息子書店」を訪れたのは、古臭い仕立ての黒い背広を着て杖を突いた年寄りだった。猛禽を思わせる目をした男は鍵つきの書棚から『モンテ・クリスト伯』を選ぶと、不自由な手でメッセージをしたためた。《死者のなかからよみがえり、未来の鍵をもつフェルミン・ロメロ・デ・トーレスへ。十三より》と。使用人で店主の息子ダニエルの親友でもあるフェルミンに本を贈ったのはいったい何者、不吉なメッセージは何を意味するのか。

    心配するダニエルの問いに重い口を開いたフェルミンがぽつぽつと語り始めたのは、内戦からフランコ独裁に至るスペイン

    0
    2014年11月13日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    「風の影」と繋がっているストーリーが面白い。すこし複雑だったのでまたじっくりと読みたい作品。それにしても、ああ言えばこう言うイサベッラに振り回されるダビッド。二人の会話を読んでるとついつい笑いが込み上げてくる。

    0
    2013年07月15日
  • 天使のゲーム(下)

    Posted by ブクログ

    こういう雰囲気は好きです。
    前作 風の影 のほうがよかったかもですが、
    全体を覆う微妙な湿度や翳りが 気に入ってます。

    ちょっと最後の方に少し不満がありますが、
    大半は楽しませて頂きました。

    また時間が経ったら 読みたくなる作家さんですね
    他にこういう感じいないですからね。

    0
    2013年05月29日
  • 天使のゲーム(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前作「風の影」に続くバルセロナを舞台に、書く側、作家の立場から話が進む「天使のゲーム」。
    塔の館に住んでいた、前住民と同じ運命を辿っている事に気がついたダビット。身の危険を感じながらも、真実を求めて進んで行く。

    コレッリは一体何者なのか。
    過去と現在が意外な所で繋がるのも読み応えあり。
    次の3作目も早く出てほしい!

    0
    2013年03月28日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    前作「風の影」に比べると、良くも悪くも軽くなったという印象です。
    軽妙な文章を楽しめる反面、重厚さが感じられなくなりましたねぇ。
    ま、これはこれで良いと思いますが。

    ダビッドとイサベッラの掛け合いが面白いです!
    皮肉屋のダビッドに、すかさずイサベッラが反論するタイミング(笑)
    絶妙なんですよね~

    ミステリというよりもファンタジーに近い気もしますが、
    一体どんな結末が待っているのでしょう??
    「忘れられた本の墓場」や「センペーレと息子書店」、、、
    また戻って来る事ができて嬉しい。

    0
    2013年03月07日
  • 天使のゲーム(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『風の影』と時代は違うが、『センペーレと息子書店』の佇まいが変わらずあって、呪われた『塔の館』とともに、繋がっていく物語の面白さがある。最後になっても謎がすっきりしたわけでもなく、クリスティーナの写真でますますホラー的な要素が強まって、精神病との境界が不明だ。ただ、イサベッラの手紙は真実の愛が確かにあって、本当にただ一つの美しい物という感じがした。

    0
    2013年02月12日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    訳者がいいのだと思うが、表現がとても思いつかないような比喩だったり情景描写だったりして、とても上手い。ストーリは前半少しイライラさせられるような暗く希望のないような展開で、読む方もどんよりした気分だったが、アシスタントのイサベッラが登場してから物語が色を持ち生き生きして、がぜん面白くなってきた。さて後半は?

    0
    2013年02月05日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    忘れられた本の墓場シリーズ2作目。
    新聞社の雑用係ダビットは短編を書く機会を得、後に作家として独立する。
    ある日、謎の編集者から多額の報酬と望むものを与える代わりに1年間彼のために仕事をするよう依頼される。

    *

    前作『風の影』の方が好きだけれど、それでもやっぱり面白かった!
    今作はちょっと理解しきれない部分が多い。宗教とか信仰のくだりはどうも苦手。
    シリーズ3作目の邦訳出版が楽しみ。

    0
    2013年01月17日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    「風の影」に続く第 2 部?。
    物語の大きな流れ、うねりには、
    大変ひきつけられる。
    が、細部は結構ゆるい。
    ビダルの「灰の館」なんて、
    あれでいいのか?
    忘れられた本の墓場も結構あっさり。
    下巻を読み終えてどういう感想になるだろう。

    0
    2013年01月17日
  • 天使のゲーム(下)

    Posted by ブクログ

    その話は、夢幻なのか、現実なのか。
    手に入れたと思った愛は、一瞬のうちに姿を消し、哀しみと憂いを秘めて再び姿を現す。
    支えられた人もいつか目の前から消え去り、我が身だけがつと残る。
    いのちは…生きる目的は…どこにあるのだろう。

    サフォンが紡ぎだす物語に、読者はただ酔いしれてしまう。

    0
    2012年10月26日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    実に面白い。
    悲惨な生い立ちから作家に成り上がった主人公。
    しかし、行く手にはそれ以上の事が待ち構える。

    その不幸を助けてくれたパトロンにも、なぜか不吉な風が舞う。
    謎が謎を呼び、この先いったいどうなるのか。

    まさに、サフォンワールド!
    きっと訳者がいい仕事してるんだろうなあ。
    下巻が楽しみです。

    0
    2012年10月19日
  • 天使のゲーム(下)

    Posted by ブクログ

    よんだ、よんだよ、おもしろかったけど、オチが想像と激しく離れた部分に着地して、あっそうゆう話だったの、そうゆう世界だったの・・・!?って。イザベッラがひたすら可愛かった。「友達だよな?」「死が二人を別つまで」いい子すぎる。

    0
    2012年10月18日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    ずっと住みたいとおもっていた塔の館。作家ダビット・マルティンは、その呪われた館に住むことになった。前作と同じく、過去と運命の様に重なっていく。前の持ち主とマルティンと。謎の編集者コレッリの依頼の意図は、何なのか?イサベッラが可愛くていいですね。一途な力強さがあります。下巻が楽しみ。

    0
    2012年09月17日
  • 天使のゲーム(下)

    Posted by ブクログ

    最初はこれミステリー?て思う出だしだが、主人公が自分にオファーを出した謎の編集者の正体を追ううち、殺人事件が発生する。
    終盤犯人が明かされるが、それでもなお、魔法の街バルセロナの不思議が残る。

    全体的にバルセロナの街の魔法、魔術的な雰囲気をただよわせる本。
    犯人探しの推理を楽しむのではなく、作者の魔術にのせられて読むのが良いと思う。

    0
    2012年08月09日
  • 天使のゲーム(上)

    Posted by ブクログ

    「風の影」が良かったので、その第2弾ということで購入
    「風の影」の冒頭にでてくるバルセロナの「忘れられた本の墓場」が本作にも登場する。訳者あとがきによると「忘れられた本の墓場」4部作の第2弾らしい。
    本作は「風の影」より少し前の時代で1928~1930年頃の時代設定で、1926年に建築家ガウディが没し、1929年に世界恐慌が始まるという時代背景がある。
    この本のエピローグに主人公に送られてきた女性の手紙の中に「ダニエル」という息子が出てくるが、これが「風の影」の冒頭にでてくる「センペーレ古書店」の息子「ダニエル」で、前作につながっている。

    感想は下巻で

    0
    2012年08月09日
  • マリーナ バルセロナの亡霊たち

    Posted by ブクログ

    サフォンの初期ミステリ。初バルセロナのために読んでみたが、実際の明るくまぶしい街とは違う、謎を秘めておどろおどろしい古都として描かれる。ホラーさながらの展開に、永久に失った初恋の思い出がますます清らかに咲いている。

    0
    2025年08月03日
  • マリーナ バルセロナの亡霊たち

    Posted by ブクログ

    ・ カルロス・ルイス・サフォ ン「マリーナ バルセロナの亡霊たち」(集英 社文庫)の「訳者あとがき」によつてこの物語の粗筋をできる限り 短い言葉で言へば、「ゴシック・ロマンの香りが全編ただよう本作 は、ミハイル・コルベニクなる人物をめぐる謎追いを経糸に、オス カルとマリーナの友愛を緯糸にして、一九七九ー八〇年の『現在』 と、その半世紀まえの『過去』の逸話を行きつ戻りつしながら紡が れていく。」(309頁)。主たる物語はミハイルだが、そこにオ スカルとマリーナが絡むといふことである。これを物語巻頭の文章 から引けば、「時という大洋がそこに埋めた思い出を、遅かれ早か れ返してくるなんて、あのころの

    0
    2024年07月26日