【感想・ネタバレ】天使のゲーム(上)のレビュー

あらすじ

魂を売った作家を翻弄する数奇で哀しい運命――1917年、バルセロナ。17歳のダビッドは、雑用係を務めていた新聞社から、短篇を書くチャンスを与えられた。1年後、独立したダビッドは、旧市街の“塔の館”に移り住み、執筆活動を続ける。ある日、謎の編集人から、1年間彼のために執筆するかわりに、高額の報酬と“望むもの”を与えるというオファーを受けるが……。世界的ベストセラー『風の影』に続いて“忘れられた本の墓場”が登場する第2弾!

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Posted by ブクログ

 不遇のただ中にいた若き作家は謎めいた編集者の存在によって、自身の人生を変えていく。しかしその編集者との契約は、必ずしも素晴らしいものとは言い切れず……、ということで、〈忘れられた本の墓場〉シリーズの二作目です。忘れられた本の墓場の幻想的なイメージは、新たな視点から語られることで、さらなる奥行きが出てきていて、とても魅力的です。

 時代は『風の影』から遡って、1910年代~1920年代が作品の舞台になっています。『風の影』の前日譚的な色合いも強い作品的で、結末にいたって、「そうか、こういうふうにダニエル(前回の主人公)は」と物語から物語へとバトンの渡されていく一方で、ダビッドの物語はまだ終わらないのだ、という強烈な意思を感じさせるラストが印象的でした。

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2025年05月25日

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前作『風の影』の焼き直しのようなストーリー展開なんだけど、なんだかすごく引き込まれる

キャラクターがすごく生き生きしてるんよね

そして魔法のような、ファンタジーのような出来事が起きるんだけど、ちゃんと現実の理由が紐解かれていく下巻にわかるんでしょう
前作と同じ展開ですきっと
まぁ読めてるのに面白

不思議な世界線

裏をかいてくる可能性も考慮しつつ下巻や!

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2024年03月31日

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ネタバレ

 前作『風の影』と同様、飽きさせない物語が綴られていて一息で読んでしまった。今作は、幻想的な雰囲気が強めで、これもまた新鮮だった。下巻が楽しみ。

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2022年12月19日

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あぁもう、みんなにこの本買ってあげたい。
そのくらい素晴らしい!

サフォン、すげえ、すげえよ!!
前作で物語の素晴らしさは折り紙つきだけど
またとんでもない物語を紡いでくれました。

たしかに前作とは主人公も違って書き手側で
多少重くて、暗いお話かもしれん。
ある契約に基づいて物語を作っていくのだけど
誰のため、何のためか分かってくる後半は
暗い幻想に溺れながらも読む手は止まらない。

ただ、アシスタント役のイサベッラが素敵すぎ♪
暗い主人公をパーフェクトに支えてくれます。
こんな人に出会えたら、一生離さないと思う。

ラストの手紙、最後の一行は
書く事を仕事にする人にとっては最高の言葉よね。
この一行で泣きました。今でも泣きます。
だけど、主人公の彼は生き続けるので
もしかしてすごく悲しいお願いなのかも…

結局天使のゲームとは
誰とのゲームだったのか?
暗闇から逃れる代償はなんと大きいものか。
たまらないカタルシスでした。

風の影、天使のゲームと
ほぼ完璧な物語を聞かせてくれるサフォン。
なのに、まだ4部作の半分なのです。
本国スペインでは3作目がすでに出てますが
日本語になるのは何年先だろうなぁ…
今世紀最高の4部作になりそうです。

すべての方に激しくオススメしますけど、
ただ一つ、お願いというか必須条件です。
前作、風の影を読んでてください!
本作を読み終わって、ふと風の影を開くと
1ページ目でもう感涙必至よーー

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2014年02月19日

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「風の影」の作者による小説。「風の影」と同様に「忘れられた本の墓場」が大きな役割を果たしている。少年のビルドゥングスロマンであるのも「風の影」と同様。面白い。

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2013年02月20日

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ベストセラー「風の影」の続編。
「忘れられた本の墓場」という秘密の書庫があるという本好きには嬉しい話がまた出てくる物語。
主人公は違いますが、前作の親子も出てきます。

1917年、バルセロナに始まります。
ダビッド・マルティンは17歳。
父は本も読めない男で、戦後妻に逃げられ、不遇な暮らし。
息子が本を読むのを好まず、ダビッドは子供時代に「大いなる遺産」という本に魅せられますが、本屋に返しに行きます。
その本屋が「センペーレと息子書店」

新聞社の守衛をしていた父が死に、ダビッドはそこの使い走りに。
「産業の声」という新聞の穴埋めに、小説を書くチャンスを与えられます。
大金持ちの御曹司で作家でもあるペドロ・ビダルが何かを目をかけてくれ、推薦してくれたのです。
「バルセロナのミステリー」という妖婦と謎の男が活躍するシリーズでした。

後にペンネームであやしげな出版社と契約を結びます。酷使される仕事でしたが、夢中で大量の小説を書き続けます。
「塔の家」という何年も空き家だったいわくありげな館に憧れ、借り受けるまでになりました。
ビダルの運転手の娘で秘書となったクリスティーナに恋心を抱きますが、相手はいつも無表情でそっけない。
ところが28歳になった日、ビダルが本格的な文学作品を書こうとして何年も行き詰っていると、クリスティーナが心配して相談に来ます。
クリスティーナと会いたいがために、ビダルの没原稿に手を入れて清書するのを手伝うダビッド。

ダビッドには腫瘍が出来ていると宣告され、必死で心をこめた作品を書き上げますが黙殺されてしまい、ビダルの亜流とまで言われます。
皮肉にも、ビダルのために書いてやった作品のほうは、大評判に。
アンドレアス・コレッリという謎の人物が近づいてきて、1年かけて期待通りの作品を書き上げれば15万ドル払うという。

イサベッラという小説家志望の17歳の少女が訪れ、沈滞した館の空気を揺り動かします。
イサベッラとのやり取りが楽しい。
みずみずしい文章で陰影に富む内容。翻訳も素晴らしいです。

さて‥?
後半に期待!

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2013年02月12日

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スペインの友達が、「風の影」よりおもしろいよ!といってて、それからもう4、5年?忘れたころに発売されててびっくり。電車の中でよんでると出勤時間があっとゆうまの寝れない本。よかったまだ下巻があるへへへ、って幸せになれる。バルセロナの綺麗で暗い雰囲気もまる。忘れられた本の墓場、いってみたい。

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2012年10月03日

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 スペイン語原書の初版は100万部。現在、世界40カ国で累計700万部を売り上げた超話題作の邦訳。
 前作『風の影』の面白さにびっくりしたが、今回もびっくり。期待を裏切らない。
 下巻を読み終えたら、まじめにブクレポ書くつもり。
 でもあまりに面白すぎて、書く気が起きないかもしれない。

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2017年08月15日

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ネタバレ

風の影が面白かったのでこれもきっと面白いと思って積読にして寝かせてありました。
成り上がり、失恋。やっぱり面白い!!
下巻楽しみです!

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2025年01月24日

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主人公の生い立ちが悲惨過ぎて感情移入してしまう。
イサベッラが奔放すぎて苦手。
わくわくの謎を解く下巻が楽しみです。

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2023年11月22日

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「人がそのために生きたり死んだりするほどの物語をつくることに、きみは心をそそられませんか? そのために人を殺し、あるいは殺される、そのために犠牲になり、罰をうける、そのために魂をささげるほどの物語ですよ。きみの職業で、これほど大きな挑戦がありますか? フィクションを超越して、“啓示の書”になりうるだけの力をもった物語をつくるんですよ」

2020/5/20
まさに“悪魔の囁き”。しかも、この物語がダビッドの妄想に基づくものなのかが曖昧な所がまた不安を醸し出すのである。

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2023年09月14日

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ネタバレ

前作「風の影」に続いて【忘れられて本の墓場】が登場する第2弾。
今回も舞台はバルセロナ、年代は1917年から始まる。
主人公の少年の不幸な生い立ちから大人になって、執筆業に携わるようになるいきさつ、そこに現れたのが謎の編集者と曰くのある謎の館、ダビット(少年だった主人公)はいつしかその数々の謎に足を踏み入れてしまう・・・

前回も書いたかもしれないけれど、バルセロナという街、街自体がミステリアスです。私の中でですけど。
一昔という年代の設定でもあるかもしれませんが、一言で言い表せないような・・・でも魅力的。
佐野元春の歌の中にも出てきましたがそのイメージとも重なります。

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2016年05月11日

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ネタバレ

『風の影』と同じシリーズで、「忘れられた本の墓場」が登場する本。読みだすと何故か止まらなくなる本です。

『天使のゲーム』は『風の影』とはまったく趣が違う。『天使のゲーム』を読んでいると、上巻から下巻の最初までは、全体を把握できていたつもりだったのに、突然、なんだかまったくわからなくなると言うことになる。

そして、最後まで読むと、さらに何が起きたのかがまったく不透明になると言う、普通のミステリー小説ではあり得ない感じ。このシリーズは第4弾まであるらしいので、その中で少し関わってくるのかな?

スペインの街並みの話しや、スペイン人の人柄にも触れる事が出来るので、その辺りも楽しい本。

『風の影』に出てくるセンペーレと言う本屋さんが、こちらにも出てくるのだが、『風の影』の後かと思ってたら、前の年代だった。懐かしく感じる名前がちらほら出てくる。

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2016年02月03日

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「風の影」と繋がっているストーリーが面白い。すこし複雑だったのでまたじっくりと読みたい作品。それにしても、ああ言えばこう言うイサベッラに振り回されるダビッド。二人の会話を読んでるとついつい笑いが込み上げてくる。

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2013年07月15日

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前作「風の影」に比べると、良くも悪くも軽くなったという印象です。
軽妙な文章を楽しめる反面、重厚さが感じられなくなりましたねぇ。
ま、これはこれで良いと思いますが。

ダビッドとイサベッラの掛け合いが面白いです!
皮肉屋のダビッドに、すかさずイサベッラが反論するタイミング(笑)
絶妙なんですよね~

ミステリというよりもファンタジーに近い気もしますが、
一体どんな結末が待っているのでしょう??
「忘れられた本の墓場」や「センペーレと息子書店」、、、
また戻って来る事ができて嬉しい。

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2013年03月07日

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ネタバレ

訳者がいいのだと思うが、表現がとても思いつかないような比喩だったり情景描写だったりして、とても上手い。ストーリは前半少しイライラさせられるような暗く希望のないような展開で、読む方もどんよりした気分だったが、アシスタントのイサベッラが登場してから物語が色を持ち生き生きして、がぜん面白くなってきた。さて後半は?

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2013年02月05日

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忘れられた本の墓場シリーズ2作目。
新聞社の雑用係ダビットは短編を書く機会を得、後に作家として独立する。
ある日、謎の編集者から多額の報酬と望むものを与える代わりに1年間彼のために仕事をするよう依頼される。

*

前作『風の影』の方が好きだけれど、それでもやっぱり面白かった!
今作はちょっと理解しきれない部分が多い。宗教とか信仰のくだりはどうも苦手。
シリーズ3作目の邦訳出版が楽しみ。

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2013年01月17日

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「風の影」に続く第 2 部?。
物語の大きな流れ、うねりには、
大変ひきつけられる。
が、細部は結構ゆるい。
ビダルの「灰の館」なんて、
あれでいいのか?
忘れられた本の墓場も結構あっさり。
下巻を読み終えてどういう感想になるだろう。

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2013年01月17日

Posted by ブクログ

実に面白い。
悲惨な生い立ちから作家に成り上がった主人公。
しかし、行く手にはそれ以上の事が待ち構える。

その不幸を助けてくれたパトロンにも、なぜか不吉な風が舞う。
謎が謎を呼び、この先いったいどうなるのか。

まさに、サフォンワールド!
きっと訳者がいい仕事してるんだろうなあ。
下巻が楽しみです

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2012年10月19日

Posted by ブクログ

ずっと住みたいとおもっていた塔の館。作家ダビット・マルティンは、その呪われた館に住むことになった。前作と同じく、過去と運命の様に重なっていく。前の持ち主とマルティンと。謎の編集者コレッリの依頼の意図は、何なのか?イサベッラが可愛くていいですね。一途な力強さがあります。下巻が楽しみ。

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2012年09月17日

Posted by ブクログ

「風の影」が良かったので、その第2弾ということで購入
「風の影」の冒頭にでてくるバルセロナの「忘れられた本の墓場」が本作にも登場する。訳者あとがきによると「忘れられた本の墓場」4部作の第2弾らしい。
本作は「風の影」より少し前の時代で1928~1930年頃の時代設定で、1926年に建築家ガウディが没し、1929年に世界恐慌が始まるという時代背景がある。
この本のエピローグに主人公に送られてきた女性の手紙の中に「ダニエル」という息子が出てくるが、これが「風の影」の冒頭にでてくる「センペーレ古書店」の息子「ダニエル」で、前作につながっている。

感想は下巻で

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2012年08月09日

Posted by ブクログ

風の影に続くサフォン本第二弾。
今度の主人公は小説家マルティン。相変わらずぐいぐい読ませる本で、イサベッラとのやり取りも絶妙だ。続きが気になり一気に下巻へ。

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2024年05月03日

Posted by ブクログ

20世紀初めのバルセロナの描写が素晴らしい。現存する通りや街の当時の様子を思い浮かべながら、ミステリーは進んでいく。欧州、歴史好きの自分には休日の読書として最適の一冊だ。

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2023年01月17日

Posted by ブクログ

まず前作『風の影』のあらすじを覚えていない。魅力のある小説だった気はするのだが、なんかこうスッと入ってこなかった。本作もやっぱりそれに近いかな。

ちなみに『風の影』の断片的な記憶はこんな感じ。特に後半戦を覚えていない。
・本の墓場みたいなところ。冒頭チラリとしか出てこない
・ナゾの作者が書いた本が出てくる
・ナゾの男につけられる
・友だちと血入りのソーセージを食べるシーン
・彼女と空き家でイチャイチャする

作中での時間経過の感覚とか、他人の書いた原稿を裏で書き直してしまう場面とか、ヒロイン(ではないのか。クリスティーナの方ね)の振る舞いとか、いろいろ微妙に納得しづらい。

夢と現がないまぜになっているあたりは読みどころではあるが、何となく読後感はスッキリしない。写真のネタも概ね予想通りだが、すっきり種明かしされる感じではない。無理にクリアに落とさなくてもよいのだろうが。次作につながるところもあるのかね。

グダグダ書いたが面白く読んだことは読んだ。納得できなかったぶん、次作も読むだろう。

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2018年11月05日

Posted by ブクログ

”本の墓場”シリーズ第2弾。
本の墓場とは今回は関わりが薄く、さらっと出てくるだけで、別の話となっている。
小説家が莫大な報酬で執筆を依頼され、仕事を進めるのだが、疑問をもち、謎を追いかけ解いていこうとする話。
ほとんど眠らず、食べず、書くことに憑かれた様子が書かれているところが伝わってくるものがあった。
ストーリーの内容に関しては少々わからないような腑に落ちないような部分があり、前作「風の影」のほうがおもしろかった。
第3弾、4弾に期待する。

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2013年05月14日

Posted by ブクログ

風の影と一部繋がる感じで物語が進んで行く。
本をキーワードに繰り広げられる世界。
「書く事」により自分が救われ、「書く事」により未知の世界へ
引きづり込まれる。
誰も寄り付かない塔に住んだことが、偶然なのか必然なのか。

下巻の展開にも期待。

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2013年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「忘れられた本の墓場」シリーズ待望の第二弾。
サフォンの文章はなんて素敵なんだろう。
そして街の情景描写はバルセロナの虜になる。
まだ物語は半分だけれど、主人公を取り巻く編集長、古書店主がいい。あの場所も健在。

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2012年12月18日

Posted by ブクログ

前作より暗いタッチで始まる。主人公の生き方は報われるのか....。ヨーロッパの歴史が絡むのでちょっと読みづらい。

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2012年10月01日

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