【感想・ネタバレ】天国の囚人のレビュー

あらすじ

1957年、バルセロナ。父の書店で働く青年ダニエルは、結婚間近の親友フェルミンの様子がおかしい事に気づく。彼宛に不可解なメッセージを残す謎の男の来店もあり、友人を問い詰めると、フェルミンは自らの過去を語り始めた…。彼は1939年、フランコ政権の動乱時に監獄に収容された。そこで出会った作家マルティンはフェルミンに脱獄をすすめ、計画を立てる。戸惑うフェルミンにマルティンが出した、その手助けの条件とは……? 『風の影』『天使のゲーム』につづく、世界的ベストセラー「忘れられた本の墓場」シリーズ第3弾!

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Posted by ブクログ

名探偵ヒマキュール・ポメロ登場!(ババーン)

謎解きの時間です

ほほう、『風の影』四部作の三作目ですか…ズバリ!本当は三部作だったんじゃないですか?
でも、明らかに二作目の『天使のゲーム』がそうでもなかったんで、一作目で大人気だったダニエル&フェルミンを主人公に戻して最終作を前に急遽一冊ねじ込んて人気を取り戻したかった!
違いますか?!


うん、ぜんぜん違ーう!w(名探偵退場)

いやいやいや、なんか色々明かされた!
そうだったんか!っていう
一作目と二作目の謎が明かされあっちとこっちが繫がっていやそういうことなら話変わってくるやん!
そういうことなら『天使のゲーム』★3じゃないやん!

そしてまだ明かされていない謎、新たに加わった謎を抱えて最終作へ!

なんかどえらいことになりそうな予感!

『天使のゲーム』で止まってるマコミさん!ちょっと早計かもよ!

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2024年04月19日

Posted by ブクログ

 フェルミンの過去、内戦直後を背景として、前作の『天使のゲーム』における主人公ダビッド・マルティンも深く絡むお話。
 フェルミンの過去は想像以上に重たいだろうなと思い、第四作の『精霊たちの迷宮』の後に読んだ。感想としては、順番に読めば良かったと思った。たしかに、著者としては、どこから読み始めても大丈夫なようにしているようだし、実際ドラマみたく順番に見ないと分からなくなるということはない。でも、順番に見て行った方が後々の作品へののめり込み度合いが違ってくる。たとえば、『精霊たちの迷宮』に出てくるマウリシオ・バルスも、『天国の囚人』を読んでからの方が「こいつ…!」って感じで感情移入しながら読める。私は『天国の囚人』を後回しにしたので、『精霊たちの迷宮』で彼がメインで出てくる章では「この人誰?」というふうに、少し退屈してしまった…。そこだけが唯一悔やまれる。

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2022年12月22日

Posted by ブクログ

 期待を裏切らない傑作。 4部作の3作目。発売日に即買い。自分のなかでは今のところ21世紀で最も面白い海外小説。
 
 今回の主人公はフェルミン。常に饒舌なフェルミンの暗い過去が明らかになる。
『風の影』『天使のゲーム』を読んでないと、登場人物の関係がわからないから、これだけ読んでももちろん面白くない。シリーズを読んでいる人にとってはかなり面白い。


 今回もどっぷりとサフォンワールドにはまった。そして今回もブクレポ放棄。
 早く最終巻が読みたい。一体何年後だ?
 最後に出てきたいとこの女の子が気になるぞ。
 

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2017年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「忘れられた本の墓場」シリーズで唯一1巻で終わる物語。主にフェルミンの回想と現実の話しで構成されていて読みやすい。フェルミンとダニエルの友情が本当に素敵。
フェルミンの過去が壮絶なのと、「天国の囚人」がマルティンだったというところが心にきた。マルティンが現実と空想の区別がつかなくなっているところ、映画の「シャッターアイランド」を彷彿させた。
4作目に繋がるであろうラストだったので続きがとても気になる。
ダニエルは母親譲りなのかたまに破天荒なので4作目で不幸なラストにならないことを祈る...

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

忘られた本の墓場四部作の三作品め。これまでの作品よりも分量は半分くらいだけどスペイン内戦の閉塞的な時代を描いた部分の陰鬱さはなかなか辛い。一方で後半に日が差したような明るさもあり、ほっとさせるコントラストになっている。これまでの二作品を踏まえる部分が増えてきて、物語の複雑な構造に感心するとともに過去の読書の記憶も問われてくる。

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2023年02月27日

Posted by ブクログ

フェルミンの過去、謎が解き明かされている。
フェルミンのために、ダニエルが奮闘するところがいい!!
第一部、二部と絶妙に絡み合っていて、全ての謎が解き明かされていく感じ。
続きは第四部へ、という感じで若干物足りなさもあるが、おもしろかった!

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2022年12月22日

Posted by ブクログ

CL 2022.10.4-2022.10.5
「風の影」の続編。
ダビッド•マルティンからフェルミンへ、フェルミンからダニエルへ。
さまざまなことが繋がっていく。
そして4部作ラストの「精霊たちの迷宮」へ。

やっぱりフェルミンとダニエルの友情が好き

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2022年10月05日

Posted by ブクログ

スペインのベストセラー作家サフォン。
「風の影」「天使のゲーム」に続く「忘れられた本の墓場」シリーズ4部作の3作目。
前2作よりはだいぶ薄いので、迷宮のような重厚さ複雑さはややシンプルに。
妖しい雰囲気と登場人物の哀しいまでの純粋さは同じです。

スペインでは内戦が終わって間もない1957年、バルセロナ。
ダニエルはその名も「センペーレと息子書店」という父の書店で働いています。
怪しげな雰囲気の男が書店に現れ、親友フェルミンへメッセージを残します。
フェルミンは結婚を間近に控えているのですが‥?

フェルミンが語り始めた過去は。
18年前、監獄に入っていたこと。そこで出会った作家マルティンのこと。
彼と交わした約束のこと‥
内戦とフランコ独裁の様相は、日本人には想像を絶します。
若いダニエルにとっても、それは実感はできない話。

フェルミンが獄を出たとわかっているからまだ読むのに耐えられる獄中の話と、鬼気迫る脱出行。
そして、ダニエル自身の思わぬ問題と戸惑い。

前作が非常に描写の細かいややこしい話なので、具体的にはどこまで覚えているのか‥記憶にちょっと自信がありませんけど‥
サフォンのこの、水気が多い筆で描いたような、独特な陰影に富んだ華麗さ。
どこから出てくるものなのでしょう。
酔わされる心地を堪能しました☆

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2016年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全部で四部作であると言う三作目。
一部と二部はほんの少し繋がりがあるか、と言う具合だったけど、三部になってから一気にそれぞれの登場人物が出て来て、どう繋がって行くのが興味深い。

話しはそれぞれの部で完結しているとのことだが、これは四部がすごく気になる。二部のどんでん返しに疑問が出て来るし、どの見方をするかで話の内容が変わってしまいそうなくらい。

舞台はスペインで、小説はスペインの内戦とフランコ独裁を通り抜けている。この時代の背景がスペイン人の人達の心にどう落とし込まれたか、主人公や登場人物の心や人生にも大きく関わっているのがよくわかる。

作品の中のスペイン人達の会話が面白い。とってもまわりくどい情熱的な比喩を使いまわしながら、普通に会話をするのが、いいなあと感じる。

「ツケがききますかねえ?」「神様でもお断りです」なんて言い方出来るなんていいなあと思う。

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2016年03月09日

Posted by ブクログ

前作と違って、暗くどんよりした色が薄く、読みやすい。
このシリーズは映画を見たような読後感があると思う。スペイン、行ったことないくせに笑

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2016年01月05日

Posted by ブクログ

内戦終了後間もない1957年のクリスマスを目前に控えたバルセロナ、旧市街にある「センベーレと息子書店」を訪れたのは、古臭い仕立ての黒い背広を着て杖を突いた年寄りだった。猛禽を思わせる目をした男は鍵つきの書棚から『モンテ・クリスト伯』を選ぶと、不自由な手でメッセージをしたためた。《死者のなかからよみがえり、未来の鍵をもつフェルミン・ロメロ・デ・トーレスへ。十三より》と。使用人で店主の息子ダニエルの親友でもあるフェルミンに本を贈ったのはいったい何者、不吉なメッセージは何を意味するのか。

心配するダニエルの問いに重い口を開いたフェルミンがぽつぽつと語り始めたのは、内戦からフランコ独裁に至るスペインの歴史の暗闇のなかに隠されていた悲惨きわまる物語だった。権力が推移するたび、現政府は前政府の関係者を次々と監獄送りにした。おかげで当時のスペインでは囚人の数が膨れ上がったが、そのなかにはフェルミンのように前政府の下で働いていた者ばかりではなく、政府批判をしたという理由で収監された作家や医者といった普通の市民も多かった。

『モンテ・クリスト伯』を模したフェルミンの脱獄とその後の『レ・ミゼラブル』ばりの逃亡生活は、敬愛するデュマやユゴーに捧げる作家のオマージュだろう。冒頭に登場するサルガドのような傍役にいたるまで登場人物の容貌や性格の輪郭がはっきりしているので感情移入しやすい。前二作にあった複雑に入り組んだ構成は影をひそめ、血湧き肉踊る19世紀ロマン主義小説の作風で通している。主人公が少年の面影を残す純情な人物であるだけに、話を面白くするには脇を固める人物に個性的な面々が必要になる所以である。饒舌で多方面に顔が利き、何でもこなすダニエルの良き相棒フェルミンは以前から気になる人物であったが、今回は、このトリックスター的な人物に光を当てることにより、バルセロナの闇が愈々際立つ。

世界中でベストセラーとなった第一作『風の影』、第二作『天使のゲーム』につづく「忘れられた本の墓場」シリーズ四部作の第三作。四部作のグランドデザインを描く『風の影』でラフ・スケッチにとどめ置かれた部分に光を当て、細部をふくらませ、小説の厚みを増した。迷宮のようなバルセロナの街のどこかにある「忘れられた本の墓場」をめぐる幾重にも折りたたまれた入れ子状の物語のなかでは、比較的シンプルなストーリー展開。フェルミン自身の物語による回想部分を含めても、前二作のもつ複雑な構成とは一線を画す読みやすさだ。分量も半分におさえられているのは、ひたすら怒涛のように最終巻にのめりこむために一息入れる役割を果たしているのかもしれない。

バルセロナ・ゴシックとでも呼びたくなるような独特の怪奇・残酷美に溢れるサフォンの世界だが、奇を衒っている訳ではない。住民投票の結果を見ても分かるように、スペインからの独立を強く希求するカタルーニヤ。内戦の混乱、その後のフランコ独裁に締め付けられ、忍従しつつ生き延びてきたカタルーニャの人々には、曰く云い難い日々の記憶が層を成して堆積しているのだろう。それだけに、人々の生や愛に寄せる思いは強く、願いを遂げる意志には熱いものがある。宗教的立場や政治信条の差異が生死を分ける日常の中で、他人と自分の命を秤にかけるような毎日を生き抜いてきた人々の物語は時に怪しく、時に酸鼻を極めるものともなろう。

一つの小説のなかに、別の作家の手になる物語が入れ子状に仕組まれ、物語世界の動きが現実世界に影響を与え、今を生きる人物の行動が物語に反映するという、トポロジカルでメタ小説的な小説構造。どこから入っていっても最後に待つのは「忘れられた本の墓場」であり、物語はそこからいくつもの時代、数え切れない登場人物の生活へと延びている。バルセロナという都市の地下に埋もれた歴史の層を蟻の巣のように迷宮化してしまう四部作。本篇だけ読んでも充分に楽しめることはうけ合うが、おそらく、これを読めば他の二編と、刊行の待たれる最終巻も読みたくなるだろうことはまちがいない。

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2014年11月13日

Posted by ブクログ

うーん。風の影はすごく面白かったのだけど、トーンダウンしてしまった感が否めない。もう一度読み返してみた方がいいかしら?
まだ続きがあるようなので次回作に期待します。

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2015年01月01日

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