あらすじ
1957年、バルセロナ。父の書店で働く青年ダニエルは、結婚間近の親友フェルミンの様子がおかしい事に気づく。彼宛に不可解なメッセージを残す謎の男の来店もあり、友人を問い詰めると、フェルミンは自らの過去を語り始めた…。彼は1939年、フランコ政権の動乱時に監獄に収容された。そこで出会った作家マルティンはフェルミンに脱獄をすすめ、計画を立てる。戸惑うフェルミンにマルティンが出した、その手助けの条件とは……? 『風の影』『天使のゲーム』につづく、世界的ベストセラー「忘れられた本の墓場」シリーズ第3弾!
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Posted by ブクログ
「忘れられた本の墓場」シリーズで唯一1巻で終わる物語。主にフェルミンの回想と現実の話しで構成されていて読みやすい。フェルミンとダニエルの友情が本当に素敵。
フェルミンの過去が壮絶なのと、「天国の囚人」がマルティンだったというところが心にきた。マルティンが現実と空想の区別がつかなくなっているところ、映画の「シャッターアイランド」を彷彿させた。
4作目に繋がるであろうラストだったので続きがとても気になる。
ダニエルは母親譲りなのかたまに破天荒なので4作目で不幸なラストにならないことを祈る...
Posted by ブクログ
全部で四部作であると言う三作目。
一部と二部はほんの少し繋がりがあるか、と言う具合だったけど、三部になってから一気にそれぞれの登場人物が出て来て、どう繋がって行くのが興味深い。
話しはそれぞれの部で完結しているとのことだが、これは四部がすごく気になる。二部のどんでん返しに疑問が出て来るし、どの見方をするかで話の内容が変わってしまいそうなくらい。
舞台はスペインで、小説はスペインの内戦とフランコ独裁を通り抜けている。この時代の背景がスペイン人の人達の心にどう落とし込まれたか、主人公や登場人物の心や人生にも大きく関わっているのがよくわかる。
作品の中のスペイン人達の会話が面白い。とってもまわりくどい情熱的な比喩を使いまわしながら、普通に会話をするのが、いいなあと感じる。
「ツケがききますかねえ?」「神様でもお断りです」なんて言い方出来るなんていいなあと思う。