浅原ナオトのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ同性愛者の安藤純がBL好きの三浦紗枝と交際し、その中で自分の性について葛藤し、自分なりの生き方を模索するお話。
本作品のタイトルである「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」。このタイトルを見た時、交際しても尚彼女のBLへの愛が止まらず倦怠期に入り、彼氏の純が思い悩むストーリなのかな、と思ったけど蓋開けてみると真逆。三浦目線の「彼が好きなものはホモであって私ではない」が正しいのではないか!?笑と思ったがまあ置いておこう。
本作では純と三浦以外にも魅力的なキャラクターが登場している。印象に残っている人物を挙げたい。まずは近藤さん。彼は異性愛者なのだが、ホモに対しての偏見を純に対して述べている。多数派からみる同性愛者に対する視点は純の性への葛藤を引き出すために必要悪な存在であり、近藤さんはその役割を果たしたのだろう。次にミスター・ファーレンハイト。純の数少ない同性愛者の友人で、時折知的なアドバイスをもたらす。彼の自死は同性愛者の生きづらさを全面に読者に伝えるもので、この作品の欠かせない存在だと言える。そして、小野である。彼はこの作品において異質な存在で、近藤さんよりも同性愛者に対して拒絶反応を示している。私は途中まで小野に嫌悪を抱いていたのだが、ディスカッションの中で「俺たちは認めない。だからお前たちは隠せ。」と主張したところでこのキャラクターの魅力に気づいた。多様性を全面に諾うこの現代で、無理やりマイノリティとマジョリティを共存させるのではなく、うまく棲み分けする方が大切なのではないか。現代の多様性に対してのアンチテーゼ的存在である。一方親友の亮平は純が同性愛者とわかっても彼に親身に対応する。彼の献身的な関わりがあってこそ純は立ち直れたのだろう。この小野と亮平のスタンスの違いはなかなか面白かった。
全員が全員亮平のように接することは出来ないし、かといって小野のように非人道的な対応をするのもはばかられる。同性愛者の接し方という問題はこれからも答えが見つからないのだろうなと思う。
最後に純と三浦に注視したい。彼らの関係は非常に興味深かった。まず純が勃たなかったシーン。このシーンによって「ただち○ぽこが、ち○ぼこがどうしても上手く勃ってくれない。」というセリフが生まれる。シリアスなシーンなのに笑ってしまった。勃つ「好き」と勃たない「好き」で分けるのはなかなか面白かった。そして純の同性愛が三浦にバレるシーン。BL好きな三浦でもリアルの彼氏がホモというのは受け入れ難いだろう。そもそも浮気だし。その後純が自殺未遂してもなお彼の傍にいると決めたのは強い女の子だなと思った。三浦さんが未成年の主張をするシーンもそうだが、彼女は行動力がある。その行動力で胸が熱くなったシーンも数え切れない。最終的に彼らは「男女関係としての別れ」を選択する訳だが、クイーンの例もあったように、2人は魂で繋がっているためこの先も関わってゆくのだろう。
最後の純の自己紹介のシーンが特に印象に残っている。2つの自己紹介を用意しておいて「決めた。あっちにしよう。「僕はー、、」」と終わる。ここまで読んできた読者にはどちらを選んだのか分かるようになっている。最後の純は同性愛者としての自分を愛してあげる選択を取り、自己の完成を目指している。
これは、「范の犯罪」に少しにいていると思った。理想の自己、本統の生活を目指す調和型の思想のようなものを感じ取った。読み終わったあとに、自分のありのままの姿を愛してあげようという気持ちになった。
*本作品において面白かったワードをいくつかピックしておく。
・ビタミンBL
・BL星
・ペニスが勃つ「好き」と勃たない「好き」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ安藤純
同性愛者であることを隠して日々を過ごす高校生。帰宅部。
三浦紗枝
純と同じC組に所属する女子。美術部。BL本を買っているところを純に見られた。
ケイト
新宿二丁目で昼はカフェ、夜はバーをやっている店のイギリス人オーナー。レズビアン。
マコト
佐々木誠。純の初めての彼氏。行為の時は純に父さんと呼ぶ契約で出会った。四十過ぎの妻子持ち男性。
純の母
昼間はスーパーでパート社員として働き、夜は小さなスナックに出向いてホステスとして働く。
ミスター・ファーレンハイト
HIVの感染者。
高岡亮平
純のクラスメイト兼幼馴染。
小野雄介
亮平と仲が良いが純とはそうでもない。
佐倉奈緒
紗枝の腐女子仲間。大学生。
近藤隼人
奈緒の彼氏。大学生。
今宮くるみ
バスケ部の女子マネージャー。
小野の彼女
やたらめったらおっぱいが大きい。
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Posted by ブクログ
続編
大阪へ引っ越した先でのお話
登場人物が関西人になった事もあってかお笑い要素強めで、鬱々としたらパートも無く、爽やかな青春物語でした
最後の章は前作で登場したファーレンハイトのお話
大阪編とは180度変わって苦し過ぎる内容
違うのは友達がいたって事かな
と思いつつ引き金になったとは友達の反応
もちろん異性であったり、同性からの好意、異性からの好意、等の違いはあるし
そもそも友達、っていうか友達になり得たという感じかな
事があってからの時間ってのもあるし
前作で母さんが僕から父親を奪ったから〜という吐露がありつつ、今作では居ても〜、という事だったり
結局MECEでは片付けられないのが人間関係=人生だよね
答えが出ない、っていうか無い、てか人それぞれ
前作でなんとなく丸く収まった様に見せかけて
問題をふっかけてきた
作者には答えが出てたんだろうか
いや、出てないんだろうな
もっと読みたかったですよ
読み直して、「〜苗字しか入れてないの、ワザとだったりします?」の意味に気が付いてしまった -
Posted by ブクログ
多様性とは何か、人を認める、好きになるとはどういうことか考えさせられます。
多様性は私の最近のテーマです。
話すこと、そして聞くことはとても重く時に人生のターニングポイントになるのだと思います。
知らなかった自分には戻れないのですから。
ただ、時に自己開示しなければ得られないこともあるのだと思います。それには傷を伴うこともあるでしょう。
私は歳を重ねて、過去にもう少し頑張れば良かったなと思うことが増えてきました。
若い頃の私は頑張っても人に受け入れてもらえないことを酷く怖がり避けてしまいました。
誹謗を受けることが嫌だったのです。
人は自分が思っているよりもずっと優しいのかも知れない。
自分の殻を破ることを恐れないということを本書から教わってように思います。
よい本に出会いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「望むように育つ子しか愛さない親」、一番の不幸はこれなんだよ。前作でかなり重要だったファーレンハイトの過去編は辛すぎて咀嚼しきれないな。
誰が好きだろうと、どういう風に生きようが歩こうが、自分が自分に向ける感情葛藤、自分で自を追いつめたら落ちるところは一緒なんだな。自分で自分が気持ち悪くてしょうがなくなる気持ちもよく分かるしあるし。でもちゃんと抜け出せる答えがあって再会に登場する人物達は…ただ一人を覗いて…ちゃんと騒がしく進んでいくんだ。あとは直哉に幸あれ!
除くただ一人、暴走腐女子な後輩はあれだな、「年を取って感情思考にブレーキが利かなくなったわけじゃなく、最初からそう言う人」ってやつだな。そのまま順調に成長したら、ただの迷惑なおばさんで老人。