あらすじ
同性愛者であることを隠して日々を過ごす高校生・安藤純は、BL (ボーイズ・ラブ)好きの同級生・三浦紗枝の告白を受け入れ、付き合うことに。しかし、純には身体を許す既婚の中年男性のパートナーがいて……。純、紗枝を応援するクラスメイト、唯一純の苦悩を受け入れ共有してくれるネット上の友人「ミスター・ファーレンハイト」……周囲との軋轢の中、すれ違う二人が導き出した理想の関係とは? 決して交わることのない少年と少女が、壊れそうな関係を必死に守ろうとする姿を追う感動の青春群像劇。
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Posted by ブクログ
映画「彼女の好きなものは」を観て原作を見たいと思って読んだ。映画でもボロ泣し小説でもボロ泣き。
誰もが理解者のフリをして自分とは別の生き物のような扱いをしている。マイノリティをカテゴライズして世界を簡単にして理解したつもりになってしまう。
Posted by ブクログ
今年よんだ100冊以上の本の中で1番刺さった小説。
読んだタイミングも今日が1番よかったと思う。
本書はある高校生たちが『自分』と今後の『人生』に真剣に向き合い自分を受け入れていくお話。なんて簡単にまとめたけど、実際は一言じゃまとめきれないくらい、とてつもなく深い内容だなと感じた。
ゲイであることを割り切りつつ思い悩む高校生の心の動き。理解されることを半ば諦めつつ、でも希望も混じったそんな心の機微が本当に刺さった。
作中のゲイである自分のことを『卑怯なコウモリ』という例えをしたことには特に鳥肌が立った。
卑怯なコウモリは童話で、内容はこう。
その世界では獣と鳥の一族の争いが行われていた。コウモリは鳥にも獣にもいい顔をしていたが、争いの和平が行われた後、コウモリはどちらつかずで迫害されてしまう。
マイノリティな自分を受け入れてはいる。周りに理解されようとも思わない。だけど取り残されたような、違う世界の住人のような、そんな世界と自分に1枚の透明な壁をこしらえてしまうような、そんな感覚は、ぼくもよく分かる気がした。
ぼく自身、性的な趣向じゃないけど、どこか世界とずれた世界線で生きていると正直いうと感じているからだ。
理解してもらいたいなんてもうあまり思ってない。でも、完全に割りきれてる訳でもない。どっちつかずの存在。でも強く生きていきたいと同時に、理解されたい受容されて生きていきたいと 願う自分もいる。その矛盾に思い悩む主人公に自分が少し重なった気がした。
来年のぼくのテーマは『自立』『強みを生かす』だ。本書に、つよく背中を押して貰えたきがする。出会えてよかった本。ありがとう。
Posted by ブクログ
予備知識なし、完全にタイトル買いをした。タイトルと表紙のイメージから軽い話かと思ったが大間違いでゲイについて本気で深い所まで描いている。
ラストは爽やかで、読んでいて良かった。2作目があるようなので読んでみたい。
Posted by ブクログ
同性愛も一つの愛の形として受け入れる。この時代だから。
この時代だから。って言葉で丸め込むのが嫌いだ。じゃあ昔の人は?となる。苦しい人もいたんだろうな。
でも同性愛は気にしないってみんな言う。結局自分の保身のために。おれたちは認めている。そっちが隠しているだけ。と言うふうに逃げているだけ。
実際それを明かされたら、みんな気になってしまう。
気にせずなんていられない。
隠している同性愛者が気にしすぎ、悪い。って思うのではないだろうか。
結局は、おれたちは認めないから、隠し通せ。というのも1つの道かもしれない。
神様は腐女子なのかもしれない。
Posted by ブクログ
マジか、泣かされるとは思わなかった一冊や…しかもいい話、浅原ナオト様凄まじい。なんでこんなに人のことわかるんですか!これ読んで救われた人は僕だけではないはず
Posted by ブクログ
ミステリー以外で見事だと初めて思った。
複雑なホモの心情が100%クリアに記されている。言葉選びが難しかっただろうに、、すごい。
起承転結の鏡。
Posted by ブクログ
ホモの僕が、同性愛者であることに苦しみ、異性愛者になろうと奮闘するも、逆に自分は同性愛者なのだと再確認する結果になる。
性的な好きと、人として好きっていうのは伴っていないといけないのか。人として好きな人が同性だったら友達に、異性だったら恋人になるってのが今の世の中なんじゃないかなと思ってる。同性愛者の場合は逆。
社会学の授業で、性的なことと伴侶っていうのは別でもいいんじゃないかっていう話題があった。確かにそう思う。それはたぶん私が上記のような考えだから。家族が男と女の組み合わせじゃないとだめなら同性愛者の人は苦しい。なら、性的なものは家庭の外に求めてもよくないか?恋愛経験がないからこんな考えになるのかなあ、世間的にはおかしいんかなあ。
世の中を簡単にしてしまう、つまり人を簡単に分別して自分の分かりやすいように都合いいように解釈する。こういうことが世の中ではよく起こる。
あの人はホモだからこう。こんなことするのはあの人がホモだから。そう言ってしまえば私たちは安心する。その人自身を見てそれに振り回されるのが動揺するのが困惑するのが怖いから。その人の奥に触れたくないから。自分が把握できない分からないものがあるのが怖いから、自分が分かるように簡単にする。
けど主人公は自分自身を見てほしいんだと気付かぬうちに心の中で思ってる。それをしてくれる女の子が現れる。女の子が。
「俺たちは認めてる。お前らが勝手に隠しているだけ。そういう風に、責任逃れしたいだけなんじゃないか。俺たちは認めない。だからお前たちは隠せ。」
かっこいい言葉だと思う。いい人の振りをしない。自分の要求は押し通す。それが相手も自分も平和に暮らすためになると思っているから。
「たった一つの特徴を自分の全てだと思い込んで、本当の自分自身を見失っている。」
これはホモであることだけじゃなくどんなことにも言える。このマインドを持っとくことは、今後コンプレックスに押しやられそうになっても前をむく糧になると思う。
Posted by ブクログ
本屋でタイトルを見た時に、「これは読まないといけない(絶対におもしろい)」と思った。
読んでみて、こんな心を抉られるような、感情を揺さぶられるような、読みながら読むのがつらくなるくらいなのに読み進めずにいられない。
久しぶりにこういう小説に出会えてよかった。
あらすじを簡単に言えば、「同性愛者であることを隠している主人公の男子高校生とBL好きのヒロインの女子高生の青春ラブストーリー」なのだけれど、作中に出てくるように、例えば、物理の問題で「ただし摩擦はゼロとする」や「空気抵抗はないものとする」とあるように、世界を簡単に理解するために、カテゴリーにはめ込まないで欲しい。
ただ、読んでほしい。後悔はしないと思う。
Posted by ブクログ
お気に入りの本。
有識者であれば「え?」と思うタイトルも、後半できちんと説明されています。
自分が卑屈な分、素直な三浦さんはちょっと苦手。
なんとなく続編は読まない方がいい気がして、手が出せない。
Posted by ブクログ
タイトルにそもそもホモって侮蔑的な言葉が入ってるけど大丈夫?と読む前は思ってたけど、
全然そんなことはなくて、むしろ世間が思っている認識しているリアルを理解するためにあえてこのタイトルにしたのかもしれないと思った。
ラストらへんで安藤くんから三浦さんに対しての言葉でこの内容について回収されてて、
安藤くんが三浦さんに本当に自分をさらけ出して、これからも人間同士として大好きでいようという決意が見えた瞬間でもあった気がする。
三浦さんのスピーチの「彼は透明な壁を目の前に置いてて、この世界を壊さないように、自分がこっち側にいるようにしてる。彼は自分が嫌いで私たちが大好きなんです」辺りが本当にくらった。。。
わかろうとしてても他人のことは奥深くまでわかるものじゃないし、それでもただ単純にそのままありのままそこにあることを皆が当たり前と思うだけで、誰かが救われることもあると思う。
普通なんてどこにもなくて、自分の中の普通に自分が寄っていく
摩擦や空気抵抗をなくすみたいに自分を偽らない
難しいけど差別偏見をなくすには知識とリアルを知ることなのかなやっぱり、、
この話があまりに当たり前すぎてつまらんよねって言われるぐらい、皆が色んなことを知って普通の認識を変えられる世の中になって欲しいと本当に思う。
後書きのエンパシーの話も印象的でした。
映画も見たい!
Posted by ブクログ
作品名で買ったけど途中鳥肌立つくらい超絶面白かったしタイトルだけでは語れない素晴らしい内容だった
近年特にこう言った話題が取り上げられて自分も含めみんな綺麗事を吐いている。だけどいざ実際に同性愛者がいたら純くんがゲイってバレた最初の月曜日の亮平と同じ普段通りに見えるけどぎこちなくなるんだろうなって思った
だから小野が言ったみたいな同性愛者がコソコソ隠れる世の中なんだろうなとは感じた
口で言うのと行動するのは全然違うって改めて感じた
Posted by ブクログ
性に関する考え方とか、見方が変わった作品でした。同性愛者で普通になれないことを悩む純の深い言葉。BL好きで、ちゃんと同性愛者を理解しようとする三浦さん。純と同じく同性愛者で、純のネット上の友達ミスターファーレンハイトの言葉。どれも刺さるものがありました。
私は、同性愛者も、異性愛者も普通だと思います。人を愛するという点では全く同じだからです。ただ、「同性の方しか愛せない」、「異性の方しか愛せない」それだけの問題ではないでしょうか。それだけの問題に抵抗がある人が減り、誰もが自分が好きな人を自由に愛せる世界になることを願っています。
若者に読んでもらいたい
ドラマ版見逃してたので再放送見始めて原作よみたいと購入。ほんと王道青春小説です。とてもリアルなんだろうなぁとこの小説で描かれる現実をよく知らない自分は思ってしまうけど。
悪い人がひとりも出てこないのは出来すぎかと思うけど、いろんなことに悩む中高生にはぜひ読んで貰いたい。
10代ですべては決まらない、ありのままの自分でいいんだよと勇気づけられる作品です
Posted by ブクログ
同性愛者の安藤純がBL好きの三浦紗枝と交際し、その中で自分の性について葛藤し、自分なりの生き方を模索するお話。
本作品のタイトルである「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」。このタイトルを見た時、交際しても尚彼女のBLへの愛が止まらず倦怠期に入り、彼氏の純が思い悩むストーリなのかな、と思ったけど蓋開けてみると真逆。三浦目線の「彼が好きなものはホモであって私ではない」が正しいのではないか!?笑と思ったがまあ置いておこう。
本作では純と三浦以外にも魅力的なキャラクターが登場している。印象に残っている人物を挙げたい。まずは近藤さん。彼は異性愛者なのだが、ホモに対しての偏見を純に対して述べている。多数派からみる同性愛者に対する視点は純の性への葛藤を引き出すために必要悪な存在であり、近藤さんはその役割を果たしたのだろう。次にミスター・ファーレンハイト。純の数少ない同性愛者の友人で、時折知的なアドバイスをもたらす。彼の自死は同性愛者の生きづらさを全面に読者に伝えるもので、この作品の欠かせない存在だと言える。そして、小野である。彼はこの作品において異質な存在で、近藤さんよりも同性愛者に対して拒絶反応を示している。私は途中まで小野に嫌悪を抱いていたのだが、ディスカッションの中で「俺たちは認めない。だからお前たちは隠せ。」と主張したところでこのキャラクターの魅力に気づいた。多様性を全面に諾うこの現代で、無理やりマイノリティとマジョリティを共存させるのではなく、うまく棲み分けする方が大切なのではないか。現代の多様性に対してのアンチテーゼ的存在である。一方親友の亮平は純が同性愛者とわかっても彼に親身に対応する。彼の献身的な関わりがあってこそ純は立ち直れたのだろう。この小野と亮平のスタンスの違いはなかなか面白かった。
全員が全員亮平のように接することは出来ないし、かといって小野のように非人道的な対応をするのもはばかられる。同性愛者の接し方という問題はこれからも答えが見つからないのだろうなと思う。
最後に純と三浦に注視したい。彼らの関係は非常に興味深かった。まず純が勃たなかったシーン。このシーンによって「ただち○ぽこが、ち○ぼこがどうしても上手く勃ってくれない。」というセリフが生まれる。シリアスなシーンなのに笑ってしまった。勃つ「好き」と勃たない「好き」で分けるのはなかなか面白かった。そして純の同性愛が三浦にバレるシーン。BL好きな三浦でもリアルの彼氏がホモというのは受け入れ難いだろう。そもそも浮気だし。その後純が自殺未遂してもなお彼の傍にいると決めたのは強い女の子だなと思った。三浦さんが未成年の主張をするシーンもそうだが、彼女は行動力がある。その行動力で胸が熱くなったシーンも数え切れない。最終的に彼らは「男女関係としての別れ」を選択する訳だが、クイーンの例もあったように、2人は魂で繋がっているためこの先も関わってゆくのだろう。
最後の純の自己紹介のシーンが特に印象に残っている。2つの自己紹介を用意しておいて「決めた。あっちにしよう。「僕はー、、」」と終わる。ここまで読んできた読者にはどちらを選んだのか分かるようになっている。最後の純は同性愛者としての自分を愛してあげる選択を取り、自己の完成を目指している。
これは、「范の犯罪」に少しにいていると思った。理想の自己、本統の生活を目指す調和型の思想のようなものを感じ取った。読み終わったあとに、自分のありのままの姿を愛してあげようという気持ちになった。
*本作品において面白かったワードをいくつかピックしておく。
・ビタミンBL
・BL星
・ペニスが勃つ「好き」と勃たない「好き」
Posted by ブクログ
安藤純
同性愛者であることを隠して日々を過ごす高校生。帰宅部。
三浦紗枝
純と同じC組に所属する女子。美術部。BL本を買っているところを純に見られた。
ケイト
新宿二丁目で昼はカフェ、夜はバーをやっている店のイギリス人オーナー。レズビアン。
マコト
佐々木誠。純の初めての彼氏。行為の時は純に父さんと呼ぶ契約で出会った。四十過ぎの妻子持ち男性。
純の母
昼間はスーパーでパート社員として働き、夜は小さなスナックに出向いてホステスとして働く。
ミスター・ファーレンハイト
HIVの感染者。
高岡亮平
純のクラスメイト兼幼馴染。
小野雄介
亮平と仲が良いが純とはそうでもない。
佐倉奈緒
紗枝の腐女子仲間。大学生。
近藤隼人
奈緒の彼氏。大学生。
今宮くるみ
バスケ部の女子マネージャー。
小野の彼女
やたらめったらおっぱいが大きい。
Posted by ブクログ
結構前に映画を見て号泣し、いつか小説の方も読みたいと思いやっと読み終わりました。
だいたい映画の話と変わらないけどやっぱり映画では書けないところまで綴られていてよかったです。
単なるボーイズラブの話だけでないので共感できる人も多いんじゃないかな。
Posted by ブクログ
多様性とは何か、人を認める、好きになるとはどういうことか考えさせられます。
多様性は私の最近のテーマです。
話すこと、そして聞くことはとても重く時に人生のターニングポイントになるのだと思います。
知らなかった自分には戻れないのですから。
ただ、時に自己開示しなければ得られないこともあるのだと思います。それには傷を伴うこともあるでしょう。
私は歳を重ねて、過去にもう少し頑張れば良かったなと思うことが増えてきました。
若い頃の私は頑張っても人に受け入れてもらえないことを酷く怖がり避けてしまいました。
誹謗を受けることが嫌だったのです。
人は自分が思っているよりもずっと優しいのかも知れない。
自分の殻を破ることを恐れないということを本書から教わってように思います。
よい本に出会いました。
Posted by ブクログ
亮平、亮平のキャラはまんまBLにもいるな。いるいる。凄くいいやつ。高校生ってこんな感じだったなぁと、なんだか窒息しそうになりながら読んだ。「人間は、自分が分かるように世界を簡単にしてしまうもの。」何度となく出て来るこの言葉のために、感想を述べるのが難しい。リズム良く事件が勃発して、解決後はみんなで輪になって踊ろうぜなライトな一冊なのかと思ったら、ずっしり重くてぎっしり詰まった小説だったから。それぞれの気持ちを「なんかわかるー」では語ってはいけないし、語れないのだ。続編も読まないとね!
Posted by ブクログ
自分がゲイだった場合、そのことを周りに言えるのかと考えてみたが、そうできる自信がない。
それは周りからの目が変わってしまうと思うから。
主人公のゲイを隠しながら生きているときの心の声が苦しみを物語っている。
周囲が"普通"と話していることや、"当たり前"とされていることに対して、毎回葛藤しながらそっち側の世界の"常識"で生きていかなければならないのだから。
常識なんてないことを示してくれる一冊。
性についても深く考えさせられる。
Posted by ブクログ
主人公の葛藤が痛いほどよく分かって
心の奥底に眠らせていた古い記憶を抉られた
2度と読みたくないと思いつつ
数年後にまた読み返してしまうんだろうなあ
Posted by ブクログ
腐女子もセクシャルマイノリティも身近な存在(流石に親と同じ年齢の同性と不倫している人はいないものの)なので読んでよかった、と感じた
今までは同性同士の恋愛では片想いか悲恋で終わることが多かったが、この作品は悲恋でも爽やかなエンディングだったと思う
Posted by ブクログ
今までふざけたタイトルだなって敬遠してたけど、ぽんさんからおすすめされたので読んでみた。中学、高校の時に読んでたらきっともっと共感できる部分多かっただろうな…時代も私も変わったわ!
純は同性愛者だけど「奥さんと子どもをもって平凡な家庭を築くのが夢」で…それに対して、私はシンパシー(他人と感情を共有すること)はできなくても、エンパシー(他人と自分を同一視することなく他人の心情を汲むこと)は感じていきたいな!
Posted by ブクログ
読み終わりました。
三浦さんと安藤くん、この関係性が好き。
女性を好きになれず、年上の男性しか好きになれない安藤くんを、BL好きの三浦さんが受け入れようとしていく姿がとても良かった。
三浦さんと安藤くん、そして安藤くんの親友の亮平の三角関係も気になるところだ。親友の安藤くんの恋を応援しつつも、自分の恋も諦められない亮平の立場がとても切ない。
Posted by ブクログ
好意(友情ですよ!)を持っている年下の同性から、好きな本だからと貸してもらった本作。なので丁寧に読みました。すると開幕早々いかにもなタイトルのBL(しかも年の差教師生徒もの)作品を購入する女子高生が登場、度肝を抜かれました。その後始まる主人公と年上彼氏との逢い引きシーン…。
自分が隠れ腐女子なことをその子に見抜かれていたのか!?とビビリましたね。
主人公の語り口が赤裸々で、そこまで描写しちゃうの?と戸惑いながらも、だからこそ主人公の遣る瀬無さがヒリヒリ身に迫ってきて、主人公の現実の切実さを常に感じました。が、全体的にはとてもカジュアルで読みやすい文体。そのバランスが良くて最後まで読み通せた。
終盤の展開、主人公は始終「自分はフェアな手段を取ってない」と自覚してるんだよね。もっと甘えていいのにと感じつつ、それが許されないのが今の日本なのか…と反省。
とても爽やかな青春群像劇を読ませてもらいました。読後感はとても良いです!!
Posted by ブクログ
ネットで知って気にはなっていた本。書店で手に取りました。タイトルが独特ですね。
ライトに書かれているので青春の青臭さもありながら、性的マイノリティーについて深く思うこともありで、なかなか読みごたえがありました。わたしは読みやすかったと思います。
Posted by ブクログ
タイトルと表紙からイメージするよりも内容は重い。
新宿の本屋さんでBL本を購入している同級生(女)に偶然会ったのはゲイの僕。というところから話は始まる。
カクヨムで書かれていたものを書籍化したものらしく、ネット小説らしい文体で登場人物の中の幾人からの視点が変わりながら物語は進む。
QUEENの曲をキーワードに据えつつ進むので曲を知っている人にとっては物語の深さが増す気がする。
Posted by ブクログ
簡単には取り上げにくい題材。
だけど、LGBTQに関して、そしてQUEENに関してとてもとても興味が湧いた作品でした。
この本を見た後にちゃっかり、映画ボヘミアンラプソディ見ちゃった(笑)
学生だったとき、もしかしたら自分のクラスにカミングアウトしてないだけで、主人公と同じような気持ちだった子がいたかもしれない。今だって、周りに生きづらさを感じている人がいるかもしれない。
自分とは違う感覚をもつ人だからこそ、そういう人たちの視点で描かれたこの作品を見て知ること、得るものが多かったです。
何を言っても綺麗事にはなりますが、良かったと思います。
Posted by ブクログ
学びの多い本だと感じた。
中高生は、未体験の人が多いから、
セックスについてとても興味があるけれど、
わからないことがたくさんある。
悩んでいる生徒もいる。
「普通って何?」
他人に言えない悩み。
それがとてもよく書かれていて、共感できる。
前半の純の心の声は、笑ってしまうくらい面白い。
三浦さんは純粋で真っ直ぐで、
実らない恋とわかっているのに、
応援したくなる。
「僕は世界を簡単にしたくない。摩擦をゼロにして、空気抵抗を無視して、分かったフリをしたくない。」
死にたいと思う爆発的な感情や、
失恋の苦しさ。
自殺した友達の真相を知った時の衝撃。
びっくりして震えた。
思い返すと納得。
理解できない親と話すのは、「宇宙人と話しているようで疲れる。」なるほど。
#マイノリティ。
#LGBT #ホモ #ゲイ #腐女子
#イジメ問題。
そして転校。
三浦さんの表彰の時の演説は、勇気のいることで、かっこよすごい。そこまで言うんだ!と思った。
幼馴染の亮平が優しい。
この本は薄っぺらい恋愛の話ではない。
深く考えさせられる項目が盛りだくさん。
NHKでドラマ化された原作本。
ドラマを見てみたい。