【感想・ネタバレ】彼女が好きなものはホモであって僕ではないのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ホモの僕が、同性愛者であることに苦しみ、異性愛者になろうと奮闘するも、逆に自分は同性愛者なのだと再確認する結果になる。
性的な好きと、人として好きっていうのは伴っていないといけないのか。人として好きな人が同性だったら友達に、異性だったら恋人になるってのが今の世の中なんじゃないかなと思ってる。同性愛者の場合は逆。
社会学の授業で、性的なことと伴侶っていうのは別でもいいんじゃないかっていう話題があった。確かにそう思う。それはたぶん私が上記のような考えだから。家族が男と女の組み合わせじゃないとだめなら同性愛者の人は苦しい。なら、性的なものは家庭の外に求めてもよくないか?恋愛経験がないからこんな考えになるのかなあ、世間的にはおかしいんかなあ。

世の中を簡単にしてしまう、つまり人を簡単に分別して自分の分かりやすいように都合いいように解釈する。こういうことが世の中ではよく起こる。
あの人はホモだからこう。こんなことするのはあの人がホモだから。そう言ってしまえば私たちは安心する。その人自身を見てそれに振り回されるのが動揺するのが困惑するのが怖いから。その人の奥に触れたくないから。自分が把握できない分からないものがあるのが怖いから、自分が分かるように簡単にする。
けど主人公は自分自身を見てほしいんだと気付かぬうちに心の中で思ってる。それをしてくれる女の子が現れる。女の子が。


「俺たちは認めてる。お前らが勝手に隠しているだけ。そういう風に、責任逃れしたいだけなんじゃないか。俺たちは認めない。だからお前たちは隠せ。」
かっこいい言葉だと思う。いい人の振りをしない。自分の要求は押し通す。それが相手も自分も平和に暮らすためになると思っているから。


「たった一つの特徴を自分の全てだと思い込んで、本当の自分自身を見失っている。」
これはホモであることだけじゃなくどんなことにも言える。このマインドを持っとくことは、今後コンプレックスに押しやられそうになっても前をむく糧になると思う。

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2023年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルにそもそもホモって侮蔑的な言葉が入ってるけど大丈夫?と読む前は思ってたけど、
全然そんなことはなくて、むしろ世間が思っている認識しているリアルを理解するためにあえてこのタイトルにしたのかもしれないと思った。
ラストらへんで安藤くんから三浦さんに対しての言葉でこの内容について回収されてて、
藤くんが三浦さんに本当に自分をさらけ出して、これからも人間同士として大好きでいようという決意が見えた瞬間でもあった気がする。

三浦さんのスピーチの「彼は透明な壁を目の前に置いてて、この世界を壊さないように、自分がこっち側にいるようにしてる。彼は自分が嫌いで私たちが大好きなんです」辺りが本当にくらった。。。
わかろうとしてても他人のことは奥深くまでわかるものじゃないし、それでもただ単純にそのままありのままそこにあることを皆が当たり前と思うだけで、誰かが救われることもあると思う。
普通なんてどこにもなくて、自分の中の普通に自分が寄っていく
摩擦や空気抵抗をなくすみたいに自分を偽らない
難しいけど差別偏見をなくすには知識とリアルを知ることなのかなやっぱり、、
この話があまりに当たり前すぎてつまらんよねって言われるぐらい、皆が色んなことを知って普通の認識を変えられる世の中になって欲しいと本当に思う。
後書きのエンパシーの話も印象的でした。

映画も見たい!

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2022年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作品名で買ったけど途中鳥肌立つくらい超絶面白かったしタイトルだけでは語れない素晴らしい内容だった

近年特にこう言った話題が取り上げられて自分も含めみんな綺麗事を吐いている。だけどいざ実際に同性愛者がいたら純くんがゲイってバレた最初の月曜日の亮平と同じ普段通りに見えるけどぎこちなくなるんだろうなって思った

だから小野が言ったみたいな同性愛者がコソコソ隠れる世の中なんだろうなとは感じた
口で言うのと行動するのは全然違うって改めて感じた





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2022年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同性愛や性の問題について関心があったため見聞を深めようと購入。大変社会派の小説であり、現代社会のジェンダーの問題を糾弾し…
……嘘です。三浦さんとのセックスシーンが妙に生々しかったので仕事帰りにエンタメ小説が読みたくなり購入しました。

ともあれ青春群像の中に社会派小説の側面もあわせ持った作品で、冒頭に書いたような事もあながち間違っていないように思います。

本書で、最も私の心を打ったのは、ミスター・ファーレンハイトです。

彼とのチャットでのやり取りの数々はこの作品で最も印象深いシーンだったと思います。HIVキャリアとして純に様々な言葉を投げかけるお洒落なイメージのファーレンハイトとのディスプレイ上でのやり取りは、ちょっと忘れがたい本作のメインイメージを作っていたと思います(QUEENの曲も根底をなしているので、造詣が深ければもっと楽しめたのかと…作者が好きなのかな?)

それにしても、「ちんぽこが勃つ『好き』と、勃たない『好き』がある」は名言だったなぁ。

物語の終盤でミスター・ファーレンハイトの自宅を訪れ、彼が中学生だったことを知るわけです。年齢は幼かったとしても、HIVキャリアになった彼は、恋人との関係を通じて様々な思索を結び、思い悩んで、その結果として純に言葉をかけることができたと考えると序盤のシーンも感慨深いですね。

純くんのブログのハンネはやっぱりファーレンハイトなのかな?
(読後の方に訊いてみたいです)

そして、三浦さんと純くんは「ちんぽこ」が勃たなくても幸せになってほしかったのです。三浦さんはとても「強い女性」なのでそんなところを先回りして察して「自分から振った」のでしょうが…いつか純が自分と向き合えた時、晴れ晴れとした気持ちで再度、三浦さんと結ばれてほしいものです(この辺は意見が分かれそうですが)

物語中盤~終盤の青春群像は純粋に青春小説としても楽しめると思います(私は風呂でひとり泣きました…)

ネタバレに設定しているのでこの感想を読んでいる方は読後の方とは思いますが、再読したい、友人に勧めたい、すてきな小説でした。

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2021年01月11日

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