浅原ナオトのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年よんだ100冊以上の本の中で1番刺さった小説。
読んだタイミングも今日が1番よかったと思う。
本書はある高校生たちが『自分』と今後の『人生』に真剣に向き合い自分を受け入れていくお話。なんて簡単にまとめたけど、実際は一言じゃまとめきれないくらい、とてつもなく深い内容だなと感じた。
ゲイであることを割り切りつつ思い悩む高校生の心の動き。理解されることを半ば諦めつつ、でも希望も混じったそんな心の機微が本当に刺さった。
作中のゲイである自分のことを『卑怯なコウモリ』という例えをしたことには特に鳥肌が立った。
卑怯なコウモリは童話で、内容はこう。
その世界では獣と鳥の一族の争いが行われてい -
Posted by ブクログ
ネタバレドラマを観た後、前作を読み、その後映画も見ました。
なんかこの話が好きなんだよね。安藤純くんの醸し出す雰囲気がはかなくて。
なので本屋でこの続編みつけて、レジに行くまで早かったわ。「続編あるやんー!!」って心の中で叫んだわ。
安藤純くん、大阪に転校してからからの話。
最初にカミングアウトして、クラスにうけいれられる。そしたら隠れゲイの同級生、五十嵐明良がびびった。
明良のセフレで隣のクラスの九重直哉は、純をみて自分もカミングアウトする。
明良は無理。でも、その堂々たる純を正直一目惚れしてしまった。
高校生の明良はそれも処理できず、結局純に嫌な事を言ってしまう。
なんやかんやあって、最終的に二 -
Posted by ブクログ
2024年
鑑賞作品 No.4
《感想》
生きる意味や死ぬ意味、自分にしかない能力の意味を考えさせられる作品。
1話ごとに映画との関連があって、映画好きである自分にはたまらない。
人の死に触れたときや自分の死が近づいたときにもう一度読み返したい。
《印象に残ったシーン》
▼ 勝平が遥を担いで山を下るシーン
勝平かっこいい!
さすが海の男!!
こういう熱い人が人の心を動かすんだろうなあ…
《MVPキャラクター》
▼ サトちゃん(琴音の親友)
親友である琴音を一番よく知っていて人の心をわかる存在。
でも自分に対してもストイックで夢のために猛進する姿がかっこいい。
この作品で一番会ってみたいと -
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同性愛も一つの愛の形として受け入れる。この時代だから。
この時代だから。って言葉で丸め込むのが嫌いだ。じゃあ昔の人は?となる。苦しい人もいたんだろうな。
でも同性愛は気にしないってみんな言う。結局自分の保身のために。おれたちは認めている。そっちが隠しているだけ。と言うふうに逃げているだけ。
実際それを明かされたら、みんな気になってしまう。
気にせずなんていられない。
隠している同性愛者が気にしすぎ、悪い。って思うのではないだろうか。
結局は、おれたちは認めないから、隠し通せ。というのも1つの道かもしれない。
神様は腐女子なのかもしれない。 -
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ネタバレホモの僕が、同性愛者であることに苦しみ、異性愛者になろうと奮闘するも、逆に自分は同性愛者なのだと再確認する結果になる。
性的な好きと、人として好きっていうのは伴っていないといけないのか。人として好きな人が同性だったら友達に、異性だったら恋人になるってのが今の世の中なんじゃないかなと思ってる。同性愛者の場合は逆。
社会学の授業で、性的なことと伴侶っていうのは別でもいいんじゃないかっていう話題があった。確かにそう思う。それはたぶん私が上記のような考えだから。家族が男と女の組み合わせじゃないとだめなら同性愛者の人は苦しい。なら、性的なものは家庭の外に求めてもよくないか?恋愛経験がないからこんな考えに -
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本屋でタイトルを見た時に、「これは読まないといけない(絶対におもしろい)」と思った。
読んでみて、こんな心を抉られるような、感情を揺さぶられるような、読みながら読むのがつらくなるくらいなのに読み進めずにいられない。
久しぶりにこういう小説に出会えてよかった。
あらすじを簡単に言えば、「同性愛者であることを隠している主人公の男子高校生とBL好きのヒロインの女子高生の青春ラブストーリー」なのだけれど、作中に出てくるように、例えば、物理の問題で「ただし摩擦はゼロとする」や「空気抵抗はないものとする」とあるように、世界を簡単に理解するために、カテゴリーにはめ込まないで欲しい。
ただ、読んでほしい。後 -
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一言で言うと青春群像劇だ、と思った。
高校生・塚森裕太のカミングアウトがSNSという媒体を介して行われることから物語がはじまり、ネットワークを通じて、他者に波紋ように影響が広がる。本作の刊行された2020年(現代)の若者世代や環境がとても反映されている。
塚森裕太本人と塚森裕太に関係する人々・影響を受けた人々が悩み傷つき、もがいて前を向いていく様が青く瑞々しく痛々しく、それでいて力強い。
第五章の塚森裕太の当事者としての不安や苦しみからの自己否定。そこから再び自分自身を認められるまでの過程は涙を誘う。
願わくば、未来、LGBTがあたりまえのことになり、本作の書かれている物語が、「昔は