アンドレイサプコフスキのレビュー一覧
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ネタバレ群像劇。
伏線というほどでもないけど、物語のなかに散らばっていた人物たちと彼らの過去現在未来が絵画・書物・夢・本の世界を通じて収束していく巻。一気読みしてよかった。あんな人がこんなところでこんなふうに。
シリの能力の種明かし、戦争、運命の謎解き、ラスボス退治、戦後処理の政治と人種対立、と別の作品のような大きな構成が、物語の語られ方解き明かし方の横糸でつなげられている。
異世界転生的なのは好みではないけど、物語は時空を超えて語られるもので、それぞれに宇宙があるというのは好き。
最後に旅立って新しい世界へ行くのはお約束かな。
ポーランド版が1999年初版ということで、女魔法使いたちの描写にミ -
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アヴァラック!(待ってました!)
シリの苦難。
ゲラルトとシリには皇帝エムヒルと残虐な大魔法使いヴィルゲホルツによって幾人もの暗殺者が放たれている。
シリを追うゲラルトは旅の仲間を増やし、かすかな情報を頼りに前進し続け、やがてドルイドに示されたトゥサン国境付近の洞窟で壁画を描くエルフの賢者と邂逅する。
一方、シリは盗賊団の仲間を殺され、たった一人暗殺者の虜囚となっていたぶられ続ける。
ウィッチャー3のゲームの中でシリが大変な環境をくぐり抜けてきたことは語られていたけど、大半は幼少期をウィッチャーの修練で過ごしたことだと思っていた。そんなものがどうでもよくなるくらいこの巻でのシリの逃亡劇は -
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魔法剣士(ウィッチャー)ゲラルトを主人公としたファンタジー小説の第2巻。
前半は北方諸王国派とニルフガード帝国派に分かれた魔術師たちの抗争が描かれる。
ゲラルトとシリラはそこに巻き込まれて大変なことになっちゃうんだけど、ゲラルトおじさんの場合はその前に女魔術師たちとウハウハしてたから、全然同情できなーい(笑)
(それにしてもウィッチャーの女魔術師ってみんなえちえち♡)
後半は、同じく抗争に巻き込まれ、ぼっちになってしまったシリラの冒険譚が描かれる。
冒険譚といっても内容はかなり悲惨なので、ゲラルトのときとは逆に「シリラかわいそう(><)」って気持ちになっちゃう。 -
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ゲーム版は1,3とやっているが、1の内容はほぼ覚えておらず、主要キャラクターくらいしか馴染みがないので新鮮な気分で読めた。
話はゲーム版「Witcher 1」よりも以前の物語らしい。
物語はゲラルトとシリが出会った直後から始まり、ケィア・モルヘンでのシリの魔法剣士としての修行、イェネファーに魔法使いとしての修行がメイン。
それと平行し、ニルフガードが北方諸国への侵攻を画策し、それに対する諸国の策略が巡らされていく様子が描かれる。
この第一巻はあくまで序章に過ぎず、あまり物語は動かない。そのためこの巻だけでは多少退屈な出来なのだが、このウィッチャーの世界観、生態系、魔法のシステムなど、作者が -
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プレステでウィッチャー3をプレイしたのである。
人が多すぎ&当たり前のように説明なしで人名が出てくるので誰がどなたでなんとやら。シリとシリルって同一人物なの?状態だったので原作にトライ。
結論から申し上げれば、私が読むべきは先ず短編集であった。親切にも冒頭部分に短編集収録作品のあらすじ&人物説明があったので事なきを得る。
ゲームではスカしたイケオジ、犬に囲まれてすぐお亡くなりになるゲラルド先生だが、本を読めばそんな態度の裏に深いお考えがあることも少しわかる。うんうん、簡単に白黒つけちゃいかんよね。しかし彼女とうまくいかなかったからって彼女の友達とただならぬ関係になるのはお考えが浅すぎますぞ。ご -
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【あらすじ】
ウィッチャーシリーズにおいて時系列が最初の作品。ウィッチャーの冒険やイェネファーとの出会いを描く。
【感想】
ウィッチャーシリーズは完全に未見でゲームやドラマなどにも触れずに初めて読んだのがこの本。
一番最初に感じたのは世界観の飲み込みにくさ。説明などは一切ないし、ファンタジーものでよくある世界地図などもないので、フワフワした状態で話を読まねばならない。
また、オゾンの匂い〜などの化学用語が出て来たりおとぎ話を空想の話だと言う割には、魔法も怪物も出てくるので彼らの価値観がよく分からなくなる。
しかし、ストーリーの皮肉なテイストは思わずくすりと笑ってしまうし、一貫して登場人物 -
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ゲームから興味持ち原作読んでみたがこれは読みづらい。さも当たり前のようにエイダーンだのマハカムだのとわけわからない言葉が出てくる。そこがウィッチャー世界をより深いものにしている、フレーバーテキストなんだと思うが、くどいぐらい登場するので嫌になってくる。ゲームでも実際には登場しない地方についてよく語られるが、てっきり小説ではそこが舞台になるのだと思っていた。展開もかなり遅い。逆を言えば丁寧な進め方なのだが、あまりにも展開が進まないので退屈。会話も周りくどい言い回しや、知ってて当然と言わんばかりに過去の出来事が引き合いに出される。ソドンの戦いと何度も聞いたことか。訳者あとがきの方がずっと分かりやす
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Posted by ブクログ
魔法剣士ゲラルトと、不思議な力をもった運命の子シリの話。シリの成長物語。
家族からのクリスマスプレゼント本。「ファンタジーは、10代の主人公が、喋る人間外生物と一緒に悩んだりしながら頑張る話ばっかり」と言ってたら、ファンタジー&ゲーム好きの夫が「そうじゃないファンタジーがあることを証明する」と言って購入してきた。確かにそうだった。世界は暗い、登場人物は大人多め…甘酸っぱい若者特有の悩みに苦しめられてる人もいない…シリちゃんが清涼剤と言ってもいいかもしれない。
ただ、訓練シーン、戦闘シーンとかの細かい描写は、流し読みしちゃった。あと何故かシリちゃん含め登場人物ほとんどがなんか性に興味津 -
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ネタバレ種族入り乱れた政治と戦争の話だ。ゲラルトの言う中立は単なる傍観者というニュアンスではないようだ。綺麗事なのかもしれないが、みんなが憎しみや欲を捨てられたら戦争はなくなるのだろう。
シリが運命のために、周囲から命を狙われているのが不憫でならない。
イェネファーとゲラルトの間に「切望」があったというのは、「愛」よりも強い結び付きを感じて好きな表現だった。シリを守り育て導くことが共通の責任となり、表面的な諍いとは裏腹に深度は増していくように見える。
シリにとってイェネファーは魔法使いの先生であり、友人であり、姉のようでも母のようでもあったらいいな。
ドラマとリンクさせながら読んでしまうので純粋に小説