児玉敦子のレビュー一覧

  • 嘘の木

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    19世紀英国舞台のフーダニットミステリーでもありファンタジーでもあり、ジュブナイルもの。

    19世紀英国、フェイスは高名な考古学者である父親の仕事の都合でとある島に移住。
    大人しく目立たない存在であろうとするフェイスは、尊敬する父親の秘密と嘘と罪が暴かれるごとにその殻を破って、父親を殺した犯人を突き止めていく。また父親が隠し殺される原因となった嘘を食べて育つ木の正体は…?

    ・感想
    殺人事件が起こるまでは19世紀の厳格な家父長制描写とか主人公が父親を神の如く盲信してたりちょっとイライラもどかしく思いながら読んでたけど、父親が死んでから父親の呪縛と呪いから開放され殻を脱ぎ捨てたフェイ

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    2024年03月03日
  • 呪いを解く者

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    「誰にでも錨がある。」

    人はみなそれぞれに「闇」を抱えて生きている

    人はみなそれぞれに「怒り」を滾らせ生きている

    人はみなそれぞれに「恨み」を隠して生きている

    「恨み」が隠しきれないほどに大きくなったとき〈小さな仲間たち〉は善意から「呪いの卵」という贈り物をくれる


    「闇」に包まれ

    「怒り」に我を失い

    「恨み」があふれて

    「呪い」をかけてしまいそうなとき

    自分には錨があることを思い出せたら
    踏みとどまることができるはず

    「誰にでも錨がある。」

    あなたの錨は誰ですか?

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    2024年02月25日
  • 嘘の木

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    父の死の真相と嘘の木の解明をめぐるミステリー。
    YA向きです。もっと若いとき、できれば主人公と同じ年頃で読みたかったと思います。歳をとって読んでもこれだけ面白いのですから。

    ダーウィンの『種の起源』が発表された頃、まだ女性が自由ではなかった時代の話。
    女性たちとひとくくりにされながらも、登場人物たちがそれぞれの個性を活かしてしたたかなところがグッときました。
    自分にもし娘がいたら、読んでみて、と薦めたくなる本でした。

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    2024年02月21日
  • 呪いを解く者

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    ★5 呪いに影響された世界を救うため旅にでた少年達… 闘いの果てに得た善悪の答えは #呪いを解く者

    ■あらすじ
    湿地と森で構成される原野が広がるラディスが舞台、この世界ではクモに似た小さな仲間によって、人に呪いをかける力を得ることができる。少年ケレンは呪いを解くことができる特技を持っており、かつて鳥にかえられてしまっていた少女ネトルと旅を続けていた。
    呪い人が許せない二人は、呪いに犯された世界を救うために冒険を続ける。果たして呪いはなくなり、人々は幸せになれるのだろうか…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    こりゃまた、すごい物語だわ…
    今までに想像したこともなかった世界につれてってくれる。いつ

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    2024年02月10日
  • 呪いを解く者

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    ネタバレ

    人を呪う
    それほどまでの恨み辛み、そして悲しみ
    呪縛を解き放つための赦しもまた、人の心で
    幾重にも積み重なった重いテーマを、小さき二人に背負わせる
    指先のかじかみ、節々の痛み、飢え
    彼らの痛みは痛烈で今作はまた一段と凄まじい超弩級のダーク加減
    最終的には解いた糸が繋がりを持ち始める
    これまでにない没入感
    なんという作品だ

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    2024年01月10日
  • 影を呑んだ少女

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    ネタバレ

    今月は色々とあり、なかなか読み進めるのが難しかったのですが。

    この作品と出会えた事は縁なのだろうと思います。

    死者の魂を住まわせることが出来る一族の少女の物語は胸打つものがありました。

    人は必ず逝くべき所へいかなくてはならない。
    その事を改めて考えて、生きていかなければいけないですね。

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    2023年09月30日
  • カッコーの歌

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    ネタバレ

    フランシス・ハーディング、一気読み。一番面白かった!次点で「嘘の木」かな。
    本物でない偽トリスが主人公。自分が本物と思っていたのに、いきなりアイデンティティが壊された偽トリス(トリスタ)。記憶も自身の身体も借り物だと知ってもなお、それでも私は生きている!と、命ある限り本物のトリスを助けようとする。借り物であるがゆえに、いびつな家族関係を客観的に理解し、父親ピアスにはっきりと意見をいうところは良かった。
    最後は偽トリスが儚く消えて終わりかと思いきや、しぶとく生き続けるラストも意外で良かった。第一次世界大戦後、信仰への揺らぎ、女性の社会進出など、今までの価値観がすべて覆され、自分たちも変わりつつ、

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    2023年09月09日
  • 嘘の木

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    【嘘の木】という不気味で謎な植物が謎を解くキーとなっていてダークな雰囲気が漂う物語。
    女性は表舞台に立てず、知識を持っていると奇異な目で見られた時代。好奇心旺盛で知識もある少女・フェイスは鬱屈としていた。そんな彼女だからこそ秘密裏に行動して真相に辿り着けたのだから胸がすく。

    少女が大人の目を掻い潜って謎に迫るハラハラ感が面白くて彼女の成長する姿がYA文学ならではでとても良い。
    フランシス・ハーディングの他の作品も読んでみたい。

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    2023年07月28日
  • 嘘の木

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    登場人物はみんな名前で呼ばれるので、最初の方は誰が誰の父で母で子なのか混乱するが、読み進めていくと意図的にそうしていることがわかってくる。みんな父や母や子である前に一人の人間で、独立した考えを持っているし、必ずしも「正しい」面ばかりではない。
    大人や社会が押し付けてくる「こうあるべき」に疑問を持った思春期の女の子が、危うい橋を渡りながら、自分の生き方を探っていく話。

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    2023年07月03日
  • 嘘の木

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    こんなに贅沢な児童文学もないものだと感じ入りながら、読み応えのある物語を堪能しました。文学小説家としてもフランシス・ハーディングさんは天性の才能を持っている方だな思っております。

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    2023年06月14日
  • ネイサン・チェン自伝 ワンジャンプ

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    ネタバレ

    北京五輪男子シングル金メダリスト・ネイサンチェンによる自伝。

    普段のインタビューも紳士かつ真摯そして頭脳明晰(ゆえにやや速い英語)なネイサンが綴る自伝はその性格から来る落ち着きとアスリートとしての情熱を存分に感じられました。

    小さいころから五輪を目指し一家が(特にお母さん!すごい!)ネイサンのために協力し合って金メダルに辿りいたときにはこちらも「やったね!」となり、北京五輪当時を思い出しました!

    読んでいて馴染みのある方々のお名前も出てきたりしてそれも興味深かったです。

    これからのネイサンもネイサン自身が信じる道を邁進していくことを願っています。

    ※KADOKAWAさんのキャンペーン

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    2023年05月17日
  • ネイサン・チェン自伝 ワンジャンプ

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    芸術の側面のあるスポーツを行うフィギュアスケーターとしては珍しくかなり理知的で論理的な方なので、文章もわかりやすかったです。どの試合でどういう状況でどんなミスをして、、ということをきちんと覚えているのがすごいです。
    彼のように賢く理知的な人でも、北京五輪の直前はコロナ禍や五輪への不安で眠れなかったと吐露しているところが印象的でした。ただ彼のすごいところは、こうした不安が起こることを受け止め、時に専門家のアドバイスをもらいながら、そのアドバイスを自力で取捨選択し、自分にとっての最適な不安への対処法を見つけて実践しているところです。
    体操をやれば選手コースに誘われ、スピードスケートのコーチにもスカ

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    2023年04月01日
  • 嘘の木

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    前半は、鬱々として、うーん辛いと思いつつ進んでいくと、途中からの主人公フェイスの脱皮で、物語は凄みを帯びてくる。
    そこからは怒涛の展開で、ラストは涙した。
    ファンタジーでありミステリであり、ダークヒロインの物語であり、少女の成長と勇気の物語である。
    とても好きだった。読み返すと思う。

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    2023年03月21日
  • カッコーの歌

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    ネタバレ

    ファンタジー小説は自由でいてほしいと思う。

    現実を忘れ、物語に没頭すれば、そこに広がるのは、私たちが知らない世界だ。

    この物語はある一家の物語であり、そこへ紛れ込まされたカッコーの少女の物語だ。

    読み終えるまで、私は彼女と共に冒険をした。
    とても楽しい旅だったと記しておきたい。

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    2022年12月06日
  • 百十三代目の司書見習い

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    そんなことする?という展開は、まさに海外ファンタジー。日本で同じことをしたら、常識がないとか迷惑かけるとか、人のことばっかり気にしちゃうけど…ほんと外国文化を感じる…!
    迷惑かけられても、外国文化では後を引かないのかな。日本だとネチッこく覚えてるものだよな。ストレス溜めず、案外生きやすい文化なのかも。

    後半から徐々に面白くなってきて、最後の展開もなかなか臨場感があり楽しかった。
    文章から情景を思い浮かべるのは、やや難しかったけれど。映画化されたら面白いと思う。

    翻訳書を久しぶりに読んだけれど、こんな感じだったかなぁ…。直訳とは言わないけど、たぶんこんな単語を訳したのかな、という箇所がちらほ

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    2026年01月01日
  • 嘘の木

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    女性は男性より劣り、教育も受けられず、財産も受け取れない時代。抑圧から逃れようともがく少女。という設定。ありふれた設定だが、ミステリー部分がいい。父親の秘密と動機のうまさが印象的。
    少女は成長し、母親を理解し、共感できるようになる。

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    2025年12月25日
  • 影を呑んだ少女

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    面白かったです。ハーディングは大人が読んでも面白いです。
    困難に立ち向かっていく自己形成小説が特徴であり、今回も少女の冒険活劇だったけれど、舞台設定とキャラ設定が秀逸。
    ピューリタン革命前の1634年頃のイギリスの激動の時代に、霊を憑依させた上、共存するという不気味で奇抜なアイデア。
    10歳〜15歳。人生経験も少ないし味方もいない天涯孤独。
    どんな能力をもってしても、一人ではか弱いほんの子供だけれど、メイクピースはたくましく大胆に周到に準備していく。生き残るために誰を信じて共存するか?
    そのあたりも見守っていたくなる。

    ピューリタンであろうがプロテスタントであろうが、王党派であろうが、議会派

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    2025年11月14日
  • カッコーの歌

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    ネタバレ

    読みやすく、面白かった。
    クレセント家は異常だが、そうでもしないと受け入れられなかったのだなと推察することはできる。
    いい子でいないといけないトリスとトリスのストレスのはけ口となったペン。
    ペンは子供らしい子供だった。

    「ケーキみたいに切りわけて、きらいなところだけ捨てるようなわけには行かないの」
    自分の思い通りになる家族なんていないよなと改めて感じた。

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    2025年09月15日
  • 嘘の木

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    ファンタジーであり、ミステリーであった。
    児童書であり、歴史書であり、伝記であった。
    そして小説であり、自叙伝であり、哲学書であった。

    これが児童書なのかと驚いた。様々な側面を持つ、何とも読み応えのある本。
    翻訳本特有の読みづらさも少ない。
    文庫本なのに1200円もするだけはある。

    女性の権利があまりにも低く、読んでいるだけで嫌気がさすような差別を受ける中、それでも強く自分の信じた道を歩く女性が沢山出てきた。
    序盤、話の中心は男性だったが、後半になるにつれてその舞台には多くの女性が台頭してくる。真っ直ぐにそれぞれの自分の信念を貫く母娘、どちらの気持ちもわかってしまい胸が苦しくなった。

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    2025年07月29日
  • ささやきの島

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    死者の魂を乗せる船の渡し守を父に持つマイロは、父から「お前は渡し守に向いていない」と言われ後を継ぐのを諦めかけていた。ところがある日、死んだ娘を生き返らせようと領主がマイロの家にやってきて、父を殺してしまい、マイロしか船を出せなくなった。父から教わったことを思い出しながら、マイロは初めての渡し守としての務めに出る。

    静かな語り口の物語で、言葉が心に染み込んでくるようだった。逃走劇であり、争いや葛藤もあるので動的なシーンはいくつもあるのだけど、印象はとても静かで凪の海のような物語。

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    2025年05月17日