児玉敦子のレビュー一覧

  • 嘘の木

    Posted by ブクログ

    時代背景をよく表した本であると思った。
    当時の女性は、こうあるべきだ、といったものがとても強かったのだろう。
    そして、そのように生きなければ生きられないくらい厳しい時代だったのも事実。
    だが、そんな中でも少数派として生きていく人は、誰かに共感してほしく、どうにかして自分を貫いて、表には出ない形で活躍していく。
    主人公の周囲を考えないで突き進んでいく行動力はよくもあり、悪くもあるが、こうあるべきだ、という概念が強すぎる時代には必要なのかもしれない。
    今の比較的自由な価値観を持つことが許されるようになった時代の前には、数々の苦労があったと思う。その苦労があったからこそ、今の自由があるのだと感謝して

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    2023年04月19日
  • 嘘の木

    Posted by ブクログ

    不思議な読後感。
    おもしろくて、ページをめくる手が止まらない!
    というわけではなく、どういう着地をするのか、
    気になって最後まで読んだ、という感じ。

    嘘を与えると成長する木、という、途方もない設定なんだけど、関わる者みんながそれに取り憑かれ、
    信じてしまう。そのことにそれほど違和感を感じなかったのは、それだけこの作者に筆力があったからだろう。

    主人公の少女は完璧なヒロインではなかった。
    悩み、時に卑屈になり、親の愛情に疑問を持ったり飢えていたり。かと思えば、この時代に似つかわしくない大胆さで意見や行動をする。
    世の中の多くの少女が持つそんな特性に、読んでいて共感する部分も多いかもしれない。

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    2023年03月03日