池上彰+「池上彰のニュースそうだったのか!!」スタッフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キリスト教、イスラム教、仏教の世界三大宗教の概要、日本における神道や仏教の成り立ち、カルト宗教や政教分離から宗教法人による脱税等の社会問題まで、宗教について広く浅く書かれている。それぞれの宗教の教義や概念を深堀るというよりは、イスラム教徒による自爆テロや、キリスト教福音派とリベラル層によるアメリカ社会の分断、日本における宗教法人の売買等の社会問題に焦点を当てて解説されている。例えばイスラム教のジハードは、テロリストの都合が良い解釈であると書かれているが、事象面が書かれてるだけで、それが起こるに至る原因や本来の教義との整合性や矛盾等は浅く触れる程度であり、自分の知識をアップデートさせるには物足りなさを感じた。
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Posted by ブクログ
池上さんの本はどの本も分かりやすく、基本を学ぶには良い教材だと思います。
イスラム教、ユダヤ教について初めて知る事もあり興味深く読みました。
が、この本だけを読むと、パレスチナ問題に関してイスラエル側に肩入れをしているような印象を受けました。ハマス=テロ組織 としてのみ認識されてしまい、更にその根底に何があるのかについてもやんわりとした表現しかしておらず、物事の本質が誤解される恐れがあると思います。
私はこの本を読む前に、岡真里さんの「ガザとは何か」を読んでいた為、この本の内容には違和感を感じました。まだ読んでいない方はこの本を読んで満足するのではなく、パレスチナ問題の本質を知る為に、「ガザとは何か」をぜひ、いや必ず読んで欲しい。
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Posted by ブクログ
最近、改めて勉強が必要だと感じている。
知ったつもりになっていても、実は知らないことばかり。
同じニュースであっても、その背景を知らないで聞くのと、背景を知って聞くのとでは、その理解度が大きく異なってくる。
ニュースをただの事象として捉えるか、歴史という一本の線として繋げて見るか。
ほんの少しの違いかもしれないが、世界は大きく変わって見える。
ビジネス視点で捉えても、正しい判断をしていくためには、解像度を上げていくしかない。
特に私が関係しているエンタメビジネスは、国内だけを見ていたら当然頭打ちで、世界に展開を広げる必要がある。
地政学もだが、各国の文化や歴史、価値観を知ることは、ビジネス面では特に重要なことだ。
改めて、日本という国の立ち位置が、これほど緊迫していることがあっただろうか。
戦後、奇跡的に平和な期間が長過ぎて、「平和ボケ」になっていると揶揄されても仕方がない。
事実、アメリカの庇護の元で、隣国から攻撃される可能性もほとんどなく、経済復興に全振りできたのは、幸運だったと言わざるを得ない。
そんな日本国が今、2つの大国に挟まれて、微妙な状態にある。
今の世界を動かしているのは、間違いなくアメリカと中国だ。
日本はもはや世界に影響を与える国家とは言えない。
むしろこの2国の間に挟まれ、ものすごい緊張状態だと言ってよいと思う。
もちろん、周辺に位置するロシア・北朝鮮の動向だって気になる。
中国が台湾に対してどう出てくるか次第で、これからの情勢は大きく変わる。
中国からすれば、台湾と日本が太平洋への出口を蓋しているような状態なので、どうにも邪魔でしょうがない。
台湾と日本がなければ、太平洋の半分は中国の自由になるかもしれない。
単なる領土の拡大欲だけで見てはいけない。
今の中国を突き動かしているのは、強烈な使命感だ。
その根底として「中華民族の偉大なる復興」という、大きな野望がある。
日本は江戸時代から明治期にかけ、たまたま欧米列強の植民地にならずに、国内の近代化に進むことができた。
しかし中国には、19世紀のアヘン戦争以来、西欧列強に蹂躙されてきた「百年の国恥」を晴らしたいという、民族的な執念とも言えるものが潜んでいる。
中国共産党にとっては、経済大国になることが目的ではなく、それはあくまでも手段に過ぎない。
彼らが真に求めているのは、アメリカが作り上げた既存の国際秩序の置き換えである。
かつて世界の中央に君臨していた「中華」の地位を取り戻すことが、本当の目的と言える。
そんな中で今、アメリカの背中が見えてきて、世界のトップに返り咲くのもあと少しだ。
経済発展だけでなく、最先端の科学技術でも世界をリードすべく、野心的な計画を次々と打ち立てている。
一方、その足元には危うさも漂っている。
不動産不況を皮切りに、経済発展は急ブレーキがかかっている。
日本以上に急速に進む少子高齢化も大きな懸念点となっており、一般の若者たちの失業率も異常に高い。
格差社会の犠牲者となっている人々の不満が、いつ噴出してもおかしくない状況でもある。
習近平政権が独裁体制で当面続くことは間違いないが、その状況は盤石とは言えない。
そんな中、どういうパワーバランスで舵取りしていくのか。
独裁者の思考回路は、先進国の各首脳が考えている以上の時間軸で物事を見ている。
世界の覇権奪回を目論んでいることは間違いないが、決して急いではいない。
テクノロジーの進化によって、自身の寿命さえも延ばすことが可能になってくる。
永遠の命は、永遠の権力を示すことでもある。
「永遠」は言い過ぎかもしれないが、少なくとも中長期で情勢を見ているのは間違いない。
そんな中国に対し、我々が目先の利益だけを見て、浅はかな判断をしないことは非常に重要だ。
日本はどうやって今後アメリカと連携を取っていくのか。
アメリカの動きは当然注視しなければいけない。
かつては「世界の警察官」として、自由と民主主義という正義を世界中に広めようとしてきた。
しかし、今その力には明らかな陰りが見えているという。
今の我々が理解しておくべきことは、アメリカ国内で「なぜ自国の若者の血を流してまで、遠い他国の平和を守らなければならないのか」という不満が限界に達していることだ。
これが「アメリカ・ファースト」の背景にあるという。
この潮目を我々はどう読むか。
つまり、万一台湾有事が起きた際も、アメリカが最前線に出て守ることは、考えない方がよいということだ。
これは、ウクライナの支援状況を見ていても容易に想像がつく。
台湾有事は、イコール日本有事。
日本がピンチになった際に、我々以上にアメリカ軍が最前線に行くことはあり得ないということだ。
あくまでも日本の国は、我々日本人が守らなければいけないという、至極当たり前のことなのだ。
しかし、アメリカが全くの傍観者でいるとは到底思えない。
アメリカは、コストがかかりすぎる「世界の警察」という役割からは、確かに降りたがっている。
しかし、それは「覇権を捨てる」という意味ではない。
アメリカにとっての覇権とは、ドルという通貨や、インターネットのルール、軍事的な優位性を握り続けることだ。
これらを失うことは、アメリカという覇権国家の崩壊を意味する。
だからこそ、覇権を奪おうとする中国に対しては、超党派で徹底的な封じ込めを行おうとしている。
「警察官のバッジ」は返したいが、「支配者の椅子」からは立ちたくない。
この矛盾した態度が、世界をより不安定にさせている正体とも言える。
こうして考えただけでも、日本がとるべき行動を一様に決めるのは非常に難しい。
相手の出方によって柔軟に考える必要があるし、その駆け引きの妙で、有利不利が大きく影響する。
本書が説いているのは、知識を詰め込むことの重要性では決してない。
ひとつひとつのニュースを、歴史という大きな文脈の中で眺めてみることだ。
データの断片をただ収集しても、それはインテリジェンスとは言えない。
その情報を価値あるものにするためにも、背後にある原因を、歴史を遡って探り当てる。
そうすることで、初めて情報の解像度が高まってくる。
日々仕事をしていると、どうしても目の前の問題解決にだけ追われてしまいがちだ。
表面的な現象だけを見て判断を下すのではなく、その根底にある本質を探ること。
そういう癖をつけることが、これからの不確実な時代を生き抜く術だと思っている。
学び続けることで、物事を見る解像度を高めていきたい。
(2025/9/15月) -
Posted by ブクログ
中東旅行に向けて、時事問題の理解を深めるために購読。
主な内容はパレスチナ問題の歴史と現状で、説明が分かりやすかった。
他のイスラーム文化や政治に関する本と比べてイデオロギー色が薄く、できるだけニュートラルな筆致で書かれているため、読みやすかった。
個人的には、イスラームの婚姻制度や男女関係に関する記述が興味深かった。
例えば、女性は非イスラム教徒との結婚ができず、結婚する場合は相手がイスラム教に改宗する必要があるという。また、イスラム教への改宗は非常に簡単で、それが信者数増加の一因にもなっているとのことだった。
中東問題全体については、為政者による体制維持や第三国の経済的利権獲得が優先され、政治情勢が複雑化し、結果的に人民の幸福が損なわれているような印象を受けた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昨年(2024)末に本屋さんで見つけて、タイトルに惹かれて買ってしまいました。確かにこの本に書かれている内容を、20歳の時に知っていたら、人生が変わっていたかもしれないな、と思いながら。
戦争はしない方が良いとは思いますが、舐められないためにお軍事力は必要、一目置かれるには経済力も必要、どの国も真似から入る、ただずっと同じことをするか、改善を加える努力をするかで、その後の人生が変わってくる。国も個人にも通用する法則であることを、この本を読んで痛感しました。
以下は気になったポイントです。
・ロシアは「特別な軍事作戦」を始める直前、独立を宣言した「ルガンスク・ドネツク人民共和国」を国家として承認し、それぞれぞれと有効相互援助条約を結んだ、この2つの国がウクライナから攻撃されロシアに助けを求めてきたので「助けてあげましょう」というのがプーチン大統領の理屈である(p40)
・国連加盟193カ国のうち141カ国は、ウクライナからの即時撤退の賛成をした、反対は5カ国、危険は35カ国、これは他国を侵略することは絶対に許されないという国際社会の相違を示すものである、ウクライナがNATOに加盟していれば、NATO即応部隊や加盟国の軍隊がウクライナ軍と共同で戦ってくれるが、加盟していないので戦うのは難しい、条約上、非解明国を防衛する義務はないから(p46)
・12海里(22キロ)は領海、24海里は接続水域、200浬以内は排他的経済水域(EEZ)といって、自分の国だけが経済活動(魚をとる、石油を採掘するなど)ができるというもの、その外海は公海である(p61)
・台湾を独立させたくない理由として、中国には5つの自治区(内モンゴル、寧夏回族、新疆ウイグル、チベット、広西荘族自治区)に飛び火してしまうのではないかと恐れているからかもしれない(58)
・2003年にアメリカはイラクを攻撃するためにアフガニスタンからイラクへ兵士を移動させてアメリカ軍がほとんどいなくなった、そしてタリバンが復活した、アメリカ国内でも批判が高まり、2020年トランプ大統領は撤退を宣言した(p133)タリバン、アルカイダよりも残虐なイスラム過激派組織が自称「イスラム国」、元々アルカイダに属していたが、破門されて独立した組織である(p135)イスラム国は、将来的には、中東・西アジアに加えて北アフリカから欧州南部(スペイン、ポルトガル)まで考えている(p167)
・独裁体制は、自由はないか、あっても限られた範囲内の自由しかないが、利点としては、民主主義のように、さまざまな考えや対立する意見を持った人たちの話し合いによって物事を決める必要がないので、決めるのが早く、すぐ行動できる(p191)
・共産主義は全ての財産をみんなの共有とし、貧富の差を無くそうとした世界を作ろうとする考え方で、この理想に向かって進んでいこうとする組織が共産党、ただすぐには実現できないので、それまでは国が財産を管理してみんなを平等にしていこうというのが社会主義、共産主義に向かう途中の段階である(p194)
・中国の「社会主義市場経済」は、市場経済でいい、どんどん金儲けしてください、その代わり、共産党の言うことを聞きなさい、と言うことである、中国共産党の指導に従うことを条件に、自由な経済活動を認めた(p205)
・中国が巧みだったのは、新製品が出たらコピーを作って新技術を学ぶだけでなく、たくさん売るために、単なるコピー品にはない、独自の特徴や機能をプラスしたこと、その工程を繰り返すことで技術力がアップし、品質の高いオリジナル商品を生み出せるようになった(p208)
・アメリカでは、現役兵士と、その家族は医療費や保険料が無料になる、アメリカでは医療費が非常に高いので、医療費と保険料がタダというのは大変は好条件である、また学費免除の制度(奨学金支給)や、アメリカ軍に入るとアメリカ国籍がもらえるというのもある(p249)
・軍事費、兵士の数など50以上の項目を総合的に評価した軍事力ランキングでは、日本は142カ国中で5位(アメリカ、ロシア、中国、インド、6:韓国、フランス、イギリス、パキスタン、ブラジル)に入っている(p262)
・北朝鮮が最近開発しているのは、弾道ミサイルでなく、極超音速ミサイルで、不規則な動き方をしながら飛んでくるので、撃ち落とすのはかなり難しい、今の日本の迎撃ミサイルシステムでは対応しづらいということで非常に大きな問題になっている(p322)
2025年1月12日読破
2025年1月12日作成