安東みきえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大人向けか児童書かちょっと迷う、姫や王子の童話集。
なんかみたことあるようなカケラがいっぱいの童話風だけど、安東みきえ節。
おいぃぃ!とか、えええええ!?とツッコミたくなることしきり。
ちょっと受け狙いすぎる部分もあれば、思いがけず吹き出してしまう部分もある。
たとえば「きみの予言」の女王の死因(馬からおちたところを鹿に蹴られてあっけなく)。こんなむごい死にかた見たことねえや!
最後の話だけ毛色が違う気がしたけれど、この話だって他のアホな話と同じくらい馬鹿げてるってことなのかな。
ひとつひとつがつながらない話たちだけど、全部まとめて一冊の本。
「おめざめですか、お姫さま」の冒頭、朝起き -
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた表紙。装丁を見るとセキユリヲさんでした!YAにもこんなおしゃれな装丁の本が出てきたのか~と感慨深い。嬉しいよね、私が中学生だったら、こういう本、小脇に抱えていたい。
家族や友達同士の会話が好きでした。「見えないってことはいないってことにはならない」「おまえの幸福を願っているものたちが、いつもそばにいる」というおじいちゃんの言葉が生きるように、全てのお話がファンタジー。と思ってしまうのは、大人になったからか。小さな頃は不思議な世界に生きれていたのかな、いや、そんなこともないか。私は「千と千尋の神隠し」の始まりと終わりの空気、言うなればたそがれどきのようなあの感じがとても好きな -
Posted by ブクログ
感じやすいものの、どこにでもいる普通の女の子12歳の灯子の1年を、彼女を取り巻く6人の人達とのふれあいを絡めて描いた佳作。灯子が特別な誰かじゃなくて、読む人それぞれが自分を投影できる女の子と描かれていて、初恋や友情や人間関係に悩み迷い傷つきながらも、自分を見失わないところがすごく良かった。 各話とも必ず不思議な体験に遭遇し、立ち竦む灯子の手助けとなるのもいい感じ。この年頃の少女ゆえのスペシャルなのかな、なんて思ったり。 大人が読むと、ちょっとご都合主義的に感じてしまうところもあるけど、思春期の青少年(あ、特に女の子ね)にこそ読んで、感じて欲しいなと思う作品だった。 初めて安東作品を読んだんだ