あらすじ
いつかどこかの国の、王や王女たちのお伽話集。まじめで滑稽でおろかな彼らをシニカルに描く―――何かを気づかせてくれる七話。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
むかしむかしのお話集。
タイトル通りアホな人たちがいっぱいだが、さて身につまされる所がないかというと、他人のことをアホだと笑ってばかりもいられない。
好きなのは「ウミガメの平和」と「呪われた王子たち」。
ラストを締めくくる「木霊の住む谷」は他のお話とは違って、優しい嘘が切ない。
Posted by ブクログ
安東さんの本は2作目。「頭のうちどころが悪かった熊の話」がおもしろかったので。7つのお話が入っていて、笑えるのから、少しせつないものまで全部よかったです。特に「バカなんだか利口なんだか」「呪われた王子たち」「木霊の住む谷」が好きでした。
Posted by ブクログ
「命あるもの、いずれ死ぬのはこの世のおきて。そんなことはみんなわかっとる。それでも愛する者の死が悲しいのはなぜだかわかるかな?」
と、ヒゲをなで、
「どれほど愛していても、それを伝えることが二度とできない、そのことがたまらなくつらいのじゃ」
なるほど。
Posted by ブクログ
いろんな国のお姫様や王子様やその他もろもろがつまったおとぎ話の短編集。
客観的な口調で淡々とおもしろおかしく語られる。
ちょいちょい本物(?)のおとぎ話が挟まれるため、その出所を考えるのも楽しい。
でてくる登場人物がどこかネジが足りなかったり。
言い回しの巧妙さや言葉遊びが随所にみられる。
最後の話だけはちょっといいお話。
Posted by ブクログ
安東みきえさんは、教科書のみに書かれている短篇が二作あるそうなのだが(「そこまでとべたら」と「星の花が降るころに」)、私の学生時代より、遥かに新しい年代だったので、知らなくて当然といえば当然。
しかし、本書を読んだ後になると、それが読みたくてたまらなくなり・・要するに、こんなタイトルでも(失礼)、気軽に楽しめる事に加えて(ごく自然にクスッと笑える感じ)、何かを学び得られるような感覚と、心がぽっと温かくなる空気感もあって、そこに私は妙な新鮮味を感じられました。
とは書きつつも、ざっくりした表現になると、物語の内容の殆どが、外国のおとぎ話のパロディを盛り込みながらも、オリジナリティはちゃんとあるが、タイトル通りの、「アホな昔話」ということになってしまうのだが(笑)、さっそく各話を紹介していきましょう。
「おめざめですか、お姫さま」
城の中の窮屈な暮らしにうんざりした、お姫さまが他の暮らしに憧れる、『隣の芝生は青い』を、具現化したようなおとぎ話だが、そう思っていたのは、自分だけではなかったことを、皮肉な形で思い知ることになる。
「バカなんだか利口なんだか」
ロバを亡くして悲しみにくれる若者の、ピュア過ぎる天然の行動が、結果良い方向に導かれていったという、生きたいように生きていればなんとかなると、言われているような気もするが、割とデンジャラスな目にも遭っており、笑った顔のまま沈んでいった、水の精の台詞、「きこりはもっと上手によけたわよ」の真の意味が怖過ぎる。
「きみの助言」
ベタな駄洒落も決して不愉快ではなく、寧ろ、微笑ましい展開になるのが素晴らしく、本来、怖いはずの亡霊の姿が想像してみると、思わず可愛すぎて、逆に笑える中、これまた、ピュアで素敵な双子の妹姫の、アドバイスを素直に受けた上での、姉姫へのぶっちゃけ発言には、とても痛快で、すっきりさせられるものがあった。
「魔法のパンの実」
言いたい事を隠しておくのが、如何に難しく辛いことを痛感させられる話で、それに対して、『水清ければ魚棲まず』を引用しているのも頷ける、教訓もの。皆さんも溜め込みすぎるのは、身体にも心にも毒ですよ。気をつけましょう。
「ウミガメの平和」
几帳面すぎる王子もアホだが、その両親はそれ以上にアホで、ある意味、彼らの中でのみ描かれている平和な世界が、却ってやるせなく感じられるが、まあ別にいいかと思えて(笑)、寧ろ、ドライな対応で我が道を進む、家来の将来を応援したい気持ちにさせられた。
「呪われた王子たち」
ナルシスト過ぎる兄王子と、自信のなさ過ぎる弟王子の、双子の将来を嘆く余り、昔、双子は魔女に呪いをかけられたことにして(自らの子育ての問題はおいといて)、妄想の世界で楽しむ王と王妃のアホっぷりも面白いが、物語はとても凝った構成で、謎解きも楽しみながら、『人目をひどく気にするのは、人の中に自分の姿を見ようとしている』といった、劣等感についても考えさせてくれた。
「木霊の住む谷」
実は、これだけ異色の内容で・・アホと書いといて、こういう展開はずるいと思ってしまうが、物語は素晴らしく、『木霊がわかってくれるんだ。気持ちをいっしょになって言ってくれるから』の言葉は思っていた以上に、とても深いものを感じさせられたが、その一方で、『虐げられてきたものは虐げる者を見つける』といった言葉はやるせない。
しかし、それを慰めてくれるかのような、木霊たちの美しく温かい描写には、確かな未来への希望を感じさせられるとともに、本当のアホというのは、思い込みに縛られて、見えないものを見ようともしない輩の事を言うのだろうなとも、実感させられた。
Posted by ブクログ
アホやなぁ^^という面白さ。
こういうの大好き。
「バカなんだか利口なんだか」がお気に入り。
そして、「呪われた王子たち」のナルシスト王子が実に笑える。
コントかよってツッコミたい。
でも、どのお話にもちょっとピリッとスパイスが。
どんなふうに読むかは自分次第。
Posted by ブクログ
タイトルを一目見て、即、借り出し
おもしろかった~
私のお気に入りは
「バカなんだか利口なんだか」
そして、最後にほっこりさせる
「木霊の住む谷」
なんとなんと、著者の安東みきえさんは
甲府市出身
同郷ではありませんか!
次は何を読もうかなぁ~
Posted by ブクログ
他のも読んでみたいなーっと思っていたら目に入った。
うん、安東さん、お気に入り決定~~!
いやー好きだわ、この雰囲気。
ワンスアホなタイムって、なんなの、そのちょっと笑えるタイトル!
そしてむかしあるところに、と始まる、ありそうで、なかった、
どこかで読んだような、でも絶対初めて読むお姫様、王子様、おとぎの国のお話たち。
一番笑ったのはつりざおが折れたとこ。
「そこなのか」とゆー小人のおじいちゃんのつっこみがサイコーだった。
ちょっと前に読んだ、兵士のハーモニカ、だったかな?あれと
ちょっと空気感が似てる気がする。
口当たりはいいんだけど、甘いだけじゃないお菓子、みたいな。
私の中のツボを押しまくり。
いやー、いい作家さんにまた出会えて嬉しい~。
Posted by ブクログ
王様、王女様達のお伽話集。
おめざめですか、お姫さま
バカなんだか利口なんだか
きみの助言
魔法のパンの実
ウミガメの平和
呪われた王子たち
木霊の住む谷
の7話
最後の「木霊の住む谷」のみ王様も王女様も王子も出てこないちょっと悲しくなる寓話だけど、後のお話はニコリだったり、ニヤリだったりとできる。
頭のうちどころが悪かった熊の話よりひねりがあった。
Posted by ブクログ
シュールでクスッと笑いを誘う童話集です。
勧善懲罰のスタイルなので安心して読むことができます。
一番お気に入りは「きみの助言」。
会話がテンポよく楽しいです。
「木霊の住む谷 」はお話としてはいいのですが
アホな感じのものではないので、別の本に収録してくれたらなと思いました。
(人間の愚かさという意味では間違っていはいないのですが)
Posted by ブクログ
「頭のうちどころが悪かった熊の話」よりずっと良い~「おめざめですか,お姫さま」夜明け前に寝床を動かすと魂が別の肉体に移動することを知った退屈姫君が庶民の生活を体験すると,母親の女王の様子がおかしい:「バカなんだか利口なんだか」荷役の仕事がロバの死で断たれた若者は池で小人を釣り上げ,人参を貰ったのが気に入らず,泉に投げ入れると泉の精は金と銅と普通の人参を投げ返す。金の人参を手に入れたい仕立屋が金の人参と引き替えに若者にぴったりの服を着せて見違える程立派になった若者に恋をした姫君が城に連れて行くと,黒馬に乗る首なし騎士を倒す試練を王は課す。馬に人参を与えようとして取り出した胴の人参の輝きは騎士のバランスを崩させ,断崖に消え,残った黒馬に普通の人参を与えて仲のよくなった馬を連れ帰ることに成功した若者の荷役の仕事は大きな利をもたらした:「きみの助言」森の中で育った双子の妹姫は我が儘な姉姫に直言することを憶え,世継ぎの姉姫は皆から疎まれる:「ウミガメの平和」几帳面で我が儘な王子はウミガメのまん丸な卵が気に入って,それを食べると言い始め,ウミガメの産卵砂浜で夏休みの初日を過ごすと既に絵日記に記す:「呪われた王子たち」双子の兄王子は自惚れが強く,弟王子は同じ顔をしているのに何にも自信が持てす,17歳の誕生日の前日のパーティーに来た美しい少女が,誕生の際に悪い魔女が掛けた鏡の呪いを語る:「木霊の住む谷」母親と二人で村に暮らす少年は森の中で旅芸人の一座と知り合い仲良くなるが,魔物だと信じて疑わない村人との間に挟まれ,村側に立たざるを得ず,山に向かって「もう合わない」と大声を張り上げるが,木霊は「また会おう」「会いたい」と返すのだった~意地悪な気持ちをぐっと抑えて・・・という感じのお伽噺。気に入ったのは木霊の住む谷。タイトルを見て中身を思い出せなかった「バカなんだか・・」の粗筋が一番長くなった
Posted by ブクログ
誰でも知っている昔話風なストーリーに、そんなアホな。。という
ブラック、風刺、洒落を利かせたお話
面白かったです。
今の時代の子供たちも、昔話を喜ぶのを、半分不思議に思っていたけれど、
普遍的なエッセンスが入っているからなのでしょうね。
昔話を知っていると、もう少し大きくなってから、こういうお話も楽しめるのね。
昔話を沢山教えてあげたいなぁと思いました。
Posted by ブクログ
おとぎ話の形をとった短編集。心優しき人もいれば、愚かな者もいるわけで、楽しかったり苦かったり、いろんな味わいを楽しめました。個人的にはナルシスト王子が出てくる「呪われた王子たち」が一番好きでした。
Posted by ブクログ
ヨーロッパの昔話風の物語だけど、特定の物語のパロディというわけではない。ストーリーはオリジナル。
どれもそこそこ面白いし、ちょっとブラックな味わいもあるのだが、飛び抜けてすばらしいという作品もないような。
読みやすけど味わい深いから、普通の物語に飽きた本好きの子どもにはいいと思う。
ブラックはあくまでちょっとで、倉橋由美子みたいに凄くブラックというわけではないから安心して子どもに渡せる。
Posted by ブクログ
2014.7/27 題名借り。なんとなく聞いたことのある昔話がブラックジョークが効いて話がそれて...それなりにめでたしめでたし(;^_^)面白かったです♪
Posted by ブクログ
安東みきえさん3冊目。
『頭のうちどころが悪かった熊の話』『まるまれ アルマジロ!』よりも大人向けな感じ。
世間知らずな王女様や気弱な王子様、魔法を使う小人などなど、「ザ・おとぎ話」といった風情のパーツ達に、安東みきえ味の皮肉を利かせています。
サラッと読んでしまいましたが、時間を置いて再読するとまた面白いかも。
特に「木霊の住む谷」は、いつ読むかによって印象が違いそうです。
【収録作品】
おめざめですか、お姫さま
バカなんだか利口なんだか
きみの助言
魔法のパンの実
ウミガメの平和
呪われた王子たち
木霊の住む谷
Posted by ブクログ
タイトルが気になって借りた一冊。
昔々あるところに・・から始まる大人版おとぎ話。
子供向けの昔話では触れない部分をおもしろく書いてありました。
自分たちが甘やかして育てた兄弟のダメな所は呪いのせい、と正当化してみたり。
大人が読むと真意がわかる、ちょっとシュールなおとぎ話でさくっと読めました^^
「きみの助言」と「木霊の住む谷」がお気に入り。
Posted by ブクログ
タイトルを知っていたので手に取りました。どこか滑稽でちょっと困った昔話。軽快な文体でさらさら読めますが、深い言葉もあって思わず読み返したり。ウミガメの平和はバカすぎる王様一家に苦笑。私ならもっと早く国境を超えて逃げてる気がします。キミの助言も面白かったです。あぁ、キミね、なるほどね、と♪くすくす笑ったり、眉を潜めたり。子供向けの本なのでしょうけどとても楽しめました。
Posted by ブクログ
おとぎ話に飽きちゃった。そんな方に、ちょっとひねったおとぎ話はいかがですか? もれなく教訓付きです!
……という感じのおとぎ話パロディ(でもおとぎ話)短編集の一冊。「木霊の住む谷」は悲しさが残るが、おとぎ話の裏返しというか半返しか。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んでみた。
どれもこれも、読んだことがあるような気がする童話。でもちょっと違う(笑)
大人になって、とても久しぶりに絵本を読んだ気持ちになりました。
さらっと読めて、後味爽やか。
Posted by ブクログ
疲れてる時にぴったりのどうでも良い(笑)ストーリーの短篇集。英語ならonce upon a timeで始まる童話のパロディー。残酷さはほとんどないものの皮肉たっぷり(笑)
Posted by ブクログ
大人向けか児童書かちょっと迷う、姫や王子の童話集。
なんかみたことあるようなカケラがいっぱいの童話風だけど、安東みきえ節。
おいぃぃ!とか、えええええ!?とツッコミたくなることしきり。
ちょっと受け狙いすぎる部分もあれば、思いがけず吹き出してしまう部分もある。
たとえば「きみの予言」の女王の死因(馬からおちたところを鹿に蹴られてあっけなく)。こんなむごい死にかた見たことねえや!
最後の話だけ毛色が違う気がしたけれど、この話だって他のアホな話と同じくらい馬鹿げてるってことなのかな。
ひとつひとつがつながらない話たちだけど、全部まとめて一冊の本。
「おめざめですか、お姫さま」の冒頭、朝起きたお姫さまは今日も自分のままでがっかりする。
これなんだっけ。あ、「やきそばパン」(川本真琴)だ。
♪あたし目が覚めたら 今日もまた あたしだった♪
Posted by ブクログ
題名に期待しすぎました!
だから、超辛口ですが・・・
題名の秀逸さを考えると、内容がちょっと物足りない・・・
昔話をパロディ化していて、面白いのです。
面白いんですが、題名の印象が強すぎて・・・
Posted by ブクログ
「昔々あるところに・・・」から始まるタイトル通り「ワンスアホな・タイム」な短編集。
ちょっとシュールな童話で、でも「人間こんなことをしたら、こうなってしまう」とか、ちゃんと壷は押さえていて、大人も子供も楽しめる作品でした。
私が特に好きなお話は、一番最後の木霊が住む谷が短編なのにとても深いお話で、心にじーんとしちゃいました。
このお話だけはタイトルとは違う内容でしたのでちょっと驚きました。
Posted by ブクログ
これもジャケ借り。こっちはまぁ普通かな。王女様王子様の童話を皮肉ったようなお話。字も大きいし。最後だけなんで王子様じゃないんだ。もともと童話作家のようだけど。まぁそれなりに面白かった。