安東みきえのレビュー一覧

  • ワルイコいねが

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    シンプルな設定で転校生の人間性・謎の行動・最終的なテーマが一本筋として通っていて、雑味の少ないきれいな筋立ての話だなと思いました。逆にこの要素の少なさでよく1冊分埋まったもんだなと思うんだけど、読んでて薄いとかは全然感じなかった。何らかの技巧があるんでしょうね。

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    2025年03月26日
  • ワルイコいねが

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    空気を読まずに思ったことをそのまま言ってしまうアキトはたぶん発達障害なのだろうけど、周りの人たちが診断名ではなくて、彼女独自の特長としてそのことを捉えているのがよかった。

    アキトに戸惑いながらも友だちでいることをやめない美海の中にも、流されない強さがちゃんとある。

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    2025年03月17日
  • ワルイコいねが

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    嫌われないよう本心を隠して周りに合わせる美海。転校生のアキトはその言動からヤバいヤツと思われていましたが、思ったことを素直に言葉にしているだけだと美海は気づきます。
    老人の死に関心を持っているらしいアキトに、疑問を持ちつつも、理解しようとしていく美海のまっすぐなところがよかった。そしてその理由がわかったとき、涙が出ました。

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    2025年02月02日
  • ワルイコいねが

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    安東みきえさんによる児童文学。

    空気を読まない転校生のアキト、周りをよく見すぎて言葉のみこんでしまう主人公の美海。
    対照的な二人が距離を縮めていくまでのお話。

    美海は空気を読みすぎるところがあるが、だからといって流されやすいわけではなく、客観的に物事を捉える力がある。
    思ったこと、気になることをどんどん口に出してしまうアキトは、変わり者で性格が悪いとレッテルを貼られてしまうが、美海は反感を抱きながらも一方的な見方をせずに、理解しようと努力する。
    この年頃の子どもの友達関係の難しさがよく分かる。
    誰もが美海のようになれたらいいのだろうけれど…。

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    2024年12月13日
  • メンドリと赤いてぶくろ

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    絵や登場人物はかわいらしいが、言葉遊びが多く本当に楽しめるのはやや大きくなってから?
    大事なものは何かわかるような話。
    7分

    手袋、にわとり、冬、朝

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    2024年11月28日
  • 夕暮れのマグノリア

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    ネタバレ

    主人公のおばちゃんの、
    「あのね、人間っていい人と悪い人と分かれているわけじゃないの。いいところと悪いところとまだらになっているものなのよ」
    という台詞が印象的。
    ついつい嫌いな人のことはあの人絶対真っ黒に決まってる!って思ってしまうけど、多分いいとこもちゃんとあって悪いところが普段私にはたくさん見えてしまうだけなのかも。

    主人公の柔らかい視点でみる世界と感受性で、普段は感じることのできない大切なものを受け取れたと思う。

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    2024年11月09日
  • 夕暮れのマグノリア

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    この物語がとても好きだ。小学生の時は特にまわりに惑わされる。友達が突然、敵になったり、正しいと思う事を正しいと言えなかったり。灯子もそんな時もあった、でも、ちゃんと見極め自分を見つけた。不思議な物語、この世代の子供たちに読んで感じてほしい一冊。

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    2024年09月18日
  • 夜叉神川

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    5編からなる短編集は、どれもちょっと不可思議で、心がざわざわする少しの毒を含んでいる。
    子供時代ならではの残酷さを思い起こさせる一冊。

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    2024年06月25日
  • メンドリと赤いてぶくろ

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    右の手袋の利き手へのこだわり。若いメンドリのトサカへのこだわり。こだわらなくても良いものにこだわって世界をつまらなくしてることって多くあると思う。子供にも大人にも良い内容の絵本だと思う。

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    2023年07月15日
  • メンドリと赤いてぶくろ

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    利き手であることが自慢の右手の赤い手袋が強風で飛ばされ、大きな声で鳴きたいめんどりに出会い、ありのままのを受容して頑張ること、手袋の本来の役割に気づいていきます。

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    2023年05月05日
  • 満月の娘たち

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    ネタバレ

    母と娘の話
    掃除は物をどかすことで、片づけられたゴミは別のところへ形を変えてずっと存在し続ける
    この考え方がしっくりきました
    死別した人の家を片付けない繭さんの気持ちの描写が好きです

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    2023年04月02日
  • 満月の娘たち

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    子どもたちの友情を感じ、こういう時期って一瞬だったなぁと思い返す。
    一緒に冒険することの楽しさもこの時期だけの特別なものだったと。
    だけどこの物語は、母娘の関係性をゆっくりと確かめていくようなものであった。
    中学一年という微妙に面倒で中途半端な時期。
    反抗期真っ只中といっても過言ではない時期。
    親をウザいと感じ、親も子どもの気持ちがわからない。
    微妙な関係のまま、大人になり親に悪態をついたまま、親に死なれた繭さんの気持ち。
    その繭さんを奮い立たせるような美月ちゃんのママの怒鳴り声。
    きっとみんながそれぞれに何かを感じたであろう。
    わかってもわからなくても、何かを。

    親になってわかること、子ど

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    2023年01月19日
  • ワンス・アホな・タイム

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    安東みきえさんは、教科書のみに書かれている短篇が二作あるそうなのだが(「そこまでとべたら」と「星の花が降るころに」)、私の学生時代より、遥かに新しい年代だったので、知らなくて当然といえば当然。

    しかし、本書を読んだ後になると、それが読みたくてたまらなくなり・・要するに、こんなタイトルでも(失礼)、気軽に楽しめる事に加えて(ごく自然にクスッと笑える感じ)、何かを学び得られるような感覚と、心がぽっと温かくなる空気感もあって、そこに私は妙な新鮮味を感じられました。

    とは書きつつも、ざっくりした表現になると、物語の内容の殆どが、外国のおとぎ話のパロディを盛り込みながらも、オリジナリティはちゃんとあ

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    2022年11月25日
  • 満月の娘たち

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    母と娘。
    お互いがお互いのことを心配せずにはおれない、でも嫌いなところは絶対ありそうでそれを無視できない。お互い一人の人間だけど、母は母であるがゆえに、娘の嫌いなところを矯正したくなるのかな。娘はそれを、純粋な心配だけではないことを感じ取って、嫌悪感を覚えるのかな…。

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    2022年11月13日
  • メンドリと赤いてぶくろ

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    せんたくものが風に吹かれている。
    手ぶくろも右手と左手で風にあおられ、けんかしている。
    そのうち強い風で右の手ぶくろが飛ばされてしまう。

    庭では、ニワトリがなにやらケンカしていて…
    「りっぱなトサカのオンドリだけが鳴けるのです」
    落ちてきた手ぶくろをかぶったメンドリが、これでオンドリにみえる、鳴いてもいいと嬉しそう。
    だけど池に映るすがたは、大きくゆがんでいて、とてもおかしなかっこうに見えた。

    オンドリのマネをするのは滑稽だと気づく。

    それから手ぶくろは、持ち主のことを思い出す。
    そして、離ればなれになっていた片方の手ぶくろに持ち上げられた。

    片方だけで冒険した手ぶくろから見える大切な

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    2022年11月12日
  • 夜叉神川

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    これはホラー小説というのかな?
    人間の心には当然善と悪の部分があって、時々ふいに悪の部分が何かに引っ張られるようにして、見たくもない世界を垣間見てしまうことがある、という感じのお話だった。

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    2022年10月31日
  • 夕暮れのマグノリア

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    子どもと大人の境の
    ピリピリした思春期の感覚と
    軽いオカルトのような
    メルヘンのような
    その辺のブレンド感がとても良かった
    こども古本店ツナギ畑本店にて購入

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    2022年07月07日
  • 満月の娘たち

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    ネタバレ

    おもしろかった.内容がちょっと子ども向けだけど良い話だった、半日で読み終わった.親と子どもの関係、生まれる前の選択、考えさせられた
    志保と祥吉が恋愛に繋がるかなて、ならなかったね笑

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    2022年01月23日
  • 夜叉神川

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    ホラーを読みたがる子どもは多いが、子どもに勧められる内容とクオリティを兼ね備えたホラーはあまりない。
    しかし、これを読んでさすが安東さん!と思った。
    子どもの日常から離れず、それでいてゾッとするような人間の恐ろしさを垣間見せてくれる。

    「川釣り」「青い金魚鉢」「鬼ヶ守神社」が良かった。
    「青い金魚鉢」が一番好きだ。無神経ないじりに傷つけられて学校に行けなくなった少女が、因縁のある金魚鉢を手に入れる。出窓に置いた金魚鉢から、かつて自分も毎日通った通学路が見える。鬱屈した心理と、歪んだ青いガラスが彼女に力を与えてしまう。
    ちょっと「押し絵と旅する男」みたいな。

    表紙の絵がかわいいのが、ホラーに

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    2022年01月02日
  • 夜叉神川

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    夜叉神川の周りで起こる、不思議で少し怖い物語。「川釣り」は読んでてゾクっとした。本当に怖いのは神様でも魔物でもなくて、鬼が潜む人なのかもなぁ。

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    2021年08月20日