吉野源三郎のレビュー一覧
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間違いをしたとしても、そこから新しいものを得たり、改善してより良く出来る。自分を愚かだと認めること、自分が中心ではないことに気づくことの大切さを学んだ。
印象的5選
・頭の中に閉じ込めているものに意味はない、自分が正しいと思ったことは誤魔化さず行動に移す。
・水の味、赤の色などは自分で感じないとわからないように、絵や彫刻、音楽などの面白さも味わって初めて分かる。ただ、こういうものはそれを味わうだけの心の目や耳が備わってないと伝わらない。
・自分たちの目に大きく映っていた偉人や英雄も人類の歴史という大きな河の流れの中の水玉の一つにすぎない。
・良い心がけを持っていながら弱いばかりにその心がけを -
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主人公コペル君が感じたこと、気がついたことを歴史的な史実と紐付けて叔父さんが分かりやすく諭してくれる。
一章の人間は無数の分子なんだ、というコペル君の気づきが最初から最後までの教訓に共通していた気がする。
分子の一つとして為すべきこと、成し遂げられることを日常的にも人生的にも考えていく必要があると感じた。
正義感、倫理観がしっかりあって、育ちも良いコペル君が途中卑怯者になってしまう場面があったが、人間らしさを感じ少しホッとしてしまった。誤りに後悔を念を抱ける、ということが人間らしさでもあり、そこから正しい方向に行けるのも人間分子ならでは。
話の本質とは関係ないが、1937年当時の生活の上品 -
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■僕たちは“個”?それとも“全体の一部”?
“人間て、叔父さん、ほんとに分子だね。”
駅に吸い込まれていく人々、吐き出されてくる人々を近隣商業ビルから眺めていると、コペル君のそんな感覚とシンクロする。僕もその駅に吸い込まれる分子の一つだ。
もちろん人間は一人一人異なる存在としての“個”であるという見方が間違っているというわけではない。みんなちがって、みんないい(金子みすゞ )。ただ行き過ぎると、世界は自分を中心に回っている、そうでなければならないという考えに近づく危険をはらんでいると思う。
得てして物事は思いどおりには運ばない。“個”としての思いが強すぎると、こんなに頑 -
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ネタバレコペル君と呼ばれる一人の少年の、とりとめのない日々から、世界の捉え方、哲学的な思考、どのように生きていくか、といった抽象的な概念へと読者を導いてくれる本。帰納法的。解説の丸山真夫も言っているけれど、そこにこの本の凄さがあると私も思った。そして、私も「おじさん」のニュートンが万有引力を発見したときの思考の説明にははっとさせられた。とてもわかりやすかったし、思考の過程の在り方というものを、私もこんな風に学んでみたかったなと思った。
私は年齢としては大人だけど、精神的にはまだまだ大人になりきれていないし、立派な大人でもないと痛感した。生きていくための本質的なヒントがたくさん散りばめられていた。
特に -
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1937年昭和12年発刊の青少年への生き方の本。山本有三が編纂のもとでの日本少国民文庫の全16巻の第12巻。岩波書店の吉野源三郎が眼病でペンを持てなくなった山本有三に代わって書いた本。
どういう生き方をしろとは書いてない。社会に惑わされず、人間社会の一分子として個々人が主体性をもって考えて生きろと言うメッセージを銀座のデパートの屋上から外界を眺め雪の日の事件での友への裏切りに心悩むコペル君の悔恨を悔いを持ってこそ人間は善に向かって生きるのだと手を差し伸べている。
軍国主義、ファシズムが世の中の風潮の時良く個人の尊さを書き上げたかと思うと、山本有三、吉野源三郎の思想には敬服するばかりだ。 -
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コペル君。本名は本田潤一。中学二年生。十五歳。
大きな銀行の重役だったお父さんが二年前に亡くなって、都内の邸宅から郊外に引っ越してきました。
叔父さん。コペル君のお母さんの弟。大学を出てからまだ間もない法学士。
ときどき、コペル君のうちを訪ねてきます。
本書は、
・ 学校での出来事、友だちとのつきあい、デパートの屋上から通りを眺めていて気づいたこと。多感な時期を送るコペル君の物語。
・ その話を聴いて叔父がコペル君に語る「ノート」
の二面で構成されます。
僕は小学生の時、毎朝少しずつ担任の先生が読んでくれたのを聞いたのが最初です。
マンガ化の報に接し、
「漫画 君たちはどう生きるか」(マガ -
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人として立派な生き方とは何か、について考えさせられる作品であった。息子が大きくなったら読んで欲しい。
少年コペル君が学校であった出来事を深く振り返っているだけでなく、それを見てノートに残す叔父さんが良いメンターとなって、正しい道に向かっていく2人が美しく描かれていた。
個人的に
"世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない。人類の進歩と結びつかない英雄的精神も虚しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように虚しいことが多いのだ。君も、いまに、きっと思いあたることがあるだろう。"
とい一節がかなりずっしりと入ってきた。
優しさと強