吉野源三郎のレビュー一覧
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ネタバレコペル君と呼ばれる一人の少年の、とりとめのない日々から、世界の捉え方、哲学的な思考、どのように生きていくか、といった抽象的な概念へと読者を導いてくれる本。帰納法的。解説の丸山真夫も言っているけれど、そこにこの本の凄さがあると私も思った。そして、私も「おじさん」のニュートンが万有引力を発見したときの思考の説明にははっとさせられた。とてもわかりやすかったし、思考の過程の在り方というものを、私もこんな風に学んでみたかったなと思った。
私は年齢としては大人だけど、精神的にはまだまだ大人になりきれていないし、立派な大人でもないと痛感した。生きていくための本質的なヒントがたくさん散りばめられていた。
特に -
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1937年昭和12年発刊の青少年への生き方の本。山本有三が編纂のもとでの日本少国民文庫の全16巻の第12巻。岩波書店の吉野源三郎が眼病でペンを持てなくなった山本有三に代わって書いた本。
どういう生き方をしろとは書いてない。社会に惑わされず、人間社会の一分子として個々人が主体性をもって考えて生きろと言うメッセージを銀座のデパートの屋上から外界を眺め雪の日の事件での友への裏切りに心悩むコペル君の悔恨を悔いを持ってこそ人間は善に向かって生きるのだと手を差し伸べている。
軍国主義、ファシズムが世の中の風潮の時良く個人の尊さを書き上げたかと思うと、山本有三、吉野源三郎の思想には敬服するばかりだ。 -
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コペル君。本名は本田潤一。中学二年生。十五歳。
大きな銀行の重役だったお父さんが二年前に亡くなって、都内の邸宅から郊外に引っ越してきました。
叔父さん。コペル君のお母さんの弟。大学を出てからまだ間もない法学士。
ときどき、コペル君のうちを訪ねてきます。
本書は、
・ 学校での出来事、友だちとのつきあい、デパートの屋上から通りを眺めていて気づいたこと。多感な時期を送るコペル君の物語。
・ その話を聴いて叔父がコペル君に語る「ノート」
の二面で構成されます。
僕は小学生の時、毎朝少しずつ担任の先生が読んでくれたのを聞いたのが最初です。
マンガ化の報に接し、
「漫画 君たちはどう生きるか」(マガ -
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人として立派な生き方とは何か、について考えさせられる作品であった。息子が大きくなったら読んで欲しい。
少年コペル君が学校であった出来事を深く振り返っているだけでなく、それを見てノートに残す叔父さんが良いメンターとなって、正しい道に向かっていく2人が美しく描かれていた。
個人的に
"世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない。人類の進歩と結びつかない英雄的精神も虚しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように虚しいことが多いのだ。君も、いまに、きっと思いあたることがあるだろう。"
とい一節がかなりずっしりと入ってきた。
優しさと強 -
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本作に登場する天動説と地動説が特に印象に残っている。
昔の人々は、天動説(地球を中心に他の天体が回転している)と信じていた。
それは、昔の人々が自分中心に世の中が回っていると考えたことに因んでいたのかもしれないと。
でも、人類は生きていくうちに地動説(中心になっているのは地球ではなく、地球自体が太陽の周りを自転しながら公転していたこと)に気づく。
私はこのことについて、これまでは地動説を発見することができた人類の科学的進歩に感動していた。
でも、本作を読んでからは、人間がモノや考え方を自分中心ではなく、俯瞰して見ることができるようになったという人類の心理的成長のようなもののも反映しているので -
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ネタバレ貧富の差によって人間の優劣は決まらないと思うし、お金を持っていなくても尊敬するべき人間は山ほどいるのだと思う。人間同士本当に相手のことを思って愛し合うということは、見返りを求めない好意の積み重ねだと思う。私は概ね、叔父さんと似た価値観を持って生きてきた。
けれどこの歳になって、自分と全く正反対の価値観を持つ人と会い、やっぱり自分は未熟だったから、受け入れられなくて、自分から離れてしまって、そしてその日から今までずっと考え続けている。
正しさとは一体何なのか。貧乏なんかにはなりたくないと、自分はお金持ちになることに執着するなんて、馬鹿げた考えだと思った。自分よりできない人に手を差し伸べるので -
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ジブリ映画に取り上げられたことからこの小説を知った。ジブリ映画の元なのだから児童小説であることは容易に想像つくが、世間ではそのような扱いをしていないように感じてたし、なので、この本を手に取って改めて、児童小説なんだ!と驚きを覚えた。
でも大人にもメッセージ性があると感想を述べている方がいたので、どんな内容かと興味が湧いた。
感想は、児童向けとはいえ、経済論や哲学がこんなに散りばめられているなんて!!と感動した。
叔父さんが日記を通してコペル君に、コペル君の感じたことや体験をそれだけで終わらせずに、想像力を働かせて人としての成長に繋げなければいけないことを伝えていく。
叔父さんの年齢の2倍以上の -
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タイトルどおり、学生時代にこれから残された時間をどう生きるかということを問うた作品です。人間の悩みと過ちを自分自身がどう受け止めるかが大切なことを改めて感じました。たいてい、自分中心に物事を考え、自分の都合の良いように解釈しようとするから、言い訳が生まれます。言い訳から自分の中で認めようとしない方向へ自然と傾いていくのを、どれだけ止められて、それを認めていけるかというこ戸を若い世代に説いているものです。コペル君と同世代のときに読むこと、そしてコペル君のお母さん、おじさんの世代になったっときに読むことで、このタイトルの答えを少しでも答えられるようになるのではないかと思いました。
この作品を読ん -
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何年まえだろうか、映画「君たちはどう生きるか」が話題になった時、本書が漫画化された書籍が注目された。それを手に取ってみたはいいものの、当時の自分には全くと言っていいほど刺さらなかった。
そして今、本書を読み、心の底から感銘を受けた自分がいることに驚いている。
読み進めるほどに、今の自分のために書かれたものだと錯覚してしまうほどに、ものすごく素直に受け止めていた。
中でも印象的なのは、第五章におけるナポレオンの精神性と第七章におけるパスカルの引用。これは紛れもなく今の自分のために書かれたものだ。
「人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しい」