スージー鈴木のレビュー一覧
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青春と音楽…。
ヤクザにメンツが欠かせないように青春には音楽がないと始まらない。誰しもが1曲や2曲、イントロが流れた途端鼻の奥がツーンとする甘酸っぱい想い出があるはず。
本書は、著者自身の〈あの頃、あの場所〉に必ず側にあったラジオ。そこから流れてきた音楽。想い出綴りを〈周波数と西暦〉をリンクさせ、主人公をラジヲ君に託し、稲妻のように体を突き抜けた音楽をど真ん中に据えた自伝小説。
話は『#1 東大阪のアリス〈1978kHz〉』。
1977年 11歳にしてハガキ職人に憧れる5年生。お気に入りの番組は毎日放送『ヤングタウン』。日夜あの手この手を駆使しハガキを送る。才能は即開花。リスナー垂涎のヤン -
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歌謡曲評論家として著者が名を成す前の、勢いと思い入れのあるアーチストに捧げられた著作。アルバムカマクラまで解説。
デビュー期・怒涛期・AOR期(まー売れなかった。しかし今振り返ると名曲だらけ)・結婚期・モンスター期、私なりにカマクラまでを分類するとこんな感じだが、年ごとに区切っているので本のほうが冷静か。
とにかく情報量がぱないし、マイルスもエバンスもごっつぁんの中山康樹の本よりもリアタイの素直さが発揮されててアラフィフには特におすすめ。著者はボブクリアマウンテンがしょせんアジアの田舎バンドとバカにした綺麗を推してたが、私はステレオ太陽族と人気者で行こうの2作を推すAOR派です。 -
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物事を考察するには、ある一点に着目し、そこから一気通貫。水面下にあったものが見えてきたり、全貌が明らかになったりする。そう、本書は演繹法的考察でもって「80年代の誰しもが知るヒット曲のイントロに着目した評論本」。
評論と謳っているので、そこにはノスタルジーさもなければ、酒場でついつい語りたくなるクリス松村が開陳するようなトリビアもない。
著者は語る。ポップとラディカル、アナログとデジタル、進化と成熟。それぞれの配合比率が黄金律まで極まったのが80年代のヒット曲。その黄金律のエッセンスがぎゅうぎゅうに詰まったのが「イントロ」。所謂「ツカミ」。小説でいうところの書き出し。
漱石の『草枕』なん -
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新書のあとがきを読んで涙が出るなんて、あるんやろうか。
いやぁ、やられました。
デビューから二枚組アルバム『KAMAKURA』を経て活動休止に至るまでの初期サザンを一年ごとに分けて追う。
全曲批評してた中山康樹さんの『クワタを聴け』よりも当時の空気感や比較分析、当時の日本の状況・空気感、そしてサザンを愛する主観が上手くミックスされていて、非常に面白かった!
サザンのことあんまり知らなかったり、僕のように『KAMAKURA』をリアルタイムで聞いたこと無い世代(1986年です。)にこそオススメしたい。
いきなり売れ過ぎたからこそ過少評価されてしまう、その「初期の総括」をしていくと、NH -
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サザンオールスターズ読本。
私も高校~大学時代がサザンの全盛期だったから当時の熱気が凄く判る。
キワモノバンド扱いだったデビュー曲、同じ路線で来たセカンドシングル、そして困惑の極みに人々を陥れた名曲「愛しのエリー」。
確か当時、ザ・ベストテンで初登場から1位になるまで2ヶ月近くを要しハズ。こんな曲、作れるんだ、と思ったものだった。
ツイストがライバルと見做されていてザ・ベストテンに二組揃うと必ずバカ騒ぎ。アリスはテニスウェアで歌い、サザンは短パン一丁で歌う。
今思えばみんな恥ずかしい恰好で歌っていた。
「勝手にシンドバット」は名曲である、は大賛成。「メロディ」が名曲である、は筆者の思い入れ過ぎ -
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これは買ってしまいます。大ファンとしては気になってしまうんだな~。目にしてしまった以上、素通りできない。内容もなかなかで、あまり知らなかった事実とかも書かれていて、結構楽しめました。というか、興味深くて一気に読み通しちゃいました。KAMAKURAまでで10曲となると… 勝手にシンドバッド、思い過ごしも~、C調言葉~、いなせな~、栞のテーマ、ミスブランニューデイ、夕方HOLD~、東京シャッフル、マチルダBABY、海、番外で夕陽に別れを~、かな~。今の気分で、とりあえずだっと選んだらこんな感じ。ちなみに自分は楽器が出来ないんで、楽曲の良し悪しの判断は、専らボーカルラインの魅力に拠ります。あと、ここ
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小学時代、能動的に音楽を聴くようになったきっかけが、ブルーハーツのTRAIN-TRAINだった。当然思い入れもひとしおで、本書でも特に重点的に扱われている初期の3枚は、それこそテープが擦り切れるまで聴いた(実際、当時はカセットテープで聴いていたので)。その歌詞世界は、小学生には十全に理解できていなかったにせよ、『なんか凄いこと言ってるぞ』っていうインパクトは相当なものだった。だからって、自身が夕暮れたりはしなかった訳だけど、本書でも触れられているように、演奏者が強面じゃなく、優しいロックとして受け止めることが出来たのが良かった。いまだに、ふとした機会に聴き直したり歌ったりするんだけど、ほんとワ
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個人的サブスク利用元年ってこともあり、特に2010年代以降を扱った音楽本を求めている昨今。ジャニーズ系・~48を中心としたアイドル系・EXILE系でほとんどを占めていた(ように個人的には感じていた)ことと、プライベートで音楽を聴く時間が少なくなった影響で、いわゆるヒット曲的なものを圧倒的に聴かなくなっていたので、久しぶりにちょっと燃えている自分がいる。上記のアーティスト群に占められたチャートは、やっぱり不健康で貧しいし、自分が興味をなくしていたのも、ある程度むべなるかなと思える。そしてふと気が付けば、素晴らしく芳醇な音楽シーンが戻っていたことに快哉を叫びつつ、本書を手掛かりに、もっともっとを探
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スージー鈴木(1966年~)氏は、東大阪市生まれ、早大政経学部卒、博報堂に入社しマーケティング分野で活躍する傍ら、FM東京で「スージー鈴木」としてラジオに出演、『週刊ベースボール』で野球文化について連載、また、音楽評論家として多数の著書を刊行するなど、多方面で活動している。
本書は、日本ポップス界について、「その音楽家がいちばんすごかった時代」と「その時代の中でいちばんすごかった音楽家」という二つの軸を掛け合わせることによって、その通史を描いたもので、カバーする年代は1966~2023年、登場するアーティストは26人(組)である。
私は鈴木氏とほぼ同世代で、1970年代半ばから、風やチューリッ -
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■はじめに
今年でタイガースのファン歴は53年になる。これだけ長く贔屓を続けていると、〈あの時のあの選手は凄かった〉〈あのプレイは本当に痺れた〉─そう語り出そうとすれば、二つや三つは即座に浮かぶ。
たとえば、1973年の田淵幸一のホームラン。生ビール一杯で30分は軽く語れますな。ジャンボ鶴田の高く、美しく、破壊力のあるドロップキックを、滔々と語る知り合いもいる。
本書は、そんな“語りたくなる衝動”を、日本のポップスに向けて真正面から引き受けた一冊。
著者のスージー鈴木が、これまで浴び続けてきた日本のポップスを、通史として描き切ろうとした野心作。しかもです、既存の定説に対して、明確なアンチ -
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スージー節、炸裂。著者の本は様々読んできましたが、この本が一番がBS12の音楽トーク番組「ザ・カセットテープ・ミュージック」の雰囲気に近いと感じました。彼の語りは長年の聴き手としての洞察&愛情の深さと大阪弁のイントネーションで増幅される軽妙さと広告代理店出身者らしいケレン味のある論理展開が魅力なのですが、それがこの新書ではかなり再現されています。(文字での大阪弁はないですが…)たぶん、かつての著作のようにアーティスト毎やレーベール毎の深掘りではなくて「0000年の○○○○」という連続コラムっぽい構成がそうさせているのかもしれません。そういえば、番組でも「0000年の○○○○」プレゼンテーション