スージー鈴木のレビュー一覧

  • 沢田研二の音楽を聴く 1980―1985

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    いや、よくぞ書いてくださいました、スージーさん。
    長い沢田研二のキャリアにおいて、セールス的には「勝手にしやがれ」前後の年代より劣るものの、なるほど「創造しい時代」の彼の音楽を網羅。正直、私自身もこの頃の沢田研二が大好きで。(著者と年齢が近いことも相まってます)
    そもそも、時代を先んじ過ぎていたんですよ、この頃のジュリー。そして、類を見ないほど、かっこよかった。
    一気読みでした。
    最後の最後で、吉井和哉の名前も登場したのには声が出ちゃいました。笑
    できれば、アルバムジャケット&シングルジャケット、カラーで載せて欲しかったですが。

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    2025年05月30日
  • サザンオールスターズ 1978-1985(新潮新書)

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    文章の書き方から構成まで、作者の熱量が伝わってきて最高だった。

    内容としてはサザンの話はもちろんだが、
    はっぴいえんどやキャロルとの関係性や功績が知れたのは良かった。
    はっぴいえんどの神格化に対して、キャロルの評価の低さなど、この時代のリアルタイムもわからない自分にとってはとても興味深い考察だった。

    この作者の他の作品も見てみようと思う。

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    2025年05月07日
  • 幸福な退職―「その日」に向けた気持ちいい仕事術―(新潮新書)

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    スージー鈴木と言えば、サザンオールスターズの
    音楽や詩の評論が有名です。

    しかし今回はビジネス本です。しかも博報堂とい
    う忙しさでは指折りの業界に身を置いていた経験
    などを活かしての、ビジネスのノウハウ本です。

    この内容が楽しいのです。

    キャッチーなタイトルだけど言っていることは、
    過去のビジネス本と同じだな、と思わせるしょー
    もない数多の本と違い、非常に実践的であり面白
    いのです。

    しかも読者が若手であっても、中間管理職であっ
    ても、同じように楽しく読めて、役立ち「明日か
    らさっそく試してみよう」と思わせる小技が満載
    の一冊です。

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    2025年02月09日
  • EPICソニーとその時代

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    これまでも著者の音楽についての著作を楽しんできました。軽くて深くてマニアックでメジャーな語り口は相変わらず。だけど今回は今までとちょっと違った切り口です。「サザンオールスターズ 1978-1985」「中森明菜の音楽1982-1991」のように特定のアーティストに焦点を当てたもの、「カセットテープ少年時代 80年代歌謡曲解放区 (1)」「イントロの法則80's 沢田研二から大滝詠一まで」のように楽理に焦点と当てたもの、「恋するラジヲ」のように著者自らの個人史で音楽を語るもの、そのどれもが新鮮で、まさにマキタスポーツが言うように「音楽評論はスージー鈴木 以前以後で分けられると思う、マジで

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    2024年12月15日
  • 大人のブルーハーツ

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    ブルハーツを聴いて受けた感銘、感動が文章化されている。ことばにならなかったものが本にされたような感覚。

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    2024年11月24日
  • 弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる ~OSAKA MOTHER’S SON 1980 ~

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    同じ歌を聴いていたのに、このように子どもながらに、自分に引きつけて、聞き、思い、戸惑い、考えていたなんて、と驚愕する。いわゆる
    昭和と呼ばれて、戦争も差別も平和もなんもかも今よりひどくてむき出しで、今よりまともでまだましだった頃の文化史。東大阪の暮らし、イラスト・挿画も素晴らしく、昭和なんで言葉でてこないんだが、浜田省吾、ビートルズ、イーグルス、清志郎、YMO、ゴダイゴといろいろオリジナルに体験に紐付けられて、面白い。大阪のカルチャーの厚いそして熱いところでもあり、それぞれのクラスタや町全体の両方に根っこのようなものがある共同体で暮らせばこその記録と記憶。その場しのぎの団地育ちにはない物語と出

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    2024年08月13日
  • 恋するラジオ Turn on the radio

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    ほぼ同世代。まったく同じように生きててすごいな。大学がいっしょだったら(その可能性も濃厚にあった)物理的にも何度もすれちがっていたことだろう。

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    2024年05月11日
  • 中森明菜の音楽 1982-1991

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    なんでこんなにも明菜ちゃんが好きなのか?
    明菜ちゃんはアーバン音楽が多くて、わたしはそのアーバン音楽が好きだからなのかも。
    ただ明菜ちゃんが好きじゃなくて、こういうふうに分析するともっと好きが深くなっておもしろい。

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    2024年02月14日
  • EPICソニーとその時代

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    ど真ん中でした。自分にとっては、渡辺美里・大江千里・TM・遊佐未森・岡村ちゃん・松岡英明でした。GBという雑誌をよく読んでいました。レーベルは普段意識しないけれど、EPICとCBS、ポニーキャニオンは子供のころからなんとなく認識していました。スージーさん、またこういうのを書いてほしいです。

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    2024年01月28日
  • サザンオールスターズ 1978-1985(新潮新書)

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     サザンオールスターズは、嫌いではない。
     いや、高校時代を過ごした1985年までのサザンオールスターズは、サイコ―に好きだった。
     この時期、特に「NUDE MAN」収録までの楽曲には特に思い入れがある(大学サークル的なノリも含めて)。
     
     本書は(初期の)サザンオールスターズ論の最高峰だ。
     そういえば、サザンって国民的バンドだけど、ここまで評論されているものは少ないのね。
     

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    2024年01月21日
  • 幸福な退職―「その日」に向けた気持ちいい仕事術―(新潮新書)

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    ネタバレ

    音楽関連の著作を読んでいたし、カセットテープミュージックもみていて、音楽評論家として注目していました。仕事術について書かれた本作は、まさにMMKに尽きる。無駄なく無理なく機嫌良く仕事をする。ですよねーと言える力。参考になることが多かった。

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    2023年06月22日
  • 桑田佳祐論(新潮新書)

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    サザンや桑田佳祐の楽曲を歌詞の観点から分析した一冊。バラエティ番組にも積極的に出るメディア露出のイメージから大衆的、清濁の濁の文脈で語られがちな存在だが、それは完全に過小評価だと分かる。そういったタイアップ戦略もあって恐らく日本人なら(少なくとも受動的には)聴いたことのあるサザンの歌詞がこんなに深いものだったとは。でも本書が素敵なのはそういった考察をしながら「まぁでも難しいこと考えずに聴いてみなよ。気持ちいい名曲ばかりだよ?」というスタンスを採っていることだと思う。自分自身もソロ2枚目のベストアルバム『TOP OF THE POPS』のCDを学生時代に買って聴いてた頃の記憶が蘇ってきた。カラオ

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    2022年11月23日
  • 桑田佳祐論(新潮新書)

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    最近の巷のJ-POPの歌詞の世界観の狭さを揶揄
    する「過剰なJ-POP」というネットの書き込み
    があるそうです。

    「桜舞い散り過ぎ」「君と出会った奇跡過ぎ」
    「あの頃僕らは未熟過ぎ」など、手垢がついた
    表現を使いまくっている歌詞をバカにしたもの
    です。

    要は語彙が全く少ないのです。

    では日本一のポップスバンドのサザンオールス
    ターズを率いる桑田佳祐の歌詞はいかなる世界
    観を構築しているのか。

    サザンは楽曲が先行して語られることが多い為
    歌詞までは深く検証されることが少ないです。

    しかしこの本で語られる歌詞の深さを知ること
    によって桑田佳祐の凄さが再認識させられます。

    まるで俳句のよ

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    2022年07月29日
  • 桑田佳祐論(新潮新書)

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    とてもよく解説されていて、感動した。

    桑田佳祐は歌詞を言葉としてだけではなく、音として当て込む。そのため、方言や古語、造語などが入り、曲の中には全く意味を持たない言葉の羅列のものも数多く存在する。

    だけど、「そこの音にはその言葉以外は入らない」っていうような耳触りの歌詞ばかりで、なぜそれが耳触りよく聴こえるのかを本書で解説してくれている。

    例えば、『マンピーのG★スポット』の「芥川龍之介がスライを聴いて"お歌が上手"とほざいたと言う」の歌詞。意味は全くない。突然の芥川龍之介。だけど、ここはこの言葉がとってもしっくりくる。著者は「声に出して歌いたい日本語の最高峰」だと述

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    2022年07月07日
  • EPICソニーとその時代

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    80年代に環境のように聞いてきた音楽はEPICソニーの反骨精神が牽引してきたことをはじめて知った。
    最後の佐野元春さんのインタビューが特に秀逸。音楽家がさまざまな人、音楽との出会いに影響され、新しく素晴らしい音楽を生み出す過程が克明にわかる。
    そのような過程を文章に残せたのはスージーさんの佐野さんへの愛、音楽全体への愛の成果であり、佐野さんはその愛に答えている。
    音楽には作り手とともに、愛のある聴き手がいてこそ、進化するものだと思った。

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    2022年02月19日
  • EPICソニーとその時代

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    まず一読。そして取り上げられた楽曲たちをSpotifyの公式プレイリストで聴きながら「成る程!」と激しく首を縦に振り、膝を割れんばかり叩きながら読み込みましたとも。なにせ世代ど真ん中ですし。佐野元春のデビューに仰天し、大沢誉志幸のライヴに足を運び、岡村靖幸のファンクラブに入っていたりもする訳で、オレも。
    30曲の代表的楽曲レヴュー、沿革、そして小坂洋二、佐野元春両氏のインタビューは本書ならではの切り口で読み応えがっつり。知られざるエピソードに緩む頬。大満足。

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    2022年01月10日
  • いとしのベースボール・ミュージック 野球×音楽の素晴らしき世界

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    浅草キッドの水道橋博士主催の「メルマ旬報」を購読し始めた。
    多彩な分野から集った執筆陣。
    その中でも抜群の光を放つ著者の本を手に取ってみた。

    2001年から2018年までの週刊ベースボール誌の連載を抜粋。
    球界再編問題。
    東日本大震災。
    記録的猛暑の中の甲子園開催への是非。

    競技としての野球。
    娯楽としての野球。

    野球は選手のものであり、ファンのものだ。
    当たり前のことにこだわり続けた筆者の思いが、無数の音楽と共に綴られていく。

    随所にちりばめられた垂涎のコラムは必読。

    ○“高橋慶彦=佐野元春”論。
    80年代を連れてきた“ニューウェーブ”。
    疾走感と、カッコよさと、面倒くささと。

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    2021年12月31日
  • EPICソニーとその時代

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    EPICソニーが青春でした。渡辺美里が僕のアイドルでした。そんな人が他にも大勢いたのだとこの本を読んで思いました。最後に佐野さんのインタビューがありますが、佐野さんがソニーミュージックに戻ってくる(デイジーミュージックの販売を請け負う会社がユニバーサルからソニーに変わる)ことも最近ニュースになりました。わくわくしてきます。

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    2021年10月16日
  • 恋するラジオ Turn on the radio

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    青春と音楽…。
    ヤクザにメンツが欠かせないように青春には音楽がないと始まらない。誰しもが1曲や2曲、イントロが流れた途端鼻の奥がツーンとする甘酸っぱい想い出があるはず。

    本書は、著者自身の〈あの頃、あの場所〉に必ず側にあったラジオ。そこから流れてきた音楽。想い出綴りを〈周波数と西暦〉をリンクさせ、主人公をラジヲ君に託し、稲妻のように体を突き抜けた音楽をど真ん中に据えた自伝小説。

    話は『#1 東大阪のアリス〈1978kHz〉』。
    1977年 11歳にしてハガキ職人に憧れる5年生。お気に入りの番組は毎日放送『ヤングタウン』。日夜あの手この手を駆使しハガキを送る。才能は即開花。リスナー垂涎のヤン

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    2021年08月11日
  • サザンオールスターズ 1978-1985(新潮新書)

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    初期のサザンも、勢いがあってよかったですね。後に希望の轍や、Tsunamiのようなしっとりとした歌も歌えるようになっていて、当時からみると不思議な感じがします。

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    2021年05月04日