市川宏雄のレビュー一覧
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竹中さん、南條さん、そして伊藤穰一さんの対談形式で、都市の未来を考えるという企画。
実際に、アートのダボスを東京で開催しようという企画を実現してきた彼らが、どうやってイニシアチブを作ってきたか語ってくれる。残念ながら、現時点で大きなうねりにならないということは、非常に難しいということでもあっただろうが、日本の賢者が考える思考プロセスは非常に勉強になる。
まず、産業は、AIによって圧倒的に生産性が上がるだろうと予測する。その空いた時間が、多くできるはずだと。その上で、大事になるのはアート思考であり、クリエイティビティだと。時間持ち、こそがアートを生む。この循環を東京に作りたいというのが発起人たち -
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元々感情的に著者とは逆の意見だったこともあり、終始批判的に読んでいた。
もちろん、データを用いて論理的に説明されていて、確かに、と思わされる点は多かった。ちゃんと考慮に入れておくべき示唆に富んでいた。
一方で、「東京と地方でパイの取り合いをしている場合ではない」と主張しながらも、全体のパイを増やす方策には触れられていないところに物足りなさを感じた。「富を東京から地方に!」論者への反対意識が強いあまり「地方を盛り上げることが東京、ひいては日本の衰退につながる」と結論づけており、二項対立の域を出ていない印象(あくまで主観)。
そうじゃない気がする。地方は地方で自分で人・ビジネスを(理想的には) -
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1.これだけ地方を活性化させることを騒がれてる中で、なぜ逆の立場になったのか、また、地方に対してどのような認識を持ってるのかが気になったからです。
2.著者が重視しているのは「選択と集中」で、東京に経済機能を集中させることで効率化を図ることを目的としています。また、サプポジションとして、名古屋、大阪を発展させ、効率化を図る。そのうえで、余った富を地方へ分配すると述べています。
3.効率化という考え方には賛成です。ただ、行き過ぎた経済発展には賛成できません。理由は3つあります。
1つは、著しい都市化は犯罪率や自殺率といった人間の精神的な面で多くの弊害をもたらすからです。現に、人口が集中し過ぎ -
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ネタバレ視点は確かにあるだろうなと思った。
都市か地方かという二原論ではなく、日本が世界に勝っていかないと成長しないと。
が、そのために今後も東京集中を続ける必要があるというのはロジックがとんでいるかと。
東京は集積の経済をこえて人が集まりすぎ、地方は車社会とはいえ集積の経済が働かなさすぎでバランスがとれていない。
むしろ、地方への税の横流しを少なくし適切な競争の中で稼ぐ企業をつくる。それをもとに一定の雇用を創出しコンパクトな街を多くつくる。カリフォルニアのような実験都市ができても面白いと思う。
東京はそのぶん法人税を下げ、豊富なインフラを適切な人口でシェアすることで金融不動産等のグローバル企業 -
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都市政策が専門の著者が、品川の先にできる駅がもたらす再開発の重大なインパクトについて語ったもの。武蔵小杉や西日暮里など、東京周辺の駅の昨今の開業事情についても載っている。
この著者はそれなりの学歴を持って、今も大学院の要職についているような人なのに、何というか冷静さを感じさせない、興奮しぱなっしの論調に、少々閉口した。すごい経済効果があるから、絶対失敗しないように、こんなことやってこんなことやってあんなこともやればいいよね、さらにさらに…、というような感じだった。特に最後の「おわりに」では「未来予想・品川が国際都心になる日」というのがあって、あまりの勝手に想像の翼を広げ過ぎていて、失笑物だ -
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2013年9月に発表された、リニア新幹線の停車駅。
これまでリニアについての情報を積極的に集めていなかったので、「いつの間に・・」という印象を受けました。
この本は、前著『山手線に新駅ができる本当の理由』で、僕を”都市政策”という分野にいざなってくれた、第一人者による新作です。
まず、リニアモーターがどのような計画で進められてきたのかを紹介した後に、中間駅はどこになるのか(出版は2013年6月)、そしてリニアが開業するとどのようなことが起こるのか、さらにはリニアを起点とした日本の未来についての考察へと進んでいきます。
これまで"自治体負担"としてきた中間駅建設の費用をJR自