市川宏雄のレビュー一覧
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新宿には小学生の頃から何かと馴染みがあり、場所を思い浮かべながら興味深く読めました。
特に、西口の地上は歩行者にとって歩きにくくなっているという指摘には納得。
道理で、西口に行くときは、地下道を使いたくなる訳です。
南口に髙島屋ができてから、少し新宿の雰囲気が変わったような気がしていましたが、再開発としては、渋谷、丸の内、六本木などに遅れをとっていたという評価なのですね。
これから小田急百貨店(ここには中高生時代、だいぶお世話になりました。主に三省堂書店と玩具店)と京王百貨店の建替えがあるようなので、世界一の交通結節点である新宿の更なる発展に期待したいと思います。 -
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渋谷、大丸有、六本木、日本橋に並ぶ東京の都心エリア新宿のこれからの開発と、これまでの歴史、他拠点都市との比較。
他都市と違い、財閥などが一挙に所有をしていなかったことや、物流の拠点であり、東京都の浄水場が大きく面積を取っていたことからアイデンティティが薄かった。
また、浄水場から副都心として開発をされた際にも、ブランドよりも車社会の到来を見据えた自動車優先の開発をしたため、都市のアイデンティティを認識する歩行者のための開発がしにくい道路インフラとなってしまい、それが各デベロッパーの都市ブランディングから逆算する開発を妨げ、今もブランドが成立していない要因ではないだろうか。 -
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掲載されているデータに感動する一冊。文句なしに上期のトップ。
著者は東京と都市計画審議会を歴任する都市政策専門家。
金丸信をフィクサーとして構想された首都機能移転は、リニアの実現を経て東京・名古屋・大阪が高密度に連携する東海道スーパーメガロポリス(著者のつけた仮名)に結実していくとされる。
実際のリニアが停車する品川駅や大阪府駅の概要図面など見ると、2045年(名古屋までの開通は2027年)の日本を垣間見た思いがして鳥肌すらたつ。
在阪の自分としては、大阪市営地下鉄の民営化や天王寺再開発、北ヤード開業などに対する見方も、大阪と外とを結ぶネットワークを見てこそ評価できるのではないかと感じた -
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最初は、鉄道好きな人を対象にした本だと思ってました。
ところが話は経済の話になり、地方と都市の話になり、そして国際的な話へと発展していきました。
ちょっと拡大しすぎ?と感じる点があるのは否定しませんが、説得力があります。
山手線の駅が新しくできるというのは日経新聞をはじめ多くの新聞で紹介されました。
そして、品川エリアが変わっていくのだろうというのも想像できます。
しかし!!!!
ここまで様々な未来を予測した人がいたことに驚き!!
品川~田町にできる新駅が品川を変え、もしかしたら東京を変え、
東京が変わったら日本が変わる。
そして未来予測されたシュミレーションが書かれているんですが、これも -
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東京の再開発は、今も進行中だ。マスコミがコロナ禍の影響で人が東京から地方へ移る時代がやってきたと話題にしていたが、実態は違っていた。
珍しいことを取り上げるのがメディアだからなあ。
著者は都内のオフィス街の大規模プロジェクトのタイムテーブルを一つの物差しに使い、東京のこれからについて分析・検証している。そこから、「東京の「未来予想図」はを描くことは可能と述べている。
「東京都の人口(推計)」をもとにして2019〜2021年の東京都の人口総数を取り上げている。それを見ると転出超過になっているが、減ったのは2021年になってからだった。
その上、東京圏で10万人弱の -
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新宿と言うと、東京の再開発で置いてけぼりになっている印象があった。丸の内、日本橋、六本木、虎ノ門と渋谷に比べると街としても話題がなくなっていた。
しかし、新宿は再開発に向けて歩んでいた東京都、新宿区、JRなどの鉄道会社は「新宿グランドターミナル構想」を持っていた。
2020年7月に新宿駅東西自由通路が開通して行き来が便利になった。2022年からは小田急百貨店の解体が始まる。2029年には新宿駅西口に地上48階、高さ260mの超高層駅ビルが完成する予定だ。
まさに本のタイトルにあるように「新宿の逆襲」が始まる。
新宿が先に挙げた街と比べて再開発の動きが遅かっ -
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新宿のこれこらの開発について、歴史を織り交ぜながらこれからの新宿のグランドデザイン踏まえて書いてあった。
歴史の部分はなるほどと思うことが多く、断片的ながら知っていた内容が1本につながる感覚があった。特に、ちゃんと鉄道、JRと私鉄のことが整理されててよかった。勉強になりました。
結局なぜ新宿の開発が遅れたのか複数要因があるようだが、結局はティベがいないからが大きな要因?開発主体か不在でもその後の街を育てる担い手がいればもう少し良くなるのではと思った次第。結局新宿はリデザインされても、その担い手不在のまま新たな開発をするのではと思う。
そのあたり、京王や小田急がやるのかなと思うけど、そこまで -
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品川の開発がどんなインパクトを与えるのか、イメージしやすく、わかりやすくまとめられている。
特に、六本木ヒルズを初めとした都内の開発がどんな経済効果をもたらしたのか、具体的なデータがあって、説得力がある。
東京圏への人口集中を前向きに捉え、品川の開発を視点は共感できる。
だが、高層ビルが林立する開発を失敗というならば、もっと具体的な開発案と経済効果の比較検討を示すべきではないだろうか?
107ページのグラフを見る限り、汐留再開発や品川東口再開発は、それぞれ事業費を差し引いて6000億円の生産額を誘発しているのだから、いずれも大成功だと思う。
都市はあくまでも生産の場であって、建築家の自己表現 -
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2012年の年始に新聞各紙に掲載された、「山手線に新駅誕生」のニュース。
対象となる品川~田町間は毎日のように電車で通っている区間なので、「どのあたりに駅ができるのだろう」と興味を持っていました。
その新駅について、興味深い題名の新書が出版されていたことを知り、読んでみることにしました。
著者は、都市政策の専門家。
現在の日本のおかれている状況、および過去の都市政策の事例を踏まえると、山手線新駅は「爆発的なインパクト」を秘めた存在であり、その推進には「ニッポンの復活」がかかっているというのが、本書全体を通じての主張です。
ポイントは、東京という都市の持つパワーと、その東京の中で、空港と新幹線の -
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2020年、山手線品川駅と田町駅の間に山手線30番目の駅ができる。その土地は現在車両基地として使われている土地で、大規模再開発が新駅の整備とともに行われる。その新駅・再開発を軸に新たな品川周辺の都市計画、つまり、羽田空港(海外)、関西地域からのアクセスを生かした新たな東京の中心となる都市の展望が書かれた本。
私は、現在建築学を学んでいる院生であり、来年からは建設会社で勤務する。今の建設業界は何かと暗い話題が多いが、この本には新駅と開発という建設業界にとっても関わりのあるネタが、ポジティブに書かれており、何より心踊る気持ちとなる本であった。
願わくは、この本で描かれているプロジェクトが建設業界 -
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2020年、品川-田町間の車両基地跡地に、周辺再開発を伴った新駅開発構想が上がっている。
そのインパクトについて論じた本。
今回の再開発候補地がどれだけ稀少な土地なのかを、主に交通利便性(将来さらによくなるものも含む)、政策的支援の充実を軸に論じている。
常磐線等から東海道線の相互乗り入れを実現する東北縦貫線構想がある。
現状でも全東海道新幹線が停車し、将来的にはリニア新幹線の始発駅になる。
もちろん羽田空港へのアクセスは良く、バイパス線路の建設で成田空港とのアクセスも更に改善される。
政策的には、東京都が指定する「アジア・ヘッドクォーター特区」、内閣官房の「国際戦略総合特区」、都市再生本部 -
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東京都市圏の現状を踏まえた上で、世界各国の大都市の動向、東京都市圏の課題、今後のシナリオ、最良のシナリオに向かって実施すべき方策等を構想した本です。
東京都市圏は、世界最大3000万人を擁する巨大都市圏であり、経済的指標・研究開発指標等を中心に、世界の他都市を越える水準にあります。ただし、高齢化率の急激な上昇、生産年齢人口の減少、老朽化するインフラなど、大きな課題も抱えています。またアジアの大都市圏(上海・シンガポール・香港・ソウル)等の都市・インフラ戦略等を整理しています。
これらを踏まえた上で、4つのシナリオ(豪雨・長雨・曇天・晴天)に分けて方向性を検討しています。晴天にたどり着くため