市川宏雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2013年9月に発表された、リニア新幹線の停車駅。
これまでリニアについての情報を積極的に集めていなかったので、「いつの間に・・」という印象を受けました。
この本は、前著『山手線に新駅ができる本当の理由』で、僕を”都市政策”という分野にいざなってくれた、第一人者による新作です。
まず、リニアモーターがどのような計画で進められてきたのかを紹介した後に、中間駅はどこになるのか(出版は2013年6月)、そしてリニアが開業するとどのようなことが起こるのか、さらにはリニアを起点とした日本の未来についての考察へと進んでいきます。
これまで"自治体負担"としてきた中間駅建設の費用をJR自らが負担することなどを取り上げて、リニア開業をJRが急いでいるのは、「現行の新幹線の老朽化」だと説明しています。
そして、東京-名古屋間(2027年開業予定)が40分、東京-大阪間(2045年開業)が1時間で結ばれることにより、東京-名古屋-大阪が7,300万人という、ひとつの巨大都市圏となるとうことを、具体的なイメージを交えて説明しています。
メリットについて書かれた後半部分については、山手線新駅の著作である程度触れられていたので、イメージを持って読むことが出来ました。
そして僕が興味を持ったのは、このリニア建設の背景として、大深度を掘削するトンネル技術の発達が寄与しているということ。
長野県の山岳地帯を迂回しなければならなかったところを、技術の進歩で直線的に結ぶことが出来るようになったと、書かれています。
さらにはこのリニアのために、大深度地下使用法という法律を成立させて、40m以下の地下であれば公共事業を行って良いというルールになったとも書かれています。
日本の大動脈を担う、リニア新幹線。
その推進にはドル箱路線である新幹線の停止(改修工事)の影響を低減したいというJRのもくろみ、そして交通・建築技術の発達、さらには法律の整備といったさまざまな要素が関わっているのだなあと、本著を読んで理解しました。
子どもの頃「未来の乗り物」として紹介されていたリニアモーターカーが、現実となる。
その日を楽しみに待ちたい!そんな気持ちにさせてくれた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
いつもお世話になっている新幹線が「元祖!夢の超特急」ですが、私の年代にとっては子供の頃から時速500kmといわれるリニアモーターカーがそれに相当します。宮崎での実験から、山梨で実験を続けているのは知っていましたが、議論されていたルートも最新ルートに決定され、事業化計画が決まったようです。
品川ー名古屋間が先行営業で2027年から、最終的には大阪まで2045年に完成予定です。新幹線の時は国鉄だったので当り前ですが、今回も建設費用が莫大なので国の予算でやると思っていたら、JR東海がお金を出すのです。特に、名古屋までの通過駅(一県につき一駅)までもJR東日本が負担する(p26、71)ようです。
凡そ10兆円の事業費で莫大なお金ですが、完成すれば多くの人がその利便性を共有できるので、よいお金の使い方だと思います。
この本には、なぜリニアを建設するのかについて様々な角度から解説がなされています。リニアが完成することで、日本には世界でも類を見ない巨大都市群ができるようです。これも自動車ではなく鉄道を移動手段として都市を発展させてきた日本の強みなのでしょう。これからの日本に希望を与えてくれる本だと思いました。
特に面白かったのは、アクセシビリティ・マップ(p35)でした。1930,1964,2045年の比較で、日本国内を短時間で移動できるようすがよくわかる図でした。また、東京から大阪までの大中都市を合わせて、合計7300万人の都市圏が一つになる(p106)という図も良かったです。
以下は気になったポイントです。
・リニア中央新幹線が完成すれば、東京名古屋が 340→286、大阪までが 520→438Kmになることもあり、96→40分、145→67分と短縮される、リニアが通ることで東海道一帯の形が劇的に変わる(p14)
・2013年度中には山梨実験線の延伸工事が完成して、長さ42.8kmの実験線は開業後にそのまま本線に転用される、2014年度中には本格的な工事に着工する(p19)
・当初別々の計画が進められていた「リニアモーターカー(鉄道総研)」と整備新幹線としての「中央新幹線」が一本の計画に統合されたのは、1980年代の終わり(p20)
・JR東日本は民営化時に 5.5兆円あった負債を約25年で2.8兆円までに削減した、なので新たに5.4兆円背負っても経営的に問題ないとした(p23)
・土木技術の進歩により、当初は不可能だと思われていた南アルプスを20kmにわたってトンネルで貫通するルートも建設可能になった(p25)
・現在の新幹線のバックアップとなる路線を一刻も早く用意するためにも、リニア新幹線が必要(p29)
・東海道新幹線が一本通ったことで、企業は大阪から東京へと大移動をおこし、日本経済の中枢は完全に東京圏へシフトした(p32)
・超伝導とは、物体を極低温に冷却した時に電気抵抗がゼロになって永久に電流が流れる現象、リニア台車の兆円伝導磁石は液体ヘリウムにより超伝導となっている。ただしそれにより10cm浮き上がるのは 時速160km以上で、それまでは台車につけられたゴムタイヤで走行する、3つの原理として、推進・浮上・案内がある(p40)
・都営大江戸線もリニアモーターであるが、推進のみリニアモーター、浮上には車輪、案内にはレールを使用(p43)
・2000年には「大深度地下使用法」が設立し、地表から40m以深、または、建物支持基盤の最も深い部分に10mを加えた深さの「大深度」においては、地上の所有者の許可なく建設可能となった、これがリニアを後押しした(p51)
・2003.12には、3両編成の友人走行にて、時速581kmを達成し現時点(2013.5)での世界最高記録(p53)
・客室内の磁界の強さは基準値の 0.9%であり、ペースメーカの動作異常は発生していない(p55)
・東京ー名古屋の所要時間は中間駅が4駅あると、20分以上も増えて合計1.5倍かかる、減速・乗客乗降時間・加速時間が加算されるため(p67)
・東海道新幹線の最高速度が270に対して、山陽新幹線は時速300km(東北新幹線:320)なのは、軌道の構造(コンクリート製路盤のスラブ軌道)や線路設計(より直線)であるため(p173)
2013年11月3日作成 -
Posted by ブクログ
ネタバレアセスは環境影響評価方法書→準備書→評価書→報告書の4種類ある。
最近の法改正で、配慮書が付け加えられた。
2013年7月現在、方法書が開示され、準備書に移る途中。
線形は最大40‰、R8000
東海道新幹線は最大15‰、R2500
車両基地は相模原と中津川。中津川が総合車両所
乗り換えは3分ー9分、最大15分
新横浜はこだまが一時間に1本の駅だった。
地名が駅の名前にならって改名された
横浜市営地下鉄が通って一気に発展
ひかりが51本とまる
さらに横アリ、と日産スタジアムで加速
現在すべてののぞみが止まる
40年で駅が発展させた例
都市圏人口
東京3562 名古屋1134 大阪1989 3:1:2
経済が停滞している現在では、東京以外で開発プロジェクトを成功させるのは難しい
本では便益と生産額の変化(経済波及効果)を別個にしているが正しいのか?
羽田の発着枠が空く
品川ー田町間の再開発
中部国際空港が利用圏内
→品川周辺の価値が一気に向上(国際新都心) -
Posted by ブクログ
地方自治体が戦略?もつわけないじゃん。ってことは、未来に向けた何をまとめた本だろうか。きっと、未来計画がまとめてあるんだろう。そう思って、買ってみた。
「東京の未来」ということで、都市計画系の話も期待しましたが、その部分のページはあまり多くありませんでした。
前段で東京のスペック評価が高いことを、中盤では弱点・懸念を、そして終盤で「未来戦略=今後のシナリオ4種」を紹介。
4つのシナリオは楽観から悲観までのバリエーションでした。
もちろん、楽観シナリオに向けた取り組みを進めるべきですが、悲観シナリオが発言しないような手当ても必要なわけで、今後の都知事の采配が見ものですね。
とはいえ、アジア地域の今後の発展スピードを超えられるかどうか、基本的には難しい未来です。
20年前から考えていた国外脱出シナリオの見直しは、未だ不要と思いました。 -
Posted by ブクログ
山手線に新駅をつくる計画が進行しているようです、完成は私が50半ばを過ぎることになる2020年とのことですが、山手線内での新駅は西日暮里駅以来の50年ぶりだそうです。場所は、品川と田町(東京よりの隣駅)の間にできる予定で、現在の車両基地を活用するとのことです。
新幹線用の品川駅ができてから10年程度経過したと思いますが、私の勤務している事務所から近いこともあって、それ以来東京駅は使わなくなりました。更に2年前には羽田空港の国際ターミナルも新しくなり、品川近辺は益々栄えていきそうですね。
人口減少が続き経済が停滞する日本ですが、鉄道や空港を活用して、関東・名古屋・大阪が一体となって大きな都市圏ができることで、持続可能な日本が実現していくと良いですね。
以下は気になったポイントです。
・東京都が1986年までに策定した副都は、新宿・池袋・渋谷・上野&浅草・錦糸町&亀戸・大崎、臨海の7つであったが、2001年のセンターコアは、更に、秋葉原、汐留、品川が加わった(p21)
・横須賀線は、東京ー品川は地下、品川ー鶴見は貨物線、鶴見ー大船は新線を使って、東海道線とは全く異なった線路を運行した(p33)
・東海道新幹線に品川駅を作ったことで、JR東海・東日本に大きなメリットをもたらした、東京駅の乗り場混雑が緩和されて、東京駅での折り返しが楽になった(p41)
・鉄道会社の戦略として作られた駅に、2010.3に開業したJR横須賀線の武蔵小杉駅がある(p43)
・JR東日本が東京ー上野間に計画しているのは、現在の東北新幹線の上に東北縦貫線を高架で走らせるという2階建ての高架案(p57)
・山手線の混雑緩和のための東北縦貫線の開通→品川車両基地の事実上廃止→山手線等の線路移設→新駅建設→新駅拠点とした品川再開発、このようなアイディアが有機的に繋がって新駅が完成する(p61)
・リニア新幹線は、沿線の9都府県(東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、三重、奈良、大阪)にそれぞれ1駅ずつ設置(p71)
・東京都が特区に指定している5エリアは、東京都心臨海エリア、新宿駅、渋谷駅、品川・田町駅、羽田空港跡地である(p81)
・東京駅を復元するJR東日本は、空中権を事前に新丸ビルに譲渡して、復元費用:500億円をねん出した、手放した空間の容積(余剰容積率)を売ったことになった(p91)
・大丸有(大手町、丸の内、有楽町)は三菱地所が強い、陸軍省から払い受け、東京駅の八重洲から日本橋にかけては三越・三井不動産、港中心は、森ビルが強い(p93)
・江戸時代以降、江戸で最大のダウンタウンは浅草であった、1657年の明暦大火以降、吉原遊郭が日本橋人形町から浅草寺裏の日本堤に移転して、浅草は更に発展した(p112)
・東京という大都会が持つ多極構造は江戸時代から変わらない、山手線にそって、上野・池袋・新宿・渋谷・品川というターミナル駅が並んでいる(p116)
・4宿とは、幕府公認の遊郭である吉原に対して、幕府非公認の遊郭(岡場所)があった4つの宿屋のことで、品川宿(北品川ー青物横丁)、板橋宿(板橋本町)、千住(北千住)、内藤新宿(新宿三丁目)で主要街道の最初の宿場町(p118)
・東京はいくつものターミナル駅を持っているので、後背人口が3500万人という世界的に見ても大きい都市を形成できる、ニューヨークで2200万人(p118)
・民主党政権で評価できるのは、羽田空港を前原国交相が、2009.10に24時間ハブ空港化にした(p128
・都営浅草線の短絡線ができれば、成田と羽田を59分で結ぶことができる、東京を始点にすると成田まで57→37分、東京→羽田が25→22分で乗り換えなし、リニアができれば15分程度(p132,141)
・2010年の羽田空港の年間旅客数は、6407万人で世界5位、成田(3386:30位程度)より多い(p136)
・横田空域とは、アメリカ空軍横田基地が航空管制している空域、1都8県にまたがり、アメリカ空軍機がスクランブル発進できるように確保されていて、民間航空機の自由航行の妨げになっている(p138)
・2009年の都内総生産は85兆円で日本GDPの6分の1、NYや上海以上、世界ランニングで13位程度(p149)
・東京、地方、中央政府の関係は、人・税・交付金の関係で良好に保たれてきた(p157)
・都営浅草線の短絡線ができれば、成田と羽田を59分で結ぶことができる、東京を始点にすると成田まで57→37分、東京→羽田が25→22分で乗り換えなし、リニアができれば15分程度(p132,141)
・2010年の羽田空港の年間旅客数は、6407万人で世界5位、成田(3386:30位程度)より多い(p136)
・横田空域とは、アメリカ空軍横田基地が航空管制している空域、1都8県にまたがり、アメリカ空軍機がスクランブル発進できるように確保されていて、民間航空機の自由航行の妨げになっている(p138)
・2009年の都内総生産は85兆円で日本GDPの6分の1、NYや上海以上、世界ランニングで13位程度(p149)
・東京、地方、中央政府の関係は、人・税・交付金の関係で良好に保たれてきた(p157)
・首都圏の既成市街地における「工業等の制限に関する法律」が1959年に制定されたのは、都市部における過度な集中を制限するのが狙い、工場や大学が建設できなくなった、2002年に廃止(p167)
・東京の魅力は、1)オフィスの効率性、2)アクセスの正確性(地下鉄の年当り輸送人数は世界でも断トツ一位)、3)くらしの安全性(水・空気がきれい)、4)街の多様性(p175)
・山手線に新駅ができる本当の理由は、東北縦貫線を開通させたいという思い=東北本線と東海道本線を東京駅で直通させる、上野ー御徒町間の混雑緩和等(p184)
2013年1月13日作成 -
Posted by ブクログ
職場が近くにあった関係でよく利用していた泉岳寺駅。この駅は夜遅くなると運転間隔が異様に広がるため、電車を一本逃すと大変だったのだ。
次の電車を待つのももどかしく、夜の第一京浜をブツクサ言いながら品川駅まで歩いたことが何度もある。
しかしあのときまさか、都内では珍しいほど茫洋としたあの暗い空間に駅ができる計画が持ち上がるとは考えてもみなかった。
完成まではあと6年ほどかかるようだけれども、できた時のメリットは計り知れないようだ。泉岳寺でブツクサ言う者も減るんじゃないかと思うとワクワクせずにはいられない。
本書はタイムカプセルとして残しておいて、新駅ができた時にもう一度読んでみたいものである。そういう意味では二度楽しめる。 -
Posted by ブクログ
品川駅付近の操車場が、東北縦貫線をつくることによって、田端などに踊り子やホームライナーを移せることから、大規模開発の可能性がでてきた。
それに併せて、山手線に新駅をつくるとともに、JR東日本は一体の面的開発をしようとしている。
リニア新幹線とかいろいろな要素がまだ不確定だが、今の品川ビル群や汐留の開発の反省をもって事業に取り組んでほしいし、国も積極的に関与すべき。
(1)汐留などのように基盤部分だけを国や都が関与して、あとは切り売りにしてしまうと、結経、街のにぎわいとか集客力が生まれない。上物部分についても行政がなんらかのリスクをもって参画すべき。
(2)まず、国又は都が考える公共建築物と一体的に事業をすることを提案できないか。
(3)さらに基盤整備と上物を整備するSPCに対して国や都も出資して、一定の公的関与をしながら、上物の用途や配置、デザインを考えていく。そして、事業が成功すれば、その出資はむしろ利益をあげて帰ってくるようにして、国民の負担をかけないようにする。
(4)基盤整備や上物の建築、土地利用については、URなどの技術者と、施設の中のビジネス運営のための経営者が共同で参画する官民一体の運営企画会社方式でできないか。
とにかく、基盤だけ補助して、あとはJR東日本が高値で売却しておわりにならないように、国と都もきちっと開発にグリップをかける必要がある。